サンドイッチ文化が発達しているアメリカにとって、サンドイッチは定番食。日本でいえばおにぎりのような存在で、ごく自然にアメリカの食卓に並んでいます。サンドイッチはもともとはイギリス生まれの料理。19世紀頃にアメリカに伝わったばかりの時は、夕食に供される手の込んだ料理でしたが、20世紀初頭には手軽に楽しめる食べ物へと立ち位置が変化していきました。学生街やオフィス街には、たいていサンドイッチのお店が何軒かあり、お客さんが各自の好みに合わせて、パンの種類や中にはさむ具材を選びサンドイッチを作って食べている光景が見られます。
もちろんサンドイッチは日本でも親しまれており、専門店だけでなくファストフード店やコンビニ各店でも売られています。その中でも、日本独自のサンドイッチとして、誇るべき存在が山崎製パンの『ランチパック』!サンドイッチの「おいしさ」と「手軽さ」、さらにバッグに入れて携帯できる「便利さ」が人気のポイントですが、その種類の多さにも注目が集まっています。豆知識ですが、なんと発売から33年で作られた商品は1000種類以上だとか……。これはぜひ、外国人の方々にも魅力を知ってもらいたい!
というわけで、無類のランチパックフェチのライター・もちづきが、アメリカ出身の女性に、10種類のランチパックを食べ比べてもらう企画を立ち上げました!果たしてその結果は……!?
今回、ランチパックを試食してくれるのは、「ファミリーマートのドーナツ食べ比べ」企画にも参加してくれた、日本在住9年になるアメリカ国籍のホリーさん。
ホリー「正直、ランチパックは本当のサンドイッチじゃないと思ってるの。アメリカでは食パンの人気もないし……。ライ麦や全粒粉のパンに、たっぷりのマスタードやターキー、色んな種類のチーズが入ってるものがアメリカではスタンダードよ」
なんと!最初からアンチ・ランチパックの姿勢を明らかにしてきたホリーさん。普段、コンビニやスーパーで見かけても滅多に手にしないといいます。果たして、彼女を満足させられるランチパックはあるのでしょうか……。
ランチパック実食開始!
今回、ホリーさんに食べてもらうのは、ランチパックの製造元である山崎製パンおすすめの10種類!
エントリーした10種類のうち、売れ筋のランチパックが6種!発売開始からダントツ人気の「ピーナッツ」、総菜系の人気定番の「たまご」、子どもにも大人気の「ツナマヨネーズ(オニオン入り)」、日本のサンドイッチの鉄板「ハム&マヨネーズ」、ボリューム満点の「メンチカツ」、組み合わせとしては間違いない「ハム&エッグ」です。そして、2月より新発売の4種!ありそうでなかった「ナポリタン」、「カスタード&ホイップ」、居酒屋さんで人気の揚げ物「ハムカツ」、ほろ苦でオトナの味の「カフェオレクリーム」です。
2月の新商品も含まれており、定番の人気作から目新しい意欲作まで勢ぞろい。せっかくなので、ホリーさん的ランチパックランキング・トップ3も決めてもらっちゃいましょう!
1.ピーナッツ
ランチパック誕生当初から続くロングセラー商品で、ランチパック売り上げランキングでも33年間不動のナンバー1!まずはコレを食さずしてランチパックは語れない!?
ホリー「ピーナッツバターのサンドイッチはアメリカでも定番よ」
ピーナッツバターは、ホリーさんにとっては、比較的馴染みのある味だったようです。しかし意気揚々とパクッと食べた途端、ホリーさんの表情が……。
ホリー「甘い!すごく甘くてビックリだわ。アメリカのピーナッツバターはしょっぱいのよ。これはちょっと予想外だわ」
本場アメリカのピーナッツバターサンドイッチをイメージしていたホリーさん。どうやら想像していた味とまったく違ったため、驚きを隠せなかったようです。
ホリー「でも、おやつ感覚で食べることを考えれば全然OKよ。アメリカのピーナッツバターは甘いジャムと食べることも多くて、ある意味スタンダードな味かもしれないわ。ピーナッツ自体が甘いのも、わりとおいしい。これは好きかもしれないわ」
なんと意外にも高評価。さすがは33年間ランチパック界のトップランカーだった味なだけありますね。現状、暫定1位!
