京都国際マンガミュージアムは、京都市とマンガを学問として研究する京都精華大学の共同事業として2006年にオープンしました。世界中で愛されている日本のマンガについて、歴史や制作方法を解説したり、いろんな時代の国内外のマンガを展示しています。もともと小学校だった広いスペースのあちらこちらにマンガが展示され、所蔵品30万点のうち、5万点のマンガを自由に読むことができます。マンガを読んで、学んで、体験できる、京都国際マンガミュージアムをご案内しましょう。コロナ感染症対策もしっかりされていますよ。
トップ写真:名作「火の鳥」のオブジェ©Tezuka Productions
地下鉄の駅からすぐ。雨の日でも便利な立地
「京都国際マンガミュージアム」があるのは、地下鉄烏丸線・東西線の「烏丸御池」駅2番出口からすぐ、烏丸通に面した便利な場所です。まわりは古くからの街並みが残るビジネス街で、飲食店などもたくさんあるエリアです。
入り口横には、コインロッカー。荷物を入れるには100円が必要ですが、鍵を開けて荷物を取り出したあとに返金されます。荷物を預けて、身軽になってから、ゆっくりマンガを楽しみましょう。
検温、手指の消毒をしてからチケットを自動券売機で購入して受付に進み、中に入ります。入場料は、大人900円、中高生400円、小学生200円(各税込)です。
5万冊のマンガが読み放題
エントランスを入ってすぐの「マンガ万博」コーナーには、英語、フランス語、タイ語などに翻訳された日本のマンガや、海外で出版されているコミックスが設置されています。
1869年創立、のちに閉校になった小学校の、昭和初期に建てられた校舎をリノベーションしているので、かつての校庭は芝生の庭に。シートやパラソルを借りて(有料)芝の上に寝転んでマンガを読むこともできます。館内はレトロな雰囲気で、1階から3階までの廊下や階段の踊り場などに書架があり、1970年代~2005年くらいまでの単行本が約5万点も設置されています。1階は少年マンガ、2階は少女マンガ、3階は青年向けのマンガが中心です。かたっぱしから読みたい衝動にかられますね。
吹き抜けの2階の壁面には、名作「火の鳥」のオブジェがあります。縦4.5m×横11mの巨大木造彫刻を渡り廊下から間近に見ると、その迫力と美しさに圧倒されます。
100年以上前から現代までのマンガがずらり!
かつての講堂は、いくつかのコーナーに分かれてマンガと資料を展示。メインギャラリーには、1912年からのマンガが並んでいます。例えば、「のらくろ」(田河水泡/たがわすいほう)は、1931年から愛読されたマンガで、旧かなづかいが却って新鮮。「ジャングル大帝」(手塚治虫/てづかおさむ)は1950年から雑誌に連載されたもので、のちにアニメや映画になって幅広い世代に愛されています。他にもサザエさん、鉄人28号など、今でも人気があるマンガの初期のものを読むと、改めてその世界観に引き込まれます。椅子に座れる読書スペースがあるので、ゆっくり読むことができます。
日本では江戸時代の中期(1720年頃~)から、木版印刷の戯画本(ぎがぼん)と呼ばれる風刺画が庶民の人気となりました。黄色い壁のコーナーでは、時代を追うごとに変化していくマンガの歴史がひと目でわかります。
赤い壁のコーナーでは、マンガの読み方を知らない外国人や、より深く知りたい日本人のために、マンガを読む際の約束事を解説。どこから読むのか、マンガ特有の記号の意味などを改めて知ることで、よりマンガを楽しめます。ここに限らず、館内は全て英語が併記されており、外国人にも理解を深めてもらえるようになっています。
希少な作品を調べることができる閲覧室
利用者登録をすれば、地下に収蔵されている雑誌や1970年代より前の資料を、ここで閲覧することができます。専任のスタッフがいるので、読みたいマンガのアドバイスももらえて、文化としてのマンガを研究するにも、とても貴重なスペースです。
人気マンガ家の石膏手型を展示
大友克洋(おおともかつひろ)氏、宮崎駿(みやざきはやお)氏、藤子不二雄Ⓐ(ふじこふじおえー)氏など、この京都国際マンガミュージアムを訪れたマンガ家の手をかたどった石膏手型とサインが展示されている2階のギャラリーは、ファンにはたまらない魅力です。実際にマンガ家が手型をとっている様子をビデオで上映しています。
ペンをもつこの手から素晴らしい作品が生まれているのかと思うと、見る目が変わります。ふっくらした手、スリムな手、それぞれのマンガのイメージと比べてみてください。
似顔絵、マンガを描くワークショップ、紙芝居など、盛りだくさんのイベント
