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訪日外国人に人気がある関東周辺の観光地といえば、栃木県の日光・鬼怒川。そんな日光・鬼怒川エリアと東京を結ぶ列車のひとつが東武鉄道の特急スペーシアです。
そして来たる2023年7月、このスペーシアの新型車両「新型特急スペーシアX」が導入されます。
今回は、ひと足先にLIVE JAPANスタッフが本格運行前の試乗会に参加! その全貌をご紹介します。
新型特急スペーシアXの試乗会に潜入!
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今回、待ちに待った運行がスタートする「新型特急スペーシアX」を体験してきたのは、LIVE JAPANスタッフの張さんとティモシーさんです。
「日本の鉄道システムは、台湾でも有名。来日する多くの台湾人は、日本の電車がどんなものなのか楽しみにしているんですよ。私もワクワクしています!」と張さん。
「日本の電車は種類がたくさんあって、デザイン、設備、サービスなどがユニークなので、世界的にも有名です。個性的な外観はもちろんのこと、車両内部がどうなっているのかとても楽しみですね。特に今回は、カフェ&バースペースに注目しています!」とティモシーさん。
訪日外国人が多く訪れる日光の魅力とは?
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多くの外国人観光客が訪れる、関東屈指の観光スポットのひとつである日光。四季ごとに姿を変える美しい豊かな自然とアクティビティ、温泉、日本を象徴する歴史的建造物、代々継承してきた伝統工芸、ご当地グルメなど、日本で一度は見てみたい景色、やってみたい体験が詰まっているところが大きな魅力です。
また、訪日外国人にとって東京No.1観光スポットでもある浅草駅から、乗り換えなしで最速で1時間50分(「特急スペーシア」利用時)というアクセスも人気の理由です。
日光は関東圏の小・中学校の修学旅行の行先になったり、女子旅や家族旅行で訪れたりと、子どもから年配まで人気の観光地で、特に秋の紅葉シーズンは全国から多くの人が集まります。
2023年7月15日(土)運航開始!「新型特急スペーシア X」とは?
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そんな浅草~日光・鬼怒川間をつなぐ東武鉄道の「特急スペーシア」。「スペーシア」とは、1990年にデビューした「100系」車両の愛称で、日光へ向かう観光客の重要な足として快適な電車の旅を提供してきました。その新型車両が、2023年7月15日に運行開始する「新型特急スペーシア X」です。
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従来の「スペーシア」のモデルの伝統を受け継ぎながらも、車両デザイン、インテリア、座席、環境配慮設計までさまざまなところがアップデートされています。座席のバリエーションは全6種類。スタンダードシート、ラウンジタイプのシートや個室など、目的や人数、予算に合わせて選ぶことができます。
・旅のスタイルにあわせて選べるシートバリエーション!
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こちらは一般のスタンダードシート。前方座席の背面に設置されたテーブルに加えて、ひじ掛け横にも小さなテーブルが付いています。
1列に対して1つの個窓が付いているので、居心地の良さや機能性が良く、景色も見やすいのが特徴。もちろん、電源も付いているので、スマホやタブレットの充電、PC作業もばっちりです。
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「スタンダードクラスといっても、予想通りとても快適!クッションにしっかり身体が沈んでリラックスできます。足元のスペースと座席の幅も十分で、僕でも窮屈さを感じることはありません。きっと体格の大きな外国人でもゆったり過ごせますよ。席の広さも十分で、コンセント、テーブルなど設備が充実しています。」とティモシーさん。
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従来のスペーシアとは違って「2列並び席+1席」の3列の配置(一部、1席+1席の2列もあり)で余裕があり、足元や座席が広く、よりくつろげるプレミアムシート。高級感のあるじゅうたんに映える鮮やかなオレンジが特徴的で、電動リクライニングは後ろの人を気にすることなく倒せるバックシェル構造、ネックサポート付きの可動式枕もついており、移動の時間も快適に過ごせる工夫が施されています。
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こちらは、パーテーションで仕切られた半個室のボックスシート。自分だけの空間にどっぷり浸って景色を楽しめます。シートの横幅にゆとりがあるので、小さなお子さんや赤ちゃんも一緒に座ることができます。
