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札幌で行くべきジンギスカンおすすめ人気店5選!食べ方や歴史など基礎知識も紹介

札幌で行くべきジンギスカンおすすめ人気店5選!食べ方や歴史など基礎知識も紹介

更新日: 2023/09/11

ジンギスカンは羊肉の焼肉料理で、北海道の代表的な郷土料理のうちの一つ。ラムやマトンなどの羊肉と野菜を丸い鉄の上で焼いて食べる、北海道の名物グルメです。北海道の中心都市、札幌には数多くのジンギスカン店があり、店ごとに異なるさまざまな味わいを楽しめます。この記事では、ジンギスカンの食べ方や歴史などとともに、札幌でおすすめのジンギスカン店を5店紹介します。

目次
  1. ジンギスカンはどんな料理?「先付け」と「後付け」の2種類ある
  2. ジンギスカンの食べ方
  3. なぜジンギスカンは北海道の名物グルメなの?
  4. 1.行列のできる「だるま」の支店「成吉思汗だるま5・5店」
  5. 2.タレに漬け込んだ肉が特徴の「松尾ジンギスカン札幌駅前店」
  6. 3.自家牧場で飼育したサフォークラムの「ジンギスカン 羊飼いの店『いただきます』」
  7. 4.すすきのの夜景を眺められる「夜空のジンギスカン本店」
  8. 5.こだわりのジンギスカンなら「ジンギスカン 羊々亭 札幌本店」

ジンギスカンはどんな料理?「先付け」と「後付け」の2種類ある

まずは、ジンギスカンとはどのようなものなのか詳しく紹介します。老舗ジンギスカン店「松尾ジンギスカン」を運営する株式会社マツオに伺った内容などをもとに案内します。

ジンギスカンは大きく以下2つのパターンがあります。

(1)タレに漬け込んだ羊肉を焼いて食べる「先付け(滝川式)」
(2)焼いた肉にタレを付けて食べる「後付け(札幌式)」

北海道内の地域によって食べ方が分かれ、札幌から北西に車で1時間程度の滝川をはじめ、旭川帯広など北海道の中北部や東部では先付け(滝川式)で食べることが多いです。いっぽう札幌周辺から北海道の南西部の地域では後付け(札幌式)が一般的です。

先付けの場合はタレに漬け込んだ肉が皿に盛られて出てきます(画像素材:PIXTA)
先付けの場合はタレに漬け込んだ肉が皿に盛られて出てきます(画像素材:PIXTA)
後付け(札幌式)では生肉が皿に盛られて出てきます(画像素材:PIXTA)
後付け(札幌式)では生肉が皿に盛られて出てきます(画像素材:PIXTA)

ただ、昨今は地域に関係なくどちらの食べ方も混在し、お店により食べ方や食材のアレンジも進んでいます。特に人口が多く店舗数も多い札幌では、後付けで提供する店のほか先付けで提供する店も増えました。後付けでも焼いた後にタレではなく塩や塩コショウなどで味わえるお店もあります。

後付け(札幌式)の基本パターンは焼いた肉をタレなどにつけて食べます(画像素材:PIXTA)
後付け(札幌式)の基本パターンは焼いた肉をタレなどにつけて食べます(画像素材:PIXTA)

肉も羊肉とひと口に言っても店ごとに異なり、オーストラリア産やニュージーランド産のラム肉やマトンで提供する店、自社牧場で飼育した羊肉を提供する店、希少部位を提供する店などさまざま。各店で味比べ、食べ比べしてみると全く別の料理に感じるかもしれません。

ジンギスカンの食べ方

ジンギスカンを食べる際に欠かせないものが、ジンギスカン。ジンギスカンとは、真ん中が盛り上がった丸い鉄です。

真ん中が盛り上がったジンギスカン鍋(株式会社マツオ提供)
真ん中が盛り上がったジンギスカン鍋(株式会社マツオ提供)

の周囲に野菜を並べ、真ん中の盛り上がった部分で羊肉を焼いて食べます。羊肉を焼くと次第に脂や肉汁などがの周囲に流れていくので、野菜を脂で炒めたり肉汁やタレで煮込んだりしながら味わえます。

先付け(滝川式)では、鍋の周囲にある野菜を焼くというより煮るような感覚です(画像素材:PIXTA)
先付け(滝川式)では、鍋の周囲にある野菜を焼くというより煮るような感覚です(画像素材:PIXTA)
後付け(札幌式)では、モヤシや玉ネギなどを鍋の周囲に置いて流れてきた脂で炒めるように焼いて食べます(画像素材:PIXTA)
後付け(札幌式)では、モヤシや玉ネギなどを鍋の周囲に置いて流れてきた脂で炒めるように焼いて食べます(画像素材:PIXTA)

後付け(札幌式)の場合、日本で一般的な焼肉料理と同様に網や平たい鉄板の上で焼いて食べることもありますが、先付け(滝川式)の場合は概ねジンギスカンを使って食べます。

なぜジンギスカンは北海道の名物グルメなの?