1階の「マンガ万博」コーナーを抜けると似顔絵のコーナーがあって、プロの似顔絵作家に似顔絵を描いてもらうことができます。作家によってテイストが違うのも楽しみです。描いてほしい作家さんに声をかけて受付をすませたら、予約時間までマンガを読んで待っていましょう。持参した写真をもとに描いてもらうこともできます。
料金:1人1,500円(約20分)、2人2,500円(30分) ※左記の人数は色紙1枚に描く人数(各税込)
開催日:土・日曜、祝日 ※平日は不定期開催
開催時間:11:00~17:30
事前申込不要 ※ニガオエコーナーにて当日受付(先着順)、満席になり次第終了
似顔絵のコーナーから奥へ進んだところにある「マンガ工房」では、活躍中の若手マンガ家が作画を実演しています。プロの技に「さすが!」とため息がもれることも。マンガ家を目指す人は、質問すれば描き方のアドバイスをもらえますよ。
テレビがまだめずらしかった1960年まで、日本の子どもたちの娯楽は町内にやってくる紙芝居でした。紙芝居とは、木の枠を舞台に見立てて、ひとつの物語を絵と語りで読み聞かせるものです。絵は一枚ごとに、違うシーンが描かれ、子どもたちは臨場感たっぷりの話術に引き込まれていきました。2階の紙芝居小屋では、そんな紙芝居を再現。大人も子どもも、外国人も笑顔になる人気のイベントです。
マンガ専門のミュージアムならではのグッズをおみやげに
1階にある「ミュージアムショップ」には、マンガファンにはたまらないグッズが5,000アイテムも並んでいます。中でも日本のマンガの英語版は一番人気。「ATTACK TITAN」(進撃の巨人)、「DRAGON BALL」(ドラゴンボール)など、海外の友達への贈り物でもいいし、日本にいる外国人の友達へ贈ってもよろこばれること間違いなし。
筆記道具やスクリーントーンなど、マンガを描く際に必要な道具がそろっているのも、マンガミュージアムならでは。
江戸時代の戯画をモチーフにしたクリアファイル(1枚330円・税込)は、ミュージアムのオリジナル。外国人に人気です。
京都国際マンガミュージアムのキャラクター「マニュー」のグッズもたくさんそろっています。
左)がま口(1,458円)、右)マグネット(540円) 各税込
マンガ家直筆のイラストが壁いっぱいにあるミュージアムカフェ
敷地に入ってすぐのところにあるミュージアムカフェは、1971年、京都で創業した「前田珈琲」。厳選した豆を自社で焙煎しブレンドしたコーヒーにスパゲッティ、カレー、サンドイッチなどの軽食メニューがあります。外のデッキ席からは、芝生の庭や建物が見渡せてとっても開放的。店内の壁一面に描かれた人気マンガ家の手描きのイラストは圧巻です。あこがれのマンガ家の作品を探してみましょう。
最新刊は置いていませんが、ドラゴンボールやNARUTO、鬼滅の刃など、人気のマンガも数々あります。当日は再入場できるので、近くの観光地と組み合わせてもいいし、ここで1日ゆっくり作品の世界に浸ってみるのもいいですね。年間27万人が訪れる人気のスポット、実際に行ってみるとその理由がわかります。ぜひ体験してみてください。
実施中の新型コロナ感染症対策
館内や設備等の消毒・除菌・洗浄/除菌・消毒液の設置/館内換気の実施/仕切り板の設置/スタッフのマスク着用・手洗い・消毒・うがい・検温の実施/人数制限、予約制の実施/体調不良のお客様の入店お断り/お客様へのマスク着用のお願い・検温の実施/チェックイン自動化、非対面対応
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京都国際マンガミュージアム
- 住所 〒604-0846 京都府京都市中京区烏丸通御池上ル(金吹町452)
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最寄駅
京都市営地下鉄 烏丸線・東西線 烏丸御池駅2番出口より徒歩約2分、京都市営バス15、51、65系統 烏丸御池停留所下車すぐ
- 電話 075-254-7414
営業時間:10:30~17:30(最終入館17:00)
料金:大人900円、中高生400円、小学生200円(各税込)
定休日:
毎週火・水曜日(休祝日の場合は翌日)、年末年始、メンテナンス期間
松田きこ、木村桂子、都志リサほか、関西に精通した女性ライターチーム。食べること、飲むこと、旅することが大好き! 自ら体験した楽しい情報を発信しています
※価格やメニュー内容は変更になる場合があります。
※特記以外すべて税込み価格です。
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