京都には、全国的にも有名な桜の名所が数多くあります。お寺や神社、古い趣ある日本らしい町並み、と桜がマッチした景色は、まさに京都ならでは。そんな京都の桜をより一層楽しめるアクティビティを、LIVE JAPAN編集部の外国人スタッフ・張&ティモシーが、紹介します。
京都の桜体験を紹介するのはこの二人!
・張さん(写真左)
台湾台北出身、在日歴は7年。インドア派でゆっくり過ごす「癒され旅」が好き。旅先のカフェや風情のある古い建物などで、人間観察や本を読むのが楽しみ。花や建物の写真を撮るのが趣味。眠りの質が何より重要なので、宿泊先の寝具、部屋の温度や空気、騒音チェックは欠かせない。
・ティモシーさん(写真右)
ニューヨーク出身、在日早20年以上の日本通。サイクリングやトレッキングなどアウトドアが大好きで旅は超アクティブタイプ。料理は作るのも食べるのも好きで、日本酒、ビール、ワイン、ウイスキーを愛する。かなりのグルメ通で、高級料理より日常~プチ富裕系のグルメが特に好き。自称、笑顔ときままな性格がチャームポイント!
京都桜体験①桜舞う京の町を走り抜ける「人力車」
一つ目の体験は、「人力車で桜スポット&町めぐり」。今回体験させてもらったのは、京都嵐山でスタートしてから30年以上の歴史を持つ観光人力車「えびす屋」のプラン。京都をはじめ、鎌倉、浅草、湯布院など、全国の人気観光地で人力車体験を提供しています。
人力車は、観光スポットを効率よくまわれることはもちろん、徒歩や車とは違った目線の高さとスピードで景色を眺められるというのが特権のひとつ。また俥夫(人力車を運転する人)の方のガイドを受けながら観光できるので、京都という町、各観光地への理解も深まります。
ちなみに、日本に人力車が登場したのは1870年頃で、特に明治~大正時代に便利な移動手段として人気を集めていました。現在では、ほとんどが観光用の乗り物としての使われているのが一般的です。
「えびす屋」の人力車に初体験!
予約当日は、指定された集合場所(コースによる、予約時要確認)へ向かいます。今回の集合場所となっていた高台寺公園前は、京都駅からバスで約20分です。
スタンバイしていた人力車を発見して、俥夫さんと合流します。
予約者、ルートの確認をして、乗車にあたって簡単な説明を受けます。今回は、桜スポット2つを含むおすすめスポットを巡る45分間のコースを予定。コースの内容、乗車時間、人数など、適宜相談に乗ってくれるので、予約時に伝えておきましょう。
準備ができたらさっそくスタート!
「私は歴史好きで、特に明治~大正時代が好きなので、まさにその時代のものを今も体験できるなんて感動です!楽しみ!よろしくお願いします。」と張さん。
「ねねの道」の桜並木を颯爽と駆け抜ける!
さっそく見どころの五重塔(ごじゅうのとう)が出現。このエリアのランドマークともなっている法観寺(ほうかんじ)の通称「八坂の塔(やさかのとう)」です。
京都の町中は細くて狭い道が多く「人力車でこんなところを通れるの!?」といった道ばかりですが、そこは人力車を操るプロ!神業テクニックでスルリと通り抜けてしまいました。さすがです!
おすすめのビューポイントではその都度フォトストップ、俥夫さんが撮影してくれます。
「ここ建仁寺(けんにんじ)は、天井の屏風画がすごくきれいなところですよね!?」と、歴史好きな張さんは大興奮。門の外からでも、庭の桜がきれいに見えました。
車や歩行者を横目に、さっそうと走り抜けていくのは何とも言えない気持ちよさです。また、思った以上に揺れや振動が少なく快適な乗り心地で、まさに殿様気分。「大正時代のお姫様になった気分ですね~(笑)」と張さん。これは人力車に乗らないと味わえない爽快感です。
鴨川沿いの桜並木までやってきました。
枝ぶりが大きい豪華な花をつけた桜の木+人力車という最高のロケーションで、記念の一枚をパシャリ。
「いい写真スポットがあれば、俥夫さんに写真撮影をお願いしてOKなので安心です!撮影の腕前もばっちり!こんないいシーンはもちろん逃したくないですよね。」
昔ながらの町屋の雰囲気が残る祇園の花町。
「こちらは映画の撮影でも使われたスポットですよ」「ここには舞妓さんが住んでいるんですよ」と、俥夫さんがスポットの解説をしてくれます。
えびす屋では、予約時にリクエストすれば、外国語で案内してくれる俥夫の方が担当してくれるので、外国の方でも問題なく楽しめます(指名料1,000円/台)。
桜と枝垂柳(しだれやなぎ)が美しい、祇園新橋エリア。京都らしい景色に心が躍ります。
美しい桜は、やはり日本の風物詩。本当に「みごと!」のひと言です。
45分間の乗車観光が終了!その感想は?
