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本場・中国人が「日本の中華料理店」でショックをうけた4つの理由

本場・中国人が「日本の中華料理店」でショックをうけた4つの理由

更新日: 2021/02/13

同じアジア圏で、日本人にも非常になじみのある中華料理。街中でもたくさんの中華料理店を見かけますよ。そんな中華料理の中には、実は日本オリジナルのものも多く、本場中国とは違っていたり存在しないものもあるのだそう。中国の人は、日本の中華料理のどんなところに衝撃を受けたのでしょうか?

そこで今回は、日本に来日して3年の中国人男性に「本場中国と日本の中華料理の違いでショックを受けたこと」についてインタビューしてみました(以下はアンケートに応じてくださった方の個人的な意見です)。

油淋鶏、美味しいけど日本独特!

油淋鶏、美味しいけど日本独特!

「まず、日本ならではの中華料理で思いつくのは『油淋鶏』。油で揚げた鶏肉はあるけど、衣がついててタレがかかってるっていう、あの油淋鶏は中国にはないですよ。日本ではどの店でもあるからびっくりしました」

定食屋さんでも出てくるほど、割と定番のメニュー油淋鶏ですが、中国では衣がついていない鶏が主流なのだそうです。でも、味はすごくおいしいので日本バージョンも大好きということでした。

中華料理が全体的に辛くなくてショック!

中華料理が全体的に辛くなくてショック!

「特に違いが大きいと感じたのは、四川料理。私の出身地は四川省に近いんですが、特に四川料理は辛い料理が多いので、日本の中華料理とは全然味が違います。中でも麻婆豆腐!全然辛くなくてショックでした。日本の辛いレベルは弱くて、大辛にしても甘いです(笑)」

四川料理といえば、唐辛子や花椒などの香辛料をたくさん使った辛い料理です。麻婆豆腐といえば、舌がビリビリとするような辛さが特徴ですが、日本のものは全く辛くないのだそうです。

しびれ料理がブームになるほど最近は日本の麻婆豆腐もいろいろなタイプが増えてきているとは思いますが、一般的な辛さのレベルは弱めで、本場の人にはかなり物足りなさを感じてしまうようですね。

餃子がおかずなの!? 皮もぜんぜん違う!

餃子がおかずなの!? 皮もぜんぜん違う!

餃子はいろいろと違いますねー。日本では餃子がサイドメニューでしょ?中国では餃子は主食の位置づけです」

餃子は中国では主食のメニュー。日本ではおかずにする場合がほとんどです。小麦粉が材料なので、麺類と同じと考えれば確かに違和感があることにも納得。しかしながら、餃子定食はやっぱりやめられないのが本音です。

「それに日本では焼き餃子が主流ですが、中国では水餃子です。だから皮も全然違いますね。日本の餃子の皮で水餃子を作ろうとしたら、全部破けちゃって…すごく薄い。本場の餃子はモチモチしてしっかりした皮ですね」

日本では餃子といえば焼き餃子で、皮は薄めでパリパリしているところが多いですが、中国ではモチモチの水餃子が基本。具材も肉と野菜、ニラだけではなく、本場中国ではいろいろな種類があるそうです。

ラーメンの美味しさにびっくり!中国にはない!

ラーメンの美味しさにびっくり!中国にはない!

ラーメンも中国と違いますよね。日本はスープがものすごく凝ってる!中国だともっとスープがあっさりしてたり、刀削麺といって麺に特徴があるものだったりします。あんなにスープの味の種類があって、お店で全然違っていてこだわってるのは、日本ならでは。これは完全に日本のほうが美味しいので大好きですね」

ラーメンそのものの発祥は中国ですが、日本のラーメンはもはや独自の料理と言ってもいいくらいです。中国にはないラーメンの味にすっかりハマってしまったようで、今では日本のほうが上回るそうです。

中華料理と中国料理は別モノ!

中華料理と中国料理は別モノ!

そもそも、中華料理とは日本人向けにアレンジされた中国の料理のことで、本場では中国料理。そのため、中華料理となったらメニューや味が違うのは当然といえば、当然なのです。本場の味が食べたい時には「中国料理」のお店に行ってみるのがいいということです。

「回肉とか青椒肉絲、麻婆ナスは日本の人もよく食べますよね?どれも中国にはありますけど、やっぱり中国のほうが美味しいって思っちゃうかな。やっぱり調味料とか、使ってる香辛料の種類や量、調合が違うんですよね。中国じゃお店によっても違っているので、同じ味っていうのはあまりないです」

なるほど、日本人的要素を入れているとはいえ、そもそも味付けをする調味料が異なるので、まったく同じように再現するのは難しいのだそう。ただ辛いだけではなく、その中に奥深い味があるのが中華の醍醐味なのですね!

補足:乾杯で冷たいビールは飲まない

補足:乾杯で冷たいビールは飲まない

「ショック、ではないですけど、日本みたいに乾杯でいきなり冷たいビール!はないですね。中国じゃまず温かいお茶が出てきますし、乾杯は焼酎が多いです。冷たい料理を先に食べてから温かいものにっていう順番もあまりないです。やはり中国人は、冷たいものを食べるのは体に良くないと思っているので」

日本の中華のメニューでは、欧米のフルコースのように冷菜、温菜のようになっていますが、中国本場ではそのような流れで食べるわけではないそうです。

ちなみに、今回インタビューした方に懐かしさを感じるおふくろの味はと聞いてみると「酸辣湯」だそう。ちょっと意外ですよね!こちらも使っている調味料が日本では揃わないため、同じ味を味わうのは難しいんです、と恋しそうに話してくれました。

中国の人にとっては本場と違うことがいろいろとあるけれど、「日本は食材が新鮮で安全だから、そういう意味でも日本の中華はすごくおいしいと思います(笑)」とのこと。ちょっとずつアレンジされて独自のスタイルとなっている日本の中華料理もそう悪くはないようです。辛さや調味料も本格的な中国料理と、ぜひ食べ比べてみてください!

Written by:
島田みゆ
島田みゆ

旅ライター×海外ツアーコンダクター。社会人向け教育コンテンツの企画開発・編集担当として11年従事。プライベートでは学生時代から旅に魅了され、これまで世界約50カ国150都市以上をめぐってきた大の旅好き。世界中、日本中のグルメを味わい、自然を感じ、世界遺産や歴史的建築を見て、温泉めぐりをするのが生きがい。そんな旅好きが高じて、会社員から旅ライター×海外添乗員へと転身。現在は、年間100日以上海外を飛び回りながら、旅ライターとしても活動。旅の楽しさ、日本の魅力、世界の多様な価値観をより多くの人に広めるべく、インバウンドの添乗や旅ライターの取材等で、日本各地を訪れて情報発信をしている。

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