四季を通じて美しい景色と伝統的な文化が楽しめるまち「京都」。滞在中はアクティブに動きたいものですが、気になるのがどんな服装で行けばいいのか。暑すぎたり寒すぎたりして不快な状態だと思いっきり楽しめません。南北に長い京都府はエリアによって気候が違います。そこで京都在住のライターが最適な服装をアドバイスします。でも、その年によって状況は変わるので、直前に気象予報サイトなどで確認してくださいね。
京都ってどんな地域?年間を通してどんな気候?
南北に長い京都府のほぼ中央に位置するのが丹波山地。ここを境に北部と南部で気候が違います。福知山市や舞鶴市、そして天橋立のある宮津市などの北部は日本海気候で、年間を通して曇りの日が多く、夏の期間が短い分、秋の訪れが早いのです。さらに冬は氷点下になるほど寒くなり、北端に位置する丹後半島は雪が多く降ります。年間を通じて湿度が高いエリアです。
京都観光の中心地、清水寺や金閣寺がある京都市は京都府南部にある、山に囲まれた盆地です。そのため、夏は極端に暑く冬は厳しく冷え込み、昼と夜の温度差が大きいという特徴があります。
また盆地の特徴として山に近づくにつれ標高が高くなるため、南部の市街地と北部では天気や気温が違います。「南部にある東寺の五重塔のてっぺんと北部の北山通の高さが同じくらい」というのは京都では知られていることで、五重塔の高さは54.8m。わずか8.5kmでこれだけ標高が変わり、その分だけ気温が下がります。
■京都の3月の気候は?
南部は前月からの寒さが続くものの、中旬以降になると少しずつ春の兆しが感じられます。平均気温は8.4℃。平均最高気温は13.4℃と2月に比べると3.5℃ほど高くなり、京都のまちなかで「今日は暖かいですね」「今日は寒さがぶり返していますね」という会話が出るように、3~4日ずつ暖かい日と寒い日が繰り返されながら、徐々に暖かくなっていきます。日中は暖かくても朝晩が冷え込む盆地の特徴が強く現れる時期でもあります。
- 気温(℃)
- 8.4
- 最高気温(℃)
- 13.4
- 最低気温(℃)
- 4.0
- 降水量(mm)
- 113.3
- 湿度(%)
- 62
北部は南部に比べて平均で2℃ほど低く、まだまだ寒さが残りますが、下旬になると気温は少しずつ上がっていきます。全体的に日照時間が少なく、晴れたと思ってもすぐに曇ったり、雨が降ったり粉雪が舞ったりすることがあるので、傘や防寒具は欠かせません。海に近い町は強い風が吹くことがありますので、内陸部より体感は寒く感じます。
- 気温(℃)
- 6.9
- 最高気温(℃)
- 11.7
- 最低気温(℃)
- 2.3
- 降水量(mm)
- 130.6
■京都の3月の服装は?
南部は長袖の下着、ウールのセーターやカーディガン、裏地付きのショートコートなど、冬を意識した服装がおすすめです。下旬になると少し身軽なジャケットやコートでもいいですが、寒暖の差が激しいので昼間は暖かくても夜は冷えます。大判のストールやマフラーを持参して調節しましょう。
男性は厚手のパンツならズボン下は不要ですが、靴下はまだ厚手のものがいいですね。女性でスカートをはく場合は、タイツにショートブーツくらいがちょうどよいです。
●着用アイテム
トップス:(男女)ショートコート、ジャケット
ボトムス:(男女)ウールのパンツ、(女)スカート+薄手のタイツ
靴:ショートブーツ、スニーカー
小物:ストール
北部は2月からの寒さがまだ続くため、男女ともに雪や強風に備えてダウンコートに発熱素材のインナーやシャツが必要です。ウールのセーターやカーディガンも厚手のものが安心です。風が強いので女性でもパンツルックがおすすめで、さらにストッキングやタイツを下にはくなど、冷え対策は万全に。下旬になると少しずつ暖かくなるので、スカートにタイツを組み合わせてもいいでしょう。
●着用アイテム
トップス:(男女)ダウンコート、厚手のジャケット
ボトムス:(男女)ウールのパンツ、(女)スカート+厚手のタイツ
靴:ショートブーツ、スニーカー
小物:ストール
■3月の京都のおすすめ観光スポット&プラン
清水寺、八坂の塔など、寺院や神社が多い東山界隈では毎年「京都・東山花灯路」が開催されます。これは、路地や名所で、生け花と行灯(あんどん)の明かりで情緒のある風景を作りだすものです。また、他の寺でも特別拝観や夜間ライトアップが行われて、美しく、幻想的な京都の夜を楽しめます。夜のイベントは冷え込むので寒さ対策は必至です。
■京都の4月の気候は?