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赤が基調のこちらは、従来のスペーシアにもあった伝統的な個室をアップデートした、コンパートメント。折り畳みできるテーブルは機能性も抜群。
「個室タイプがあるのは、家族や友人グループの時にとても便利!プライベートを保ちながら、仲間と会話が楽しめるとってもいい空間です。」と張さん。
・浅草駅&東武日光駅がリニューアル
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また、今回のスペーシアXの運行開始にあわせて、東武スカイツリーライン「浅草」駅、および東武日光線「東武日光」駅も生まれ変わることになりました。
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どちらも日光の自然や荘厳さが感じられるデザインにリニューアルされます。
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注目ポイント①走るスイートルーム「コックピットスイート」
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今回の「新型特急スペーシアX」で一番の注目ポイント、見逃せないのが6号車のコックピットスイート。その名の通り、運転席の後方丸ごと1両がそのまま個室になっている1編成に1室しかないシートです。
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このエリアは、プライベートジェットをイメージしてデザインされているそうで、まさに「走るスイートルーム」。前方がガラス張りで運転席の様子も見られる特等席です。
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「これは素晴らしい!室内は広々していて、シートもとても快適で、落ち着いた内装はとても贅沢な気分が味わえますね。静かなプライベート空間なので、友人たちと楽しんだり、家族と一緒にリラックスしたりしながら過ごせる最高の空間だと思います。日本での忘れられない思い出になるはずです。」とティモシーさんも圧巻の様子。
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私鉄特急としては最大の大きさを誇る個室で、最大7人まで利用可能です。
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スタイリッシュな大きな窓は、日本の美しい田園風景を見るのに最適です。
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「スイート車両なのでドアを閉めると、他車両の音もまったく気にならなくなり、本当に特別なプライベート空間になります。広さはもちろんですが、落ち着く色調の空間がすごく好みです!こんなに優雅に遠距離旅ができたら、きっと旅行者にとって忘れられない嬉しい体験になりますよ」と張さん。
注目ポイント②日光グルメを味わえる「GOEN CAFÉ SPACIA X(ゴエンカフェ スペーシアエックス)」
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1号車のコックピットラウンジ内にあるのが、カフェカウンター「GOEN CAFÉ SPACIA X(ゴエンカフェ スペーシアエックス)」。
「ちょっと立ち寄ってみるだけで、 日光との『ご縁』が深まる」をテーマに、日光をはじめ沿線地域のいろいろな事業者と共同開発した、日光らしい味わいを楽しめるオリジナルグルメやドリンクが楽しめます。
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こちらがコーヒーやビールのお供にぴったりの、オリジナルスイーツやアペタイザーの一例。今回の試乗会用に用意されたものです。
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張さんのお気に入りはこちらの日光のブランドニジマス・頂鱒(イタダキマス)。「柔らかい食感と燻製の味が絶品です!」
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また、甘党の張さんは、ひと口羊羹も大ヒットでした。「甘さがちょうどいい一口羊羹がイチオシです!スイーツと一緒にコーヒーもお酒も両方味わえるのがいいですよね」
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グルメなティモシーさんもその味に感動!
