旅行をする目的は人によって様々だと思いますが、自分の国とは違う人々の暮らしを見たり、体験したりすることも旅の醍醐味の一つではないでしょうか。そして、帰国後に改めて自国の文化の特徴に気づくことも…。
今回は日本を訪れたり住んだりしたことのある外国人が、帰国後に感じたことをご紹介します(以下はアンケートに応じてくださった方の個人的な意見です)。
日本には「かわいい」がそこら中にあふれてる!
「自国ではかわいいが基準のひとつになることはないため、かわいいと言われそうなものはほぼありません。でも日本にはかわいい音楽や漫画が至るところにあるの!」
そう語るのはアメリカから来た学生のサマンサさん。日本では、お店やスーパー、薬局やオフィスでもかわいらしい音楽が流れていて、それはアメリカではない状況だと感じたとか。
確かに、かわいいグッズやカルチャーは、警察や病院でもサービス上使われていることが多いです。各地域のマスコット「ゆるキャラ」などもかわいいカルチャーのひとつ。子どもから大人まで、年齢や背景、性別関係なく「かわいい」をそこら中で楽しめるのは、日本の特徴のようです。
レベルが違う!手軽で便利な日本のコンビニ
近年、多くの日本のコンビニは海外にも出店していますが、実際に日本を訪れて、母国のものと比べ日本のコンビニが、どれだけ便利で手軽に利用できるかを実感したという声がありました。
カナダ出身のアニルさんは、まずコンビニの多さにびっくりしていました。
「自分が住んでいる場所にはセブンイレブンが一軒あるんだけど、大して大きくもないし、ラインナップも充実していない。ソフトドリンク、スナック、ファストフードくらいかな。でも日本にいたときはコンビニって数分の距離に3つくらいあって、さらに食料品店のようなラインナップから、美容グッズ、酒、ペットフード、洋服まであったんだ。半年間滞在したけど、毎日通っていたよ」
日本フランチャイズチェーン協会が公開している資料によると、日本には2023年10月時点で5万5千店舗以上のコンビニがあり、さらにサービスも多岐にわたっています。
サービスが充実かつ扱っている商品のジャンルも多いコンビニが多いというのは、珍しいようでした。
料理の味と演出が最高!食器一つにもこだわる繊細さがスゴイ
それぞれの国では独自の食文化や好み、特産品があります。その中でも日本は、卓越した料理の技術と、見せ方が上手な国として知られているよう。
寿司や天ぷらなどの有名な日本食をはじめ、たこ焼き、すき焼き、そば、焼き鳥、おにぎりなど、美味しいだけでなく、見た目も多岐にわたったたくさんの種類がありますよね。
「お餅が大好きになったわ。そして、焼き鳥に焼酎…。最高ね」
と日本食が大好きなアメリカ出身のルーさん。カナダ出身で食通のマグダさんは、繊細に盛り付けをしたり、食器一つにもこだわる日本のレストランに感銘を受けたそう。
「私の住んでいる地域では、どのレストランも大盛りにして盛りつけしているわ。日本のレストランでの料理の盛り付け方、色やテクスチャーを組み合わせて芸術作品のように見せるやり方など、とても繊細できれいなの。お皿やお椀、カトラリーもすべて見ているだけで楽しかったわ」
日本で行われている盛り付けや味のこだわりが、母国には少し足りないかもしれないと感じたそう。日本の文化や習慣があってこそのこだわりだとは思いますが、そこに気づいてくれる外国人がいることが、とてもうれしく思いますね。
公衆のトイレすらきれいな日本。もう母国では入れないかも!?
日本に観光に来た人、住んでいた人などの間で常に出てくる日本に関する話題、それはトイレやトイレでのエチケットの違いです。多くの外国人にとって日本のトイレは、とても清潔で機能が充実していることを高評価していました。
「母国のトイレに慣れるのに時間がかったよ。特に公衆トイレね」
と言ったのはニュージーランド出身のリンダさん。スコットランド出身のジョンさんも、母国では公衆トイレには入れないと話していました。
「スコットランドでは他に選択肢がない限り、公衆トイレに入る勇気のある人はいないと思うよ。公衆トイレは怖いイメージがあるんだ。東京に来て、公衆トイレの綺麗さを目の当たりにして、母国の公衆トイレに失望したよ」
外国人が日本のトイレを称賛する理由は清潔さだけではありません。洗面台、ドア、便座、そしてウォシュレットや暖房便座、自動開閉など機能が長けていることすべてが魅力的だとのこと。日本人の中でも外国に行くときには日本のトイレを持っていきたい、と思う人がいるほど日本のトイレは多機能で便利ですよね。ぜひどんどん広まって欲しい日本の技術です。
日本でお辞儀をしすぎて、お辞儀をする癖が抜けない!
お辞儀は、日本の日常文化の中で重要な役割を果たしています。友人や近所の人、仲間への挨拶、またビジネスの場での礼儀としてなど、いろいろなシーンで使う日本の伝統的な習慣ですよね。
ホテルやお店、観光地でのお客様への挨拶、同僚やクライアントとのミーティング、お酒を飲んだ後のお別れの挨拶など、日本人は多くの場面でお辞儀をすることに慣れているので、何も考えずとも自然にお辞儀をします。
そのためこのような習慣がない文化に戻ることは、特に日本に長期滞在していた外国人にとってはかなり至難の業だそう。
「日本を何度か訪れた後は、母国でもついお辞儀をしてしまうよ」
とクック諸島出身のクリスさん。母国でお辞儀をししまい、奇妙な目で見られてしまう外国人も多いそう。
「私は何度も祖母にお辞儀をしてしまいました」
とドイツ出身のステフィさん。アメリカ出身のマニュエルさんも、人に道を譲るときにお辞儀している自分がいてびっくりしたそうです。お辞儀は体で覚えるもの。一回染み付いてしまうと、なかなか抜け出すのは難しいですよね。私たち日本人も、外国で何度もお辞儀をし、あれは日本人だなと思われているのだな、と皆さんの意見を聞いて思いました。
本記事は2021年初掲出のものを再編集して公開しています
東京都生まれ。2015年にフリーライターとして独立。北米での留学・就労経験もあり、英日の翻訳・通訳も行う。東京の島・伊豆諸島をこよなく愛し、月に1度はどこかの島にいます!
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