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日本の鉄道開業150年。文化創造イベント「超駅博 上野」レポート

日本の鉄道開業150年。文化創造イベント「超駅博 上野」レポート

公開日: 2022/12/27

日本の鉄道が開業150年になることを記念し、2022年10月14日(金)~ 30日(日) 、JR上野駅で地域の文化と未来を体感できる文化創造イベント「超駅博 上野」を開催。AR(Augmented Reality) 技術を駆使した車両展示、ラーメン自動調理販売機など、ユニークな催しが披露されました。LIVE JAPAN編集部が体験した様子をレポートします。

「空飛ぶ鉄道車両」が上野駅に現れる!

「空飛ぶ鉄道車両」が上野駅に現れる!

まず訪れたのは、15、16番線ホーム前の特設コーナー「文化・歴史とつながるゾーン ~タイムトリップ150 年~」。ここでは、上野と上越、北陸を長年つないだEF64形電気機関車、新潟エリアで活躍した115系電車の鉄道車両が展示されていました。東北や信越地方への特急列車が多く発着することから「東北・信越の玄関口」と呼ばれた上野駅にちなんで、これらの車種が選ばれたとのことです。

特筆すべきは、通常の車両展示ではなく、AR技術を駆使した展示であること。スマホの専用アプリを立ち上げてかざせば、何もないレールの上に鉄道車両が出現!

ホームから車両に近づくと、115系電車内部が見られる仕組みに。使いこまれた座席、少しくすんだ壁などは、本物の車両をさまざまな方向から撮影し、大量の写真を合成して 3DCG を生成する「フォトグラメトリ」技術によって忠実に再現したそうです。

さらにアプリには、AR車両が空を飛ぶように上昇させる仕掛けも。通常は見られない車両下部を見られるほか、車両を持ち上げている写真も撮影可能。ユニークな写真を何枚も撮影できました。

「子ども連れでも喜びそうな企画ですね。AR車両をよく見ると車両の傷ひとつひとつまで再現されていて、リアルなのがまた面白いです」(アメリカ人編集者)

「台湾人は写真映えする撮影が好きなので、たくさん写真を撮りたくなります!普通の列車を撮影するよりもいろんなポーズができるのが楽しい」(台湾人編集者)

日本の技術力を感じさせる展示に、外国人編集者も大興奮です。

東日本の注目エリア、新潟と佐渡地域の魅力を五感で体験

東日本の注目エリア、新潟と佐渡地域の魅力を五感で体験

上野駅中央改札外グランドコンコースの「地方・暮らしとつながるゾーン」では、期間を前半と後半に分け、新潟と佐渡地域の魅力を発信していました。

前半の目玉は、伝統芸能「鬼太鼓(おんでこ)」の実演。鬼太鼓は佐渡地域の伝統芸能で、五穀豊穣や大漁を祈願して行われるそう。激しいリズムの太鼓の音に合わせ、鬼が飛び跳ね舞う姿は迫力満点。初めて見る鬼太鼓のパフォーマンスに、編集部一同、圧倒されるばかりでした。

「外国人が旅行中にローカル文化を体験できる機会は限られているので、都心の駅で観られるのはありがたい経験です。踊りは日本の文化とも関係性が深いので、興味深いです」(アメリカ人編集者)

「太鼓の音と踊りは迫力があり、見入ってしまいます。日本の文化をよく知らなくても興味がある外国人は多いので、こういったイベントは人気がありそう」(台湾人編集者)

「異文化を駅で体験できるのは面白い試みです。韓国でも太鼓に合わせた踊りがありますが、鬼のお面をつけた踊りはないはずなので、珍しい気持ちで観賞しました。時間があっという間だったので、もっと長く観たかった!」(韓国人編集者)

期間中には、民謡「佐渡おけさ・相川音頭・両津甚句」の実演や、実際に現地で酒造りを経験した学生によるプロジェクト『20歳が仕込む佐渡学校蔵の酒(尾畑酒造)』 の発表会も行われました。

「地方・暮らしとつながるゾーン」では、55インチの3面特大パネルによる新潟・佐渡地域の紹介も。パネルの目の前に立つと、美しい新潟の風景とともに、指向性スピーカーと専用ディフューザーで新潟の音と香りが再現されました。リアルな音質のスピーカーから流れる海や森の音色、さわやかな自然の香りによって、実際に現地へ訪れているような気分に浸れます。

「森林の香りが私にとってリラックス効果抜群で、お部屋にこの香りがほしいと思ったくらい癒やされます」(ニュージーランド人編集者)

