京都市民の足となっている京都市バスのルーツは、1912年に営業を開始した「日本最初の路面電車」です。モータリゼーションの発展により、市電から市バスへと形を変えた現在も市民にとって重要な交通手段になっています。しかし、近年多くの旅行者が世界中から京都を訪れ、一部のバス路線では、利用が集中し、スムーズに乗車しにくい状況が発生しています。そこで、市バスを運行する京都市交通局は、人気観光地へのアクセスに便利な「観光特急バス」の運行を2024年6月に新たに開始しました。
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「観光特急バス」とは
通常の市バスと何が違うのか、以下の表にまとめてみました。
それぞれ詳細を説明します。
「観光特急バス」は2系統のみ
現在は以下の2つの系統を運行しています。
通常の市バスと比較して停車するバス停が少ないため、人気観光地に早く到着できるのが最大の特徴です。限られた時間の中で京都を観光するには、とても便利です。
清水道・祇園・平安神宮・銀閣寺への到着が早い
「観光特急バス」に乗れば、清水寺最寄りの「五条坂」停留所へは京都駅からおよそ10分で到着。通常の市バスと比較して5分ほど早く到着します。同様に、祇園や八坂神社・平安神宮への到着も早く、銀閣寺までは20分ほど早く到着することができます。
注意点① 運行は土日祝日
早くて便利な「観光特急バス」ですが、注意点がいくつかあります。
まず、平日は運行しておらず、運行するのは土曜日と休日ダイヤの日曜・祝日、お盆(8/13~16)と年末年始のみです。京都市交通局によると、平日運行を望む声もあるそうですが、運転士とバス車両に比較的余裕のある土曜・日曜・祝日のみ運行しているそうです。
注意点② 前から乗る、運賃は先払い
通常、京都の市バスは後ろ扉から乗り、前扉から降ります(運賃は後払い)。しかし、「観光特急バス」はその逆で、前扉から乗り、後ろ扉から降りるので注意してください。そのため、運賃も先払いになります。乗り方に不安がある方は、以下の乗り方を参考にしてみてください。
注意点③ 運賃が異なる
通常の市バスの運賃(均一運賃区間内)は、大人が230円、小児が120円、幼児は無料です。対して「観光特急バス」は運賃が異なります。1乗車当たりの運賃は大人が500円、小児が250円、幼児は無料で、支払方法は現金・交通系ICカードです。
※大人(12歳以上)、小児(6歳以上12歳未満)、幼児(6歳未満)
※定期券・回数券・敬老乗車証、福祉乗車証は使えません
「地下鉄・バス1日券」なら「観光特急バス」も乗り放題!
大人が往復利用すると1,000円かかる「観光特急バス」ですが、実は京都市交通局が販売する「地下鉄・バス1日券」でも乗車できます。「地下鉄・バス1日券」は大人が1,100円、小児が550円なので、すぐに元が取れてしまいますね!「地下鉄・バス1日券」を提示することで寺社仏閣など京都市内の約60か所の施設で優待も受けられます。
「地下鉄・バス1日券」は京都駅などに設置されている専用自販機、市バス・地下鉄案内所、定期券発売所、地下鉄各駅窓口で販売しています。旅の始まりに是非立ち寄って、入手してください。
「観光特急バス」の見分け方
通常の市バスと「観光特急バス」を見分けるには、まずバスの正面を確認しましょう。車両前面に「観光特急バス(Ltd Exp.:Sightseeing Limited Express Bus)」、「EX100」または「EX101」と表示しています。
京都駅前、どこから乗るの?
JR京都駅中央口を出たら目の前にあるバスターミナル右寄りのD1のりばです。
「観光特急バス」の時刻表
午前中は7~8分間隔で運行しているので、バス停で待っていても次々と来る印象を持つでしょう。2024年11 月現在の時刻表は以下のとおりです。清水寺へはEX100・EX101いずれに乗ってもアクセスできます。
●京都駅前→清水寺・祇園・銀閣寺方面
●清水寺・祇園・銀閣寺→京都駅方面
京都駅から清水寺に行くときは「五条坂」停留所が最寄り
観光客に人気の清水寺へは、「五条坂」停留所で降りてください。EX100とEX101は運行ルートが異なるため、停車するバス停の位置も異なります。参考として清水寺周辺のバス停について図のようにまとめましたが、降車後に迷った場合は地図アプリ等を確認することをおすすめします。
平日は…地下鉄を組み合わせて移動がおすすめ!
「観光特急バス」が運行していない平日は、地下鉄とバスを組み合わせて移動することをおすすめします。清水寺・平安神宮・銀閣寺へのアクセスは以下の通りです。
京都は世界的に見ても大変人気の観光地であり、道路渋滞により、バスがダイヤどおりに運行できない場合があります。そのため、インターネットで調べた予定の時刻に到着できないことも。また、バスは鉄道と比べて乗車できる人数も少ないため、来たバスに乗れずに何本も見送ることがあります。花見や紅葉シーズン、お祭りの時期はその傾向が顕著です。炎天下や寒空の下、バス停で何本もバスを見送るのも大変ですよね。地下鉄とバスを組み合わせることで、それらを回避することができます。詳しくは以下の記事をご参考ください。
※価格やメニュー内容は変更になる場合があります。
※特記以外すべて税込み価格です。