兵庫県は、姫路城や白毫寺(びゃくごうじ)などの古代~近世の歴史スポットと、神戸北野異人館などの近代の遺構や数々の市民公園、1900年代に作られた大きなレジャー施設など、どれもが充実した日本有数の観光地です。桜が見頃を迎える時期にお散歩がてら訪れたい、選りすぐりのお花見スポットをご紹介します。
1. 桜色の雲に浮かぶ白壁の名城【姫路城】
いわずと知れた天下の名城・国宝「姫路城」。大天守の修理を終えて、より一層輝きを増した優美な姿は、翼を広げたシラサギになぞらえ、「白鷺城」とも呼ばれます。400年の歴史の中で、戦禍に生き残った唯一無二の城砦です。
世界遺産にも登録されている姫路城の外曲輪(そとくるわ/城の最外部にめぐらした石または土の囲い)内の面積は233ヘクタールと広大なもので、植栽された桜は、ソメイヨシノを中心に約1,800本。姫路城の南に位置する展望スポット「イーグレひめじ」の屋上庭園から桜の時期の姫路城を望めば、城全体が桜色の雲の中に浮かんでいるように見えます。
花見の定番スポットは天守正面の「三の丸広場」の桜並木。城を背景にした見事な景観を楽しめます。夜桜が楽しめる「西の丸庭園」も必見です。池泉回遊式の日本庭園の池に、あでやかなシダレザクラとライトアップされた白鷺城が映りこみ、ここにしかない風情ある景観が楽しめます。
姫路城の西側、もと城内だった動物園には、水堀がそのまま残されており、堀には城見橋がかけられています。橋越しに見る桜の彼方にそびえ立つ天守閣もまた、絶景として知られています。
【例年の見頃】4月上旬
【姫路城夜桜会】※最新情報は公式ホームページを確認ください
例年の開催期間(日時):2024年3月29日(金)~4月7日(日)、18:30~21:00(入城は20:30まで)
※期間中ライトアップあり
開催場所:姫路城西の丸庭園
入場料:600円、小中高生200円
問い合わせ:079-285-1146 (姫路城管理事務所)
【姫路城観桜会】
開催場所:姫路城三の丸広場
開催期間(日時):2024年3月30日(土)、雨天の場合、31日(日)に順延、10:00~16:00
入場料:無料
問い合わせ:079-240-6023(姫路城イベント実行委員会事務局)
【好古園夜桜会】
開催期間(日時):2024年3月29日(金)~4月7日(日)、18:00~20:00(入園は19:30まで)
開催場所:姫路城西御屋敷庭園 好古園
入園料:大人(18歳以上)310円、小人(小中学生、高校生)150円
問い合わせ:079-289-4120
2. 動物と満開の桜、どちらも楽しむならここ【神戸市立王子動物園】
「神戸市立王子動物園」はJR「灘」駅から徒歩約5分の場所にあり、約130種類800頭の動物が飼育されています。ライオンやトラ、キリン、ゾウなどの大型動物はもちろん、ジャイアントパンダやレッサーパンダ、コアラなどのスペシャル「かわいい」動物も同時に見ることができ、なんと遊園地も併設されています(2024年2月現在、ジャイアントパンダ「タンタン」は体調管理のため、観覧中止中)。
さらに見どころは、園の片隅にそびえる異人館「旧ハンター住宅」。1889年頃の建築で、1963年に中央区北野町から動物園内に移築されました。内部が公開され、豪華な装飾や調度を鑑賞できます。
園内には約480本のソメイヨシノが植栽されており、満開の桜とパンダのスペシャルなコラボレーションを楽しむことができるのもここならでは。例年、桜の見頃時期にあわせて3日間、夜間の特別ライトアップ「夜桜通り抜け」も実施されます(入園無料)。ただし、その際、動物は観賞できないのでご注意を。
【例年の見頃】3月下旬~4月上旬
