支笏洞爺国立公園の西端にあり、「日本百名山」にも挙げられる羊蹄山。ほぼ完全な円錐形の姿は、ニセコエリアのまさにシンボルです。独立峰であり、また富士山を思わせる美しい姿から「北海道の富士山」や「蝦夷富士(えぞふじ)」と呼ばれており、6月上旬からは登山も可能。ここではドライブスポットとしても人気を集めている、ニセコ・羊蹄山周辺エリアの絶景スポットをご紹介しましょう。
羊蹄山とは
後志地方南部に位置する羊蹄山(ようていざん)は、標高1898mの成層火山(複数回噴火をし、その堆積物により円錐状の形状を持つ火山)。富士山をはじめ日本国内にいくつかある成層火山のうち、その形状が富士山によく似ていることから、古くから「蝦夷富士(えぞふじ)」の名で親しまれてきました。周辺には豊かな自然が広がっており、またその雪解け水が湧き出す名水スポットが数多くあり、道内外から観光客でにぎわっている場所です。
【羊蹄山の絶景 その1】7月上旬の風物詩・ジャガイモ畑と羊蹄山
羊蹄山は7月上旬から8月上旬にかけては、頂上付近で約80種類の高山植物を楽しむことができます。今でこそ美しい姿を見せる羊蹄山ですが、かつて何度も激しい噴火を経験。辺りに大量の火山灰を降らせました。しかしその火山灰はニセコ方面に肥沃な土壌をもたらし、現在盛んに行われている農業の礎にもなりました。羊蹄山周辺には多くの耕作地が広がっていますが、そうして拓かれた畑と羊蹄山とが織りなす風景には、独特の牧歌的な美しさがあります。まずは羊蹄山を中心とした絶景を見てみましょう。
倶知安町は道内有数のジャガイモの生産地として知られています。7月頃になると、町内のいたるところで咲き誇る白や薄赤紫に色ついたジャガイモの花は、初夏の風物詩として地元の人々に愛されてきました。広大なジャガイモ畑の奥に凛とたたずむ羊蹄山の姿は美しく、どこから見ても絵になります。倶知安町を車で走ると、そうしたのどかな風景があちこちで見られるので、自分だけのお気に入りの場所を探してみるのも楽しいですよ。
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倶知安町のジャガイモ畑
- 住所 北海道虻田郡倶知安町の各所
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最寄駅
JR倶知安駅より車で10分
- 電話 0136-22-1121
(倶知安町役場)
【羊蹄山の絶景 その2】知る人ぞ知る!「東山 花の丘」のヒマワリ畑
ニセコ髙橋牧場に隣接する「東山 花の丘」のヒマワリ畑も、知る人ぞ知る人気のスポットです。7月下旬から8月中旬にかけて、羊蹄山やニセコアンヌプリをバックに一斉に咲き誇るヒマワリの様子は、まさに圧巻。太陽に向かう大輪の花と、青空とのコントラストの美しさには思わず息をのみます。無料で入場できるので、気軽に記念撮影を楽しめます。また隣接する「ニセコ高橋牧場」では、のどかな牧場風景を楽しめます。自社牧場で生産している新鮮なミルクを使ったソフトクリーム(290円)を片手に、周囲を散策してみるのも楽しいですよ。
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東山 花の丘
- 住所 〒048-1522 北海道虻田郡ニセコ町曽我888-1
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最寄駅
JRニセコ駅より車で8分
- 電話 0136-44-3734
(ニセコ高橋牧場)
【羊蹄山の絶景 その3】夕刻の夕日に輝く羊蹄山「赤富士」
季節や時間帯で、その表情を変える羊蹄山ですが、夕刻の姿もまた格別。中でも羊蹄山の南側に広がる真狩村から夕方に見える羊蹄山は、ムラがなく真っ赤に夕日に染まります。その姿が葛飾北斎や歌川広重が描いた浮世絵を思わせることから「赤富士」とも称されており、わざわざ夕方を目掛けて訪れるというファンもいるそうです。天候の条件にも左右されますが、真狩村の各所から望むことができます。
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真狩村の赤富士
- 住所 北海道虻田郡真狩村字
- 電話 0136-45-3613
(真狩村役場 総務企画課 商工観光係)
【羊蹄山の絶景 その4】ゴンドラに乗って山の上から羊蹄山とニセコを望む
