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東北地方に位置する福島県福島市。東京駅から新幹線で最短約1時間20分とアクセスが良く、年間を通して多くの観光客でにぎわいます。今回は「夏の福島市」をテーマに、おすすめの観光スポット、グルメ、アクティビティを厳選。LIVE JAPANが2泊3日のモデルプランを作成し、福島を代表するフルーツの桃をはじめ、市内の三大温泉、そして福島の夏を彩る「わらじまつり」を巡ります。
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東京から新幹線1本!福島市はアクセス抜群で自然も豊か
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福島県の県庁所在地である福島市は、新幹線の発着場所である福島駅がある街です。福島駅周辺はにぎやかな雰囲気ですが周囲が山で囲まれているため、少し移動すれば豊かな自然に触れられます。
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吾妻小富士と浄土平湿原はそのひとつで、夏になると登山客の姿を多く見かけます。さらに、福島県は温泉地の数が全国4位と多く、福島市内に有名な温泉がいくつもある点も魅力的です。
福島の桃はなぜおいしい?「ふくしまピーチホリデイ」も話題
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福島の自然といえば、忘れてはならないのがフルーツです。特に、夏に収穫される桃は都道府県別収穫量2位を誇り、「福島といえば桃」というイメージも日本国内で根付いています。温暖な地域で育つ桃ですが、福島の夏は日差しが強くて夜は冷えるという寒暖差があるおかげで、よりジューシーに成熟します。
7~9月にかけて福島市で行われる「ふくしまピーチホリデイ」は、桃スイーツや桃メニューを各所で実施するキャンペーンです。この期間、桃を味わいつくすために、県外から訪れる人も多いです。
「夏の福島2泊3日プラン」でグルメ、温泉、祭りを堪能!
夏の福島市を満喫すべく、2泊3日のおすすめプランを作成しました。温泉、グルメ、わらじまつりと、見どころ目白押しです!
■夏の福島おすすめ2泊3日プラン
1日目:福島駅~飯坂温泉~高湯温泉(安達屋)
2日目:まるせい果樹園~土湯温泉~わらじまつり
3日目:福島駅周辺を散策~帰路
福島駅から飯坂温泉へ。日本最古の木造建築の公衆浴場もある!
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1日目の午前中は飯坂温泉巡り。福島駅から福島交通飯坂線に乗り、約25分で飯坂温泉駅に辿り着きます。(1時間に2~4本出ているので便利です)
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飯坂温泉は福島市街地から比較的近く、山間ではないため道がゆるやか。日本最古の木造建築の公衆浴場「鯖湖湯」、1688年創業の現役旅館「なかむらや旅館」など歴史ある建物が点在するので、のんびり散策するのも楽しいエリアです。
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街中を歩いていると、レトロなお店を発見!看板には「ラヂウム玉子」の文字が。飯坂温泉は日本で初めてラジウムが確認された場所で、温泉をかけ流して温めて作られるラジウム玉子が名物となりました。自動販売機で売っていたものを買ってみたところ、ねっとりとした濃厚な黄身は、ほのかに温泉の香りもしました。
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豪農・豪商の旧家である「旧堀切邸」も飯坂温泉の名所のひとつ。1775年建築の土蔵を始め、近代和風建築の数々を見物できます。
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施設内には足湯・手湯もあり、散策の疲れを癒やせます。夏には風鈴が飾られ、足湯の半分は「冷やし足湯」が流れるので爽快感たっぷり。
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旧堀切邸は、アオバズクの巣があることでも知られています。取材で訪れた時、ちょうどアオバズクの赤ちゃんが出てきたところでした。7月下旬から8月上旬にかけて、運が良ければ見られるかもしれません。
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暑い中を散策するなら、ひんやりスイーツで涼むのがおすすめ。飯坂温泉の和菓子店「一味庵」の名物は、時間が経っても溶けないと話題のアイス。アイスに含まれる葛粉のでんぷんが液体化を防ぐため、日差しが強い日に食べ歩きしても溶ける心配はゼロ!一番人気の桃味は、お菓子一本の半分が桃でできています。シャリシャリとモチモチの両方の食感が新鮮で、暑さを和らげてくれます。。
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旧堀切邸
- 住所 福島県福島市飯坂町字東滝ノ町16番地
アクセス:JR福島駅から福島交通飯坂線で「飯坂温泉」駅下車、徒歩約5分
福島駅から飯坂温泉へのアクセス
電車:JR福島駅から福島交通飯坂線で「飯坂行き」約25分乗車、終点「飯坂温泉」駅下車
車:東北自動車道福島飯坂インターチェンジから約15分
源泉かけ流しで泉質の良い「高湯温泉」へ
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飯坂温泉を堪能したあと、本日の宿泊先である高湯温泉へ移動します。高湯温泉は豊富な湯量を誇る温泉地区で、加水や加温は一切しない「源泉かけ流し」で各施設の浴槽に注がれます。温泉施設の周辺はほのかに硫黄の香りが漂います。
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高湯温泉は「硫黄泉」という泉質で、薬効が高く、皮膚病や高血圧症などに効能があるといわれています。共同浴場「あったか湯」を始め、日帰り入浴ができる施設にも立ち寄り可能です。
宿泊は高湯温泉の「安達屋」で。旬のグルメも堪能!