【夜桜通り抜け】
開催期間(日時):例年、見頃時期にあわせて3日間 18:00~20:30
※期間中のみライトアップ予定
入場料:無料(桜募金として100円)
3. 桜のトンネルをくぐって春を満喫!【神戸総合運動公園】
地下鉄三宮駅から約20分の総合運動公園駅下車すぐの「神戸総合運動公園」は、プロ野球球団のホーム球場「ほっともっとフィールド神戸」や国際陸上競技、サッカー、ラグビーなどが開催される「ユニバー記念競技場」を園内に抱える大規模総合運動公園。四季を通じて様々な花が楽しめます。
公園の西サイドの「シェードガーデン~サクラの道」には、310メートルにわたって、ソメイヨシノが植えられ、見事な「桜のトンネル」が形成されます。公園の東サイドは、秋に約10万本のコスモス、春に約5万本の菜の花が咲き誇ることで有名な「コスモスの丘」があります。
公園内には大規模アスレチック、水遊びのできる「ちゃぷちゃぷ池」などのレクリエーション施設もあり、家族で遊びがてら花見をするのに最適なスポットです。タイミングが合えば、菜の花と桜のコラボレーションを楽しめますよ。アクセスもよく、気軽に訪れることのできる公園です。
【例年の見頃】3月上旬~4月上旬
-
神戸総合運動公園
- 住所 〒654-0163 兵庫県神戸市須磨区緑台
電話番号:078-795-5151(神戸総合運動公園管理センター)
入園無料
アクセス:神戸市営地下鉄西神・山手線「総合運動公園」駅からすぐ
4. 瀬戸内海と満開の桜の大パノラマ【須磨浦公園】
「須磨浦(すまうら)公園」は、淡路島を望む鉄拐山(てっかいさん)、鉢伏山(はちぶせやま)を含む傾斜地と海岸沿いの松原から形成された景勝地です。有名な源平の古戦場、現在は桜の名所として知られています。アクセスは阪神・神戸三宮駅から約30分の須磨浦公園駅からすぐ。
1935年の開園当時からクロマツ、ソメイヨシノの植栽が行われ、現在では「こうべ花の名所」にも選ばれる桜の名所となりました。春には約3,200本の桜が公園を彩り、ハイキングを兼ねてたくさんの人が訪れます。園内には「須磨浦山上遊園」や、隣接する海岸に「海釣り公園」等の観光施設も併設しています。
明石大橋や神戸港、神戸の町並みや神戸空港を背景にしたソメイヨシノ、ヤマザクラ、八重咲系などの桜の大パノラマを見ることができる神戸最大規模の桜の名所です。
【例年の見頃】3月下旬~4月中旬
-
須磨浦公園
- 住所 〒654-0076 兵庫県神戸市須磨区一ノ谷町4-4-3
- 電話 078-731-2520
散策自由
入園無料 ※ロープウェイ、カーレーター、展望閣、観光リフトは有料
アクセス:山陽電鉄「須磨浦公園」駅から徒歩すぐ、JR「須磨」駅から徒歩15分
5. 文学や歴史のロマン溢れる桜スポット【大本山 須磨寺】
神戸三宮駅から約20分の須磨寺駅から徒歩約5分の「大本山 須磨寺」は、886年開基の古刹。国指定重要文化財を所蔵し、源平合戦ゆかりの寺として有名です。境内には平敦盛(たいらのあつもり)の首塚と墓所、大将の源義経(みなもとのよしつね)が腰掛けたと伝わる「腰掛の松」や、「弁慶の釣鐘」など、歴史絵巻ゆかりの旧跡が目白押しです。
日本の俳人として有名な与謝蕪村(よさのぶそん)や松尾芭蕉(まつおばしょう)の句碑もあり、句碑のそばには、優しいたたずまいの桃色のシダレザクラが一本。「源氏物語」ゆかりの旧跡「若木の桜」も咲いています。
須磨寺横の堂谷池(どうやいけ)の縁に植栽された桜は、美しく池面に映え、見事な景観を作り出しています。また、平敦盛を討った熊谷直実(くまがいなおざね)にちなんで名づけられた早咲き一重の美しい桜、「クマガイザクラ」も見ることができます。参道では桜のトンネルが参拝者を迎えてくれますほか、どの季節に訪れても、自然美を堪能できる名所です。
