皆さんにも、気分が落ち込んでいる時、つい足を運んでしまうパワースポット的なお店はありませんか?どんなに辛い気持ちを抱えていても、そこに行ってご飯を食べれば、心がフッと軽くなる、そんな店。
見た目が完全に外国人の、よしもと芸人・お笑いコンビ「マテンロウ」のアントニーさんも、密かに力の源にしているお店があるそうです。それは、目黒にあるステーキハウス『リベラ』!
国内だけでなく海外からも格闘界のツワモノたちがこぞって訪れる、まさに”肉食”の人たちのためのお店。目黒駅から少し離れた場所にありながら、平日でも常に満員で時には行列がれきることもある大人気のステーキハウスです。
今回はアントニーさんにとっても強い思い入れがあるステーキハウス『リベラ』で、美味しいステーキに舌鼓を打ちながら、彼の『ハーフでありながら英語は一切喋れない中身が完全な日本人』という半生について深く語っていただきました。
【苦い思い出1】英検5級に落ちた時、学級新聞の一面を飾ったくらいザワつかれた…
――率直にお聞きして、子ども時代のアントニーさんって、周りからどういう風に見られていたんですか?
アントニーさん(以下、アントニー):実は小学校の時はクラスが6年間1クラスしかないような学校だったせいか、当時の友達からは新鮮なリアクションは何もなくなっちゃってるんですよ。なので、いろいろ言われるようになったのは中学校に入ってからですね。
――中学校の入学式で、アントニーさんを見て「英語が喋れない人」だとは誰も思わなかったでしょうね……。
アントニー:そう、それなんですよ。英検5級を受けて落ちた時には、学級新聞の一面を飾ったくらいザワつかれましたね。それをきっかけに英会話教室に通うことにしたら、そこで外国人講師に間違えられて、教室入った途端に生徒たちに挨拶されたり……。
――しょっぱなから、とんでもないエピソードが飛び出してきた!(笑)
アントニー:その時点で、すでに身長が172、3cmありましたからね。小学校の高学年になったらランドセルが背負えなくなってキャリーバッグで登校してたくらい。当時、僕は日本にホームステイに来てるってウワサがあったんですが、そのせいじゃないかと思います。小学校で野球やってる時は、周囲の学校から「板橋の怪物」とウワサされてました。とにかく成長が早かったんで、スポーツ関連では活躍してたんですよ。
【苦い思い出2】大きな黒人という見た目だけでゴスペルの勧誘を受けた…
――スポーツに強いという面は、ハーフだからこその恵まれた体格ならではでしょうね。
アントニー:ただ、僕は音楽方面がどうしても苦手で……。イメージ的に歌が上手そうに見えるらしいんですけど、本当に音痴だったんです。なのに、小学生の時におばさん2人組から街のゴスペル教室に勧誘されたことがあるんですよ!あの頃はゴスペルなんて知らなかったので親に聞いたら映画の「天使にラブソングを」を見せてくれて、ようやく納得しました。
――板橋のウーピー・ゴールドバーグ(笑)音楽でも変に誤解されるんですね。
アントニー:洋楽を聞いてるとよく思われるんですが、僕が好きな歌手は小田和正ですからね!高校時代なんか、先輩からヒップホップに誘われて、フリースタイルバトルにも出てたんですよ。ただ、ディスされることが多すぎてすぐ負けちゃいました。
――エピソードがもう、数限りなくでてきますね!
アントニー:いや、まだまだ幾らでも出てきますよ(笑)
【苦い思い出3】ヤンキーに「即戦力だ!」と仲間入りを熱望される…
――その頃って多感な時代ですよね。いじめってありませんでした?
アントニー:いや、それが無かったんですよ。イジられることは多かったけど、いじめではなかったです。やっぱり、とにかく体が大きかったので、そういう流れにはならなかったんだと思います。
――からかわれる、というか。確かに、圧倒的な体格差のある相手をいじめる発想は起こりづらいかもしれませんね。
アントニー:その分、変なウワサはよく立てられましたよ。ヤンキーから「おまえのその身長で黒人だなんて、即戦力だ!」とか勧誘もされました。僕はケンカなんてしたことなかったんで断ったんですが「お前はいてくれれば十分だから!」って説得されて。
――その先輩、とんでもない逸材を発掘した気持ちだったんでしょうね(笑)
アントニー:でも、僕は父がプロボクサーだったのもあって、母親から「人に手を上げることだけはするな」と言われて育ったんですよ。殴ったら絶対僕が悪者になるからって。それを先輩に伝えたら「それなら、俺らの仲間であるってことだけを受け入れてくれ」って言われたんで、これから学校生活が上手くいくようになるなら……と了承したんです。
【苦い思い出4】ついには、マイクタイソンの隠し子説も浮上…
アントニー:結果的には、父がプロボクサーだった話だけが尾ひれがついて広まって、隣の中学校では僕がマイクタイソンの隠し子だって説が流れただけでしたけどね。そんなわけないだろ!
――(爆笑)板橋にマイクタイソンの隠し子が!でも、アントニーさんのご実家ってお寿司屋さんなんですよね?
アントニー:そうです。母の再婚相手が寿司屋で、完全な日本人なんですよ。そのせいか、実家の寿司屋の情報をインターネットで検索してたら味のレビューとかじゃなく「黒人の子どもがうろついている」って書かれてました。それ、俺じゃん!って。
――なかなかにややこしいですよね(笑)両親はどちらも日本人だけど、息子の見た目は外国人っていう。
アントニー:授業参観とか、プレッシャーでしたね。やっぱり周りの友達が、僕の親ってことで期待するんですよ。でも、来てみたら2人とも普通に日本人なんでみんな「あれ?」みたいな感じで。「親じゃないじゃん、絶対!」って言われてましたよ(笑)
【苦い思い出5】とにかくバイトの面接が受からない…。ハンバーガー屋が落とすのは違うでしょ!
