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NIPPONIA 秩父 門前町│歴史ある建築を再利用の古民家ホテル 宿泊レポート&周辺ガイド

NIPPONIA 秩父 門前町│歴史ある建築を再利用の古民家ホテル 宿泊レポート&周辺ガイド

公開日: 2022/12/07

せっかく日本に来たなら、歴史、風情といった日本らしさを感じる体験をしたいものですよね。近年、日本ではリノベーションが注目されています。昔使われていた商店や町家、古民家などをリノベーションした宿泊施設が増えており、外国人はもちろん、日本人も懐かしさを感じる、都会の喧騒から離れて癒されると人気です。

そこで、今回は都心からアクセスがよく、古い街並み自然温泉が楽しめて、土地ならではの文化が根付く埼玉県・秩父市にある日本の歴史的な建築を利用した宿泊施設「NIPPONIA 秩父 門前町」をご紹介。アメリカ出身の編集者が実際に宿泊&観光をして感じた、ホテルの魅力や癒されポイント、秩父観光の楽しみ方などについてレポート形式でご紹介します。

目次
  1. ■「NIPPONIA 秩父 門前町」とは?
  2. ■今回宿泊したのは、蔵を改装した客室
  3. ■全8室のお部屋はそれぞれ個性があり、日本の雰囲気たっぷり
  4. ■秩父の癒し旅に最適プラン①ホテルオリジナルの「レトロな秩父町歩きツアー」
  5. ■秩父の癒し旅に最適プラン②祭の湯(温泉エリア)
  6. ■ご当地食材を活かした絶品‟秩父フレンチ”のコース料理
  7. ■エネルギーをチャージして癒される旅ができる町「秩父」

■「NIPPONIA 秩父 門前町」とは?

■「NIPPONIA 秩父 門前町」とは?

「NIPPONIA 秩父 門前町」は、東京・池袋から電車で約80分、埼玉県秩父市にある古民家をリノベーションしたホテルです。西武線「西武秩父」駅より徒歩15分、または秩父線「秩父」駅より徒歩5分で、大正から昭和にかけて建てられた建物や古民家が残されている番場町、パワースポットとして知られる秩父神社といった観光スポットからほど近いところにあります。

NIPPONIAブランドの宿泊施設として、2022年8月にオープンした「NIPPONIA 秩父 門前町」。NIPPONIAは「なつかしくて、あたらしい、日本の暮らし」をコンセプトに、古民家や歴史的な建築などを再生して、日本の原風景を感じてほしい、またその土地に根付いた体験をしてもらいたいと、ホテル旅館とも違う特別な「滞在」を提供しています。

ここ埼玉県秩父エリアは、都心からのアクセスが良く関東近郊では人気の観光地。豊かな自然に囲まれ、ご当地グルメや温泉はもちろん、大正・昭和時代の雰囲気を残すレトロな街並みや歴史的な名所、神社や秩父夜祭をはじめとしたお祭りも多い信仰の根付いた土地としても有名です。また、アニメ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」(通称:あの花)の聖地としても知られており、その他のアニメやCMの舞台としても多く使われています。

そんな秩父にある「NIPPONIA 秩父 門前町」はMARUJU棟、KOIKE・MIYATANI棟と宿泊できる建物が2棟ある分散型ホテルで、それぞれ徒歩5分程離れた場所にあります。この趣ある美しい建物はひと際目立っており、見えた瞬間からワクワクします。かけられている暖簾もまた、まるで旅人を待ってくれているようなあたたかさを感じます。

秩父神社に近いMARUJU棟は、もともと薬局として使われていた築100年を超える民家と蔵を改装しています。日本の昔の雰囲気や趣を残しながら、内部はどこもきれいにリノベーションされています。

チェックインなどの受付、夕食や朝食のレストランはすべてこのMARUJU棟で行います。KOIKE・MIYATANI棟に泊まった場合もでも、まずはここで受付となります。

