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外国人が「利用したい」と思う日本の自販機、その理由が国別で分かれて興味深い

外国人が「利用したい」と思う日本の自販機、その理由が国別で分かれて興味深い

更新日: 2020/08/17

訪日外国人の多くが驚くことの一つに「自動販売機」があります。日本では当たり前の光景ですが、駅や主要施設はもちろん、山の中にもある自動販売機。外国人の方々はどのように利用し、不便を感じているのでしょうか。

2020年1月にJR東日本ウォータービジネスが行った調査では、その実態が明らかとなりました。以下、調査結果のサマリーおよび3月19日に高輪ゲートウェイ駅前特設会場「Takanawa Gateway Fest(高輪ゲートウェイフェスト)」で実証実験が開始される「インバウンド向け多機能自販機」の概要を紹介します。

調査対象:訪日外国人の男女計600名(中国:200名 韓国:200名 アメリカ:200名)。2020年1月インターネット調査にて

目次
  1. 9割以上の訪日外国人が日本の自販機を利用したことがあり、満足度も9割以上
  2. 日本の自販機で「使用方法が難しい」と感じた人はアメリカからの旅行者が多い傾向に
  3. 中国は「決済方法」、韓国・アメリカは「飲料の種類」が分かりにくい傾向に
  4. アメリカからの旅行者の6割以上が「購入した商品がイメージと違った」と回答
  5. 中国は「支払い方法」と「操作方法」、アメリカは「支払い方法」を分かりやすくしてほしい、韓国は「限定の飲料」がほしいと回答
  6. 3月19日に実証実験を開始「インバウンド向け多機能自販機」とは

9割以上の訪日外国人が日本の自販機を利用したことがあり、満足度も9割以上

9割以上の訪日外国人が日本の自販機を利用したことがあり、満足度も9割以上

日本で自動販売機を利用した回数については、9割以上(93.7%)の人が1回以上購入したことがあると回答しました。さらに自販機の満足度については利用したことのある人のうち、9割以上(97.6%)の人が「満足している」と回答しました。

日本の自販機で「使用方法が難しい」と感じた人はアメリカからの旅行者が多い傾向に

日本の自販機で「使用方法が難しい」と感じた人はアメリカからの旅行者が多い傾向に

日本の自動販売機を利用した際、使用方法が難しいと感じた経験については、中韓米いずれの場合も「感じた」と回答した人が3割程度(中国:28.7%、韓国:25.1%、アメリカ:31.5%)。最も多かったのがアメリカからの旅行者でした。言語をはじめ、販売している飲料など共通する文化が少ないことが影響していると考えられます。

中国は「決済方法」、韓国・アメリカは「飲料の種類」が分かりにくい傾向に

中国は「決済方法」、韓国・アメリカは「飲料の種類」が分かりにくい傾向に

実際に日本の自動販売機のどの点が分かりにくいと感じているのでしょうか。中国からの旅行者は「決済方法」が分かりにくいと感じた人が4割程度(38.9%)と最も多い結果となりました。韓国・アメリカは1位が「飲み物の種類」(韓国:31.8%、アメリカ:31.0%)、「決済方法」は2位以下(韓国:27.3%・2位、アメリカ:13.8%・3位)の結果に。キャッシュレス化が進む中国だからこその課題があることが分かりました。

アメリカからの旅行者の6割以上が「購入した商品がイメージと違った」と回答

アメリカからの旅行者の6割以上が「購入した商品がイメージと違った」と回答

購入した商品がイメージと違った経験があるか聞いたところ、中国・韓国はおよそ4割(中国:41.0%、韓国:40.0%)が「ある」と回答。両者と比べるとアメリカは多く、6割以上が「ある」と回答しています。緑茶など、共通の文化が少ないことなどの影響があることが考えられます。

中国は「支払い方法」と「操作方法」、アメリカは「支払い方法」を分かりやすくしてほしい、韓国は「限定の飲料」がほしいと回答

中国は「支払い方法」と「操作方法」、アメリカは「支払い方法」を分かりやすくしてほしい、韓国は「限定の飲料」がほしいと回答

最後に、自動販売機を利用しなかった人にどのようなきっかけがあれば利用したいと考えるか聞いたところ、各国で異なる結果となりました。中国からの旅行者は「支払い方法」と「操作方法」が分かりやすければ、と回答した人最も多く(いずれも72.7%)、アメリカからの旅行者は「支払い方法」が分かりやすければ、と回答した人が最も多い結果となりました(85.7%)。

特徴的だったのが韓国からの旅行者で、最も多くの回答があったのは、「限定の商品が買えたら」という回答でした。希少性に価値を見出している点で特徴的なニーズがあることが分かります。

3月19日に実証実験を開始「インバウンド向け多機能自販機」とは

JR東日本ウォータービジネスでは上記調査結果や独自の実証実験結果などを踏まえ、「インバウンド向け多機能自販機」の実証実験を開始します。3月19日の高輪ゲートウェイ駅前特設会場「Takanawa Gateway Fest(高輪ゲートウェイフェスト)」を皮切りに、3月中旬以降~9月上旬まで、東京駅新宿駅、上野駅、秋葉原駅でも設置を予定しています。

「インバウンド向け多機能自販機」イメージ
「インバウンド向け多機能自販機」イメージ

「インバウンド向け多機能自販機」は、英語、中国語(繁体字/簡体字)、韓国語に対応し、AIシステム「AIさくらさん」を搭載。顔認識システムで判別する属性に合わせたおすすめ商品の案内や、天気予報、駅構内等の案内を多言語で行うというもの。

自販機正面に15インチのタッチパネルを搭載していて、タッチすると「AIさくらさん」のバーチャルアニメーションを表示。利用者のタッチパネル操作や口頭での質問に対して、属性・外気温・時間帯を考慮したさまざまな案内を行います。

※カメラにて取得した画像情報は個人に特定できないデータに即時変換し、個人を特定するデータは即時破棄され、保持しません。各画面は変更になる場合があります
※カメラにて取得した画像情報は個人に特定できないデータに即時変換し、個人を特定するデータは即時破棄され、保持しません。各画面は変更になる場合があります

今後、対象駅に2台ずつ全10台が設置され、順次実証実験が開始される予定です。

「Takanawa Gateway Fest(高輪ゲートウェイフェスト)」で設置予定の場所
「Takanawa Gateway Fest(高輪ゲートウェイフェスト)」で設置予定の場所

※3月4日追記:新型コロナウイルスの感染拡大防止で「Takanawa Gateway Fest」の開催が当面の間延期となったことから、 「インバウンド向け多機能自販機」の実証実験も開始を延期することになりました。実証実験を行う東京駅新宿駅、上野駅、秋葉原駅については、 2020年3月中に順次展開する予定です

※記事掲載時の情報です。
※価格やメニュー内容は変更になる場合があります。
※特記以外すべて税込み価格です。

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