東京からも近く、豊富な観光資源を有する静岡市の、電動自転車で巡るモニターツアーに参加してきました。お寺での宿泊や様々なアクティビティ・グルメなど、1泊2日の旅で静岡市の魅力を満喫してきました。短い滞在でしたが、効率的に楽しむことができたツアーについて紹介します。
まずは静岡市の基本情報をチェック!
東京駅から約180kmほど西に進むと静岡県静岡市に到着します。東京からのアクセスもよく、新幹線では1時間ほど。静岡市は海に面しており、富士山が見える魅力に溢れた街。
また、同じ静岡県には関東地方からも気軽に行ける人気の温泉地である熱海や伊豆などもあります。
自然環境にも恵まれている静岡市では、海の幸が豊富なことに加え、特産物としてはお茶やわさび加工品などもお土産として人気です。
東京からのアクセスもよく、豊富な観光資源を誇る静岡市を、電動自転車で巡った旅のレポートをします。
静岡市へのアクセス
①韓国・ソウルからのアクセス
現在、仁川空港から富士山静岡空港へ直行便が運航されている。
所要時間は1時間55分と、気軽に移動できる距離。
②東京からのアクセス
東京からは新幹線で1時間(ひかり)~1時間20分(こだま)ほどで到着。
東京からの1泊旅行は気軽に計画できてオススメ。
今回のモニターツアーのタイムスケジュール
【1日目】
13:30 出発
↓(電動自転車利用)
13:30~14:00 清見寺
↓(電動自転車利用)
14:10~14:30 興津坐漁荘
↓(電動自転車利用)
15:30~17:00 おかかえ茶園かねぶん
↓(タクシー利用)
17:40 一乗寺
↓(タクシー利用)
18:00~18:45 お風呂(健康ランド)
↓(タクシー利用)
19:30~20:30 一乗寺で夕食(昭神精進料理/日本のお寺料理)
↓
20:30 プロジェクションマッピング鑑賞
就寝(一乗寺にて宿泊)
【2日目】
06:00 起床
↓
06:30~7:00体験①座禅
↓
07:00~07:30 体験②朝仏空
↓
08:00~08:40 朝食
↓
09:30~10:30 体験③ 記書(おのれしょ/己書)
↓
11:00 出発
↓(電動自転車利用)
11:40~13:00 ランチ(清水クエスト)
↓(電動自転車利用)
13:20~14:00 世界遺産の三保の松原
↓
終了
旅程を見たときに、まず、充実した内容にワクワクしました。そして、静岡市を電動自転車で巡り、文化財を鑑賞し、広大な茶畑が広がる風景を楽しむ・・・。文化体験と自然体験を同時に楽しめるというところに魅力を感じました。はじめて体験するお寺での宿泊や、精進料理が特に気になりました。お寺で眠るってどんな感じなんだろう!
そして、なんと言っても、世界遺産の富士山を海越しに見られて、写真を撮ることができるということに期待が膨らみました!
自転車利用時の注意点
今回のツアーでは、自転車移動が多かったので、ここで自転車利用時の注意点についてあらためて見てみましょう。
静岡の自転車安全利用五則
1. 車道が原則、左側を通行、歩道は例外、歩行者を優先
2. 交差点では信号と一時停止を守って、安全確認
3. 夜間はライト点灯
4. 飲酒運転は禁止
5. ヘルメットを着用
それでは出発!
自転車に乗るのは実は久しぶり!でも体は覚えているものですね!
自転車のルールを確認の上、いざ出発!