施設について、滞在中の注意点や夜間連絡先、近隣のおすすめ情報など、フレンドリーなスタッフが丁寧に説明してくれます。

番場町にあるKOIKE・MIYATANI棟は、もとはタバコ店と履物店だった建物を改装しています。

昭和の雰囲気を残す洋風調ファサード建築の外壁は登録有形文化財に指定されており、今ではとても貴重な建物となっています。

■今回宿泊したのは、蔵を改装した客室

■今回宿泊したのは、蔵を改装した客室

今回、外国人編集スタッフ・ティモシーさんが宿泊したのは、蔵を改装したMARUJU棟の客室です。
「ドラマなどでしか見たことのない日本の蔵。実際に中に泊まれるなんて、とても不思議な感じですが、楽しみです!」

1階部分がリビング、2階がベッドルームのメゾネットタイプ。土足はNGなので、靴を脱いで上がります。

吹き抜けの天井と、蔵ならではの大きく立派な梁は圧巻。この上にベッドルームがあります。「秩父という町に流れている時間や聞こえる音で、ゆったりと過ごしてほしい」と、あえて部屋には時計やテレビなどは置かれていません。その土地の時間軸で過ごし、何もない不便さも楽しむというのは、忙しい毎日を過ごす現代人にとって最高の贅沢なのかもしれません。時代が醸し出す雰囲気に、思わずじっくりと浸ってしまいます。

時代の趣は残しつつも、客室の設備はキレイで使いやすさが配慮された造りになっています。
バス・トイレはもちろん完備。特にお風呂は良い香りが漂う檜造りで、浴槽も洗い場も十分に広く、ゆったり使えます。

ベッドは、全客室シモンズ製のしっかりしたマットレスで、最高の寝心地です。またセミダブルサイズの大き目のベッドなので、大柄な外国の方でもストレスなく眠れます。
「部屋はとても静かで、ベッドも快適。本当に心地よく、なんだかピースフルな気持ちになって、よく眠れました」とティモシーさん。

秩父の銘菓とともに、急須に湯呑という日本らしいアイテムも完備。こうしたさりげない和のしつらえがまた嬉しいポイントです。

■全8室のお部屋はそれぞれ個性があり、日本の雰囲気たっぷり

MARUJU棟 201の内部イメージ
MARUJU棟 201の内部イメージ

客室は全8室(MARUJU棟、KOIKE・MIYATANI棟合わせて)。どの客室も、もとの建物の造りや内装を生かしているので、それぞれに違った味わいがあります。
こちらの和室は畳に布団を敷いて寝るスタイル。日本ならではの生活文化を感じることができます。最大4名まで宿泊可能なので、家族一緒に「川の字に並んで眠る」のもおすすめです。

MARUJU棟 103の内部イメージ
MARUJU棟 103の内部イメージ

MARUJU棟の5室は、100年という時代を経てきた重厚な落ち着いた雰囲気。懐かしさを感じたい、静かにゆっくり過ごしたいご夫婦やカップル、家族におすすめです。

KOIKE・MIYATANI棟 202の内部イメージ
KOIKE・MIYATANI棟 202の内部イメージ
KOIKEMIYATANI棟 203の内部イメージ
KOIKEMIYATANI棟 203の内部イメージ

KOIKE・MIYATANI棟は、家具やインテリアに工夫がほどこされたレトロモダンなおしゃれな雰囲気。こちらは女子旅や若い年齢層の方にもぴったりです。
タイムスリップしたような感覚で、夜は部屋で時代小説を読むなんていう過ごし方もいいのではないでしょうか。

■秩父の癒し旅に最適プラン①ホテルオリジナルの「レトロな秩父町歩きツアー」

「NIPPONIA 秩父 門前町」では、平日の朝チェックアウトの宿泊者限定で、秩父夜祭と水の街と言われるレトロな秩父の町をホテル専門ガイドと散歩しながら巡る、町歩きオプショナルツアーを開催しています。(所要時間1時間:2,200円/1名 ※英語、台湾語での多言語ガイド可能<要事前予約>)ホテルから出発して、秩父神社~番場通り~団子坂など、近隣の名所を回っていきます。

