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「ホイップ」と「生クリーム」は別物!? 料理家にスイーツの違いを聞いてみた!

「ホイップ」と「生クリーム」は別物!? 料理家にスイーツの違いを聞いてみた!

公開日: 2019/06/09
更新日: 2020/11/10

普段なにげなく口にする食べものには、一見同じように見えるのに、違う名前がついているものがたくさんあります。たとえば「唐揚げ」と「竜田揚げ」の違いや、「からし」と「マスタード」の違い。その差を明確に説明できる人って、意外と少ないのでは?

そんな“○○と△△の違い”について、これまで「日本の定番料理編」、「食材編」、「調味料編」、「お酒編」をお届けしてきましたが、今回は「スイーツ」をテーマに調査! 数々のメディアや飲食店でのメニュー監修やレシピ開発等で活躍する、料理家・フードスタイリストの池ももこさんにお話を聞いてみました。

■「ホイップ」と「生クリーム」の違い

■「ホイップ」と「生クリーム」の違い

パンケーキやプリンのトッピングなどでも目にする「ホイップ」と「生クリーム」。昨今では「生クリーム専門店」が話題を呼ぶなど、スイーツには欠かせない要素のひとつです。どちらも同じものを表す言葉と思いがちですが、その違いっていったい何なのでしょうか? 池さんによると、「ホイップ」と「生クリーム」には、大きく分けて2つの違いがあるそう。

「まず1つめの違いは原材料。一般的に牛乳から取った動物性の脂肪分を使っているものは“生クリーム”、その一方、乳脂肪に似せた植物性の原料で作られているものは“ホイップ”という表記で売られています。

というのも、これは乳脂肪が18%以下かつ添加物や植物性油脂を含んでいるものは、“クリーム”という表記で販売してはいけない、という決まりがあるから。動物性100%の生クリームよりも安価なホイップは、生クリームと名乗れないため、異なる名称で売られている、というわけです」

また2つめの違いは、ケーキのデコレーションやパフェのトッピングなどにもよく使われる「ホイップクリーム」にしたときに現れるそう。

「ホイップクリームとは、原材料の種類関係なく、泡立てたもののこと。よく“ホイップ”と“ホイップクリーム”を混同している方を見かけますが、これは同じものではありません。

どんな環境下で作業をするかにもよりますが、一般的に動物性脂肪の生クリームで作ったホイップクリームは泡立てる時間も短くて済み、すぐに固くなっていくという特性があり、ホイップはホイップクリームになるまでに少々時間を要します。また出来上がったホイップクリームは、時間が経ってもあまりボソボソになることもなく、どちらかといえば扱いやすいという特性もあります」

原料やホイップクリームにするときに違いがあるとのこと。また、風味などにも違いがあり、動物性のもののほうが植物性(ホイップ)に比べて、コクがあって濃厚な仕上がりになるので、用途や好みによって使い分けると良いそうです。

■「ゼリー」と「寒天」の違い

■「ゼリー」と「寒天」の違い

見た目はほとんど同じように感じる「ゼリー」と「寒天」。「ゼリー」がゼラチンで固めている食べものというのは、何となく知っている人も多い気がしますが、その違いはどこにあるのでしょうか?

「動物性のゼラチンや植物性の寒天、ペクチンなどの凝固剤を使って、フルーツ系の風味で仕上げたものを一般的に“ゼリー”と呼びます。“寒天”は天草から作られているもののこと。寒天には食物繊維が多く、カロリーはほとんどなくてヘルシーな仕上がりになるため、ダイエット中のご褒美やおやつとしても推奨されるもののひとつです」

「寒天」が天草から作られるもののみを呼ぶのに対して、「ゼリー」は寒天を含め、ゼラチンなど色々な凝固剤を使って作られているもののことのようです。原材料の違いによって、栄養価にも差が出てくるそう。

「ゼラチンを使ったゼリーには、豚由来の動物性たんぱく質も含まれています。そのためカロリーもやや高め。一方で寒天は植物性の天草が原材料なので、食物繊維がとても豊富で比較的低カロリーです」

同じような見た目ですが、食べてみると食感にも大きな違いがあることがわかります。

「ゼラチン使用のゼリーは、ふるふるで舌ざわりも滑らかなため、あまり咀嚼しなくても、さらっと食べることができます。一方の寒天は、常温でもしっかり固まる特性をもつ天草を使用しているため、比較的しっかりとした食感。ぷるんとした食べ応えのあるものになります」