今回は、八坂神社がゴール地点。乗り降りもしっかりサポートしてくれるので、初めてでもまったく心配ありません。
乗車後にお会計を済ませます(カード決済可)。また、記念にシールと、その日から3年間有効の次回割引き券もいただきました。
「乗り心地も最高で、すっごく楽しくてあっという間でした。たまにスピードアップする瞬間は、車に乗っているよりワクワクしました!車道を走るという体験は普段なかなかできないので、この快感は忘れません。もっと乗っていたかったです。また絶対リピートします!」と初体験の張さんは大満足でした。
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えびす屋
- 住所 〒605-0864 京都市東山区五条橋東大谷前北入遊行前町558-9
対応言語:日本語/英語
営業時間:10:00~日没(シーズンにより変動あり)
料金:30分1名9,000円、2名10,000円~(1台あたり2名乗車)
※外国語対応指名の場合は、指名料1,000円/台
京都桜体験②京都の豊かな自然と桜が見られる嵯峨野観光鉄道の「トロッコ列車」
二つ目の体験は、JR嵯峨嵐山駅に隣接する「トロッコ嵯峨駅」と亀岡市の「トロッコ亀岡駅」を結ぶ、片道約25分の列車の旅が楽しめる嵯峨野観光鉄道の「トロッコ列車」での桜鑑賞。
トロッコとは、もともと荷物を運ぶための貨車として使われていた車両のこと。自転車よりもちょっと早いくらいのスピードで、列車に揺られながらゆっくりと景色を楽しめるのが嵯峨野トロッコの魅力です。
嵯峨野トロッコの沿線には約700本の桜が植えられており、下を流れる保津川(ほづがわ)沿いには山桜が広がっています。レトロなトロッコ列車からは、この時期の春の桜をはじめ、夏は新緑、秋は紅葉と、季節ごとに美しい景色が移り変わります。
桜の季節のトロッコは、京都で絶対に体験したいアクティビティのひとつ。そんなわけで、今回はトロッコ嵯峨駅から乗車して、約25分の列車の旅を楽しみます。トロッコ嵯峨駅は、JR嵯峨野線の嵯峨嵐山駅に隣接ており、京都市内からJR山陰本線を利用して約17分(普通列車の場合)です。
トロッコ列車のチケットは、事前予約購入、または当日でもトロッコ嵯峨駅の窓口で購入できます。ただし当日券は空き状況によるため、桜や紅葉の時季は、事前の予約がマスト。
「僕たちが体験したタイミングは、まさに桜のピークシーズンということもあって、チケット窓口は長蛇の列でした。嵯峨野トロッコは人気なので、どのシーズンでも事前に予約することを強くお勧めします!」とティモシーさん。
事前予約購入は、JR西日本または全国の主な旅行会社で可能です。JR WEST Online Train Reservation サイト経由で購入した場合は必ずJR西日本の券売機、および窓口(JR嵯峨嵐山駅だけでなく、西日本の駅ならどこでも可)で引き換えてから向かってください。トロッコ嵯峨駅の窓口では引き換えできないので、注意してくださいね。
こちらは嵯峨野観光鉄道が作成した、トロッコ沿線の桜スポットがわかる「さくらマップ」(日本語/英語/韓国語/繁体字/簡体字)。これがあれば見どころを逃さずキャッチできそうです。
駅にトロッコ列車が入ってきました。入ってくる列車の写真を撮影する際は、必ず黄色い線の内側で。安全のために、近づきすぎないように気を付けましょう。
嵯峨野トロッコ列車に乗る際にはぜひおすすめしたいのが、窓ガラスのないオープン車両5号車「リッチ号」の指定席。窓ガラスがなく柵のみのため、乗車する際は興奮し過ぎて手を出し過ぎないように注意してください。立ち席もありますが、トロッコのゆったりさや、思うままに景色を楽しみたい場合は、やはり席は確保しておきたいですよね。
今回、初めて嵯峨野トロッコ列車に乗るティモシーさん。
「外国人観光客にとても人気がある列車なので、なぜそんなに人気なのか気になっていたんです。今日はその魅力を体感しに来ました」
列車が風を切るスピードを肌で感じられて、アトラクションのような楽しさがあります。張さん、ティモシーさん、2人とも変わりゆく景色に大興奮です。
途中駅には、かわいらしいタヌキがお出迎え。
線路、列車、山と川、癒される景色が続きます。