特に秩父と言ったら外せない名所は「秩父神社」。三峯神社(みつみねじんじゃ)、寶登山神社(宝登山神社:ほどさんじんじゃ)を含めた三つを「秩父三社」と言い、関東屈指のパワースポット。秩父神社の祭事のひとつである「秩父夜祭」は、ユネスコ無形文化遺産に登録されている有名なお祭りです。

権現造(ごんげんづくり)という建築様式で色鮮やかな彫刻が施された豪華な社殿は、県の重要文化財にも指定されています。現在、一部工事中ですが、緻密で彩り豊かな彫刻は息をのむ美しさ。2000年以上とも言われる歴史を紡いできたこの空間は、ただいるだけでも心が静かになり、浄化されるような気分になる場所です。

■秩父の癒し旅に最適プラン②祭の湯(温泉エリア)

■秩父の癒し旅に最適プラン②祭の湯(温泉エリア)

ホテルの檜風呂もおすすめですが、せっかくなら秩父の温泉でも癒されたいところ。現在、「NIPPONIA 秩父 門前町」に宿泊すると、西武秩父駅直結で祭りをコンセプトにした複合型温泉施設「祭の湯」の利用券が付いてきます。

シルク湯、つぼ湯、岩盤浴など、さまざまなタイプのお風呂があり、土日祝日なら朝風呂も利用できます(AM6:00~9:00)

露天風呂「花見湯」では、定期的にコンセプトを変えたオリジナル人工温泉が楽しめます。今の時期は、春になると秩父のシンボルで「武甲山」の麓一面に広がる芝桜の丘をイメージしたピンクのお湯。日中は青空、夜は星空を眺めながら、お湯につかっていても秩父を感じられます。

館内に多言語対応スタッフは常駐していませんが、英語のパンフレットを使って案内してもらえます。また、入れ墨があると利用できないので、注意しましょう。

■ご当地食材を活かした絶品‟秩父フレンチ”のコース料理

■ご当地食材を活かした絶品‟秩父フレンチ”のコース料理

「NIPPONIA 秩父 門前町」は、レストラン「Restaurant MARUJU」で提供される料理も魅力的。
東京・日比谷の人気フレンチビストロ「morceau(モルソー)」の秋元さくらシェフ監修による、秩父の食材を生かした「秩父フレンチ」のコース料理です。ここでしか味わえない、五感にうったえる洗練された料理はオープン以来評判になっています。

一品目でぐっと秩父を感じてもらいたいと、秩父野菜や秩父味噌をつかったスペシャリテ。地元のガラス作家さんが作った器に盛られた美しい一皿です。キュウリやリンゴ、セロリの爽やかさと少し辛みのあるソースとの相性がぴったり。まさに計算しつくされた手の込んだ味です。

二品目は、秩父名産の野菜、地元の武州豚を使ったハムなどの前菜盛り合わせ。

客室に浴衣が用意されているので、「日本らしい旅」を楽しもうと浴衣で食事をとったティモシーさん。前菜からこの笑顔、「味も雰囲気も満足です!」

三品目は、秩父産かぼちゃのポタージュ。

この時期が旬の秋マスの下には、秩父名産の野菜「しゃくし菜」が敷かれた魚料理です。

メインは鹿肉のロティ(ロティ:オーブンで高熱で焼き上げる調理法)、秩父産の野菜添え。自然豊かな秩父では、ジビエも味わいたいグルメの一つ。ここ「Restaurant MARUJU」の鹿肉は評判で、特におすすめの一品だそうです。

