HOME ファミマのスイーツは本場も認めるのか!?フランス出身の男性に食べ比べてもらったら…フランス講義が始まった
ファミマのスイーツは本場も認めるのか!?フランス出身の男性に食べ比べてもらったら…フランス講義が始まった

ファミマのスイーツは本場も認めるのか!?フランス出身の男性に食べ比べてもらったら…フランス講義が始まった

公開日: 2019/06/03

フランスといえば、スイーツの都。エクレアにカヌレ、マカロン、フィナンシェ、シュークリーム、クレープetc……。フランスの街では数多くのケーキ屋=パティスリーが軒を連ね、さまざまなスイーツがウインドウを彩っています。古来より和菓子という伝統的な菓子文化を持ち合わせた日本でも、もちろんフランスのスイーツは大人気。近年はケーキ屋だけに留まらず、コンビニエンスストアでも高いクオリティとアイデア満載のスイーツが続々登場。有名パティスリーに負けずとも劣らない味と評判になっています。

そこで、スイーツ好きのライターもちづきが、日本人に愛され続けるコンビニスイーツを、日本在住5年のイケメンフランス人に試食してもらい、その感想を聞いてみました。フランス人がガチでジャッジした、日本のコンビニスイーツの評価は!?

今回コンビニスイーツを試食してくれるのは、以前「パン食べ比べ」企画にも出演してくれたクウエンテインさん。

母国の誇るスイーツ文化は、日本のそれとはまるで違うと主張していました。

クウエンテイン「日本はスイーツにカスタードクリームや生クリームを使いすぎだよね。もともとフランスの伝統的なスイーツは、そんなにクリームを多用しないんだ。そのせいか日本のスイーツってあんまり口にしようとは思わないんだよね」

おおっと、早くも手厳しいコメントが!しかし一方で、最近のフランスのスイーツ事情の変化についても語ってくれました。

「最近、フランスが日本のスイーツ文化を取り入れ始めた感じがあるんだよね。抹茶や小豆なんかの素材だけでなく、日本人パティシエが作ったフランス風のスイーツも参考にしてるようだし。これも、フランス人が伝統の中にモダンを取り入れることに長けている証拠だと思うけど」

それってフランスでも日本のスイーツが人気になってきてるってことじゃないの!さりげなく母国を褒めつつも、日本スイーツの台頭は認めざるをえなかったようですね。しかし、ホッとしたのもつかの間。クウエンテインさんはさらに衝撃的なひとことを発しました。

クウエンテイン「でも、僕コンビニスイーツを買ったことなんてないんだけど」

前回のパンに続き、スイーツでも企画を根本から否定か!?早くも暗雲立ち込めていますが、とにもかくにもスタートさせることに。

コンビニスイーツ、いよいよ実食!

コンビニスイーツ、いよいよ実食!

今回はファミリーマートのオリジナル開発スイーツを用意しました!7種類のスイーツを食べ比べて、その感想を聞かせてもらいます。ファミマのコンビニスイーツの中から、彼が惹かれるものは見つかるのでしょうか。

1.濃厚焼きチーズタルト

濃厚焼きチーズタルト(税込158円)
濃厚焼きチーズタルト(税込158円)

3種類のクリームチーズと北海道十勝産のカマンベールチーズを使用した、濃厚でもっちりした味わいのタルトです。ネットやSNSでもよく話題にあがっている注目コンビニスイーツなのですが……。

クウエンテイン「日本のスイーツって、本当に見た目がキレイだよね。世界で一番といってもいいくらい。コンビニスイーツでもこんなにビジュアルがキレイなのはスゴイね」

おぉっ、第一印象はなかなかの高評価じゃないですか!では、味についてはどうでしょうか。

クウエンテイン「これは……チーズって感じじゃないなぁ。普通のクリームタルトじゃない?」

ショック!なんと、初戦から厳しめの評価に!