――エピソードが何もかも面白くてしょうがない!(笑)でも、同時にいろいろ大変だっただろうなぁとも思います。アントニーさんは、今は芸人として表に立つ仕事をされていますが、改めて考えて芸人になってよかったと思えることってありますか?
アントニー:こうやってネタとして話せるようになってラクになった部分はありますね。中学・高校・バイト先でいちいち自己紹介と説明をしなきゃならないのがすごいストレスでしたから。それに、まずバイトが受からないんですよ。居酒屋もファミレスもぜんぜんダメで。バーガーキングも落ちましたからね。ハンバーガー屋が僕を落とすってセンスないと思いません?!
――うわぁ……バイトが受からないって死活問題ですよね。
アントニー:ただ、韓国料理屋のバイトに落ちた時は納得しましたけどね(笑)本格韓国料理って書いてあるのに僕が運んできたら、間違いなくニセモノみたいになるから!
――紆余曲折、いろいろな苦悩と戦ってきたアントニーさんですが、ステーキハウス『リベラ』との出会いも、そんなアルバイト時代だったそうですね。
アントニー:そうなんですよ!キャバクラで皿洗いのアルバイトをしていた時に出逢ったんです。店の人とお客さんが揉めてるところに顔を出すと「おい、ここすごい用心棒雇ってるぞ!」って、素直にお金払って去っていったりするようなバイト生活でしたね。そういう時はお小遣いで1万円もらえたりするので、翌日そのお金を使って『リベラ』で豪遊してたんです。
――なるほど、用心棒代を使って(笑)初めて『リベラ』のステーキを食べた時の感想は?
アントニー:『リベラ』で食べるまでは、実家も寿司屋だし刺身とか大好きだし、絶対に和食派だと思い込んでたんですよ。だけど、ここでステーキを食べてみて、「あ、俺アメリカ人だ!」ってアメリカ人の血が騒ぎましたね。
――すごい!なんか、すべてが繋がった感じがしますね!ちなみに、『リベラ』の中で、お気に入りのメニューは?
アントニー:「1ポンドステーキ」とライス2杯ですね。それと、特定保健用食品のお茶で完璧ですね。僕はサシが入った肉より、赤身ステーキが大好きなんですよ。自分の血を実感するメニューですね。
『リベラ』のステーキを、アントニーが実食!
――では、せっかくなのでアントニーさんお気に入りの「1ポンドステーキ」をどうぞお食べください。
アントニー:うわぁ~僕、今日このために何も食べないで来たんですよ!さっきまでずっと劇場でネタやってたんですけど、お弁当にも手をつけず!
――極上の赤身!ちょっとレアな焼き具合がナイスすぎますね!見ているこちらもヨダレが思わず……。
アントニー:これ、食べちゃっていいですか?いいですよね?!ガマンできないですよ、これを目の前にしたら!!
――どうですか?お味は……
アントニー:あぁ~……美味しい。僕が22~3歳のアルバイトをしてた時代に、本当によく来てたんですよ。人からもらった用心棒代で(笑)でも、今は自分のお金で来れるようになったことは嬉しいですよね。
――どういう時に『リベラ』に来るんですか?
アントニー:基本的には、自分へのご褒美ですね。あと、最近は一般の人からのちょっと、なめられた感じの雑な声掛けに疲れた時とか(笑)芸人になったらなったで、それなりにストレスはあるもんだなぁと思います。そういう時の鬱屈をステーキにぶつけてるんですよ。
――やはり『リベラ』は、アントニーさんにとってパワースポットなわけですね!
アントニー:明日も頑張ろうって気持ちになります。今、このステーキを食べながら改めて思ったんですけど、僕の人生ってRPG(ロールプレイングゲーム)に例えると、ベリーハードモードのような気がするんですよ。一回、普通の日本人として人生をクリアしてから、こういうルートもありなのかな?って道を一周目で進んでいるような。裏面みたいな気がしますね。
――でも、アントニーさんが今さら普通に日本人として生まれてきても、イージーすぎてつまんないかもしれませんよ?
アントニー:「刺激なさすぎる」ってなるかもしれないですね。今の姿で良いことがあるとすれば、インドカレー屋でラッシーがすぐサービスされることくらいなんですが(笑)それでも、みんな見た目でフレンドリーに接してくれる分だけ友達は多いし、それは良いのかな。まあそれでも、芸人になったことで得がトントンになったとは思いますよ!
――最後に、アントニーさんは『リベラ』の店長さんと2ショットをパシャリ。店長さん、これまでアントニーさんが来店していることに気づいていたそうですが、もくもくと一人で食べている姿に、声をかけられなかったそうですよ(笑)
アントニー:僕は僕で『リベラ』で食べている時に、周囲の人たちから「有名な格闘家だ」と勘違いされたことが思い出深いですね。これからも、元気をもらいに通わせてもらうんで、よろしくお願いします!
――ありがとうございました!
ステーキハウス リベラ 目黒店
住所 /153-0064 東京都目黒区下目黒6-17-20
電話番号/03-3793-9955
営業時間/17:00~24:00
定休日/毎週月曜、第3火曜定休
1979年生まれの熟女ライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像技術者・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーとして活動を始める。好きな食べ物はプリン体を含む食べもの全般。卵の黄身だけは世の中で唯一食べられない。
※価格やメニュー内容は変更になる場合があります。
※特記以外すべて税込み価格です。
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