日本の最先端カルチャーの発信地として知られるこの渋谷には、多くの外国人観光客が訪れます。映画やドラマなどでもよく日本を象徴する場所として取り上げられることが多いこの渋谷ですが、外国人はこの渋谷にどんなイメージを抱いているのでしょうか?
今回は日本在住経験者や訪日リピーターなど“日本通”の外国人5人にインタビュー。渋谷に対して抱いていたイメージと、実際に訪れてみて感じたイメージとのギャップやショックを受けたことについて聞いてみました。(以下コメントは回答者個人の意見です)
スクランブル交差点は日本のタイムズスクエアだと思っていたら…
「僕はニューヨーカーだから、渋谷をそこまで都会だとは思っていなかったんだ。渋谷のスクランブル交差点も“東京のタイムズスクエア”みたいな感じだろって思ってた。ニューヨークのタイムズスクエアは観光客ばかりで、ニューヨーカーはあんまりいないんだ。混んでる広場にわざわざ行く必要はないからね。
でもスクランブル交差点には東京で実際に暮らしている日本人が多くて驚いたよ。しかも、平日の日中にあんなに人がいるなんて、ちょっとおかしいよ(笑)。
それと、タイムズスクエアにはゴキブリとかがいっぱいいるんだけど、スクランブル交差点にはいないよね。日本って衛生的なんだな、それに比べてアメリカは…って、そういう意味でもちょっとショックを受けたよ(笑)」(アメリカ/男性/20代)
日本とアメリカの違いにショックを受けたというアメリカ人の彼。確かに、日本のスクランブル交差点には外国人観光客だけではなく、実際に東京で暮らしている人たちが多くいますね。
1回の青信号で3000人もの人々が行き来するとも言われるこの交差点で、この日本人たちはどこから来てどこへ行くのか、外国人の彼はある意味で哲学的なショックを受けたよう。
日本人はシャイで礼儀正しいと思っていたら…
「来日前は、渋谷はショッピングのしやすい街だっていうイメージがあったんです。でも、道も斜めになっていて迷いやすいし、センター街も人が多すぎて歩きにくいし、こんなに大変な街だったんだって思いましたね。渋谷でショッピングをするのは慣れないと本当に大変です。
それと、渋谷のハロウィンにもかなりショックを受けました。日本人ってシャイで礼儀正しい人が多いと思っていたのに、みんなリアルな仮装を楽しんでいて、すれ違う人たちとハイタッチなんかしたりして…、これまで抱いていた日本人像とのギャップにびっくりしました」(台湾/女性/20代)
常に人が多くごった返すセンター街。慣れていない外国人にとっては、目当てのお店にたどり着くのも大変で、ショッピングするのも難しいかもしれませんね。
そして、ここ数年のハロウィンの夜の渋谷は無法地帯とも言いたくなるような状況。2018年は逮捕者まで出る騒ぎになりましたが、「日本人は礼儀正しい」というイメージを抱いていた外国人にとっては、あの騒ぎはまさに衝撃だったそう。日本人の隠された一面を知ってしまったのですね…。
IT系の会社が集まる渋谷ビットバレーはどんな所かと思っていたら…
「実は、渋谷にはオフィス街のイメージがあったんだ。シリコンバレーのようにIT系の企業が集まる街だって聞いてたからね。だから、あんまりシリコンバレーっぽくないことにショックを受けたよ。まさか、こんなに観光客だらけの街だなんてってね。
スクランブル交差点もあそこまで大きいと思ってなかったんだ。実際に行ってみたら巨大な交差点で、人もいっぱいいてびっくりだよ。あの交差点を渡る時には、やっぱりテンションが上がっちゃったよね」(イタリア/男性/30代)
2000年代初頭から、IT系のベンチャー企業が多くオフィスを構えていたことから、シリコンバレーならぬ“ビットバレー”と呼ばれていた渋谷。そのイメージを持って来日した人にとっては、渋谷の姿はちょっと意外だったかもしれませんね。
ハチ公口からスクランブル交差点へ向かった際に見た渋谷の風景は、外国人の彼が抱いていたビットバレーのイメージとはかけ離れていたようです。
地下鉄同士の乗り換えだから簡単でしょって思っていたら…
「初めて渋谷に行った時は本当に衝撃を受けましたね。ヤバい、なんでこんなに人が多いの?って感じ。外国人はみんなスクランブル交差点に驚いて写真や動画を撮ってるのに、日本人は普通の顔をしてさっさと歩いてるじゃないですか。なんでこんなすごい交差点を当たり前に受け入れられるのって、ちょっと不思議でした。
それと、電車の乗り換えがすごく大変なのにはショックを受けましたね。渋谷で副都心線から銀座線に乗り換えようと思ったのに、銀座線の乗り場がどこにもない! 地下鉄なのに地上にあるなんてって、ショックを受けました(笑)。すごく大変だってことがわかったので、渋谷駅の乗り換えには時間に余裕を持って出るようにしています」(中国/女性/20代)
渋谷の地下鉄乗り換え問題。これは外国人だけでなく日本人も納得ですね。2019年度下期には新たな銀座線ホームが東口に作られ、半蔵門線や副都心線との乗り換えが少し簡単になりました。日本人でも迷ってしまう渋谷の地下鉄乗り換え問題、外国人のためにもすっきりと解決して欲しいものです。
■人が多くてせわしない街だと聞いていたけど…
「渋谷はもともとせわしない街だっていうイメージがあったんだけど、予想以上だったね。とにかく人が多すぎる! あんなに落ち着かない街は他にないよ。日本人がこんな環境で我慢できていることにショックを受けたよ。どうせ時間を過ごすなら、もっとゆったりした大人の街で過ごしたいね」(フランス/男性/30代)
外国人の彼、想像以上の渋谷の人の多さとせわしなさにショックを受けたよう。確かに渋谷のあの空気感は、合わない外国人には合わないかもしれません。渋谷の街を歩く人が少なくなると過ごしやすくはなるのでしょうが、渋谷らしさは失われてしまう…。なかなか難しいところですね。
外国人も含め毎日大勢の人が行き来する渋谷の街。よくも悪くもインパクトの強いこの街、外国人にいろいろなショックを与えているようです。出身国との違いや思い込みとの違いなど、彼らが感じたショックの原因はさまざま。日本人が当たり前だと思っていることに外国人はショックを受けていたりして、お国柄も垣間見える面白い結果となりました。
main image:501room / Shutterstock.com
家と映画館(試写室)と取材先と酒場を往復する毎日を送る映画ライター、WEBディレクター。2001年から約8年、映画情報サイトの編集者をやってました。2009年に独立し、フリーランスに。ライターとしての仕事の他、Webディレクションなど、もろもろお仕事させていただいています。
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