紅葉の見ごろを迎える秋は、観光のベストシーズン。世界中からたくさんの観光客が訪れますが、9月と11月では気温の差が大きく、着る服が大きく変わります。慣れない旅先で服や小物を調達するのは大変なので、9月・10月・11月の月ごとの気候や用意すべき服装、あると便利なものなどを地元ライターがアドバイスしますので、出発前に用意しておきましょう。でも、その年によって状況は変わるので、直前に気象予報サイトなどで最新情報を確認してくださいね。
■京都ってどんな地域?年間を通してどんな気候?
南北に長い京都府のほぼ中央に位置するのが丹波山地。ここを境に北部と南部で気候が違います。 福知山市や舞鶴市、そして天橋立のある宮津市などの北部は日本海 気候で、年間を通して曇りの日が多く、夏の期間が短い分、秋の訪れが早いのです。さらに冬は氷点下になるほど寒くなり、北端に位置する丹後半島は雪が多く降ります。年間を通じて湿度が高いエリアです。
京都観光の中心地、清水寺や金閣寺がある京都市は京都府南部にある、山に囲まれた盆地です。そのため、夏は極端に暑く冬は厳しく冷え込み、昼と夜の温度差が大きいという特徴があります。
また盆地の特徴として山に近づくにつれ標高が高くなるため、南部の市街地と北部では天気や気温が違います。「南部にある東寺の五重塔のてっぺんと北部の北山通の高さが同じくらい」というのは京都では知られていることで、五重塔の高さは54.8m。わずか8.5kmでこれだけ標高が変わり、その分だけ気温が下がります。
■京都の9月の気候は?
南部の9月の平均気温は24.1℃、平均最高気温は28.8℃、平均最低気温は20.3℃。8月と比べて平均気温は4℃ほど低くなりますが、まだまだ暑い日が続きます。とくに近年は猛暑で日差しが強く、昼間の気温が35℃を超えることもあります。下旬になると少しずつ朝晩の気温が下がって過ごしやすくなりますが、台風が来る季節でもあるので予定を立てる際には予報を見るなど注意が必要です。
- 気温(℃)
- 24.1
- 最高気温(℃)
- 28.8
- 最低気温(℃)
- 20.3
- 降水量(mm)
- 176.2
- 湿度(%)
- 68
北部の夏は短く、南部に比べて平均気温は2℃ほど低いのですが、日中はまだ暑さが残ります。日が経つにつれて気温は下がり、1日と30日では平均気温が6℃ほど違います。季節の変わり目なので、寒暖差によって体調を崩さないように気を付けましょう。
- 気温(℃)
- 22.4
- 最高気温(℃)
- 27.2
- 最低気温(℃)
- 18.6
- 降水量(mm)
- 202.2
■京都の9月の服装は?
初旬は日差しも強く、まだ暑い日が続くので、8月と同じ半袖1枚で過ごせます。下旬になると朝晩は気温が下がって涼しくなるので、日中との気温差に備えて、薄いパーカーやカーディガンを準備しておくほうがいいでしょう。まだ素足にサンダル姿の人が多いですが、下旬になると靴やスニーカーに変える人が増えます。
●着用アイテム
トップス:(男女)Tシャツ、ポロシャツ、(女)ワンピース
ボトムス:(男女)コットンパンツ、(女)スカート
靴:(男女)サンダル、スニーカー
小物:(男女)晴雨兼用傘
■9月の京都おすすめ観光スポット&プラン
本格的な観光シーズンを迎え、京都の多くの寺社では、寺宝、国宝、重要文化財など、普段公開していない仏像や絵画の特別公開が始まります。その年によって、開催するところや内容や期間が違うので、事前に調べてぜひ訪れてください。
■京都の10月の気候は?
10月に入ると日差しがやわらぎます。上旬は日中30℃を超える日もありますが、徐々に気温が下がり、日中も過ごしやすくなります。平均最高気温は22.9℃、平均最低気温は13.6℃と快適な気候なので、京都の観光地は多くの人でにぎわいます。秋の長雨と呼ばれる、しとしと雨降りが続くことがありますが、晴れた日はさわやかな風が秋の気配を感じさせてくれます。
- 気温(℃)
- 17.8
- 最高気温(℃)
- 22.9
- 最低気温(℃)
- 13.6
- 降水量(mm)
- 120.9
- 湿度(%)
- 68
北部の平均最高気温は16.5℃、平均最高気温は21.8℃、平均最低気温は12.2℃と快適な季節になります。しかし、朝晩は冷え込むことがあるので注意。下旬に向かって気温が下がっていくことも意識しておきましょう。
- 気温(℃)
- 16.5
- 最高気温(℃)
- 21.8
- 最低気温(℃)
- 12.2
- 降水量(mm)
- 132.4
■京都の10月の服装は?