①清見寺
学校で、韓国から日本に外交使節団である朝鮮通信使を送っていたという歴史を学んだ記憶があると思います。自転車で10分ほどの最初の目的地である清見寺は、朝鮮通信使とも関わりが深く、境内全域が朝鮮通信使遺跡として国の史跡指定を受けています。
西暦400~500年頃、朝鮮通信使の宿泊地としても利用されていたこともあり、清見寺には朝鮮通信使として来日した人々による記録や朝鮮通信使扁額が多数残されています。
教科書でしか知らなかった朝鮮通信使に関する遺物がまだ残っているということが不思議に感じられました。
本堂の赤いカーペットと外の青い新緑のコントラストが素敵に迫ります。
畳の縁側に座って国家指定文化財である名勝提案を眺めていると、時間が経つのを忘れます。ここに滞在した私の遠い先祖である朝鮮通信使の人々は、同じ景色を見て何を感じていたのでしょうか。
本堂の前には鐘楼があります。鐘楼はかなり高くて上がれば遠くの見事な風景を眺めることができるようです。
歴史を全身で感じつつ、次の目的に移動しました。
-
清見寺
- 住所 〒424-0206 静岡市清水区興津清見寺町418-1
- 電話 054-369-0028
公開:8:00~16:30
拝観料:大人:300円、中高生:200円、小学生:100円
交通アクセス:清水駅からバスで20分
②興津坐漁荘
清見寺から自転車で3分とかからないところに興津坐漁荘があります。
シンプルな1階建ての住宅のように見えるのですが・・・内部に入ってみましょう。
入り口は日本の伝統的な家屋でよく見られる引き戸で、入り口手前では、竹や木々で控えめに装飾された小さな庭園を楽しめます。
坐漁荘内部に入り、ここがどんなところなのか説明を受けました。
ひとことで言えば、元内閣総理大臣であり、明治の元老の西園寺公望(1849-1940)の別邸。西園寺は、日本の近代史で最も影響力を持った人のひとりで、教育にも力を入れたことが知られています。元老とは、天皇への進言役で、実質的な首相選定者として政界に大きな影響を与える地位。そんな西園寺公望が70歳から生を終えるまでの老後を過ごしたのが、この坐漁荘です。
年代を考えると、建物は築100年を超えるはずですが、非常に保存状態がいいという印象を受けました。後に説明を聞いて納得したのですが、この建物は復元されたものとのことです。実際の建物は、愛知県犬山市の明治村に移り、元々建物があった場所に建物を再建したそうです。
100歳の建築物だとは思えなかった理由が理解できました。
建物内部を歩くと、様々な工夫がされていることがわかります。
風の通りをよくする設計がされていたり、セキュリティ強化のために竹窓枠の中には鉄が入っていたり、2階の床は歩くとあえて音がするように作られていたり・・・。
建設当時できうる限りのセキュリティを目指してつくられたのではないかと思いました。
そして、庭園が映る白黒写真が飾られており、気になりました。この写真では、この家の庭園部分が海に面しており、文字通り、家の前に海が広がっているという感じです。
この過去の写真と現在の姿との違いについて尋ねると、日本の高度経済成長期に、海岸を広げるという事業が進んだことにより、現在の状態になったそうです。
家の前に海が広がっていた、西園寺公望が生きていた時代に訪れてみたかったなと少し残念に感じました。
-
興津坐漁荘
- 住所 〒424-0206 静岡市清水区興津清見寺町115
- 電話 054-369-2221
営業・利用時間:平日 10:00~17:00、土 日 祝日 9:30~17:30
利用料:大人・子供:無料
アクセス:JR興津駅から徒歩約14分(約1.4㎞)
東名高速道路清水ICから約2.4㎞(約5分)
③おかかえ茶園かねぶん
再び電動自転車で茶畑に向かって走り出します。暑い日ですが、小さな小川が流れる山道を走っていると、風が涼しく感じます。
自転車を漕いでいると、みかんの木の周辺に小さなレールのようなものが見えました。これは、みかん産地ならではの風景で、山で収穫したみかんを運ぶレールのようです。
電動自転車だから上り坂も全く苦ではなかったので、いつのまにか思ったより高いところまで上っていました。
1時間ほど電動自転車に乗って到着したのは、『おかかえ茶園かねぶん』。静岡の代表的な特産物であるお茶を、栽培し、直接販売する農家さんです。
ここが人気なのは、おいしいお茶の味はもちろん、茶畑から天気の良い日には富士山が見渡せる素敵な風景を楽しむことができるからです。
『おかかえ茶園かねぶん』では、お茶摘み体験やお茶とスイーツを楽しむことができます。
