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[MOVIE] 折って楽しい!− お茶の水 おりがみ会館

[MOVIE] 折って楽しい!− お茶の水 おりがみ会館

公開日: 2018/12/06

おりがみ好きにとって絶対に見逃せないスポットが東京にある。お茶の水おりがみ会館だ。ここでは単に数ある作品をご覧になれるだけでなく、ワークショップに参加して実際におりがみを折ることもでき、おりがみに関連したグッズや、和紙で作られたおりがみも展示されている。お茶の水おりがみ会館は、日本でも世界でも初のおりがみ専門の館だ。今回私はおりがみ会館を訪れ、古くから日本に伝わるおりがみという美しいアートの形態について、深く学ぶことにした。

日本古来の伝統的なアート、おりがみ

日本古来の伝統的なアート、おりがみ

世界中に広く伝わる日本の伝統的なアート。花から蛙まで、どんなに複雑に折り込むものでも、おりがみの形は自由自在だ。日本は、紙を使ったアートに非常に長けている国である。そしておりがみはたくさんの知恵と日本の文化が詰まっている。その代表的な例のひとつは、希望と癒しの象徴ともいえる折り鶴だ。折り鶴を千羽束ねた千羽鶴は、幸せや繁栄を呼ぶものとして縁起の良いものとされ、新婚のご夫婦や、新生児をご出産された方のお祝いとして、しばしば贈られることもある。おりがみは、現在の雛祭りの習慣とも密接に関連する。流し雛と呼ばれるしきたりでは、願いごとを紙で作った人形に託して川に流し、無病息災を祈るのだ。このように様々なタイプのおりがみを、私は目の当たりにすることができた。

お茶の水 おりがみ会館の歴史

お茶の水 おりがみ会館の歴史

お茶の水 おりがみ会館を運営する「ゆしまの小林」は、伝統ある古い日本の紙、和紙を使った専門店で、歴史は古く1858年まで遡る。私たちの間にも一般的となっている現在の正方形のカラフルなおりがみを初めて世界に広めたのも、ゆしまの小林で、150年以上もの長きに渡って高品質な和紙を作り続けている。これらの和紙は、おりがみ会館内の工場で実際に製造され、直接、見ることもできる。おりがみ会館は、東京・文京区の文化遺産のひとつに指定されており、入場が無料なのも嬉しいところ。

おりがみのギャラリーとショップを巡る

おりがみのギャラリーとショップを巡る

おりがみ会館に足を踏み入れるとすぐに、ギャラリーの和紙人形のおりがみや折り鶴など様々な種類のおりがみの展示が目の前に広がる。なかでも私が気に入ったのは、1枚の大きな紙から作られた、52個の小さな鶴が連なる「連鶴」と呼ばれるダイアモンド型をしたもの。ショップでは、和紙や千代紙など様々な種類のおりがみも販売されており、これらのおりがみの購入を目的に足を運ぶお客さんも多い。

ギャラリーは会館の中2階に位置する。数百種の異なるおりがみが並ぶ場所だ。ある一角には、最もシンプルで伝統的な型のおりがみが並び、これらの作品を見ることで、おりがみの起源やその美しい歴史を容易に想像できるだろう。私は、いくつかの革新的なおりがみに感銘を受けた。目の代わりにマッチ棒を使用した蟹のおりがみや、紙ナプキンをねじって作られたバレリーナのおりがみなど、非常に近代的な作りで現代の知恵が詰まった作品が並んでいた。アートとしては、これまで見たことのない全く新しい斬新なものだった。私が抱いていたおりがみ像をいとも簡単に打ち消すほど、おりがみには想像を遥かに凌駕する魅力にあふれていた。

染め工房

染め工房

会館の4階には、染め工房がある。和紙は、日本古来の伝統的な紙のひとつで、これらを全て職人の手でひとつひとつ染められる。手作業で紙が染められるこの工程は、訪れた人誰もが見学可能。紙を染色し、一枚一枚、満遍なく塗り上げて干すという流れだ。なお、この工場では、和紙に日本古来のデザインや模様が施された千代紙とよばれる紙も作られている。

おりがみ体験教室へ参加しよう

おりがみ体験教室へ参加しよう

おりがみ会館で最も印象的だったことのひとつは、館長を務める小林一夫氏によるおりがみの実演だ。小林氏は40年以上に渡り、おりがみの世界で活躍されている。事実、小林氏の家系はおりがみの歴史や伝統を作り出し継承してきたと言っても過言ではない。このおりがみ会館の創始者もまた彼の家系で小林幸助氏である。

小林氏家系の数十年に及ぶ努力の賜物で、現在の小林一夫氏のスキルは、真のおりがみマスターと称されるレベルまで到達している。紙を見なくとも最も難解な形態のひとつとされるおりがみを即座に折ることができ、苦労した様子ひとつ見せず彼のおりがみへの想いを話したり訪問者と会話したりなど、いとも簡単にしてみせる。ほんの数分で、彼は指輪にお花、動物をいくつも作り上げ、周りで見ていたお客さんたちにプレゼントした。

この実演中、私も少しおりがみマスター小林氏から短いレッスンを受けることができた。参加当時、春が近づいてきていた頃であったことから、来たる雛祭りに備えペアの雛人形の作り方を教わった。いくつかの異なる色の紙を使い、日本古来の人形を真似ながら、ちょっと高貴な雰囲気の着物を着たカップルの人形を作り上げることができた。

小林氏はおりがみについての多くの著書を持つ。おりがみの実演を披露されている最中にも、彼の著書の購入者に喜んでサインをし、お礼に特別な小さなおりがみを作り、プレゼントしていた。彼は和紙が非常に好きだそうで、黒と白のおりがみを重ね合わせて作るダルメシアンのおりがみが、彼の好きなおりがみのひとつだそうだ。

おりがみを通じて知る日本文化

おりがみを通じて知る日本文化

お茶の水おりがみ会館は、ギャラリーから工場、物販まで備わり、定期的にイベントや体験教室などスペシャルイベントも開催される。私はおりがみ会館で時間を過ごすうちに、この地を訪れるお客さんの多様性に気がついた。

訪日旅行者から子供連れの家族、高齢者まで、非常に幅広いお客さんがおり、おりがみの持つ魅力に惹かれる人々が集まる素晴らしい場所であると感じた。あなたも機会があればぜひお茶の水おりがみ会館を訪れてみて。必ずやかけがえのない体験ができることだろう。

営業時間 : 9:30 - 18:00
定休日 : 日曜、祝日、お盆・年末年始
入場料 : 無料

Written by:

Holly Neslusan

Holly Neslusan

アメリカのマサチューセッツで育ち、新たな冒険と、おいしい緑茶を探しに日本へやってきました。様々なことを追求し、そして書くことを通じて、大都市・東京で私だけの生き方をみつけることができました。

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