函館は古くから諸外国との貿易が行われていた港町です。西洋文化の影響を強く受け、街並みは異国情緒に溢れています。ノルウェーで生まれてオーストラリアで育ち、スノーボードを楽しむために北海道に移住、現在はフリーランスライターとして活動しているダンさんに、函館のお勧めスポットを伺いました。
メイン写真:写真提供「一般社団法人函館国際観光コンベンション協会」
1.特別な気分にさせてくれる夢のレストラン「函館ラッキーピエロ」
「函館ラッキーピエロは、函館市内を中心に展開するハンバーガーレストランです。各ショップには独自のテーマがあり、ひとつとして同じ店舗やディスプレイはありません。
私のお気に入りは、十字街の市電駅からすぐにある“十字街銀座店”です。ラッキーピエロの料理とハンバーガーはとても美味しく、5,000体もあるサンタクロースの形たちに囲まれて食事をする時間は夢のよう。一年中クリスマス気分に浸れるハッピーなお店です」
函館ラッキーピエロ 十字街銀座店のサンタのディスプレイは、「いつでもクリスマスのように、家族や恋人同士で過ごす時間を大切にしてほしい」との王一郎会長の思いが込められています。店内のサンタ関連グッズは、すべて王会長のコレクション。十字街銀座店ができる前から趣味で収集し、家じゅうがサンタであふれていたそうです。
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函館ラッキーピエロ 十字街銀座店
- 住所 〒040-0053 北海道函館市末広町8-11
- 電話 0138-23-2300
営業時間:10:00~21:00(土のみ22:00)
定休日:不定休
2.飲み歩きが楽しい函館の繁華街「本町地区」
「五稜郭公園近くの本町地区は、札幌のススキノの弟分と呼びたいほど、おすすめの繁華街です。小さなエリアに、リラックスした気分でお酒が飲めるバーや、カラオケ店などがひしめいています。ひとつのお店に腰を落ち着けるのもいいですが、個性的なお店が多いので、いろいろな店に立ち寄ってみるのもいいでしょう。思い思いにナイトライフを楽しんでください」
本町地区は函館を代表する繁華街です。電車通り沿いに新しいバーやスナックが密集していますが、メインストリートから一本裏手に入ると、雰囲気はガラリと変わります。薄暗い路地を古びた飲食店の灯りが照らす光景は、とても懐古的。まるで数十年前の本町にタイムスリップした気分になるでしょう。地酒とともに函館の夜を楽しんでみては。
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函館市本町地区
- 住所 〒040-0011 北海道函館市本町
3.活気あふれる函館の台所「函館朝市」
「本町エリアで素敵な夜を過ごした朝は、散歩とおいしい食事が必要になるかもしれません。そんな時はJR函館駅に近いの函館朝市が最適です。いくつかのエリアに分けられ、函館の味覚が味わえます。“函館朝市ひろば”には、おやつなどテイクアウトグルメが充実。
“駅二(えきに)市場”では、お土産、新鮮魚介、乾物などを販売しています。生簀で釣ったイカを前で刺身にしてくれる“元祖 活いか釣堀”も人気です。お腹が空いたら、隣の“どんぶり横丁市場”で、地元の新鮮な魚介類を楽しんでください」
函館朝市は、朝5:00頃(1~4月は6:00)から営業を開始しますが、お昼すぎまで営業している店舗も多いので、朝寝坊をして出かけても楽しめます。函館は「イカの街」として知られているほどイカが有名。すぐに鮮度が下がるデリケートな食材でもあるので新鮮なうちにぜひ味わってみて。「元祖 活いか釣り堀」で釣り上げたイカは内臓さえも美味しく食べることができます。
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函館朝市
- 住所 〒040-0063北海道函館市若松町9-19
電話番号:0138-22-7981(函館朝市協同組合連合会事務局)
営業時間:1月〜4月 6:00〜14:00過ぎ 5月〜12月 5:00〜14:00過ぎ(但し、店舗毎に異なります)
定休日:年中無休(但し、店舗毎に異なります)