お茶をいただく前に、まずはお茶畑に向かってみました。
お茶畑までは車でさらに5分ほど上がってきた通りにありました。想像していたより高いところにお茶畑があることに少し驚きました。実際に訪れたこの日は、天気の影響で富士山は見えませんでしたが、晴れた日にはきっと素晴らしい景色が広がるのだろうと確信しました。
お茶についての説明を受けたあと、店舗がある場所へと降り、お茶体験を楽しみました。
喫茶室の中に入ると、さまざまな形と色合いの湯飲みが迎えてくれます。選んだ湯飲みによってお茶の味が変わるのだろうと想像すると、どれを選ぶか慎重になります。
『おかかえ茶園かねぶん』では、お湯で入れたお茶や水出しのお茶、さらには1煎目、2煎目、3煎目、とその味わいの違いをオーナーが紹介してくれます。
確かにそれぞれのお茶に特徴があり、違いを楽しむことができました。お茶に興味がある方はぜひ訪れてみることをお勧めします。
お茶を楽しむときに欠かせないのが、和菓子(日本菓子)ではないかと思います。
オーナーが提供してくれたデザートは栗やビスケットでほのかに甘く、お茶の苦味との相性は抜群でした。味のバランスや、色彩を考えられた盛り付けには、おもてなしの心を感じました。
-
おかかえ茶園かねぶん
- 住所 〒424-0111 静岡県静岡市清水区吉原979
- 電話 054-368-1913
営業時間:10:00〜16:00(喫茶室)
定休日:年中無休(前日までに要予約)
④一乗寺
茶畑をあとにし、電動自転車で本日の宿に移動。静岡市清水区に位置し、様々な体験ができる一乗寺に到着しました。
一乗寺の建物は荘厳な雰囲気で、神秘的ですが、本堂には子どもたちが本を読んだり勉強したりできる空間を設けていたり、周辺住民が交流の場として開放したりフレンドリーなお寺のようです。
本堂には丸みを帯びたランプシェードが並んでいました。町のお祭りがあったと説明してくれる僧侶の方の言葉にもお寺の持つ優しい雰囲気を感じました。
荷物を置いて夕食会場に移動します。
夕食
写真の右に移っているのがお寺のお料理を担当する料理長の轟さん。京都での修行を経て、現在は一乗寺の料理長でいらっしゃいます。
お寺では、お食事に関して感謝を伝える文章を読んでからお食事をいただくというのが一般的です。
料理は、前菜からメインまで提供されるコース料理。肉、卵など、動物性の食材は一切使用しておらず、豆類や野菜だけでつくられる料理がこんなにおいしいということにとても驚きました。
お寺のお料理ときいて、何か単品料理のようなものが出てくると思い込んでいましたが、想像を上回る味わい豊かなお料理が出てきました。
精進料理は味がしないと思っているひとがいたら、一乗寺のお料理を味わえば考え方が変わると思います。
最後には蓮の葉を使ったごはん料理も提供され、本当に満足しました!
おいしさもボリュームも本当に不足のない精進料理でした!
体験①プロジェクションマッピング鑑賞
ストーリーは、一乗寺の歴史に関するもの。主人公であるキツネが登場し、物語が展開されます。予備知識がなくても、楽しく見ることができる、美しい映像でした。プロジェクションマッピングは約10分ですが、全く飽きる事がありませんでした。
一乗寺の本堂にプロジェクションマッピングが投影される。周りが暗い夜に、お寺という空間で見るストーリーは格別のもの。
体験②座禅
一夜経って座禅の体験に向かいます。本堂の隣にある茅葺屋根の建物は、本堂とは少し雰囲気が異なります。茅葺屋根は定期的にメンテナンスが必要ということで、見られる場所は限られています。
そんな中でも、白川郷は茅葺屋根で有名なので、ご存知の方も多いかもしれません。
朝、早起きして、座り方や姿勢についての指導を受けた上で、すがすがしい精神状態で
座禅体験に向かいました。お寺の周りには木々も多く、鳥の鳴き声なども聴こえてきて、おだやかな気持ちで座禅に臨むことができました。
体験②朝のお勤め
座禅体験の後は朝のお勤めで、お焼香とお祈りをしました。僧侶の方が、我々が参加しているこの1泊2日のモニターツアーが安全であるようお祈りくださいました。
朝食
朝食は、伝統的な日本家屋の雰囲気が漂う畳みの部屋でいただきます。
早起きして座禅と朝のお勤めを終えた後に朝食をいただきました。
夕食のようにコース仕立てのお料理で、本当においしかったです。
体験③己書
朝食を終えて最後の体験である己書を始めました。己書とは、伝統的な書道とは違う新しいタイプの筆文字で、楽しく書く自由な形式です。
