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日本の街を歩いていると、店の前にアライグマのような動物の置物が置かれていることに気づくはず。これらはアライグマではなく、日本原産のタヌキ。数々の伝承や昔話で独特な役回りを担ってきた、日本人には馴染み深い動物だ。今回は日本に伝わるさまざまな”タヌキ伝説”をご紹介しよう。
木の葉はタヌキの必須アイテム
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昔からタヌキは、人を騙す生き物として日本人に認識されてきた。日本の最古のおとぎ話の中でも、タヌキはとても邪悪な振る舞いをしている。タヌキの”特殊能力”の中で最も知られているのは、姿を変える力だ。特に、美しい女性に化けて、人間を騙した逸話は数多く残っている。そのほか小石をお金に、糞を食べ物に見せかけて人間を騙すのもタヌキの常套手段。ちなみにタヌキがこうした魔術を使うときに、木の葉を頭の上に乗せるといわれている。
伸縮自在で便利な陰嚢
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タヌキの魔術の源は陰嚢に宿ると考えられている。その陰嚢はどんな大きさにも引き伸ばすことができ、パラシュートや毛布のように用いられるという。上記は、川の氾濫から人々を救うために陰嚢を船にしているタヌキの図。店の前にタヌキを置くのは、この陰嚢のパワーが商売繁盛をもたらすといわれているからだ。
タヌキは陽気な酔っ払い
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やがて時を経て、タヌキは邪悪というより、悪意のないいたずらをする存在へと認識が変化していった。太鼓のように自分の腹を叩いて酒盛りをするという逸話はよく知られている。しかし、いかに楽しげな太鼓の音が聞こえたとしても、決して近づいてはいけない。昔からこの音に惑わされて、森で道に迷ってしまった旅人や猟師、僧侶はたくさんいるという。ともあれ、こうした陽気な動物というイメージから、日本中の店の前に酒徳利を抱えたタヌキの置物が置かれるようになったというわけだ。
福を呼ぶ菅笠
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藁で編んだ帽子(菅笠)をかぶっているのも、タヌキの置物の特徴の一つ。菅笠をかぶったタヌキの置物が作られるようになったのは18世紀頃のことで、雨の夜にタヌキが醸造所に忍び込み、酒を盗んだという伝説を歌った古い歌が由来となっている。このエピソードから、タヌキは悪天候や不運への備えの象徴としても見なされるようになった。もはや菅笠をかぶらされたことで、タヌキも木の葉を頭に乗せなくなったのかもしれない。
タヌキの現状
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現代ではなかなか化けタヌキにはお目にかかれなくなったものの、動物としてのタヌキはそこかしこで見かけることができる。日本の近代化によって森を追われたタヌキたちは、郊外、そして都市部へと住みかを変えていった。早朝や深夜には、人間の残り物やゴミ箱をあさるタヌキを見かけることもあるはず。くれぐれも化かされないようにご注意を!
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