例年、10月下旬頃から紅葉がはじまる東北地方にある山形県。雄大な山々が赤や黄色に染まる大自然の美しさに心が癒されます。客室や露天風呂などから紅葉を眺められる宿に泊まって、プライベートな空間から秋ならではの絶景を楽しんでみませんか?
1.築100年以上の宿で鮮やかな山並みを一望「深山荘高見屋」(山形市蔵王温泉)
山形県山形市の南東部、蔵王連峰の西麓にある蔵王温泉。この温泉地の高台に建つのが、1716年創業の老舗宿「深山荘高見屋(みやまそうたかみや)」。山形駅から山交バスの蔵王温泉行きに乗り、終点で下車。そこから歩いて約5分で到着します(送迎バスは宿泊予約時に確認)。建物は、築100年を超える重厚な純和風木造建築で、白壁と深い木の色の組み合わせがシックなイメージです。
プライベートな空間でゆっくり過ごしたいのなら、離れの別邸「雛蔵(ひなぐら)」がおすすめです。家財や商品などを安全に保管する建物、蔵を1棟全面改装し、2層にした客室。一軒家のようなたたずまいで、リラックスした気分で滞在できます。部屋の中には、床を四角く切り抜いて防寒や煮炊き用に火をたく囲炉裏や畳部屋もあり、伝統的な日本家屋の雰囲気が楽しめます。
「離庵山水(りあんさんすい)」も雛蔵同様、ゆったりとくつろげる部屋。フェラーリのデザインを手がけたことのある山形出身の工業デザイナー・奥山清行(おくやまきよゆき)氏がプロデュースしています。コンセプトは「伝統と革新の調和」。和を基調とした空間にモダンなデザインのテーブルやイスを配し、外国人客でも馴染みやすいインテリアを備えています。「雛蔵」、「離庵山水」ともに部屋に露天風呂を設け、温泉に浸かりながら極彩色に染まる山並みを一望。秋ならではの美しい景色をひとり占めできますよ。紅葉の見頃は10月中旬から下旬頃になります。
「深山荘高見屋」は館内に9つの風呂があり、湯めぐりできるのも魅力のひとつ。川のせせらぎが聴こえる半露天風呂の「せせらぎの湯」、風情ある木造の階段を上った先にある「露天石風呂」、山形の伝統工芸職人が風呂桶を手がけた「露天桶風呂」などがあります。また、家族やひとりでゆっくりと湯浴みをしたければ貸切風呂もあるので、宿泊日に予約を入れて楽しんでみてください。
宿泊した外国人客からは、「建物は美しく、食事だけでなくサービスも素晴らしい。スタッフはとても親切でフレンドリー。部屋からの眺めが良い」という感想も。スタッフによっては英語でコミュニケーションがスムーズに取れるので安心です。全館Wi-Fiが完備されており、無料で利用することもできるので旅の下調べも快適にできます。
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深山莊 高見屋
- 住所 〒990-2301 山形県山形市蔵王温泉54
- 電話 023-694-9333
2.客室展望風呂で紅葉の大自然を眺める「ゆめみの宿 観松館」(最上町瀬見温泉)
山形県の北東部に位置する最上郡最上町。このエリアに流れる清流・小国川(おぐにがわ)沿いに瀬見温泉はあります。温泉街に建つ6軒の宿のひとつ「ゆめみの宿 観松館(ゆめみのやど かんしょうかん)」は、1867年に創業。皇族の方々も滞在する由緒正しい宿として知られています。
宿へは、山形駅から山形新幹線で新庄駅へ。JR陸羽東線に乗り換え、瀬見温泉駅で下車します。そこから歩いて約7分で着きますが、連絡すると送迎バスも利用可。新庄駅までの送迎は、前日まで予約が必要になります。
宿周辺の紅葉の見頃は10月下旬~11月上旬頃。客室やロビーから、鮮やかな赤や黄色に染まった山並みを鑑賞することができますよ。
多彩な客室のなかでのおすすめは、温泉風呂付客室「七宝俱楽部(しっぽうくらぶ)」。マッサージチェア完備の部屋や木のぬくもりあふれるベッドの部屋、純和風の部屋など趣きの異なる7部屋があり、いずれもヒノキか陶器でできた浴槽の露天風呂を設けています。
また、部屋には大きな窓から、緑あふれる周辺の景色を望むことができるのも魅力。秋には赤く染まった紅葉の山景色も楽しめ、部屋にいながら大自然を身近に感じられます。
温泉掛け流しの温泉は男湯・女湯があり、それぞれに露天風呂を設置。季節によって景色を変える和風庭園を眺めながら湯浴みを楽しめます。泉質はナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩温泉。切り傷や関節痛、動脈硬化などに効能があるといわれています。