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本日の宿泊先は、1607年創業の安達屋。玄関の近くには囲炉裏があり、木工家具などの調度品に囲まれ、温かみのある雰囲気たっぷりで歓迎されます。
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おすすめは、2024年にリニューアルされたデラックスルーム。リビングとベッドルームが分かれているのでぐっすり眠れること間違いなし。
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大浴場のほかに貸切露天風呂「薬師の湯」も設置。人目を気にせず家族やグループだんらんで入れます。空気に触れると白く濁ることも、高湯温泉の特徴のひとつ。ぬるぬるとしたお湯で、保温・保湿効果が期待できます。
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お待ちかねの夕食は、囲炉裏焼きとコース料理。囲炉裏のある個室または半個室で、季節の焼き物や旬の肉・魚料理を堪能できます。この日に振舞われたコースは、和牛とイベリコ豚のロースト、握り寿司、牛すじ鍋など盛りだくさん。
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日本の伝統的な囲炉裏料理を食べながら日本酒を飲めるぜいたくな体験を楽しみながら、夜は更けていきます。
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高湯温泉 安達屋旅館
- 住所 福島県福島市町庭坂字高湯21
アクセス:福島駅西口から「福島・上姥堂・高湯」行バスで「高湯温泉」下車、徒歩約1分
福島駅から高湯温泉へのアクセス
バス:福島駅西口から「福島・上姥堂・高湯」行で約40分乗車、「高湯温泉」下車
車:東北自動車道福島西インターチェンジR115・r5・r70経由約30分
2日目は行列の桃パフェを目指して「森のガーデン」へ
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福島市の旅、2日目は早起きをして福島市飯坂町の「まるせい果樹園」へ。ここの広大な敷地では、桃をはじめ旬の果物が栽培されています。早朝から訪れた目的は、果樹園の敷地内にある「森のガーデン」。季節のパフェを一年中提供しており、開店前から行列になる有名店です。
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中でも、夏に販売する「まるせい桃パフェ」(800円)は、1日400個以上販売する日もある人気スイーツ。アイスの上に、その日に剥いてカットした新鮮な桃をまるごと乗せてインパクト大に仕上げています。
「みずみずしくてとってもおいしい!クリームと桃の甘みがよく合って、あっという間に食べちゃいそう」と、二人はパフェを食べる手が止まりません。お店の予約は不要ですが休日ともなると3時間以上待つこともあり、パフェは数量限定のため、開店前に来るのがおすすめです。
「まるせい果樹園」で採れたての桃を食べ放題!