食べ応えがあると自然と咀嚼回数も増えるため、満腹中枢を刺激しやすく満足感が得られやすいそう。ダイエットなどにも最適なおやつとされているのにも頷けますね。

■「ババロア」と「ムース」の違い

■「ババロア」と「ムース」の違い

「ババロア」と「ムース」も、同じような見た目で、その差をよく知らない食べものの代表格。その違いは、作り方や食感を紐解いてみると理解できそうです。

「ババロアは、牛乳・砂糖・卵などの材料にゼラチンを加えて冷やし固めたもの。一方、フランス語で“泡”という意味をもつムースは、卵白や生クリームを泡立てたものに、フルーツピューレやチョコレートなどを加えて、(ゼラチンを加えることもありますが)自然に固めて作るお菓子です」

そもそも作り方が全く違う「ババロア」と「ムース」。「ババロア」は、ドイツのヴィッテル・バッハ王国に仕えていたフランス人シェフが、初めて作ったのが起源だと言われているそうです。

「食感にも違いがあります。ゼラチンを使っているババロアは、どちらかといえばゼリーに近いような、ふるふるの仕上がりが特徴的で、舌ざわりも滑らかなものが多いです。一方ゼラチンを使わないムースは、ババロアに比べると、もっと軽く、ふんわりとした優しい口溶けが印象的です」

さらに、ジャンルや用途の観点からも、違いを紐解くことができるそう。

「ババロアが固有の名前であることに対して、ムースは、泡そのものや、泡状の整髪料のことを指します。フランス料理では“キャロットムース”など、お菓子以外でもムースを使った料理が出てくることがありますよね? その点で考えてみると、ババロアはあくまでもお菓子であり、ムースはお菓子でも食事でも楽しむことができるもの、という違いもでてきます」

■「クレープ」と「ガレット」の違い

■「クレープ」と「ガレット」の違い

薄い生地と具材を合わせて食べるという意味では、一見同じもののように見える「クレープ」と「ガレット」。「クレープ」は手に持って、「ガレット」はお皿にのせて食べる点に差がありそうな印象ですが、実のところ、その違いはどこにあるのでしょうか?

クレープはフランス生まれのスイーツの一種。日本ではたっぷりのホイップクリームやフルーツなどを巻いてハンディータイプで食べることが多いですが、フランスのクレープはもっとシンプル。砂糖やジャムをトッピングして、ナイフとフォークを使って食べることが一般的です。

また、ガレットはフランス・ブルターニュ地方生まれの郷土料理の一種。“まるく薄いもの”を意味し、ガレットブルトンヌと呼ばれることもあるそう。クレープと同様に、生地の上にトッピングを添えて、ナイフとフォークを使っていただきます」

日本の「クレープ」と本場フランスの「クレープ」にも違いがあったようです。どちらもフランス発の食べものであるという「クレープ」と「ガレット」には、生地の原材料に大きな違いがあるそう。

クレープの生地は、小麦粉・卵・バター・牛乳・砂糖で作られることが一般的。その一方でガレット生地の原材料は、そば粉・塩・水。そもそもなぜガレットにそば粉が使われているのかというと、その起源は中世にまで遡ります。

ガレットの発祥地であるブルターニュ地方は、小麦の栽培に向いた土地ではありませんでした。その当時、そばの栽培が小麦と異なり無税で広く推奨されていたこともあり、庶民にとって育てやすい作物だったのだとか。また、小麦よりも短いターンで収穫できるため重宝され、小麦粉に代わる主食として人々の食生活を支えてきたと言われています」

主食として発展してきた「ガレット」は、原材料がそば粉ということもあり、葉物野菜にハムやチーズなどをトッピングした食事メニューとして親しまれることも多いそう。一方で小麦粉ベースで配合的にも生地がやや甘めの「クレープ」は、トッピングには砂糖やジャムが好まれることが多い様子。「クレープ」と「ガレット」には、デザートか主食かの違いもあるようです。

「日本でもアイスやフルーツ、カスタード、チョコレートなどをトッピングするので、クレープ=デザートという位置づけになっている人も多いのでは? ただ、厳密に分けられるわけではないので、好みやその時の気分に合わせて、色々なアレンジを楽しんでみるのもオススメですよ」

Written by:

じしきゅう・なほ

じしきゅう・なほ

編集プロダクション、出版社でマンガ、小説、雑誌等の編集業を経て、現在はフリーランスの編集ライター時々デザイナーとして活動中。連ドラか音楽かお酒があればたいてい上機嫌。おとうふが好物。

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