10月になると半袖だと肌寒く、七分袖か長袖のTシャツやポロシャツがちょうどよくなります。下旬にはベストやトレーナー、カーディガンの重ね着が必要になります。朝晩は冷え込むので、厚手のコットンジャケットなどを用意しておくと安心です。足元もサンダルではなく、ストッキングや靴下をはいてスニーカーやパンプスをはきます。
●着用アイテム
トップス:(男女)長袖ポロシャツ、トレーナー
ボトムス:(男女)コットンパンツ、(女)スカート+ストッキング
靴:(男女)スニーカー、(女)パンプス
■10月の京都のおすすめ観光スポット&プラン
古くから日本では、旧暦(太陰太陽暦)の8月15日の夕方の月を、中秋の名月と呼び、空に浮かぶ月の風情ある美しさを楽しんでいました。京都でも様々な場所で観月のイベントが開催されます。八坂神社、下鴨神社、大覚寺などの有名な寺社でも、神事が行われ、敷地内で月を観ることができます。
■京都市内の11月の気候
11月は平均最高気温が17.0℃、平均最低気温が7.8℃と、秋が深まるにつれて少しずつ気温が下がり、下旬になると朝晩はかなり冷え込み、冬の気配を感じます。晴れる日が多いので、近郊の山や寺社は紅葉を楽しみに行く人でにぎわいます。
- 気温(℃)
- 12.1
- 最高気温(℃)
- 17.0
- 最低気温(℃)
- 7.8
- 降水量(mm)
- 71.3
- 湿度(%)
- 68
北部の平均最高気温は11.3℃、平均最高気温は16.3℃、平均最低気温は7.0℃。快適な季節ですが、朝晩の冷え込みが強く、秋の深まりを感じます。曇りの日が多いですが、紅葉の見ごろになると北部各地に多くの観光客が訪れます。
- 気温(℃)
- 11.3
- 最高気温(℃)
- 16.3
- 最低気温(℃)
- 7.0
- 降水量(mm)
- 127.3
■京都の11月の服装は?
上旬はシャツの上に厚手のニット、またはブラウスにデニムジャケットくらいの厚さのジャケットがちょうどいいです。中~下旬になると、シャツ、ニットの上に、ジャケットまたは冬用のコートが必要になります。近年は暖冬が続いていますが、京都は盆地なので冬の底冷えと言われる本格的な冬はとても寒いのです。日によって気温に差があるので、重ね着できる服を用意することをおすすめします。
●着用アイテム
トップス:(男女)厚手のセーター、ジャケット
ボトムス:(男女)ウールのパンツ、(女)スカート+薄手のタイツ
靴:(男女)スニーカー、(女)パンプス
■11月の京都のおすすめ観光スポット&プラン
山に囲まれた京都市内は紅葉の名所が多く、木々が色付き始めると、人々は「もみじがり」と称して、美しい景色を楽しみに出かけます。貴船や大原、哲学の道、嵐山などの景勝地のほかに、三千院、京都御所、竜安寺、東寺など、名前をあげるときりがないほどです。北部の紅葉は南部より少し早いので、訪れる時期によっては北部まで足をのばすのもいいかもしれませんね。
京都の秋は過ごしやすく、快適な旅ができる時期です。各所で文化的なイベントが開催されるので、都会だけでなく郊外へも出かけてみましょう。本格的な冬になる前の秋風は心地よく、美しい自然にふれることもできます。ただし、地域や訪れる日によって気温の差が激しいので、重ね着できるように洋服や小物を準備しておくのが、楽しく旅を続けるポイントです。
参考:国土交通省 気象庁ホームページ
松田きこ、木村桂子、都志リサほか、関西に精通した女性ライターチーム。食べること、飲むこと、旅することが大好き! 自ら体験した楽しい情報を発信しています
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