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東南アジア主要国の一つ・ベトナムは、お隣のタイとは異なり、辛さが少なくあっさりとした料理が多い国。鶏や牛のだしが効いた麺料理の「フォー」、野菜たっぷりの「生春巻き」など、日本人の口になじむ優しい味つけが特徴です。
日本にはベトナム料理専門店が多く、2019年5月東京・池袋にオープンした牛肉フォー(フォーボー)専門店などは、連日大行列。ベトナム料理がブームの兆しとなっていますが、日本のベトナム料理を、本場出身の人たちはどう思っているのでしょうか?
ベトナム出身の女子大生Nさんに聞くと、なんと「日本のベトナム料理にショックを受けました……」と悲しそうな表情!Nさんがショックを受けた理由とは?(以下、答えてくれた人の個人的な感想です)
日本はフォーばっかり!「ブン」がなくてショックです
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ベトナムの麺料理といえばフォー。しかし、Nさんは「フォーだけがベトナムの麺ではない」ときっぱり。
「たしかにフォーはよく食べられている麺料理ですが、私の出身地である北部のハノイでは、『ブン』という麺のほうが一般的です。日本のベトナム料理店はフォーばかりで、ブンを提供するお店は極端に少ない印象です」
ブンとはどんな麺なのでしょう?
「フォーより細くて、もちもちした食感。スープに入れて食べたり、甘酸っぱいタレにつけて食べたりする『ブンチャー』という料理が一般的です。あとは春巻きの具にしたり、レタスで巻いて食べたり、フォーよりもいろんな食べ方をするんですよ」
どの料理もおいしそう!日本でも流行りそうなので、ブンもぜひ食べてみたい。
麺料理の香草が足りなくて物足りない!
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Nさんは、日本のベトナム料理店の麺料理について、こんなショックも受けたそうです。
「香草がとっても少ないです。ベトナムの料理店では、フォーでもブンでも、注文すると香草をたっぷりと出してくれます。パクチー、ミント、大葉、どくだみなど、好きな香草をスープに入れたりお口直しでつまんだりしながら食べます。日本では、香草が出されてもパクチー数本……。物足りないと感じています」
香草の多い料理は苦手な日本人もいそうですが、あっさりした味つけのいいアクセントとなりそうですね。日本ではパクチーやミントは高級品だから、どっさり食べられるベトナムがうらやましい!
生春巻きより「揚げ春巻き」のほうがよく食べるのに……
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フォーだけではなく、「生春巻き」もベトナム料理の代表格です。これにもまたNさんは反論します!
「生春巻きは南部でよく食べていますが、北部ではそんなに食べませんし、提供するお店も少ないです。それよりも『揚げ春巻き』のほうが一般的。豚肉や春雨、きくらげといった食材を巻いて揚げます。中華料理の春巻きより小さくて皮が薄いから食べやすいです」
ベトナムの揚げ春巻きはNさんのお母さんの得意料理。「日本では生春巻きの皮は売っているけど揚げ春巻きの皮がないから作れない」と残念そうです。せめて食べられるお店が増えてくれるとうれしいですよね。
「コムビンザン」がないのはなぜ? あの味が恋しくなります
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麺料理以外にも、生春巻き、ベトナム風お好み焼き「バインセオ」など、さまざまなベトナム料理を食べられる店は日本にも増えています。しかし、Nさんは「これが日本にないのが残念」とご不満。
「『コムビンザン』です。いわゆる大衆食堂で、おかず2~3品、ごはん、スープでだいたい200~300円くらい。おかずは豚の角煮、豆腐のトマト煮、空心菜、じゃがいも炒め……。家でお母さんが作ってくれる料理がメインです。だから、コムビンザンはベトナムの家庭料理の味そのもので、時々無性に恋しくなります」
日本人にとっても、寿司や天ぷらではなく、肉じゃがや胡麻和えこそが”日本の料理”という人も少なくないはず。それにしても、日本に「コムビンザン」があったら絶対に人気が出そうですが……。
日本人が知るベトナム料理だけではなく、もっとバリエーション豊富なベトナム料理があることをNさんが教えてくれました。ブン、揚げ春巻き、コムビンザンの料理といったベトナム料理を提供する店が増えてくれますように!
旅行会社に勤める現役会社員の日本人ライター。大手ウェブサイトで編集者として従事した後、旅行会社に転職。そのため、旅行系・グルメ系のジャンルを得意とし、日本全国47都道府県で取材実績あり。旅行会社勤務だからこそ知れる秘境や絶景、旅の裏ワザを伝えながら日々取材に奔走している。
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