はじめまして、俳優の伊藤裕一です。…え?何か別の企画で見かけたことがあるって?実は、ある格好に姿を変えて、東京に訪れた旅行者を案内していることもあるとかないとか…。ここでは、僕が気になる東京の魅力スポットをみなさんにご紹介します。
今回ご紹介するのは、世田谷区用賀にある「ダイナー ハックルベリー」さん。高級住宅街として有名な街にありながら、商店街の中でひときわ庶民的な存在感を放ち、ついふらっと立ち寄りたくなる、そんなお店です。
夜のとばりが落ちた頃、東急田園都市線・用賀駅東口を出て徒歩3分。商店街の先になんとも魅力的な看板が見えてきました。「最初の一杯、ハイボール150円、ビール250円」。キラキラと輝く電飾にも心が躍るなあ。
引き寄せられるように店の前までやって来ると、そこで待っていたのはコンガリとキツネ色に揚がった唐揚げ。ひとつひとつが大きくてグラマラスなルックスに、思わず見惚れちゃいます。
美味しそう!
これってつまり、ハイボールと唐揚げ、“ハイカラ”の黄金コンビでちょい飲みできるってことだよね?それなら寄っていかない手はないでしょう!早速、お店にお邪魔してみましょう。
暖簾をくぐると、店内は飾らずアットホームな雰囲気。家に帰ってきたような安心感で、ちょい飲みにはピッタリです。
店員さん「いらっしゃいませー!」
伊藤「ここで食べて行ってもいいですか?」
店員さん「もちろん、どうぞ!」
さて、何を頼もうか…。やっぱりまずは“ハイカラ“セットから。
……ん?厨房の中に見えるあの器具は…。
伊藤「すみません!このお店って、たい焼きも売っているんですか?」
店主「はい、たい焼き美味しいですよ!ちょっと変わったたい焼きです……」
伊藤「えっと、店の前には唐揚げもありますよね」
店主「そうなんです。最初は唐揚げの専門店として店を出そうと思ったんですけど、この店はもともと10年以上続くたい焼き屋さんで、その時のお客さんから『お願いだから、たい焼きは続けて欲しい!』と言われて、やることにしたんです」
伊藤「じゃあ、まずはそのたい焼きと、角ハイボールのメガ・ジョッキください!」
看板の「最初の一杯、ハイボール150円」に惹かれて入ったのに、メガ・ジョッキにしてしまいました!でも店主のお話を聞いて、今夜はなんだか “メガ“な気分。
しかし、なるほど。さっきから子どものお客さんもよく来るけど、その理由がわかりました。学校や塾の帰りに友だちとたい焼きを買って、出来たてをホクホク食べながら家に帰るというわけね。そりゃ楽しくてきっと会話も弾むことでしょう。一方自分みたいに1人でちょい飲みして帰る仕事帰りの人もいたり、晩御飯のおかずに唐揚げを買って帰る主婦の人もいたり、色々な人が集まる面白いお店です。
店主「お待たせしました!角ハイボールのメガ・ジョッキとたい焼きです!」
待ってましたー!メガ・ジョッキの大きさに興奮しつつ、たい焼きもなんだか普段よく見るのとは違います。
二層に分かれていて、中身が見える。生地はとても厚くて、普通のたい焼き2個分はあろうかという大きさです。
伊藤「ご主人、少し変わったたい焼きですよね」
店主「そうでしょ?普通のたい焼きは中に餡を入れて焼くんですけど、うちは両面を別々に焼いて、注文を受けてからその間に餡を挟んで提供してるんです」
伊藤「なぜそうしているんですか?」
店主「うちのたい焼きは、生地が自慢なので、それをしっかり食べて欲しいと考えた結果、こういう独自のスタイルになりました。どうぞ、熱いうちに食べてみてください」
それでは、大きな口でパクリ。
フワフワでほんのり甘みのある生地はまるでホットケーキのよう。餡よりも生地が主役という、最近流行りの薄皮たい焼きとは違った美味しさです!
伊藤「ボリューム満点の見た目とは裏腹に食感はとても軽いからどんどん食べられる。こりゃパンケーキ好きな女の子にも食べさせてあげたいな」
新感覚たい焼きの美味しさを実感したところで、さらに未知の領域へ……。たい焼きの味が広がる口の中に、ハイボールを流し込んでみます!