スッとナイフが入る柔らかさで、中からはジューシーなレアに焼き上げられたピンク色の赤身肉。食欲をそそります。

「この鹿肉の柔らかさと味わいは絶品です」と大絶賛。

デザートは、秩父産のブドウと地元のチーズ工房のチーズを使ったチーズケーキのようなクレームダンジュ。ジューシーなブトウの果肉、爽やかなゼリーと濃厚なチーズクリームがさっぱりと締めてくれます。

どの料理にも秩父のエッセンスが感じられ、すべての素材が活かされたとても優しく繊細な味わいは、お腹も心も満たされます。ゆっくりと流れる時間の中でじっくりと食事を楽しむことに加え、お酒とのペアリングもおすすめです。
ちなみにレストランは宿泊者だけでなく、食事のみの利用も可能です(5日前までの予約制)。

朝食も、秩父で獲れた地場の野菜や卵、鮎などの川魚、地産の味噌や梅干しなど、秩父の素材や味にこだわったもの。バリエーション豊富で、目にも身体にも栄養たっぷりの和定食です。夕食のフレンチとはまた違った、日本らしい朝ごはんが味わえます。

■エネルギーをチャージして癒される旅ができる町「秩父」

■エネルギーをチャージして癒される旅ができる町「秩父」

実際に滞在したティモシーさんは「外観は歴史を感じる昔ながらのものを、中はそれぞれの部屋がとてもきれいで、内装も上品でとても洗練されていました。歴史を感じる建物で泊まるのは「日本のらしさ」が肌で感じられて、最高の気分になりました。また、スタッフはとても親切に対応・説明してくれて、『ホテル』というより、まるで『家』にいるような居心地の良さも。宿泊や観光、人とのふれあいなど、旅のいろいろなシーンで地元に根付いた体験ができるというのは、とても魅力的です。」との感想。

ゆっくり温泉に浸かって、秩父の食にこだわった栄養たっぷりの食事をとり、落ち着いた心地よい宿でぐっすり眠り、自然や信仰のエネルギーで満たされたパワースポットをめぐる。これこそが、おすすめしたい秩父の楽しみ方です。また、その他にも川下りやラフティング、ハイキングやアスレチックなど自然を感じられるたくさんアウトドアアクティビティも充実しています。時間に余裕があれば挑戦してみてください。。

癒されながら元気をもらえる「NIPPONIA 秩父 門前町」での秩父旅、ぜひ楽しんでくださいね。

【施設基本情報等】
●対応可能言語
日本語 ※ただし、翻訳アプリでの多言語対応可
●実施中のコロナ対策
・除菌・消毒液の設置
・お客様の入れ替わり都度の消毒
・店舗・施設内換気の実施
・仕切り板の設置
・スタッフのマスク着用・手洗い・消毒・うがい・検温の実施
・入店人数や席間隔の調整
・入場制限、予約制の実施
・体調不良のお客様の入店お断り
・お客様へのマスク着用のお願い・検温の実施
・従業員の客室サービス(入室)の制限
●施設情報
・部屋数:全8室
・営業時間:チェックイン15:00~21:00/チェックアウト11:00
※夕食付プランの場合は、19:00迄にチェックイン 
フロントデスクの営業時間 : 毎日 7:00 ~ 21:00
・料金:\ 13,000~/1室1名あたり (最安値目安)
※料金は変動制
Written by:
島田みゆ
島田みゆ

旅ライター×海外ツアーコンダクター。社会人向け教育コンテンツの企画開発・編集担当として11年従事。プライベートでは学生時代から旅に魅了され、これまで世界約50カ国150都市以上をめぐってきた大の旅好き。世界中、日本中のグルメを味わい、自然を感じ、世界遺産や歴史的建築を見て、温泉めぐりをするのが生きがい。そんな旅好きが高じて、会社員から旅ライター×海外添乗員へと転身。現在は、年間100日以上海外を飛び回りながら、旅ライターとしても活動。旅の楽しさ、日本の魅力、世界の多様な価値観をより多くの人に広めるべく、インバウンドの添乗や旅ライターの取材等で、日本各地を訪れて情報発信をしている。

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