日本全国津々浦々に存在する温泉は、古来より、病の平癒や美容の効能、景観や静けさを求める人々が多く訪れてきました。そんな国内外を問わず多くの旅人から愛される温泉。土地によって泉質や効能はさまざまですが、基本的な楽しみ方を知っていれば、どこに行ってもしっかり温泉を堪能できるはず!
……ということで今回は、日本の温泉で楽しみたい、外国人にもオススメの基本的な温泉美容法をご紹介します。温泉ビューティー研究家の石井宏子さんにお話を聞いてみました。石井さんは温泉のキレイと健康を探求し、旅に出かけて宿に泊まることをライフワークとしている、温泉と旅のスペシャリストです。
基礎知識として持っていれば、温泉を芯から味わえること間違いなし。美容にも良い温泉の入り方を、早速見ていきましょう!
「かけ湯」でしっかり準備運動
日本の温泉は、日本人が一番気持ちよく感じる39℃~42℃くらいの高温になっているところが多いそうです。そういう高めの温度に入るとき、体が冷えていると余計に熱く感じるので「かけ湯」というものをします。
足先から順に、「右足→左足→右ひざ→左ひざ→右腰→左腰→お腹→右肩→左肩→背中」で10杯。温泉にはクレンジング作用があるので、充分にかけ湯をすることで、身体の表面についた汚れを落とせます。
湯舟に入る前のマナーでもありますが、汚れを落とし、温泉の熱さにびっくりしないためのウォーミングアップをすることで、よりたっぷり温泉を楽しむことができそうです。
長湯をしすぎず、小まめに浸かろう
日本の温泉は温度が高めで成分がしっかり入っています。一番のオススメの入り方は、いっぺんに長く温まりすぎないこと。長湯をしすぎず、ほどほどで出るのが大事なのだそうです。
加えて、分割浴もオススメの入浴法です。15分いっぺんに1回にまとめて入るよりも、5分ずつ3回に分けて入るほうが、身体の芯から温まる効果が高いのだとか。温泉に浸かる時間のめやすは、ちょっと汗ばむくらいが良いそうです。
入浴前後の水分補給が大事!
温泉の恵みを最高の状態で取り入れるためには、水分補給も大事。身体の血液をサラサラにしておくために、入浴前にも水やお茶をたっぷり飲むことが大切なんだそうです。水分補給をすると、平均15分ほどで身体に水分が浸透し、ドロドロ血が改善されるのだとか。血液の流れをよくすることで、温泉成分も効率よく巡ってくれそうです。
温泉に入ると身体の芯まで温まり、たくさんの汗をかきます。入浴後も発汗が続くので、湯上がり後も忘れずにしっかりと水分補給をしましょう。
温冷交互浴で代謝をアップ
疲労回復や美容に効果が期待できる温泉の入り方として、「温冷交互浴」があげられます。方法はいたって簡単です。
熱い温泉に入って、一度出たときに冷たい浴槽があればそれを利用するか、冷ために設定したシャワーを浴びる。そしてまた熱い温泉に入る。熱い湯と冷たい湯を交互に浴びることで、血行がより促進されて、代謝がアップするのだそうです。
疲労回復や、ダイエットをめざしている人に嬉しい効果が期待できる、温泉美容にオススメの入浴法です。
温泉地のお土産で自宅でも温泉美容にチャレンジ!
温泉地には、その温泉地を再現しているような入浴剤や化粧水などが売っていることも多いそう。温泉を訪れたら、お土産をチェックしてみるのも良さそうです。場所によっては、その土地の温泉水をボトリングしたものが売られていることもあるとのこと。お土産で買って帰れば、自宅でも日本の温泉を楽しむことができますね!
天然の温泉は濃くて身体に良いものの、家庭では再現できない成分もあります。例えば硫黄の成分は、排水管や風呂釜を傷めてしまうので、入浴剤ではあまり使用されていません。硫黄には血行を良くする作用がありますが、同様に血行を促進するのが炭酸ガス。また、バスソルトには、炭化物泉と同じように身体を温める効果があります。
そんな感じで、温泉成分と同じような効能を求めて研究開発されている入浴剤がたくさんあるのだそう。日本の入浴剤は、炭酸系などはとくに、バリエーションがとても多く存在しています。
温泉地のその土地ならではの入浴剤や、ドラッグストアでも手に入る、全国各地の温泉地の名前がついた入浴剤のシリーズなど、市販の入浴剤を購入してみては? 自宅でするいつものお風呂美容に、手軽に温泉を取り入れて楽しめますよ。
温泉の雰囲気や温かさを堪能するだけでも充分楽しめますが、かけ湯や水分補給、温冷交互浴など、入り方を工夫するだけで、健康や美容に嬉しい効果がアップできそうです。温泉を訪れる際は、今回ご紹介したポイントを意識してみつつ、温泉旅を堪能してくださいね。
編集・ライター歴トータル17年以上。マンガ、小説、雑誌等の編集を経てフリーライターに転向後、グルメ、観光、ドラマレビューを中心に取材・執筆の傍ら、飲食企業のWEB戦略コンサルティングも行う。そのため、日本グルメの新商品やトレンドのキャッチアップが早く、LIVE JAPANでは幅広い年齢層や国籍の方にわかりやすく伝えている。
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