4.異国情緒を色濃く残す「函館市西部地区」
「函館港と函館山に囲まれたエリアは“西部地区”と呼ばれ、国際貿易港として外国に門戸を開いた函館発祥の地として知られています。多くの外国人が函館を行き来し、中には居留する人もいました。函館山北西側の高台に設けられた外国人墓地には、この地で命を落とした人たちの魂が眠っています。また、西部地区には、明治末期から昭和初期にかけての洋風・和風・和洋折衷の建物が多く残されていて、ペリー提督が函館を訪れた時代に戻ることができます」
函館山や函館港、重要伝統的建造物群が保存されている西部地区は、函館屈指の観光スポットです。大まかに2つのエリアに分かれ、山麓の傾斜地に広がる元町地区は、函館ハリストス正教会復活聖堂、カトリック元町教会、旧函館区公会堂や元町公園など、外国文化の影響を受けた建造物が建ち並び、函館港沿いは、旧金森倉庫をはじめとした倉庫群や、和洋折衷の海産商の旧宅など、当時の港町のにぎわいを今に伝えています。
5.夕暮れから夜にかけてが美しい「函館山」からの展望
「海面にぽっかりと浮かぶ函館山は、函館のシンボルです。夜景が有名ですが、夕日を眺めながら手入れの行き届いたハイキングコースを歩くのが私のお気に入り。山頂までの距離は約3キロメートルで、所要時間は1時間ほど。日没の約90分前から歩き始めると、頂上に着く頃には美しい夕日を見ることができます。しばらくするとあたりが暗くなり、やがて星空のような夜景が現れます。いっぱい写真を撮り、帰りはロープウェイで一気に下山しましょう」
函館山の山頂に上るための公共交通機関として、ロープウェイとバスがあります。ロープウェイは、山麓駅から山頂駅まで3分で結び、遠ざかる街並みや近づいてくる函館山をガラス越しに眺み、バスは市街地から山頂まで乗り換えなしで行くことができます。森の中から突然視界が開けるなど、ロープウェイとは違った展望が楽しめます。
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函館山
- 住所 〒040-0000 北海道函館市函館山
電話番号:0138-23-3105(函館山ロープウェイ)
運行時間:17:00~21:00(上り最終20:50)
運休日:法定整備点検のため運休することがあります
料金:大人(中学生以上)往復1,500円 片道1,000円 小人往復700円 片道500円
6.函館の歴史を見つめてきた「大森浜海岸」
「住吉漁港から湯の川温泉、松倉川河口付近までの津軽海峡に面している“大森浜海岸”は、私にとってトップにランクするビーチです。都市の近くにありながらゴミが少なく美しい砂浜が続きます。かつては貧しい人たちが暮らしたり、大火から逃げた人たちが避難したりするなど、函館の歴史には大森浜海岸が関わってきました。 今は一年を通してよい波が来るので、冬でも津軽海峡の波を求めてサーファーが訪れています」
大森海岸は、日本を代表する詩人「石川啄木」が、函館在住時代に散歩し、歌に綴った場所です。海岸の啄木小公園には、石川啄木の座像と歌碑が建てられています。この海岸からぜひ函館の歴史を感じてみてください。
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大森浜海岸
- 住所 〒040-0034 北海道函館市大森町22
7.世界でも珍しい海と一体化した露天風呂「椴法華(とどほっけ)水無海浜温泉」
「“椴法華水無海浜温泉”は、世界でも珍しい海辺天然露天風呂です。太平洋と一体化しているので開放感は抜群。函館から車で約80分の距離にありますが、ドライブしていく価値があります。潮の満ち引きによって入浴可能時間が変わるので、入浴可能時間を確認して出かけてください」
椴法華(とどほっけ)水無海浜温泉は、恵山火山の熱源により海岸に温泉が湧き出したユニークな露天風呂です。男女別の脱衣室があり、入浴には水着の着用が必要です。潮位により入浴時間が変わるほか、天候状況や高波などの環境的な影響により、入浴できない場合がありますので行く前にチェックしてくださいね。
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椴法華水無海浜温泉