地上から仰ぐ羊蹄山の姿もいいものですが、高いところから羊蹄山とニセコの街を望むのも一興です。尻別川を挟み羊蹄山と向かい合うようにそびえるニセコアンヌプリは、4つのスキー場を抱えており、その内の「ニセコアンヌプリ国際スキー場」と「ニセコ グラン・ヒラフ」では、夏場はサマーゴンドラを営業しており、ニセコアンヌプリの高みから羊蹄山とその周辺の田園風景を眺めることができます。
特にニセコアンヌプリの中腹まで伸びる「ニセコ グラン・ヒラフ」のサマーゴンドラは羊蹄山と正対しており、サマーゴンドラが登っていく間、その移り変わる眺めをつぶさに眺めることができます。少しずつ上昇するに従い、ニセコの街並みが遠くなり、緑いっぱいの景色が広がってくる様は壮観。真正面に羊蹄山を見据える素晴らしいパノラマで、晴れていれば遠く中山峠や有珠山までをも望むことができます。サマーゴンドラの終点には「展望ベッド」が用意されているという計らいも粋。シートに座って羊蹄山をバックに記念写真も撮れるので、とっておきの1枚を収めてみてはいかがでしょう。
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ニセコ グラン・ヒラフ サマーゴンドラ
- 住所 〒044-0081 北海道虻田郡倶知安町字山田204
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最寄駅
JR倶知安駅から車で15分
- 電話 0136-22-0109
料金:
往復/大人1100円、子ども550円、未就学児無料、ペット300円
片道/大人700円、子ども350円、未就学児無料、ペット300円
時間:2018年7月14日〜9月24日運行。9:00〜16:00(8月10日〜16日は8:30〜16:00)
休み:期間中無休
秋の紅葉もおすすめ!羊蹄山が育んだ「水の庭園」へ
かつて大きな噴火を繰り返した羊蹄山。その過程でいくつかの名勝を作り出しました。羊蹄山の麓にある、その名の通り三日月型になった湖「半月湖」もそうです。羊蹄山の噴火によって誕生した火口湖であり、その周辺には散策路が整備されています。駐車場から15〜20分ほど散策路を歩くと湖畔に到着。美しい森に囲まれた湖が姿を現します。湖面の透明度は高く、夏は緑に囲まれて湖面がエメラルドグリーンに、秋は紅葉が映り込んで赤く色付きます。天気がよい日は羊蹄山の姿も望むことができます。
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半月湖畔自然公園
- 住所 〒044-0000 北海道虻田郡倶知安町字高嶺
コンコンと勢いよく湧き出す湧水「ふきだし公園」にある「羊蹄のふきだし湧水」
最後に羊蹄山が育んだ水の郷をご紹介しましょう。羊蹄山の東に広がる京極町の「ふきだし公園」は日本国内でも有数の湧水量を誇るスポット。「羊蹄のふきだし湧水」として日本の名水百選にも選ばれたこともあります。その湧出量はなんと1日約8万トン!これは30万人の生活水に匹敵する量です。その水は、羊蹄山の雪解け水が数十年もの長い時間をかけて湧出したもので、真夏でも約6.5度とひんやり冷たく、丸みのある柔らかな味わいが特徴です。公園内には湧水口が設けられており、自由に飲んだり、汲むことが可能。ペットボトルやタンク持参で水を汲みに来る人も多く、週末は特に賑わいます。
園内には湧き出た水が水路のように巡り、それを美しい緑が優しく寄り添うように包んでいます。その様子は、精霊の住処を思わせるどこか幻想的な光景です。かつて京極町の人々は、厳かな霊場として、大切に守ってきたそう。公園内にはその名残の観音像が今も優しく泉を見守っています。
園内には道の駅「名水の郷きょうごく」が整備されています。メイン施設である名水プラザにはレストランや売店もあり、食事や買物も楽しめます。中でも、湧水を使ってネルドリップで抽出した「名水珈琲」は同店の名物なので、味わってみてはいかがでしょう。
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ふきだし公園
- 住所 〒044-0131 北海道虻田郡京極町字川西45
- 電話 0136-42-2111
(京極町役場 企画振興課)
ニセコエリアには、ふだん都会にいると触れることのできない、素朴でありながらも人の心に訴えかける美しい自然が数多くあります。冬のニセコは楽しさ満載ですが、深い緑に包まれる夏のニセコにはじっくりと心を解きほぐしてくれる、そんな魅力がいっぱいです。
※価格やメニュー内容は変更になる場合があります。
※特記以外すべて税込み価格です。
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