
銀座のど真ん中、歌舞伎座の隣にある『茶禅』は、本格的な日本の茶道が体験できるスペース。近代的なビルの5階に上がって、扉を開けると、いきなり本格的な茶室が現れます。迎えてくれるのは、幼少期から禅の幼稚園に通い、茶道歴30年以上の竹田理絵さん。日本IBM勤務から茶道の講師に転じ、華道の教授でもあり日本伝統文化指導者でもあります。今回は日本に留学中の香港、中国、ミャンマー、ベトナムと日本の大学生が茶道体験に挑戦。その様子をレポートします。
茶道の歴史と手順を学ぶ

まず、茶道の歴史を解説する映像を見ることから体験はスタート。茶道で大事な「一期一会」の心(人との出会いは一生に一度だけという思いをこめて、相手に最善を尽くすこと)、茶室のなかではどんな身分の人も平等であることや、抹茶のもととなる茶葉について学びます。映像で見た茶葉の実物を見せてもらい、石臼でひいて粉にしたあとは、いよいよ茶室へ。


「つくばい」で手とともに心も清めたら、間口が60㎝×60㎝しかない茶室への入り口、「にじりぐち」から薄暗い茶室へ。茶室では「床の間」に飾られた花を見たり、掛け軸を眺めたり。足を崩しても構わないと言われたのに、いつのまにかみんな正座になっています。
すると竹田さんが和菓子をお盆に載せて登場。その美しさに、歓声が上がります。


「わ~、どれにしよう!きれい!」
みんなは、竹田さんの茶道のデモンストレーションをじっくりと見ながら、お菓子をいただきます。小さな楊枝でお菓子を切りながらも、竹田さんが行っていることが気になって仕方ない学生たち。全員のお茶ができあがると、一人一人の前に絵柄が異なる茶わんが置かれ、飲み方の作法を教わります。
最初は先生の点てたお茶をいただきます

「おいしい」
「香りがすごくいいね。甘いものを食べたあとだとちょうどいい」
人によっては苦い、飲みにくいという感想もある抹茶。竹田さんが苦味の少なく、甘みのある抹茶を選んでいるとのことで、みんなすぐに飲みきってしまいます。そして、次はお待ちかねの自分で抹茶を点てる体験です。
「お茶の味が違う!先生のほうがおいしかった!」

茶わんに抹茶を茶しゃくに2杯入れてお湯を入れ、茶筅で回さずに縦に動かすように混ぜていきます。「きれいな泡が立っていて上手ですよ」とほめられると、笑顔がこぼれる人も。さて、自分で点てたお茶のお味は?
「先生の点てたお茶と味が違う!先生のほうがおいしかった!」
みんな、味覚が鋭くなっています。それでも一人一人が奮闘して、自らのお点前を楽しみました。
楽しんだあとは、茶道についての質問タイム

「なぜお抹茶はこんな大きな茶わんなのですか?」
「日本茶の湯飲みも中国茶の茶わんも小さく、何杯もおかわりしますよね。でも日本の茶道の茶わんが大きいのは、一椀の中にお客様に対するおもてなしの気持ちや全ての思いを凝縮しているからなのです。」
茶道はただお茶を飲むだけでなく、五感を使って楽しむものでもあります。視覚は床の間を拝見したり、聴覚でお湯がたぎる音やお茶をたてる音、味覚と嗅覚はお茶やお菓子に対して、触覚はお椀の手触りなど。そういったことをすべて感じていただきたいのです。それに加えて和服や庭園、建築を含めたおもてなしで、茶道は日本の文化がすべて入っているといわれています。お茶を飲むことに集中すると、心を落ち着かせて自分自身を見つめ直し、精神を高めることができるといわれています。今回は、茶道初体験という人がほとんどでしたが、その感想は?
「アニメやドラマで見たことはあったけど、今まで興味を持たなかった茶の葉や茶道の礼儀やお点前の過程を興味深く感じました。もともとお茶を飲むのは好きでしたが、実際見たあとはもっと好きになりました」(国籍:中国・香港)
「茶道を学ぶと、日々の生活をちょっと豊かに華やかにすること、自分の精神をうまくコントロールすることができるようになると感じます」(国籍:ベトナム)
「日本人でも茶道のことをきちんと知らないということがわかりました。銀座とは別の場所に行ったような体験ができます」(国籍:日本)
「国の家族や友達に茶道体験のことを話したら、みんなやってみたいと言ってくれました」(国籍:ベトナム)
「先生が点ててくれたお茶と自分が点てたお茶の味が違うことにびっくりした。次は私も着物を着て、先生のように上手にお茶を点てたいと思いました」(国籍:ミャンマー)
「昔からお茶を飲むのはアジアの欠かせない文化で、中国や韓国、ベトナムなどお客様が家を尋ねるとき、お茶を出す習慣がある。しかし日本はお茶の文化が独特で、ほかのアジアの国々とすべて違っている。日本にしかない美しさを楽しみ、心を清潔にする方法だと思います」(国籍:ベトナム)
日本でも茶道は、今や愛好家の趣味となり、こういった機会を作らなければ楽しむことが少なくなっています。もしもあなたが日本を訪れる外国人ならば、知り合いの日本人を誘って茶道体験に出かけてみるのはいかがでしょう? お互いにとって、きっと「古くて新しい」体験になるに違いありません。
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茶禅
- 住所 Ginza Ishikawa Building 5F, 4-12-17 Ginza, Chuo-ku, Tokyo-to 104-0061

■茶道体験プログラム(予約制・対応言語:日本語 / 英語 / 中国語)
3,500円(税込)、プライベート(貸切) 4,500円 (税込)
■着物で茶道体験
・カジュアルな着物+茶道体験 6,800円(税込)
・本格的な着物+茶道体験 8,500円(税込)
※以上すべて1名の料金
・問い合わせ・予約
TEL: 03-6264-0690
FAX: 03-6264-0691
メール: info@chazen-co.jp
ホームページ: http://www.chazen-co.jp/
http://www.chazen-us.com/
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