「日光ブレンドコーヒーは軽やかな味わいで、どのスイーツやスナックの味も相性ぴったり。ビールは、口当たりがやさしく、飲みやすい味でした。とくに『頂鱒とらっきょうのリエット』は、燻製が薫るピリッとしたらっきょうの味と食感がクセになる一品です。日本らしいグルメとして特に味わってほしい、おすすめ品ですね!」
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ちなみにコックピットラウンジ内の座席を利用する場合は別途料金が必要ですが、カフェは他の車両に乗車している全員が利用可能です。
「コックピットラウンジに入った瞬間、運転席がきれいに見られる様子が目に入って心が奪われてしまいました!宇宙船のようでカッコイイ!」と張さん。
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特にティモシーさんは、
「グルメと共にコックピットラウンジのゆったりくつろげる空間がとても好みです。まるで線路の上のリビングのようです。僕だったら日光に向かう時にはコーヒーを飲んで、帰りは日光のクラフトビールを飲みながら、まるで家にいるように旅の準備と余韻を楽しむと思います。」
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コーヒーとクラフトビールはこの新型特急スペーシアXのために開発されたオリジナル商品なので、ここでしか飲めない特別な味です。
新型特急スペーシアXへの乗車方法や予約手続き
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・運行情報
浅草~東武日光・鬼怒川温泉駅間を毎日2往復、木・金・土休日は4往復運行予定です。
・チケット購入開始日
チケットは、乗車予定日の1か月前のAM9時から購入可能です。
・チケット購入方法
チケットは、インターネット、東武線各駅の窓口または券売機、旅行会社などで購入できます。
・チケット料金
乗車の際は、運賃+特急料金が必要で、運賃は下車駅によって、特急料金はシートによって異なります。また、コックピットスイート、コンパートメント、ボックスシート、コックピットラウンジは、運賃+スタンダートシート特急料金に加えてそれぞれの座席ごとに「特別座席料金」が必要です。
<浅草~東武日光までの運賃、および特急料金>
運賃:1,400円
スタンダートシート特急料金:1,940円
プレミムシート特急料金:2,520円
【特別座席料金】
コックピットスイート…12,180円
コンパートメント…6,040円
ボックスシート…400円
コックピットラウンジ…200円/1人用、400円/2人用、800円/4人用
- 運賃1,400円+スタンダートシート特急料金1,940円+特別座席料金200円=3,540円
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※ 注意事項
空席があれば、新型特急スペーシアXのホームおよび、乗車直前のホームでも購入可能ですが、特急料金が一律200円加算されます。
新型特急スペーシアXが走る主なルートや経由する観光地
新型特急スペーシアXは、東武スカイツリーライン、日光線、鬼怒川線の浅草~東武日光・鬼怒川温泉駅までを運行します。
日光には、世界遺産の「日光東照宮」、国内外の要人が多く利用してきた伝統あるクラシックホテル「日光金谷ホテル」、奥日光の入り口「中禅寺湖」、数多く滝がある日光エリアでも最も有名な「華厳ノ滝」など、観光地が目白押しです。
また、関東有数の人気温泉地である鬼怒川温泉には、東武ワールドスクエア、日光江戸村など、子どもから大人まで楽しめるスポットがたくさんあります。
実際に乗ってみた二人の感想は?新型特急スペーシアXの魅力やメリット!
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「スピードが速いのに揺れが少なくて、とても快適でした。名称の「X」と合わせた車両の外観デザインもとてもカッコいいと思ました。鉄道マニアではない私でも、ものすごくワクワクしましたよ!速さや使いやすさ、快適さといった機能性、車両や車内のデザイン性、どちらも追及されていて、今まで乗った電車の中でもピカイチ。やはり日本の列車は素晴らしいです」と、張さん。
ティモシーさんも、空間の心地よさ・快適さは特におすすめしたいポイントとのこと。
「新型特急スペーシアXの車両を見た瞬間から、そのデザイン性の高さと美しさに心が高鳴りました。スリムなライン、大きな窓、洗練された雰囲気がとても魅力ですね。実際に乗ってみると、どのタイプのシートでも快適でした。
オリジナルのコーヒー、ビール、スナック類はどれもおいしかったので、絶対に味わってほしいですね。ずっと乗っていたくて、到着してほしくなかったくらいです」
電車は移動手段ですが、この新型特急スペーシアXなら「電車に乗る」こと自体も旅の大きな目的のひとつになるのではないでしょうか? 日本の技術とセンスがあふれる新型特急スペーシアXで、日光の魅力をたっぷり感じてみてください。
※本記事の情報は2023年6月6日時点のものです。最新の情報は公式サイト等でご確認ください。
旅ライター×海外ツアーコンダクター。社会人向け教育コンテンツの企画開発・編集担当として11年従事。プライベートでは学生時代から旅に魅了され、これまで世界約50カ国150都市以上をめぐってきた大の旅好き。世界中、日本中のグルメを味わい、自然を感じ、世界遺産や歴史的建築を見て、温泉めぐりをするのが生きがい。そんな旅好きが高じて、会社員から旅ライター×海外添乗員へと転身。現在は、年間100日以上海外を飛び回りながら、旅ライターとしても活動。旅の楽しさ、日本の魅力、世界の多様な価値観をより多くの人に広めるべく、インバウンドの添乗や旅ライターの取材等で、日本各地を訪れて情報発信をしている。
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