「日本には、こうした川が蛇行している景色が美しい場所たくさんあります。嵯峨野トロッコ列車はそんな景観を楽しむのにぴったり。自然がたっぷりで、のどかな田舎の風景は格別です。解放的なオープンエアのリッチ号は、風や新緑の香りを感じながら乗車できて、本当に素晴らしい経験です!」とティモシーさん。
満開の桜が目の前に!窓ガラスがないからこその臨場感です。
緑色の木々とピンクの濃淡がさまざまな桜の木がマッチしているのが、山桜の景観。町中のお花見とはまた違った桜の魅力があります。
「景色も解放感も最高ですね!トロッコ列車に揺られながら、たまに風景写真を撮ったり、ただじっくり自然を眺めたりできて、とてもリラックスできました。こうしてゆっくり過ごせるアクティビティはとっても楽しかったです。」と張さん。
25分間の乗車、最後のクライマックスは桜のトンネル。線路の両端に植えられた桜の木の間を列車が通り抜けて、桜の空間に包まれます。
トロッコ亀岡駅に到着。嵐山や京都市内方面へ帰る際は、同じようにトロッコ列車を利用、または徒歩10分程のJR馬堀駅も利用できます。
トロッコ嵯峨駅には、西日本最大級のジオラマ博物館も!
出発地点のトロッコ嵯峨駅には、西日本最大級のジオラマ博物館「ジオラマ京都JAPAN」が併設されています。電車好きはもちろん、初めて見る方でも、ジオラマの繊細さとスケールには目を奪われてしまうこと間違いなし。
トロッコ列車出発までの待ち時間、往復列車で帰ってきたときにはぜひ立ち寄ってみてください。
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嵯峨野トロッコ列車
- 住所 〒616-8373 京都府京都市右京区嵯峨天竜寺車道町(トロッコ嵯峨駅)
対応言語:日本語/英語
営業時間:8:35、または9:35〜最終列車まで
定休日:公式HP参照(https://www.sagano-kanko.co.jp/index.php)
桜体験を満喫した二人の感想は?
「観光に大人気の京都ですが、実は桜シーズンに訪れたのは初めて。桜の時季の京都はかなり混雑していると聞いていたので、なかなかこの季節に来ることがなかったんです。
でも、今回の人力車体験で、混んでる桜の季節でも、京都の人気スポットをちゃんと周ることができました。また車道を走ると、普段とは違う角度で日本の街を楽しめたのも新しい発見。これはイチオシです!初めてのトロッコ列車も、風を感じながら自然を満喫できて気持ちよかったです! 」
「僕は何度が桜の季節に京都を来ていますが、来るたびに新しい発見があって、やはり素晴らしかった!桜が体験できる素晴らしい場所がたくさんあるので、この時季に訪れるのが大好きです。
特に、私は嵯峨野トロッコは本当に楽しかったです。自然の中を気持ちよく走り、周りには美しい桜が咲いているという、日本らしいのどかな景色を見ることができました。秋の紅葉も同じくらい素晴らしいのだろうなと思います。またその時季にも来たいですね!」
トロッコ亀岡駅からさらに探索したい場合は、電車で北に向かって宮津湾を横断する美しい砂州「天橋立」に向かうこともできます。
京都の町と桜、自然と桜、どちらもこれぞ京都という景色が楽しめるアクティビティ。トップシーズンは、日本はもちろん世界中から多くの観光客が訪れます。しっかり事前に予約して、京都ならではの桜体験を楽しんでくださいね。
※ 記事の情報は2023年4月時点のものです。最新の情報は公式サイト等でご確認ください。
旅ライター×海外ツアーコンダクター。社会人向け教育コンテンツの企画開発・編集担当として11年従事。プライベートでは学生時代から旅に魅了され、これまで世界約50カ国150都市以上をめぐってきた大の旅好き。世界中、日本中のグルメを味わい、自然を感じ、世界遺産や歴史的建築を見て、温泉めぐりをするのが生きがい。そんな旅好きが高じて、会社員から旅ライター×海外添乗員へと転身。現在は、年間100日以上海外を飛び回りながら、旅ライターとしても活動。旅の楽しさ、日本の魅力、世界の多様な価値観をより多くの人に広めるべく、インバウンドの添乗や旅ライターの取材等で、日本各地を訪れて情報発信をしている。
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