先生の説明を聞き、基本を身につけるために、まず、いくつも円を書いていきます。そして、その円の中に文字を書く練習をし、絵もその中に描いていきます。
久しぶりに筆ペンを持ってみましたが、書いているうちにどんどん楽しくなってきました。
一乗寺に前日夕方に到着し、そこから夕食、プロジェクションマッピング、座禅、朝焼け、朝食、想い出まで、さまざまな体験をし、非常に充実した滞在でした。
お寺という特別な空間の中で、のんびりする、というよりは、いろいろな体験を思いきり楽しみたいという方にはぴったりのコースだと思います。
⑤出発
今回のお寺滞在でいろいろとお世話になった僧侶の方と記念写真を撮り、次の目的地へと向かいます。
移動はもちろん電動自転車。前日同様、さきちゃんが先導してくれます。
いろいろな道を知っていて、小さな路地なども把握しているのが不思議です。
-
庵原山 一乗寺
- 住所 〒424-0114 시즈오카현 시즈오카시 시미즈구 이하라초 1937
- 電話 054-366-0182
アクセス:JR清水駅より車で約15分
⑤ランチ(清水クエスト)
朝食を食べたばかりだったので、少し早い時間のような気がしますが、昼食会場のホテルクエスト清水に到着しました。
こちらでは、『駿河湾レシピ』が提供されています。『駿河湾レシピ』とは、低カロリー、低炭水化物、低塩分に加え、静岡の地元の食材や良い油を使用している健康的な料理のこと。
地元で生産された新鮮な野菜をつかったサラダから、メイン料理まで、おいしさと健康を同時に楽しむことができる食事でした。
-
ホテルクエスト清水
- 住所 〒424-081 시즈오카현 시즈오카시 시미즈구 마사고초 3-27
電話:054-366-7101(宿泊)
アクセス:JR清水駅えじり口より徒歩1分
静岡駅まで3駅11分。
⑥三保の松原
昼食を終え、最後の目的地である、世界遺産の三保松原まで疾走します。20分ほど、街の中を走行します。途中で雨に降られましたが、暑さで火照った身体を冷やしてくれるという程度で全く問題ありませんでした。街中の道路も車が多くなく、自転車フレンドリーでした。
海岸沿いの道路も整備されていて、走りやすいので、風を感じながら気持ちよくサイクリングをすることができます。
この日はあいにくのお天気でしたが、晴れていたら目の前には富士山が広がります。次回はぜひ富士山を見たい!と思いながら走りました。
ついに最後の目的地、三保松原に到着し、記念撮影。背景に映っている松林が、まさに『三保松原』です。
ここは、富士山世界文化遺産構成資産に登録されており、約7kmの海岸に、約3万本の松の木が植えられており、松の緑と青々とした海、白い波と富士山が生み出す風光明媚な景色は、浮世絵や数多くの絵画・歌などで描かれています。
雲が多く、富士山が見えなかったのが、やはり残念でした。
天気が良かったら、果たしてどんな風景が目の前に広がるのだろうか?とずっと考えていました。
私は直接見れませんでしたが、この風景が、多くの絵画や歌に描かれた姿です。
写真で見てもステキな風景であることがわかります。実際に見たらさらに感動するのでしょう。海岸沿いに押し寄せる波と、風に触れる松の葉、そして海風によって運ばれる海の香りをぜひ直接体験することをおすすめします。
-
三保の松原
- 住所 〒424-0901 시즈오카현 시즈오카시 시미즈구 미호
電話:054-340-2100(静岡市三保松原文化創造センター「みほしるべ」)
営業・利用時間:9:00~16:30
定休日:無休
アクセス:JR静岡駅から東海道線でJR清水駅下車、JR清水駅からバス三保山の手線で約25分「三保松原入口下車」徒歩約20分
東名高速道路『清水IC』から約25分、東名高速道路『日本平久能山スマートIC』から約25分
これで、今回の静岡市での1泊2泊のツアーが終了。
タイムスケジュールを最初に見たときは、少しせわしない旅になるかと思っていましたが、
結果的には、さまざまな体験をじっくりと楽しむことができ、非常によかったというのが感想です。
そして、今回訪れた場所以外にも静岡市にはまだまだ魅力のあるコンテンツが多いのだろうと想像ができました。またぜひ静岡市に来て、他の場所も訪れたいです。
仁川空港からも直行便が出ていて、すぐに来られるので、ぜひ静岡市を次の旅の目的地にしてはいかがでしょうか。
※価格やメニュー内容は変更になる場合があります。
※特記以外すべて税込み価格です。
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