2.たまご
たまごフィリングをふんわりパンにサンドした総菜系ランチパック。たまごの甘さとパンの柔らかさがマッチしている、まさに日本人好みの味ではないでしょうか。
実はホリーさん、たまごが苦手なんだそう。恐る恐る端っこから食べ進めていきます。
ホリー「ごめんなさい。たまご自体が個人的に好きじゃないの」
申し訳なさそうに味わっているホリーさん……。
ホリー「あんまり味が強くないせいか、そこまで嫌な感じはないわね。これなら食べられるわ。でも、たまごだけっていうのは少し悲しいかな。ボリュームが少なすぎる」
日本ではたまごサンドは定番中の定番なので、具材がたまごオンリーでもさして違和感はないのですが……。
ホリー「アメリカでは色んな食材をぎゅうぎゅうに詰めるサンドイッチが主流だからね。でも、これはたまご好きな人なら、嬉しいフィリングだと思う」
やはり評価はピーナッツには届かず!残念。
3.ツナマヨネーズ(オニオン入り)
ツナとオニオンを和えたツナサラダをサンドした、こちらも売り上げ第3位の大人気商品です。サンドイッチのみならず、おにぎりでも日本人の心を捉えて離さないツナマヨですが、アメリカでは一体どういう存在なんでしょうか。
ホリー「ツナマヨはアメリカの子どもたちには大人気!私はマヨネーズがそこまで好きじゃないけど、アメリカ人にとっても定番のフィリングだと思うわ」
残念ながら、またしてもホリーさんの苦手な味だったようですが、食べてみるとアレ……? 意外とおいしそうな顔してません?
ホリー「日本のマヨネーズは、アメリカと違ってスパイシーなのよね。マヨネーズ好きのアメリカ人は、日本のマヨネーズが大好きなのよ。このランチパックも、ツナの味がしっかりあるのがいいわ。嫌な感じはしないかな。私オニオン大好きだし、ちゃんと風味があってそこも好印象よ」
ホリーさん的にはアリのようですね!アメリカのツナマヨとの大きな違いについても指摘してくれました。
ホリー「アメリカのツナマヨは、とにかくマヨネーズたっぷりでボリュームもすごい!私はこれくらいのツナマヨ感が好きなんだけど……。もしかしたら、他のアメリカ人にはマヨが足りないと感じるかも」
好感触ではありましたが、ピーナッツには敵わず。暫定順位は、今のところ1位ピーナッツ、2位ツナマヨネーズ、3位たまごとなっております。
4.ハム&マヨネーズ
続いては、スライスハムとマヨネーズをサンドしたハムマヨ!日本人にとっては安心と信頼の間違いない組み合わせです。アメリカにも、この組み合わせはあるんでしょうか?
ホリー「もちろんあるわよ!ただ、ハムの厚さもマヨネーズの量もすごいし、このランチパックとは別物だと思うわ」
アメリカとは食肉事情がまったく違う日本。ハムの概念も、大きな差がありそうですね。
一口食べた瞬間、少し微妙な表情になってしまったホリーさん。
ホリー「ハムが薄い分、パンの味が味わえておいしい。ランチパックのパン、ふわふわしっとりでおいしいもの。アメリカのサンドイッチは、もうほんと食べづらいくらい肉肉しいものばかり。その点、これは、食べやすくていいわよね。」
ランキングは、暫定的にはツナマヨより上の2位につけました。マヨネーズ嫌いなホリーさんですが、ランチパックの主張しすぎないマヨネーズの使い方には好感を抱いたようです。
5.メンチカツ
これぞ日本の総菜サンドの決定版!ソースがついたメンチカツと、マヨネーズをサンドしてある、男性人気も高いボリュームたっぷりな一品です。
「メンチカツ」と聞いて、一気にテンションが上がったホリーさん。
ホリー「メンチカツ好き!東京の吉祥寺にある有名なお店に行って並んで食べたこともあるのよ。でもメンチカツは、アメリカにはないのよー」
そう、メンチカツは日本生まれの洋食の代表格ですからね。しかし、ホリーさんから見ると、この手のカツのサンドイッチにどうしても不思議な点があるようです。
ホリー「カツの衣って、パン粉でしょう?つまりサンドするってことはパン×パンなわけで……。その発想が不思議なの」
た、確かに言われてみれば……。アメリカ人のホリーさんならではの着眼点ですね。
とにもかくにも、嬉しそうに齧りつくホリーさん。表情でわかります。これ、好きなんですね!