【例年の見頃】3月下旬~4月上旬
-
大本山 須磨寺
- 住所 〒654-0071 兵庫県神戸市須磨区須磨寺町4-6-8
- 電話 078-731-0416
参拝時間:8:30~17:00
拝観料:無料
定休日:なし
アクセス:山陽電鉄・阪神電鉄「須磨寺」駅から徒歩5分
6. 宝塚の舞台へと続く桜小道【花のみち宝塚】
三ノ宮駅から40分ほどの阪急宝塚駅を出て、武庫川(むこがわ)沿いに宝塚歌劇団の本拠地「宝塚大劇場」へと通じる遊歩道が「花のみち宝塚」です。
宝塚歌劇生が行きかう道沿いには、バラをはじめ四季折々の様々な花が楽しめるほか、沿道のおしゃれなショップ、レストランも人気が高く、春には約50本植えられた桜が見事です。
【例年の見頃】4月上旬~4月中旬
-
花のみち宝塚
- 住所 〒665-0845 兵庫県宝塚市栄町1
電話番号:0797-77-2012(宝塚市観光企画課)
散策自由
アクセス:JR・阪急電鉄「宝塚」駅から徒歩5分
7. 桜と松の独特のコラボレーションが美しい【夙川河川敷緑地】
兵庫県を代表する桜の名所・西宮市の「夙川(しゅくがわ)河川敷緑地」。神戸三宮駅から約15分で行ける夙川駅からすぐのところにあります。夙川の河川全域、約18ヘクタール、河川延長4キロメートルに及ぶ大規模な都市公園です。夙川沿いに2.8キロメートルにかけて、約1,700本の桜が植えられており、ソメイヨシノだけでも約1,200本あり壮観。ほかにも、八重咲きの豪華なカンザンが100本以上あり、見ごたえがあります。
河畔には約1,600本の松の木もあり、松の濃い緑と桜という取り合わせを楽しむことができます。
堤から夙川に降りられるようになっており、子供たちが川で飛び石などで楽しく遊べるように整備されています。敷地内にある「片鉾池(かたほこいけ)」は、噴水のあがる水面に桜の花が映えるスポットや常緑の松の木の適度な木陰があり、涼しく爽やかな花見スポットです。
【例年の見頃】3月下旬~4月上旬
【西宮さくら祭】
開催場所:兵庫県西宮市大井手町ほか
開催期間(日時):4月初旬
入場料:無料
問い合わせ: 0798-35-3321(西宮市観光協会)
-
夙川河川敷緑地(夙川公園)
- 住所 〒662-0976 兵庫県西宮市宮西町14
電話番号:0798-35-3611(西宮市公園緑地課)
入園自由
アクセス:阪急神戸線「夙川」駅・JR神戸線「さくら夙川」駅・阪神本線「香櫨園」駅・阪急甲陽線「苦楽園口」駅からすぐ
8. 広大な敷地内を彩る約1,000本の桜!【日岡山公園】
JR神戸駅から40分ほどの日岡駅から徒歩約10分の場所にある「日岡山(ひおかやま)公園」は、野球場やプール、スポーツセンター、宿泊施設等を完備した広大な総合運動公園です。また、園内に点在する5基の前方後円墳は「日岡山古墳群」として知られています。
園内にはソメイヨシノ、オオシマザクラ、カンヒザクラなど約1,000本が植栽されています。例年、夜には桜並木はライトアップされ、約330ものぼんぼりが点灯し、その幻想的な美しさを一目見ようと見物客が訪れます。日岡山公園管理事務所横から続く桜のトンネルは特に見事。梅林やユキヤナギなど、桜以外の花も多く植えられているので、スポーツやレジャーで汗を流しながら、花見を楽しめる憩いのスポットです。
【例年の見頃】3月下旬~4月上旬
-
日岡山公園
- 住所 〒675-0061 兵庫県加古川市加古川町大野1682
- 電話 079-426-6710
入園無料