ゴクリ。
……ん?
たい焼きの甘さとウイスキーの芳醇な香りが溶け合いながら、最後はレモンの酸味と炭酸の刺激が口の中をスッキリとリセット……。
伊藤「初体験のたい焼きとハイボールという組み合わせ、とっても合います!」
餡の量が控えめで甘すぎないから、余計にお酒との相性もいいのかも。これは大発見。たい焼きもお酒も止まりません!そして、食欲にも火がついてしまいました。
伊藤「ご主人、唐揚げももらえますか?」
店主「かしこまりました。今ちょうど、焼売とチマキも蒸しあがりましたが。それから、最近おでんも始めました」
蒸したての飲茶と熱々のおでん……湯気と匂いになす術はなく、降参です。
伊藤「じゃあ、焼売とおでんもお願いします!」
店主「ありがとうございます!」
間もなく唐揚げと焼売が到着。
きたきたー待ってました!早速いただいてみましょう。
まずは大きな唐揚げを一口パクリ。
サクサクとした衣を纏った鶏肉は、驚くほど柔らかくてジューシー!醤油ベースのシンプルかつ奥深い味わいがなんともクセになりそうです。
そして、口の中に広がる脂の甘みを感じながら、どデカいジョッキを持ち上げて
ゴクゴク……
あーもう、最高……。心地よい炭酸の刺激を感じながら、旨みたっぷりの唐揚げがまるでウォータースライダーのようにスッキリと胃袋に落ちていく。この爽快感、たまりません!
焼売もいただいてみましょう。
焼売はとっても柔らかくてフワフワの食感で、サクサクとした唐揚げとのコントラストも楽しい!ハイボールとの相性は言うまでもありません。
まだまだいきます。続いてはおでん。
伊藤「なんだかつゆの色が濃いですね」
店主「そうなんです。うちで出しているのは静岡風のおでんだから色が濃いんです。スープは牛スジベースで、関東風や関西風のおでんとは違った味を楽しんでもらえると思います」
静岡風のおでん、食べるの初めてかも。熱いうちにいただいてみましょう!
おー、牛スジの旨みが効いていて、とってもいいお味です!あっさりとしたスープが具にしっかりと味が染みていて、噛むたびに幸せが溢れ出します。
寒い季節に熱々のおでんとよく冷えたハイボール。もう言葉はいらない、至福の時間です。
伊藤「ご主人、どれもとても美味しいです!」
店主「ありがとうございます」
伊藤「この店を出す前は別のお店にいたんですか?」
店主「この近所に『孤高のからあげ』という唐揚げ専門店があるんですが、そこを3年前にオープンしました。それまで飲食の経験はなくて、ITコンサルタントを20年くらいやってました」
伊藤「そうだったんですか?なぜ飲食を始めたんですか?ITコンサルタントなんて、結構儲かりそうなのに……」
店主「飲食って、自分の性格に向いていると思うんですよね。お客さんが「美味しい!」と言ってくれたり、その逆も含めて反応が返ってくるのが早いから、すごく楽しいんです。ITの仕事は、プロジェクトを始めてから成果が出てお客さんから反応が返ってくるまでに2〜3年かかることが普通で、時には反応が返ってこないこともありましたから」
伊藤「お金に変えられないものもあるんですね。お客さんの喜ぶ顔をもっと見たくて、色々リクエストに応えてきた結果、たい焼きや焼売、おでんなど、メニューが増えていったというわけですか」
店主「断れない性格なもんで(笑)」
ご主人との会話も弾んで、気付けばジョッキも空。
1日頑張った自分へのささやかなご褒美として、ちょい飲みにピッタリのお店です。家に帰る前にフラッと立ち寄る、私にとってサードプレイス的な場所になりそうな予感。
たい焼きを頬張りながらの“スイーツちょい飲み“は、女性にもオススメしたい楽しみ方。もしお店で会ったら、一緒に乾杯しませんか?
今回のお店
※価格やメニュー内容は変更になる場合があります。
※特記以外すべて税込み価格です。
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