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桃パフェを堪能した後は、まるせい果樹園内で桃狩りを体験します。園内は30分取り放題、食べ放題!広い園内を歩いて桃のエリアに訪れると、ふんわり甘い香りが漂います。
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今回は特別に、まるせい果樹園の佐藤社長に、おいしい桃の選び方を教えていただきました。桃は枝の高いところから熟す傾向で、日に当たって少し白っぽい方が甘くてトロトロしているとのこと。
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桃狩りができるのは7月中旬から10月上旬にかけてで、時期によって取れる品種が異なります。8月上旬に取れる「あかつき」は福島を代表する品種で、甘みと酸味のバランスが最高!甘くて水分たっぷりですが、シャキシャキ感もあり新鮮です。
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採りたての桃は熟しきっておらず、シャキシャキとした歯ごたえが感じられます。市場に流通する桃は柔らかくとろみがあるので、シャキシャキの桃は採りたてならでは。食べ放題で満足するまで味わいつくしましょう。
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まるせい果樹園
- 住所 福島県福島市飯坂町平野森前50-1
アクセス:東北自動車道 福島飯坂ICまたは東北中央自動車道大笹生ICより 車で5分
こけしがかわいい「土湯温泉」でカフェ巡り
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午後に訪れた土湯温泉は、山間にある昔ながらの温泉街。街の中心を荒川が流れ、川を挟むように旅館が立ち並び、風情たっぷりです。滝のつり橋など自然豊かスポットも多く、森林浴も満喫できます。
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土湯温泉の名産は、日本三大こけしのひとつといわれる「土湯こけし」。こけしは東北地方の温泉エリアで発展した郷土玩具で、土湯こけしは胴体の赤や黒の線や小さな頭が特徴です。街中を歩けば、こけしの像をいくつも発見できるはず。こけしの絵付け体験ができる施設もあります。
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温泉街として古くから栄えた土湯温泉ですが、現代風のカフェやスイーツのお店も増えています。「源泉湯庵森山」は、旅館が営む温泉たまごとプリンの専門店。名物のプリンはプレーン、はちみつなどの定番味のほか、桃やいちごなど季節限定のフレーバーも豊富。口に入れた瞬間にとろける舌触りの良さにやみつきになります。
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旅館で湧く源泉でじっくり茹でた温泉たまごは、黄身のむっちりとした弾力と白身のなめらかさがバランス抜群。
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カフェ源泉湯庵森山
- 住所 福島県福島市土湯温泉町字下ノ町18
アクセス:福島駅東口から「土湯温泉」行バスで「土湯温泉」下車、徒歩約1分
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「おららのコミセ」は、地熱発電の冷却水で養殖したオニテナガエビの釣り体験ができるコミュニティカフェ。
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釣り体験はお試しプラン(エビ釣1匹+ドリンク1杯で800円)と満喫プラン(エビ釣2匹+ドリンク1杯で1,200円)の2種類。釣ったエビはテラス席で焼いていただけます。
福島駅から土湯温泉へのアクセス
バス:福島駅東口7番バスで約40分乗車、「土湯温泉」下車
車:東北自動車道福島西インターチェンジ経由約15分
福島に来たら飲みたい日本酒
2024年12月、日本の「伝統的酒造り」がユネスコの無形文化遺産に登録されました。福島は、全国新酒鑑評会で金賞受賞数9回連続日本一を獲得する酒どころ。14年連続で水質日本一に輝く福島市内を流れる荒川の水で仕込んだ日本酒「金水晶」をつくる金水晶酒造は、1895年から続く福島市唯一の酒蔵。2024年にできたばかりの「金水晶 四季の蔵」では購入のほか試飲もできます。土湯温泉からほど近いので、自分好みの味を探してみては。
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金水晶四季の蔵
- 住所 福島県福島市荒井上鷺99
アクセス:
【車】
・東北道/福島西ICより車で約10分
・JR福島駅西口より車で約20分
【バス】
福島駅東口より土湯温泉行きバス乗車約20分「四季の里入口」下車徒歩約5分
旅のクライマックスは、夏の福島の風物詩「わらじまつり」
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夏の福島市を訪れるなら、福島駅前で開催されるわらじまつりは必見です。わらじまつりは毎年8月第一金曜日から日曜日にかけて開催される夏祭り。福島市のシンボルである信夫山は冬になると雪で滑りやすく、健脚や旅の安全を祈って、当時の庶民の履物である「わらじ」の片足分を奉納していました。もう片足のわらじを奉納するのがこのわらじまつりで、大わらじを担いで福島市の中心部から信夫山の羽黒神社まで練り歩きます。
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大わらじのサイズは約12m。これは守護神である仁王様の足の大きさに合わせられているため。50人近くの担ぎ手たちは、大わらじを左右に揺らしたり勢いよく回転させたりと、観客を盛り上げます。
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わらじまつりのもうひとつの特徴は、市民が協力して作り上げていること。市民のグループが「わらじおどり」をパレードで披露します。観光客も当日受付の自由参加枠で飛び込み参加できるので、ぜひ申し込みを。
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わらじまつりには有料の観覧席が設けられており、全体を見渡したいなら2階のSS席を予約しましょう。SS席は、桃のお菓子やジュースなど福島の特産品をお土産でもらえます。
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福島市は温泉も自然もたくさん。爽やかでみずみずしい桃、疲れを癒やす温泉、エキサイティングなわらじまつりと、夏の暑さも吹き飛ばす体験に溢れています。次の旅行は、夏の福島市2泊3日の旅に決まりです!
※価格やメニュー内容は変更になる場合があります。
※特記以外すべて税込み価格です。