アクセス:JR「日岡」駅から徒歩10分、JR「加古川」駅からバスで約10分「日岡山公園」下車、徒歩すぐ
9. 明石城跡を彩る約1,400本の桜並木【明石公園】
三ノ宮駅から約15分ほどの明石駅から徒歩約5分にある「明石公園」は、今から約400年前の1619年に、初代明石藩主・小笠原忠真(おがさわらただざね)により、築城された明石城の城跡を整備した広さ55ヘクタールの広大な公園です。本丸跡の東西幅380メートル、高さ約20メートルの大規模な石垣の上には、国の重要文化財指定の巽櫓(たつみやぐら)・坤櫓(ひつじさるやぐら)の2基の希少な三重櫓がそびえ、石垣と2基の櫓は公園のシンボルとなっています。
園内には約1,400本の桜(ソメイヨシノ)が植えられ、多くの花見客で賑わいます。特にボート遊びのできる広い「剛ノ池」の周囲はぐるりと約1,000本の桜に彩られ、満開時にはため息が出るような美しさ。「日本さくら名所100選」にも選定されています。
【例年の見頃】3月下旬~4月上旬
【明石公園さくらまつり】※2024年は開催未定(2024年2月時点)
開催期間(日時):4月上旬 18:00~21:00(入園は~20:30)
開催場所:武蔵の庭園
例年の内容:野だて茶席、手作り甲冑の試着、巽櫓と坤櫓の同時開放
入場料:無料
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明石公園
- 住所 〒673-0847 兵庫県明石市明石公園1
- 電話 078-912-7600
入園無料
アクセス:JR神戸線・山陽電鉄「明石」駅から徒歩約5分
10. 上流から下流へ、長く咲きつなぐ桜の波【おの桜づつみ回廊】
三ノ宮駅から約75分の粟生駅から徒歩15分ほどの場所にある「おの桜づつみ回廊」。小野市随一の桜の名所で、市内の西域を流れる加古川堤防両岸・全長約4キロメートルに渡って約650本の桜が植えられた並木は、西日本最大級ともいわれています。
この桜並木は、6種類の桜の品種・エドヒガン、オオシマザクラ、ソメイヨシノ、カワヅザクラ、ヤエベニシダレザクラ、オモイガワが、上流から下流へと、花期の順番に植えられていて、3月中旬から4月下旬まで長期間にわたって桜の花を楽しめるように設計されています。
河川保全運動の一環として、桜樹のオーナーシップ制度を設け、それぞれの木にはオーナーの思いを込めた銘板が設置されています。市民参加の環境保全運動で、長大な散策路の環境が保たれており、それゆえに見事な景観を市民とともに楽しめるスポットです。
【例年の見頃】3月下旬~4月上旬
【夜桜ライトアップ】
開催期間(日時):3月下旬~4月上旬 日没~21:30(予定)
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おの桜づつみ回廊
- 住所 〒675-1368 兵庫県小野市住永町
電話番号:0794-63-2182(小野市地域振興部まちづくり課)
散策自由
アクセス:JR神戸電鉄「粟生」駅から徒歩15分
いかがでしたか。世界遺産姫路城の桜や瀬戸内海と桜を眺められるスポット、動物園で楽しめる桜などバラエティ豊かな兵庫県の桜スポット。お花見も兼ねたショートトリップに出かけてみたくなりますね。
※本記事は2020年3月に取材・撮影したものを2024年2月に更新しています。桜の開花時期やイベント日程・内容等は変更になる場合があります。
Text by:クリンク
※価格やメニュー内容は変更になる場合があります。
※特記以外すべて税込み価格です。
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