北海道民なら食べたことがない人はいないと断言できるくらい、ジンギスカンは北海道では馴染み深い郷土料理です。北海道にジンギスカンが根付いた理由や歴史経緯は諸説あって、残念ながら明確な答えはありません。

ただ、元々羊肉食の食文化がなかった日本で、1900年代前半に国策として羊肉食が推奨されていたことが契機だったのかもしれません。当時の政府軍服や軍の毛布調達のため羊の国内生産を目指し、1918年に滝川や札幌の月寒(つきさっぷ、現在の地名読み名はつきさむ)など日本国内5カ所に種羊場を開設しました。生産された羊肉の活用法が研究されていく中で、ジンギスカンが誕生したのではないかと言われています。

北海道では羊の飼育もされていますが、生産数が少ないので日本産の羊肉は希少です(画像素材:PIXTA)
北海道では羊の飼育もされていますが、生産数が少ないので日本産の羊肉は希少です(画像素材:PIXTA)

ジンギスカンが一般に普及するようになったのは1950年代から。日本国内で有名なジンギスカン店である松尾ジンギスカンが、ジンギスカンを北海道名物として定着させる一翼を担いました。

1950年代前半に札幌ではジンギスカン店が複数誕生し、1956年に滝川で松尾ジンギスカンが羊肉専門店として創業しました。札幌の各店では後付け(札幌式)での提供が一般的でしたが、松尾ジンギスカンでは先付け(滝川式)で提供。羊肉特有の臭みを消すため、地元で収穫されたリンゴや玉ネギなどで作った独自のタレに漬け込んだ肉を販売しました。

創業当時の松尾ジンギスカン(株式会社マツオ提供)
創業当時の松尾ジンギスカン(株式会社マツオ提供)

発売当初はあまり売れなかったものの、創業者が春先に七輪と炭とジンギスカンを持って近隣の公園へ出向き、花見中の人たち(桜の花を見物していた人たち)に食べさせたところ、評判になり売れるようになったそうです。その後、羊肉専門店の隣にジンギスカン専門の食堂を開き、羊肉の卸先でもジンギスカン店が展開されていくようになり、各地へ広まっていきました。

また、調味料メーカーがジンギスカン用のタレを発売したことで一般家庭でも手軽に味わえる料理として親しまれるようになり、北海道内各地にジンギスカンが普及していきました。

北海道ではアウトドアレジャーの際にジンギスカンを食べるのが習わしです(画像素材:PIXTA)
北海道ではアウトドアレジャーの際にジンギスカンを食べるのが習わしです(画像素材:PIXTA)

ちなみに、北海道では、花見の時をはじめ、海水浴やキャンプなどへ出かける際にはコンロや炭などを持参して現地でジンギスカンを食べるという風習があります。滝川での創業者の一件がきっかけなのかは定かではありませんが、北海道ではお店でもレジャーやパーティーでも、ジンギスカンを食べるという食文化が根付いているということは間違いありません。

それでは、この後は札幌でおすすめのジンギスカン店を5軒紹介します。

1.行列のできる「だるま」の支店「成吉思汗だるま5・5店」

1.行列のできる「だるま」の支店「成吉思汗だるま5・5店」

札幌で1954年に創業した老舗のジンギスカン店「成吉思汗だるま」は行列が絶えない人気店。札幌の伝統の食べ方、後付け(札幌式)でジンギスカンを楽しめます。予約はできないので行列に並ぶ覚悟が必要です。すすきのエリアには本店のほか複数支店があり、注目は2017年にオープンした「成吉思汗だるま5.5店」です。

開店前から行列ができることも。30人ぐらいなら入店できる可能性が高いです
開店前から行列ができることも。30人ぐらいなら入店できる可能性が高いです

ジンギスカンの基本のメニューは1種類のみ。肩ロースやロース、モモ肉など盛り合わせた成吉思汗1,280円です。大きめカットの肉は食べ応え満点。札幌に多いつけダレ式なので、さっと焼いて店自慢のタレにつけて味わいましょう。

メニューの成吉思汗は毎日入荷するマトンを使用
メニューの成吉思汗は毎日入荷するマトンを使用

席につくと、目の前には炭火が入った七輪の上にスリットが入った丸い独特なが置かれています。このの上でお肉や野菜を焼きます。余分な脂がのスリットから下の炭火に垂れるので、肉も野菜も脂っこくならずスッキリと味わえます。

脂身がジューシー。焼きすぎないように注意!
脂身がジューシー。焼きすぎないように注意!