南部の4月の平均気温は14.2℃、平均最高気温は19.9℃、平均最低気温は9℃と、4月になるとめっきり春らしくなります。桜の季節でもあり、多くの人が昼の花見、日が暮れてからの夜桜見物に繰り出します。昼間は暖かくても、夜はかなり冷え込むのも桜の季節の特徴です。下旬に向けてどんどん暖かく、過ごしやすい季節になります。
- 気温(℃)
- 14.2
- 最低気温(℃)
- 9.0
- 降水量(mm)
- 115.7
- 湿度(%)
- 59
北部は南部より遅れて桜の季節を迎えます。3月に比べて日差しも和らぎ、ずいぶんと暖かい日が増えてきます。他の時期に比べて降水量が少ないので、外に出かける計画を立てやすい時期です。夜は冷え込むことが多いので、夜間のお出かけは暖かくしていきましょう。
- 気温(℃)
- 12.4
- 最高気温(℃)
- 17.9
- 最低気温(℃)
- 7.0
- 降水量(mm)
- 106.7
■京都の4月の服装は?
南部・北部ともに、昼間は暖かくなるため、綿のスプリングコートやジャケットでOK。日によっては、トレーナーやパーカー姿でカジュアルに出かけることもできます。ただし、日によっても気温が変わり、昼夜の寒暖差も大きいので、インナーを調節したり、羽織るものを余分に持参したりするほうがベターです。花粉症の人は、専用のマスクや眼鏡なども携帯しておきましょう。
●着用アイテム
トップス:(男女)スプリングコート、ジャケット、カーディガン
ボトムス:(男女)ジーンズ、(女)スカート+パンスト
靴:(男女)スニーカー、(女)パンプス
小物:スカーフ
■4月の京都のおすすめ観光スポット&プラン
日本人は桜の開花によって春の訪れを実感します。桜の見ごろは1週間ほどなので、満開を心待ちにして出かけましょう。桜の名所は数多くあるので、滞在地の近くで探してみてください。京都市内なら、法然院、宝が池公園、哲学の道、清水寺、円山公園、梅小路公園、高尾など。京都府北部なら、宮津市の傘松公園から満開の桜と天橋立を同時に見ることができます。
■京都の5月の気候は?
南部の5月の平均気温は19.0℃、平均最高気温は24.6℃、平均最低気温は14℃。温かくて過ごしやすいのですが、日中の日差しが強くて汗ばむ日も多くあります。ときには30℃を超える夏日になることもあり、暑さ対策や紫外線対策が必要になってきます。京都では、この寒暖差で体調を崩しやすいのでご注意ください。
- 気温(℃)
- 19.0
- 最高気温(℃)
- 24.6
- 最低気温(℃)
- 14.0
- 降水量(mm)
- 160.8
- 湿度(%)
- 62
北部の平均気温は17.0℃、平均最高気温は22.5℃、平均最低気温は12℃。春が過ぎ、日によっては初夏の気配を感じることもあります。過ごしやすい気候ですが、夏日になるほど日中の気温が上がることもあり、風が強い日や雨が降ると気温がぐんと下がります。
- 気温(℃)
- 17.0
- 最高気温(℃)
- 22.5
- 最低気温(℃)
- 12.0
- 降水量(mm)
- 137.1
■京都の5月の服装は?
南部・北部ともに、日中はトレーナーやTシャツだけで過ごせ、天気のいい昼間は半袖で出かけることもできます。でも、朝晩や天気によっては気温がぐんと下がるので、長袖のパーカーやカーディガン、綿のストールなどを準備しておくほうが安心です。パンツ、スカートともに綿素材で大丈夫ですが、素足になるのはまだ早いかもしれません。
●着用アイテム
トップス:(男女)トレーナー、Tシャツ(七分袖、半袖)
ボトムス:(男女)ジーンズ、(女)スカート+ストッキング
靴:(男女)スニーカー、(女)パンプス
小物:スカーフ
■5月の京都のおすすめ観光スポット&プラン
5月初旬の日本の連休であるゴールデンウイークは、京都の各地で様々なイベントが開催されて、多くの人でにぎわいます。中でも花の見ごろを迎えるツツジは、平安神宮、長岡天満宮(長岡京市)が有名です。また、北部の東舞鶴公園では、約25,000本のツツジが咲き誇り、夜間のライトアップも開催されます。
京都府はとても広く、エリアによって気候が違いますが、共通しているのは、日によっても気温が違い、昼夜の寒暖差も大きいということです。でも、寒い冬が過ぎて迎えた春は誰もが心浮き立つ季節。温度差に備えた洋服やストールなどを用意して、快適な旅を楽しみましょう。
参考:国土交通省 気象庁ホームページ
Text by:株式会社ウエストプラン
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