- 住所 〒041-0605 北海道函館市恵山岬
電話番号:0138-86-2111(函館市椴法華支所 産業建設課)
営業時間:いつでも ※潮の干満により変動します
定休日:無休 ※入浴可能時間要確認
料金:無料
8.温泉につかるサルがかわいらしい「函館熱帯植物園」
「湯川温泉街の近くにある“函館熱帯植物園”は、冬期間温泉に入るニホンザルが人気です。函館市熱帯植物園のサルは、函館の厳しい寒さをしのぐための手段として、温泉に浸かることを覚えたようです。この地域には素晴らしいレストランやレストランもたくさんあるので、視覚も味覚も楽しませてくれます」
函館熱帯植物園では、12月から5月のゴールデンウィークまで、温泉に入るサルの姿が見られます。また、園内には約300種3,000本の南国のめずらしい植物を展示。屋外に遊具やバッテリーカーもあり、小さい子どもでも楽しめること間違いありません。
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函館熱帯植物園
- 住所 〒042-0932 北海道函館市湯川町3丁目1番15号
- 電話 0138-57-7833
開園時間:4月~10月 9:30~18:00 11月~3月 9:30~16:30
休園日:12月29日~1月1日
入園料:一般300円 小学生・中学生100円
9.函館の歴史を今に伝える桜の名所「五稜郭公園」
「“五稜郭跡”は、国の特別史跡に指定されている城跡です。日本では珍しい星型城郭で、新政府軍と旧幕府軍との最後の戦闘となった箱館戦争(1868-69年)の舞台となりました。五稜郭とその周辺は“五稜郭公園”として整備されているほか、箱館奉行所が復元されており、函館の文化や歴史が感じられます」
五稜郭公園は桜の名所としても知られ、ソメイヨシノなど約1,600本が花を咲かせています。園内の中央に建つ「五稜郭タワー」からの展望は素晴らしく、函館山や津軽海峡、横津連峰の山並み、大地に広がる五稜郭が眺望できます。
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五稜郭公園
- 住所 〒040-0001 北海道函館市五稜郭町44番地
電話番号:0138-40-3605(函館市住宅都市施設公社)
開園時間:郭内(堀の内側)4月~10月 5:00~19:00 11月~3月 5:00~18:00
休園日:なし
10.津軽海峡を望む景勝地「立待岬(たちまきみさき)」
「函館山の南東端にある立待岬からは、津軽海峡の素晴らしいパノラマを眺めることができます。晴れた日には青森を望み、夏は地元の花々が綺麗に咲き誇ります。公園内に売店があり、バターと醤油を塗って串に刺したジャガイモを食べながら見る絶景は格別でした」
立待岬は、大森海岸から湯の川温泉街に通じる海岸線と、津軽海峡を一望できる景勝地です。広場の一角は「はまなす公園」として整備され、北海道の花であるハマナスがたくさん植えられ、夏にはよい香りを漂わせています。園内には「はまなす」という売店があり、「焼きじゃが」をはじめ、おでんやホタテなどを販売しています。
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立待岬
- 住所 〒040-0045 北海道函館市住吉町9−9
電話番号:0138-40-3605(函館市住宅都市施設公社)
開園期間:降雪・路面状況により通行できない場合があり、11月9日16時から3月末頃まで車両通行止め。徒歩のみとなります。
函館は一年を通して観光に最適な街です
函館港は、日本でも早く外国に開かれたことから、日本らしさの中に異国文化が漂う不思議な街です。名物のイカを始め美味しい魚介が水揚げされ、温泉に浸かることもできます。北海道の中では温暖な気候で、一年を通して観光に最適です。ダンさんのおすすめスポットを訪れてみてください。
Text by:Masakazu
※本記事の情報は2021年4月時点のものです。最新の情報は公式サイト等でご確認ください。
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