ジンギスカンとともにぜひオーダーしたいメニューは、分厚いのに軟らかいヒレ肉1,680円や上肉1,680円。いずれも限定販売なので売り切れ必至、早い者勝ちです。

マトンの肩ロース1枚とロース2枚のステーキが1皿に盛られた上肉
マトンの肩ロース1枚とロース2枚のステーキが1皿に盛られた上肉

「成吉思汗 だるま 5・5店」の店内は排煙設備が完備していて、炭火焼きでも煙が気になりません。さらに店内にはロッカーがあるので、荷物やコートなどをしまっておけばジンギスカン特有の臭いもつきにくく食後も快適です。

広いカウンターに七輪が並び、真上には排煙機能があります
広いカウンターに七輪が並び、真上には排煙機能があります
  • 成吉思汗 だるま 5・5店
    • 住所 〒064-0805 北海道札幌市中央区南5条西5丁目1
    • 最寄駅 地下鉄南北線すすきの駅から徒歩2分
    • 電話 011-551-5529
    • 時間:17:00〜5:00(4:30 LO)
      休み:年末年始

2.タレに漬け込んだ肉が特徴の「松尾ジンギスカン札幌駅前店」

(株式会社マツオ提供)
(株式会社マツオ提供)

先に紹介した松尾ジンギスカンの支店です。札幌駅から大通公園やすすきのへ通じる地下道「チカホ」から地上に出ることなく行くことができるので、雨や雪の日でも訪れやすいお店です。店内はジンギスカンの店ならぬオシャレな雰囲気で、ゆっくりと食事を楽しみたいときにもおすすめ。

ゆったりとした店内。ディナータイムは予約がベター
ゆったりとした店内。ディナータイムは予約がベター

松尾ジンギスカンの特徴は、先付け(滝川式)のお肉に漬け込んでいる独自のタレ!リンゴとタマネギ、醤油、生姜、香辛料などで作られるタレは、肉の臭みを消して肉が軟らかくする作用があるそうです。ニンニクを使っていないので、ニンニクが苦手な人も安心です。

回りでたっぷりの野菜が煮えるよう、通常よりも深く工夫されたオリジナルの鍋
回りでたっぷりの野菜が煮えるよう、通常よりも深く工夫されたオリジナルの鍋

のまわりに野菜を盛り、の中央部分でタレがしみこんだ肉をたっぷりのせて焼いていきます。肉の脂やタレがの周囲に流れ、野菜は徐々に煮えていきます。

初めてなら4種食べ比べセット3,400円がおすすめ。特上ラムジンギスカン、ラムジンギスカン、マトンジンギスカン、ラムハツが1人前各60gに野菜、ライス、味噌汁、ドリンク1杯付きます。そのほか食べ放題(90分、5,00円〜)などのプランもあります。

4種食べ比べセット。ドリンクも付いてきます
4種食べ比べセット。ドリンクも付いてきます
ラムチョップをソルトとハーブで味付けした塩ラムステーキ
ラムチョップをソルトとハーブで味付けした塩ラムステーキ

松尾ジンギスカンは、北海道のジンギスカン文化で外すことはできない味。食文化を探求するなら絶対外せない店です。

  • 松尾ジンギスカン札幌駅前店
    • 住所 〒060-0003 北海道札幌市中央区北3条西4丁目1−1日本生命札幌ビルB1
    • 最寄駅 JR札幌駅から徒歩3分
    • 電話 011-200-2989
    • 時間:11:00〜15:00(14:30 LO)、17:00〜23:00(22:15 LO)
      休み:無休(ビルメンテナンス日は休み)

3.自家牧場で飼育したサフォークラムの「ジンギスカン 羊飼いの店『いただきます』」

3.自家牧場で飼育したサフォークラムの「ジンギスカン 羊飼いの店『いただきます』」

日本人が食事を始めるときの挨拶「いただきます」を店名にした店。自営農場で飼育した、北海道産純血サフォークのみを提供するこだわりで、生産、加工、熟成まで一貫して行っています。

自営牧場のサフォーク。顔が黒いのが特徴
自営牧場のサフォーク。顔が黒いのが特徴

この店では後付け(札幌式)で提供していますが、タレだけではなく塩やコショーなどにつけて味わえます。一押しメニューのジンギスカン1,078円をはじめ、ロース1,969円、肩ロース1,969円、希少価値の部位の中落ち1,969円など、いろいろな部位のほか、内臓系なども楽しめるのが魅力。クラコウソーセージ各638円もおすすめです。