「ゆめみの宿 観松館」は料理がおいしいことでも知られています。地元生まれの食材を使った滋味あふれる夕食が評判で、4・5月は山菜、イワナ、11月からは自然薯という山芋などが並びます。
宿泊した外国人客からは、「フレンドリーで親切なスタッフ。夕食はとても素晴らしく、地元の食材を多彩に使っていた。庭を望む露天風呂も素晴らしかった」という声が寄せられています。困ったことなどがあれば、スタッフに声をかけると親切に対応してくれますよ。
宿周辺で観光と紅葉を楽しみたいなら「最上川舟下り(もがみがわふなくだり)」はいかがでしょうか。宿から車で約40分、または瀬見温泉駅から陸羽東線で新庄駅へ。そこから、陸羽西線に乗り換えて古口駅で下車し、歩いて約8分で到着します。おだやかに流れる最上川をゆっくり船で下りながら、赤く染まった山々を鑑賞。川面に映る紅葉が絶景です。
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住所
999-6211 山形県最上町大堀987
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最寄駅
瀬見温泉 駅 (陸羽東線)
徒歩10分
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住所
999-6211 山形県最上町大堀987
3.レトロな温泉街で秋の雰囲気を楽しむ「仙峡の宿 銀山荘」(尾花沢市銀山温泉)
山形県の最北東部に位置する尾花沢市に、山形を代表する温泉地・銀山温泉(ぎんざんおんせん)はあります。JR大石田駅から「銀山はながさ号」に約35分乗車し、終点で下車すると到着。銀山温泉は山々に囲まれた山間部の温泉地で、大正時代(1912~1926年)末期から昭和時代(1926~1989年)初期に建てられた木造建築の旅館が建ち並んでいます。そのレトロな雰囲気が美しいと、国内はもとより外国人観光客にも人気のスポット。カメラを片手に温泉街を散策する人の姿を多く見かけます。
バス停「銀山温泉」の目の前に建つ「仙峡の宿 銀山荘(せんきょうのやどぎんざんそう)」は、温泉街から少し離れた山あいにたたずむ温泉宿。10月下旬から11月上旬には周囲の山々が紅葉し、宿からも秋の風景を堪能することができます。
宿の自慢は開放感たっぷりの露天風呂。周囲が緑に囲まれている立地のため、浴槽の前は大自然が広がります。秋になると、鮮やかに山が色づき、その美しい風景に魅了されます。銀山川の清流のせせらぎ、野鳥のさえずりを聞きながら、ゆっくりと入浴して心も体もリラックス。自然と一体になったような気分が楽しめます。
寝湯をプライベートな空間で楽しみたいなら、 「半露天寝湯付き客室」に滞在を。和室に大きな窓のある半露天の檜でできた寝湯があり、周囲を気にすることなく満喫できます。こちらは温泉ではないですが、湯温を設定できるのがうれしいポイント。モニターも設置しているので、快適な入浴時間が過ごせそうですね。
泉質は含硫黄・ナトリウム・塩化物・硫酸塩温泉で、胃腸病や神経痛な、疲労回復などに効能があるといわれています。
外国人宿泊者からは、「新緑や紅葉、雪景色など季節の移り変わりを感じられる露天風呂が良い。レトロな日本らしい雰囲気のある温泉街も素敵」という声があり、滞在に満足している人が多いようです。スタッフのフレンドリーで丁寧な応対も評判ですよ。
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仙峡の宿 銀山荘
- 住所 999-4333 山形県Obanazawa銀山新畑85
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最寄駅
袖崎 駅 (奥羽本線)
紅葉を鑑賞できる山形の宿はいかがでしたでしょうか?温泉やおいしい食事とともに、日本の里山風景を彩る紅葉景色を鑑賞してみてくださいね。
Text by:株式会社シュープレス
※本記事の情報は2021年10月時点のものです。最新の情報は公式サイト等でご確認ください。
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