外国人のみなさんが日本に気軽に旅行に来られない状況の中、自宅で和食を楽しめるように、料理教室の講師・南 俊宏さんが監修・調理する「だし巻き玉子」のレシピを紹介します。材料も身近にあるスーパーマーケットなどで手に入るほか、カツオだしの簡単なとり方も紹介するので、多彩にアレンジして和食を作ることができます。さらに、調理動画付きなので、真似をするだけで料理初心者でも気軽に本格和食が味わえますよ!
冷めてもおいしい日本の家庭料理の定番・だし巻き玉子
だし巻き玉子とは、溶き卵にだしを混ぜて焼き固める日本の家庭料理のひとつで、日本では毎日の食卓にはもちろん、冷めてもおいしいのでお弁当に入れることも多い人気メニューです。
カツオ節や昆布などからとる「だし」とは、ユネスコ無形文化遺産に登録されている「和食」として、日本人の伝統的な食文化の基本となるもので、甘味、酸味、塩味、苦味と並ぶ「うま味」のこと。深いコクやまろやかさが代表的な味わいですが、だし巻き玉子の味付けはエリアによっても異なり、関東では醤油や砂糖でハッキリと味付けされる傾向にあります。今回はだしの味をベースに作られることが多い、関西の味付けのレシピを紹介します。
とっても簡単!まずはカツオだしをとろう
<カツオだし材料※2人分>
・かつお節30g
・水1ℓ
1)まずはカツオだしをとります。鍋に水を入れ、煮立つ直前まで温めたら、かつお節を広げるように一度に入れましょう。すぐに弱火にし、箸でそっと沈めて1分ほど煮出します。長く煮出すと雑味や濁りの原因になるので注意してください。
2)火を止め、かつお節が鍋底に沈むまで10分ほどそのまま置きます。ぐるぐる混ぜたりすると雑味や濁りが出てしまうので、触らず静かに置いておきましょう。
3)ボウルにザルとペーパータオルをしき、鍋からこすようにして注ぐと完成です。雑味や濁りの原因になるので、ペーパータオルは絞らないよう注意してください。
かつお節は海外でも日系スーパーなどで購入できますが、手に入らない場合は、グルタミン酸の旨味が豊富なドライトマトを煮出しましょう。また、かつお節と旨味成分が似ていると言われるケチャップもおすすめ。火を通して酸味を飛ばしたケチャップを使いましょう。
強めの火力でふわふわに。だし巻き玉子作りに挑戦!
<だし巻き玉子材料※2人分>
・卵3個
・サラダ油適量
・カツオだし大さじ3(45ml)
・醤油小さじ1
・砂糖小さじ1
・塩ひとつまみ
日本でだし巻き玉子を作る際に利用される卵焼き器。なければ小さめのフライパンで代用OKです
1)だし巻き玉子を作ります。卵をボウルに割り、カツオだし、醤油、砂糖、塩を入れ、白身を切るように軽く混ぜます。混ぜる際、空気を入れるように混ぜたり、混ぜすぎたりしても食感が悪くなるので注意しましょう。
2)卵焼き器にペーパータオルでサラダ油を薄くひき、中火で温めます。卵液を箸の先につけて卵焼き器にあて、ジュッと固まったらOKです。
3)温まった卵焼き器に、卵液1/4を流し入れて全体に広げます。プクッと気泡が出てきたら箸の先でつついてつぶしましょう。火が弱いとふっくらしないので中火をキープ。焦げそうになる場合は、火から卵焼き器を離して調整してください。
4)卵のフチが固まって全体が半熟状になったら、箸で卵のフチをはがし、ターナーで奥から手前に折りたたむように巻いていきます。完全に卵液が固まると巻いてもくっつかずふっくらしないので、フチ以外は半熟状で巻くことを意識してください。
また、フライパンで卵を巻いていくときは、左右の両端も折りたたみながら巻いていくと四角い形に仕上げることができます。
5)奥の空いたところに、先ほどと同じように油をひき、玉子焼きを奥にすべらせます。手前の空いたところに、残りの卵液の1/3を流し入れます。玉子焼きをターナーで少し浮かせ、フライパンを傾けて玉子焼きの下にも卵液を流し込みます。半熟になったら先ほどと同じように奥から手前に巻いていきましょう。
6)残り2回、同様に焼いたら、フライパンのへりを使って形を整えましょう。整えたらまな板に取り出し、粗熱が取れたら食べやすい大きさに切って完成です。
形を整える際、ラップで包み成形してから冷ますとよりきれいに仕上がります。
そのままはもちろん、醤油やマヨネーズをつけて食べてもおいしいですよ。
だしがたっぷりと入り、とってもジューシーなだし巻き玉子。巻くのが難しいというイメージですが、卵はすぐにくっついてくれるのできれいに返す必要はありません。失敗を怖がらずに、大胆に巻いちゃいましょう!
<レシピ監修・調理人紹介>
クッキングスタジオ「大阪デリシャス」店長・南 俊宏。社会人として働いた後、社会人学校を経て料理教室講師に転職。クッキングスタジオ「大阪デリシャス」にて講師を務めながら、レシピ開発や調理アシスタントだけでなく、TV出演経験も。和食全般に加え、洋食や中華など幅広く担当する。
大阪デリシャス公式ホームページ
Text by:株式会社エフィール
※本記事の情報は2021年7月時点のものです。
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