モモ、ウデ、バラ、スネなどバランスよくもられたジンギスカン
モモ、ウデ、バラ、スネなどバランスよくもられたジンギスカン
羊のレバーは1,078円
羊のレバーは1,078円
脂の甘みが味わえるロースは、塩・コショーにレモンで食べるのがおすすめ
脂の甘みが味わえるロースは、塩・コショーにレモンで食べるのがおすすめ

店はすすきのの真ん中にある一軒家。店内はオープンキッチンを囲むカウンターメイン。常に行列ができているので、名前を記入して順番を待ちましょう。

キッチンを囲んで席が並ぶ
キッチンを囲んで席が並ぶ
  • ジンギスカン 羊飼いの店『いただきます』
    • 住所 〒064-0805北海道札幌市中央区南5条西5丁目1-6
    • 最寄駅 地下鉄南北線すすきの駅から徒歩2分
    • 電話 011-552-4029
    • 時間:11:00〜23:00(翌22:30LO)※変更の場合あり
      休み:無休

4.すすきのの夜景を眺められる「夜空のジンギスカン本店」

4.すすきのの夜景を眺められる「夜空のジンギスカン本店」

すすきのに5店舗を展開する「夜空のジンギスカン」の本店。窓越しにすすきののシンボルでもある観覧車が見えるビルの10階にあります。後付け(札幌式)で、タレや塩などで楽しめます。

夜景を見ながらジンギスカンが食べられます
夜景を見ながらジンギスカンが食べられます

本店では、オーストラリア産生ラムなどの9種のジンギスカンと、キムチや野菜盛り、ライスが食べ放題、さらにビールを含む60種類以上のドリンク飲み放題付きという、90分4,980円のコースが人気。3種のジンギスカン食べ飲み放題コース4,280円もあります。

食べ飲み放題のコース。席利用は2時間まで
食べ飲み放題のコース。席利用は2時間まで

単品メニューも数多くあり、それらの中でのおすすめは夜空の産地食べ比べセット2,400円。道産やオーストラリア産生ラム、アイスランド産生ラム、北海道士別(しべつ)産ラム、エゾシカ肉の盛り合わせで、肉の食べ比べができます。

3カ国の生ラムとエゾシカ肉の盛り合わせ
3カ国の生ラムとエゾシカ肉の盛り合わせ

肉のほかに米や野菜にもこだわり、札幌近郊の長沼の契約農家などから仕入れている素材を使用しています。焼いた肉や野菜は、醤油タレ、味噌タレ、ハーブ塩の3種で味わえます。好みに合わせて味の違いを楽しみましょう。

  • 夜空のジンギスカン 本店
    • 住所 〒064-0804北海道札幌市中央区南4条西4丁目MYプラザビル10F
    • 最寄駅 地下鉄南北線すすきの駅から徒歩4分
    • 電話 011-219-1529
    • 時間:月~日、祝日、祝前日: 17:00~翌1:00 (料理L.O. 翌0:30 ドリンクL.O. 翌0:30)
      休み:年末年始

5.こだわりのジンギスカンなら「ジンギスカン 羊々亭 札幌本店」

5.こだわりのジンギスカンなら「ジンギスカン 羊々亭 札幌本店」

すすきの交差点の近くにある、「ジンギスカン 羊々亭 札幌本店」。店内はワンフロアで250席という広さで、個室もあります。

また、無煙ロースターなので空気がクリーンなのも嬉しいポイント。大人数で北海道工場製造の新鮮なビールを片手に、ジンギスカンを楽しむにはおすすめの店です。こちらの店も後付け(札幌式)でジンギスカンを味わえます。

広々とした店内。団体での利用もできます
広々とした店内。団体での利用もできます

メニューは特選羊肉プラン 羊肉6種100分食べ放題6,900円や、ジビエプラン7,400円などがあります。千歳野澤牧場産の軟らかな道産テクセル100g1,680円、道産サフォーク1,680円などこだわりの肉も絶品です。※仕入の状況によりご提供出来ない場合があり

  • ジンギスカン 羊々亭 札幌本店
    • 住所 〒064-0804北海道札幌市中央区南4条西4丁目 松岡ビル5F
    • 最寄駅 地下鉄南北線すすきの駅から徒歩1分
    • 電話 011-241-8831
    • 時間:16:00〜23:00(LO22:30)
      休み:年末年始

Text by:川島 暢華
※本記事の情報は2019年10月に公開したものを再編集しています。最新の情報は公式サイト等でご確認ください。

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※価格やメニュー内容は変更になる場合があります。
※特記以外すべて税込み価格です。

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