ホリー「おいしい!ちゃんとメンチカツだわ。衣がパリッパリじゃないけど、スパイスがいい味出してる。ペッパーかな?すごくイイ」
あまりにも本格派のメンチカツに感動しきりのホリーさん。「日本っぽいサンドでうれしい」と、アメリカではなかなか味わえないおいしさを噛みしめていました。ここでホリーさんから思わぬ一言が。
ホリー「パッケージよりも本物を見た方がおいしそうに感じるのよね……。この写真は、少し勿体ない気がするわ」
ちょっとした苦言を呈しつつも、評価はこれまでの中では最高!メンチカツはランキング1位に躍り出ました。これにより暫定順位は変動。1位メンチカツ、2位ピーナッツ、3位ハム&マヨネーズに。
6.ハム&エッグ
スライスハムとたまごフィリングをサンド。先ほどの「たまご」にハムが加わった総菜シリーズの人気商品です。
先ほど「たまご」を食べた時に、物足りないと言っていたホリーさん。ハムが入った今回のサンドはどうでしょう。
ホリー「ベースがたまごだから、ソソられるってことは、正直ない……。でも、ハムは好きだし意外とおいしいかもしれないし……」
ホリーさん、不信感のある表情を浮かべつつもパクリ。
ホリー「んん~……たまごの味はきつくないね。食感はちょっと苦手かも……。私はハムだけでいいかもしれない」
なんと、ハム&たまごの根底を覆す大胆発言!ただ、この感想はあくまでもホリーさん独自のものだと彼女は言います。
ホリー「エッグサラダが好きなアメリカ人なら、このサンドは飛びつくと思う。ハムとたまごでボリュームもあるし、きっと人気出ます!」
ハム&たまごの評価は、現状6位のたまごの一つ上でした。そんなにもたまごNGだったのか、ホリーさん……。
7.ナポリタン
さて、ここからは2月の新商品を食べていただきましょう。まずは、ナポリタンスパゲティが入った、いわゆる炭水化物×炭水化物のサンド。概念としては焼きそばパンと同じですが、ケチャップ風味のパスタとなるとどんな化学反応が起きるのか!?
ホリー「ナポリタンって日本以外にないパスタよね?前に勤めてた会社で社長とナポリタンがおいしいレストランに連れてってもらったことがあるんだけど、『おいしくはないけど日本独自の味だから食べてみて!』って言われたの(笑)ケチャップのスパゲティって不思議な感じだったわね。私はけっこう好きだし、何人かもおいしいってハマってたわよ」
ナポリタンもメンチカツと同様、日本独自の洋食です。ホリーさん、決して嫌いじゃないようでナポリタンランチパックにも興味津々。
ホリー「どんな風にパスタが入ってるのか気になるわ。……!!(割ってみた)ナポリタン、こんな風に詰まってるのね。面白い!」
ホリーさん、パスタがどんな風にサンドされてるのかが想像しづらかったようです。食べる前にそっとランチパックを割って中身を確認していました。
炭水化物に炭水化物が入っているサンド。これ、海外の方が初めてみるとかなり驚くそうですね。ホリーさんは焼きそばパンをたまに食べるそうで、あまり抵抗はなかった模様。
ホリー「ん?……うふふふふふ。これ、ちょっとイイですね」
一口食べて、思わず笑ってしまったホリーさん。
ホリー「この味キライじゃないです。ちゃんとナポリタン味で、麺が短くなってるから食べやすいですね。何よりすごいボリューム!こんなに濃い味つけなのに手が汚れないし、忙しい日のランチにまさにぴったりですね」
ナポリタンにランチパックの真髄を見たホリーさん。しかし、残念ながらランキング順位は4位。惜しくもトップ3入りなりませんでした。
8.カスタード&ホイップ
スイーツの王道であるカスタードとホイップのサンドも2月の新商品です。子ども人気も高そうなこの味、果たして……。
ホリー「ん?持った感じでわかるけど、ずっしり重い!中身がいっぱい詰まってる感じがするわね」
食パンの中にパンパンに詰まったクリームに思わずテンションがアップ!ですが、実はカスタードもそんなに得意ではないというホリーさん。クリームを口にすると、考え込むような表情に……。
ホリー「………う~ん」
ホリー「甘すぎ!」
ホリーさんはもともと、甘すぎるスイーツは進んで食べないそう。しかし、他のアメリカ人なら好きそうだという見解も示してくれました。
ホリー「マサチューセッツで人気のマシュマロスプレッドなんかが好きなアメリカ人は大喜びだと思うわ。子どもにも人気が出る味ね!」
ホリーさん個人の評価は高くなかったものの、アメリカ人から支持されそうな味とのこと。順位はナポリタンの次とのことです。
9.ハムカツ
ハムカツも、2月の新商品。ソースをつけたハムカツをサンドした、居酒屋さんにも出てきそうな一品です。メンチカツは高評価でしたが、これまた日本独自の揚げもの・ハムカツはいかに!?