濃厚焼きチーズタルトは、クウエンテインさんの中のタルトのイメージとだいぶ違っていたようです。

クウエンテイン「フランスのタルトというと、乗っているのは新鮮なフルーツや軽めの素材がメインなんだよね。このタルトは小さいのにちょっと重めだよね」

クウエンテインさんにとっては、濃厚焼きチーズタルトが小さいわりにどっしり重厚な点も気になるポイントだった模様。しかし、値段に対しての出来栄えについては感心しきりでした。

クウエンテイン「タルト生地はしっかりしてるし、僕のイメージの中でのチーズとは違うけど味も確かに濃厚だし。まったくチープでないところには驚いたよ」

とりあえず、コンビニスイーツの基本のクオリティに関しては認めてもらえたようです!

2.バウムクーヘン

バウムクーヘン(税込154円)
バウムクーヘン(税込154円)

しっとりした食感でありながら、スッと溶けるような口当たりが魅力のバウムクーヘン。近年、専門店が登場したこともあり日本で一気に人気が上がったスイーツですが、フランス人にとってのバウムクーヘンの印象は!?

クウエンテイン「バウムクーヘン?」

なんと、クウエンテインさんはバウムクーヘンを知りませんでした。もちろん食べたこともありません!

クウエンテイン「これ、フランスのスイーツじゃないよね。名前からするとドイツあたりかな?」

調べてみたら、確かにバウムクーヘンはドイツ発祥のスイーツでした。日本人からすれば当たり前の存在だったのですが、これは驚きです。

クウエンテイン「これ、美味しいね!シンプルだけど、生地がしっとりしてて口の中でほどける感じがいい。初めて食べたけど、バウムクーヘンはけっこう好きかもしれない」

初めて食べるバウムクーヘンに表情がパット明るくなったクウエンテインさん。ただ、個人的にはさらにシンプルなバウムクーヘンを食べてみたいと言っていました。

クウエンテイン「僕としては、シュガーコーティングがない方がいい。ちょっとこれは砂糖を使いすぎだよ」

たぶん一般的には、そのシャリシャリ部分が一番美味しいところだと思うのですが……。

3.窯焼きプリンの四角いクレープ

窯焼きプリンの四角いクレープ(税込168円)
窯焼きプリンの四角いクレープ(税込168円)

もっちりとしたクレープ生地の中に、北海道産生クリーム配合のクリームとプリンを包み込んだハイブリッド・スイーツ!プリンをクレープに入れちゃうなんて、ビックリの発想ですよね。

クウエンテインさん、プリン自体があまり好きではないようで「プリンを包んだクレープ」という説明にちょっと苦笑い。

クウエンテイン「プリンが好きなのってイギリス人だけじゃない?フランスではそんなに食べないんだよね」

クウエンテインさん、その意見はちょっと偏りすぎてやしませんか!?日本人も大好きですよ、プリン……。

クウエンテイン「うん、でも間に入ったクリームが凄く美味しいね。クレープもモチモチしてていい感じ。プリンがちょっと硬めなのは珍しい……これはこれで美味しいけどね」

とにかく生クリームを絶賛していたクウエンテイン。冒頭で「日本人はスイーツにクリームばかり使う」と苦言を呈していましたが、そのクリームの味が意外とツボにはまったみたいです。もしや食べず嫌いだった!?さらに、プリンとクレープを組み合わせるという発想にも感心していました。

クウエンテイン「まさに日本らしいスイーツだよね。日本人ってよく新しい組み合わせでスイーツを作りたがるじゃない?ハイブリッド・スイーツとか多いし。フランス人には思いつかないものばかりで面白いよね」

クロワッサンたい焼き、ティラミスロールケーキなんてハイブリッド・スイーツも日本生まれですが、スイーツの味だけでなく、アイデアにも一票といったところでしょうか。

4.Wクリームエクレア

Wクリームエクレア(税込158円)
Wクリームエクレア(税込158円)

エクレア生地にたっぷりのチョコレートがコーティングされた、甘いもの好きにはたまらないスイーツ。クリームもたっぷりで、カスタードとホイップの2種使いとあって贅沢さ満点です。

クウエンテイン「日本人って『W』って言葉が好きだよね!このクリーム量はスゴイな!ちょっと食べづらいくらいだよ」

どうやらクウエンテインさんは、クリームの量の多さが『W』だと思っていた模様。違うの、それはクリームの種類のことなの……。

あまりのクリームの量に、口に入れるのをためらっていたクウエンテインさん。しかし、一口食べてみると、その表情は一転!

