子どもから大人まで、男女問わず楽しめるカプセルトイ。最近では、海外における日本のアニメやキャラクターの人気も相まって外国人観光客にも大人気です。そのバリエーションの豊富さや商品クオリティの高さは、単なるおもちゃという域を超えて、日本ならではの文化の一つといってもいいのではないでしょうか?今回は、そんなカプセルトイを手掛ける大手メーカーのひとつ、バンダイにお話をうかがってきました。
キャラクターカプセルトイといえば、バンダイ!
カプセルトイ業界におけるバンダイの強みは、何といってもアンパンマンやドラえもん、ガンダムといった人気のキャラクターのカプセルトイを数多く制作、販売しているというところ。今回は、そんなバンダイのカプセルトイ「ガシャポン®」の企画開発をされている誉田さん、プロモーションを手掛ける大塚さんに、ガシャポンの歴史から最新事情、制作の苦労話まで教えていただきました。
ガシャポンの進化①カプセルはもう不要!?
カプセルトイといえば、その名の通り、カプセルの中に玩具が入っているのが当たり前。「ただ、それだとどうしても玩具自体が小さくならざるを得ない。じゃあカプセルをキャラクターの一部にしてしまえば、もっと大きなものを作れるんじゃないかと思ったんですよね」と話してくれたのは誉田さん。ガシャポン=小さいという常識を覆し、「大きいものを作って驚かせてみたい」という想いから実現したのが、EXCEED MODEL ZAKU HEADやまねき猫などのカプセルレスシリーズです。
こちらのまねき猫、胴体がカプセルの一部になっていて、顔や腕は胴体の中に入っています。早速組み立ててみると…、
①まず、胴体を開けます。
②顔を出して、耳をつけます。
③手と足をつけて完成!
カプセルトイとは思えない約10センチという大きさと完成度です。まねき猫は、縁起物として外国人にも人気で、値段も安くコンパクト、かつカプセルレスというユニークな形はお土産としてもおすすめの商品です。
ガシャポンの進化②掘り起こしで再ブーム!
こちらは大塚さんイチオシのガシャポンでもある、タマゴラス。80年代に大ヒットしたもので、今年、タマゴ型カプセルの形で復活しました。タマゴラスもカプセルレスで、タマゴそのものが変形して動物の形になるという進化を遂げ、以前のものより大きなサイズで再登場。過去と現代の技術が融合した、これまた新しいガシャポンです。
ガシャポンの進化③マニアックすぎる商品が大ヒット!
「一個買っても、ヒモみたいなものしか出てこないんですよ。こんなの普通、まじめに話し合ってたら、商品にならないですよね」というのは、最近話題になったのは、なんと地下鉄路線図のガシャポン。現在はもう在庫がなくなってしまったこの人気商品ですが、実は10年ほど前に企画したものなのだとか。このように、企画当時は採用されず、数年後にようやく開発されるというものも多々あるのだそうです。
カプセルトイの歴史とは?
バンダイは、1977年からカプセルトイの発売を開始し、2017年に40周年を迎えました。当時、多くのカプセルトイが20円前後のなか、バンダイは発売当初からキャラクターという付加価値をつけて100円という価格で市場に参入した、キャラクターカプセルトイのパイオニアです。バンダイのガシャポンの歴史を語るうえで欠かせないのが、1983年に発売したキン肉マン消しゴム、通称「キンケシ」です。社会現象となるほどのブームを巻き起こし、4年間で累計1億8千万個を売り上げたそうです。その後もキャラクターカプセルトイを中心に展開し、90年代になると、製品の質が高くなったことで、子どものみならず大人からも注目、さらに近年では、大人の女性や外国人観光客まで購買層は広がり、ガシャポンは新たなブームを迎えています。
どうやって作られる?!開発プロセス、そして苦労するポイントとは?