ホリー「ハムカツ、たまにスーパーのお総菜コーナーで見かけるわ。食べたこともあるわよ。好きかと言われると、そこまでじゃないけど」
ハムカツは、ホリーにとって馴染みのある総菜ではあるものの、メンチカツのように「大好き!」というほどではなかったようです。
ホリー「うう~ん。今までのハムのサンドに比べて衣がある分、ボリュームがあるのはイイわね。でも、味にもう少しスパイスが効いてるとさらにおいしいかも」
ホリー「同じ揚げ物サンドな分、どうしてもメンチカツの印象が強くなっちゃって……。ハムカツも十分すぎるほどおいしいんだけど、どうしてもあの味の壁を越えられなかったの!ごめんなさい……」
順位はハム&マヨネーズとカスタード&ホイップの間。メンチカツの評価がダントツだった分、ちょっと惜しかったですね……。
10.カフェオレクリーム
今回の試食のラストを飾るのは、スイーツ系ランチパック!2月の新商品、カフェオレクリームは、クリームがちょっぴりほろ苦いカフェオレ味。大人のスイーツサンドといえるのではないでしょうか。
このカフェオレクリーム、一目見ただけでかなりホリーさんのツボに入った模様です。
ホリー「私、カフェオレ味が大好きなの!カフェオレクリームのついたクッキーが近所のスーパーで売ってて、よく買って食べてるのよ。これは期待できそうね!」
待ちきれないといった表情で思いきりパクついたホリーさん。
ホリー「おいし~~~い!あの大好きなクッキーの味と同じだわ!これはブラックコーヒーにもぴったりよね。3時のおやつに食べたい!」
さらにホリーさん、クリームの詰まっていないパンの端っこを千切って、トロットロにあふれてくるカフェオレクリームを塗って食べるという新しい楽しみ方も発見していました。
ホリー「食事というよりはデザートって感じだけど。コンビニで見かけたら買っちゃうと思うわ。これは大好き!」
カフェオレクリーム、かなりの高評価です!なんとメンチカツの牙城を崩し、ホリーさんの中で1位にランキングされました!そして、ホリーさんのランチパックTOP3がこれにて決定となりました。
ホリーさんが選ぶランチパックTOP3を発表!
TOP3ランキングはこちらでした!
第3位はピーナッツ!
第2位は意外や意外メンチカツ!
そして…栄えある第1位はこちら!
というわけで、ホリーさんのナンバーワン・ランチパックは……最後に食べた、2月の新商品「カフェオレクリーム」でした!アメリカのカフェオレ味とは少し違った、ほのかな苦みと甘さのバランスがとれたクリームが絶妙なおいしさを醸し出していたとのこと。日本のカフェオレ味への愛は相当なもののようです。
ホリー「2位のメンチカツは、日本らしいフライサンドでとても好き。3位のピーナッツもアメリカのしょっぱいピーナッツよりイイと思う。今度、トースターで焼いたりするアレンジにも挑戦してみたいわね!」
そして、ランチパック自体への印象も、試食前とは大きく変わったようです。
ホリー「手軽に食べられるし、手も汚れなくて便利だし、何より種類が豊富だから、自分の好みの味を探すのが楽しい!それに、このプレスサンド型のサンドイッチは日本にしかないわよね。やっぱり日本人の発想ってすごいと思うわ。今まで見かけてもスルーしちゃってたけど、これからはチェックを欠かさないようにするわね!」
なんと、総合評価としてハナマルをいただいちゃいました!毎月新作が発表される、山崎製パンのランチパック。ひとつひとつの商品のクオリティはもちろんのこと、どんな人でも必ず最高の一品を見つけられる、種類の幅広さには脱帽!ランチパックをまだ知らない人にも、ぜひオススメしてあげてくださいね。
1979年生まれの熟女ライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像技術者・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーとして活動を始める。好きな食べ物はプリン体を含む食べもの全般。卵の黄身だけは世の中で唯一食べられない。
※価格やメニュー内容は変更になる場合があります。
※特記以外すべて税込み価格です。
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