クウエンテイン「これ、いいじゃない!ホイップとカスタードを一緒に食べるなんて、あんまりフランスではないけど、なかなかだね!チョコレートとクリームの相性も抜群だな。ちょっと食べづらいこと以外は、文句ないね」

なんと「今までの中で一番好き」とかなりの高評価!本場フランスのエクレアとはまったく違うようですが、これはこれで美味しいとのこと。

クウエンテイン「フランスのエクレアは、チョコレートが全面に主張してる。上にチョコレートが乗っているだけではなく、中にもチョコレートクリームが入ってることが多いんだ。ホイップがたっぷり乗ったエクレアなんて食べたことなかったけど、すごく美味しい。新発見だよ!」

あれだけクリーム蔑視が激しかったクウエンテインさんが、クリームたっぷりスイーツを絶賛とは……。日本のコンビニスイーツ、本領発揮ですね!

5. 口どけなめらかカスタードシュー

口どけなめらかカスタードシュー(税込110円)
口どけなめらかカスタードシュー(税込110円)

かなりスタンダードなシュークリームです。口どけにこだわったシュー生地と北海道産生クリームを使ったカスタード。ほかのスイーツに比べるとシンプルな味が吉と出るか、凶と出るか!?

フランスでも食べられている、よく見知ったスイーツだけに、安心感があるのか笑顔のクウエンテインさん。

クウエンテイン「日本のシュークリームは本当に大きいね!もう少し小ぶりなサイズの方がフランスらしいんだけどな」

そういえば、本格的なパティスリーではたまに小さめサイズを見かけますけど、日本のシュークリームって大抵はこのサイズのような気がしますね。不思議。

クウエンテイン「うん。日本のカスタードクリームはやっぱり安定した味わいだね!」

言葉少なではありましたが、意外にもこの口どけなめらかカスタードシューが、クウエンテインさんの一番のお気に入りだった模様。シュークリーム瞬殺!あっという間に消えていました。口に出さずとも、行動が美味しさを物語っていましたね。

ちなみに、本場のフランスのシュークリームは、中に入っているクリームが日本とはぜんぜん違うものなのだとか。

クウエンテイン「フランスのシュークリームには、『クレームフレーシュ』っていうサワークリームのような少し酸味があるクリームが使われてるんだよ。日本でもフランス料理店ではたまに見かけるけど、スイーツに使われてるのは今のところ見たことがないね。でも、このシューにはカスタードクリームがぴったり合ってるから気にならないけど」

クウエンテインさん、やはり日本のクリームの味に懐柔され始めている……!?

6. クッキーシュー

クッキーシュー(税込158円)
クッキーシュー(税込158円)

さきほどのスタンダードなシュークリームとは違い、アーモンドクッキー生地をのせて焼いた上にシュガーコーティングされたスペシャリティなシュークリーム。カスタードクリームに「フランス産のモンレニオンヴァニラ」が使用されてるとのことなのですが……。

クウエンテイン「モンレニオンヴァニラって、何……?」

フランス人も知らないモンレニオンヴァニラ。実はフランス領のレユニオン島で育った最高級のヴァニラだそうで、香料を使用していないため自然のまま香る天然のヴァニラ原液なんだそうです。

ここで何故かスイッチの入るクウエンテインさん。

レユニオン島の”レ”は女性名詞の前につく接頭語なので、レ・ユニオン島と区切って呼ぶのが正しいのだという講義が始まりました。

クウエンテイン「日本のフランス語表記は誤りが多い!」

日本人はフランス語を多用するわりに、間違いだらけだとうご指摘でした。す、すいません……。

で、肝心のクッキーシューの評価なのですが……。

クウエンテイン「僕としては、普通のシュー生地の方が好きなんだよ。まあ、これは好みだろうね」

甘さは控えめの方が好きらしいクウエンテインさんは、砂糖たっぷりにコーティングされたクッキー生地があまりお気に召さなかった様子ですが、これは本当に好みとしか言いようがありません。