バンダイのガシャポン開発チームは30人弱。ターゲットごとにチームに分かれ、個人でアイデアを考えていくのだそう。考えたアイデアを営業に相談、プレゼン。企画が通ったら、イメージのラフをもとに2週間ほどで試作を作り、改良を重ね、商品化に進んでいきます。企画から商品が発売されるまで、早いもので3~4カ月、一般的には5~6カ月程度かかるといいます。新しい商品は、キャラクターごとに毎月1点ずつ、人気シリーズなどは毎月2点など、1カ月の新商品総数は30~40種類にも及びます。
「実際に並んだときに、新鮮に見えるかどうかはとても重要です」と語ってくれた誉田さん。一般の玩具商品と違って、何が買えるかわからないというガシャポンの場合、「面白そう!やりたい!」と思えるインパクトやユニークさが大切。「みんなが納得するものはトゲがなく、似たり寄ったりになってしまう。面白みに欠けるんです。欲しいと思ってもらうには、他とは違う要素、新しい切り口が必要なんですよね」そのため、新しいアイデアをチーム内で話し合うことはあまりなく、個人個人が考えて進めていくことも多いのだそう。また、開発で苦労するのは、アイデア出しと、値段と質のバランス。ガシャポンは商品自体が低単価ですが、当然その価格のなかで面白いアイデアを実現しなくてはなりません。単に値段を下げるだけでは、単に質が落ちて魅力がなくなってしまう。では、どう仕様を変えたら値段にはまり、かつ商品の質と魅力を落とさずにいけるか。そこが最も苦労する点だと教えてくれました。
ずばり!人気のカプセルトイとは?!
なんといっても、子どもからの圧倒的な支持を受けているのはアンパンマン。そして、仮面ライダーシリーズ、戦隊モノ、ウルトラマンシリーズ、プリキュアシリーズ、ドラゴンボールも高い人気を誇っています。子どもや男性向けのイメージが強いガシャポンは、「どうしたら大人の女性層を取り込めるか」という大きな課題を抱えていました。しかし、それも20周年の節目での美少女戦士セーラームーンのヒットのおかげで、大人の女性層の取り込みに成功。2018年からはあらたにディズニーの商品のラインナップも加わり、購買層の拡大はますます期待されています。
海外で人気のガシャポンは、ガンダム!
海外の方に人気なのは、ガンダムのEXCEED MODEL ZAKU HEAD。「これは、開発に相当時間がかかって大変だったんです。簡単に丸くなると思ったら実はかなり難しくて、途中でやらなければよかったと思いました(笑)」と、誉田さん。丸いカプセルの形にするために、何度も試作をしたのだそう。こちらも企画自体はなんと10年前!当時は価格帯が合わずにアイデアが実現できず、お蔵入りに。そんな長い構想期間と苦労の末、ようやく発売にこぎつけたそうです。「おかげ様で好評で、苦労が報われました」
そんなBANDAIのガシャポンを手に入れるならココ!
そんなガシャポンを一度にたくさん楽しめるのが、50台以上のガシャポン機が並ぶTOKYO GASHAPON STREET(トーキョーガシャポンストリート)です。東京駅構内というアクセスも抜群。最近では、外国人観光客の数もかなり増えているというお話の通り、店内の半数以上は海外からのお客様でした。そのほか、羽田空港国内線第一旅客ターミナル地下1階の「GASHAPON Sky Shop」にも、多くのガシャポン機がラインナップされています。
ガシャポンのこれから。海外進出は?
現在、カプセル市場はアジアを中心に世界に広がっています。ドラゴンボール、ガンダムといったキャラクラーは人気で、日本とほぼ同じタイミングで発売されるそうです。現在、バンダイはアジア9の国と地域にガシャポンを設置、現在、北米や欧州での展開も進めています。「今後ますます海外市場も視野に入れ、外国人の方でも楽しんでいただける商品開発も検討しています。アニメ好きの方に限らず、一般の方にもガシャポンを回してもらいたいですね」とプロモーションの大塚さん。バンダイでは、これから夏に向けてユニークで面白い商品も多数発売予定とのこと。どんなラインナップが出てくるのか楽しみです。日本各地でガシャポンを見かけたら、ぜひ日本のイチ文化として体験してみてはいかがでしょうか?
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トーキョーガシャポンストリート
- 住所 〒100-0005 東京都千代田区丸の内 1-9-1 東京駅一番街 地下1F 東京キャラクターストリート内
営業時間: 10:00~20:30
定休日:無休
©やなせたかし/フレーベル館・TMS・NTV
©円谷プロ
©バードスタジオ/集英社・フジテレビ・東映アニメーション
©ゆでたまご・東映アニメーション
©Disney
©ABC-A・東映アニメーション
©創通・サンライズ
©BANDAI
※価格やメニュー内容は変更になる場合があります。
※特記以外すべて税込み価格です。
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