「目の前に大画面で映像が広がるうえに、香りが新たな刺激になるので、新潟の世界に入り込んでいるような気分になりますね」(台湾人編集者)

「スピーカーのおかげで、森林に囲まれているような感覚になりました。優しい自然の香りは、ヒノキのような、お米のような……この香りの正体を確かめに行きたいです」(韓国人編集者)

10月29日には、等身大アバター・小石川 彩による新潟案内が敢行されました。お酒がコンセプトの列車「越乃Shu*Kura」か、発酵食品が有名な長岡の街歩きのどちらか好きな方の案内を受けられます。

体験をしている間、時々アバターから「どちらからいらしたのですか?」といった声かけがあり、会話をしながら新潟の知識が深まります。

「出身国を伝えると反応してもらえて、ひとつひとつのリアクションが楽しかった!新潟の景色もきれいだし、気づいたらあっという間に時間が経っていました」(ニュージーランド人編集者)

「観光列車は外国人観光客にも人気が高いので、その魅力を教えてもらえるのはいい機会でした」(台湾人編集者)

新潟の産直市で、米どころの日本酒や食品を満喫

新潟の産直市で、米どころの日本酒や食品を満喫

後半となる10月25日~30日には、「五感体験型 新潟産直市」と題し、新潟と佐渡地域の特産品が販売されました。

お米、漬物、新潟名物の「へぎそば」や米菓の「柿の種」など、総計400種ほどのを特産品が購入でき、大勢の人だかりができていました。ここでも“五感体験”の一環で、ディフューザーからは新潟銘菓のお煎餅の香りが。しょうゆとお米の香ばしさを感じながらブースを回ると、自然とお買い物欲が刺激されます。

中でも盛り上がりを見せていたのは、日本酒ブース。新潟で作られたおよそ数十種類の日本酒を試飲できるうえ、販売員の方からおすすめを紹介いただけます。新潟は米どころで水がきれいなので、新潟のお酒は雑味と独特の臭みがないのが特徴とのこと。日本酒ビギナーの方の口にも合いやすいお酒が揃っていました。

「新潟はお米のイメージが強くてその他の特産品を知らなかったから、どんなものがあるか見て歩くだけでも楽しいですね。特に私は、笹の葉に包まれた『笹だんご』が気になりました。ビジュアルのインパクトが大きいし、味が気になります!」(ニュージーランド人編集者)

「新潟はやはり、お米と日本酒のイメージが強いです。台湾人は日本のお酒が大好きで、お土産で買う人も多いので、これだけの種類のお酒を東京で買えるのは嬉しいです」(台湾人編集者)

わずか90秒で熱々ラーメンが完成!「拉麺STAND」が披露

「超駅博 上野」では、日本を代表するグルメ、ラーメンの自動調理販売機「拉麺STAND」もお披露目されました。場所は新幹線改札内コンコース地下3階。2台の拉麺STANDが設置され、日本各地のラーメンをいただけます。第一弾のラインナップは、新潟燕三条エリアの背脂ラーメンほか、東京、札幌、福岡のご当地ラーメンとのことです。

タッチパネルから気になるラーメンを選べば調理スタート。今回、編集部は背脂ラーメンを選びます。

調理を待っていると、あたりにスープのいい匂いが立ち込めてきました。90秒ほどでラーメンが完成!できたての容器は熱いので気をつけて。

背脂ラーメンの特徴は、たっぷり浮いた豚の背脂とちぢれ麺。スープに溶けた背脂がとろけ、ちぢれ麺によく絡んでおいしい!熱々のスープと麺のコシは、自動販売機で調理されたとは思えないクオリティです。

「日本は自動販売機文化が進んでいますが、その文化をラーメンと組み合わせて見られるのはユニーク。他の味もぜひ試してみたいです」(アメリカ人編集者)

「自動販売機の体験も含めて面白いです!調理されるのを待つ行程も含めて楽しいから、つい食べたくなる人も多そうです」(台湾人編集者)

「味が本格的で、クリーミーなスープとコシのある麺がおいしかったです。日本風のラーメンが好きな方におすすめしたい」(韓国人編集者)

AR技術を駆使した車両展示をはじめ、ディフューザーや指向性スピーカーを活用した五感で楽しめる観光体験、本格的な味を再現するラーメン自動販売調理機と、最新テクノロジーが散りばめられた「超駅博 上野」。鉄道開業150年の節目に、ますます日本の駅や鉄道が発展することを感じさせるイベントでした。日本国内を旅行する際は、目的地だけではなく、駅や鉄道にもぜひご注目ください!

※記事掲載時の情報です。
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