クウエンテイン「でもクリームの濃厚さはスゴイ!これがモンレニオンヴァニラの力なのかな?さっきのシューとはぜんぜん味も香りも違うよ」

そして件のクリームの違いはハッキリとわかったようです。モンレニオンヴァニラの香りが生み出す高級感はやはり別格。とはいえ、こちらのクリームの凄さは理解したものの、やはり普通のカスタードの方があっさりしてて好きだとのこと。好みって本当に人それぞれですね……。

7. クリームたい焼きカスタード

クリームたい焼きカスタード(税込140円
クリームたい焼きカスタード(税込140円

ラストを飾るのは、日本の伝統的スイーツでもあるたい焼き!もっちりとした生地の中身はたっぷりのカスタードクリームが入っています。

これは見るからに外国人からの支持が高そうなスイーツ。期待度満点と思っていたのですが……。

クウエンテイン「たい焼きかぁ……」

明らかにテンション低め!こ、これはいったいどういうことなんでしょうか!?

クウエンテイン「実は僕、あんまり和風スイーツは好きじゃないんだ。特にたい焼きは滅多なことでは食べないよ」

えっ、えっ、それは中身があんこじゃなくても!?カスタードでもダメなんですか!?

クウエンテイン「生地が好きじゃない。モチモチしすぎて顎が疲れる」

そ、それでも試食はしてもらいますからね!

クウエンテイン「もちろん味は美味しいよ!クリームもたっぷり入ってて、お得感があるし、生地の控えめな甘さも好き。でもね、食感がモチモチすぎるんだよ……」

実はクウエンテインさんと同じような感想を持つ外国人は意外と多いらしいです。ちなみに大福やお団子など餅を使ったスイーツはお好きだとのこと。いったい何が違うのか!?

クウエンテイン「餅は餅だからだよ。餅という別格の存在なんだ。餅の食感は好きだけど、モチモチした食感が好きなわけじゃないんだよ!」

なんとなく、外国人はみんな「日本のモチモチしたスイーツが好き」って思い込んでいたのですが、ちょっと解釈を間違えていたようです。

ただ、クウエンテインさんにここまで言わしめるほど、クリームたい焼きカスタードの生地は超モッチモチ!日本人サラリーマンやOLからは総じて絶賛されていました!

30代Cさん「ビックリするくらいモッチリしてて、食べごたえある!大好き!」
30代Mさん「モチモチ生地に幸せを感じました」
20代Wさん「このモチモチに癒されます。仕事の合間に必ず食べたいです」

結果的に、海外と日本のモチモチ系スイーツに対する意見の相違が如実に現れましたね。

クウエンテインさんが選んだNo.1スイーツは!?

クウエンテインさんが選んだNo.1スイーツは!?

最後に、クウエンテインさんに今日食べた中でNo.1だったスイーツを選んでもらいました。結果、もっともスタンダードなコンビニスイーツともいえる「口どけなめらかカスタードシュー」をチョイス!普遍的な美味しさが決めてとなったようです。

そして、コンビニスイーツをぞんぶんに味わったクウエンテインさんによる総評は……。

クウエンテイン「日本のスイーツの見た目の美しさは前々からスゴイと思ってた。コンビニスイーツでもこのクオリティを保てていることに驚きを感じたよ。そして好みの差はあれど、どのスイーツもパティスリーで買うものと遜色ないクオリティの味が保たれていたことにもビックリ。特にシンプルなものほど、美味しさが伝わってきたね。これからはついコンビニに行ったら手を伸ばしてしまいそうだ!」

日本のコンビニスイーツの実力はフランス人も舌を巻くほどだと判明。クウエンテインさん、コンビニスイーツの実力をぜひフランスにも広めてください!

Written by:
もちづき千代子
もちづき千代子

1979年生まれの熟女ライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像技術者・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーとして活動を始める。好きな食べ物はプリン体を含む食べもの全般。卵の黄身だけは世の中で唯一食べられない。

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