抹茶 ― 定義と種類

抹茶 ― 定義と種類

Update: 2017/04/22

抹茶は、地域によって種類が異なる。抹茶に見識がある人であれば細かな種類まで見分けることができるが、それぞれに特徴こそあれど基本的には「抹茶」と総称される。確実に抹茶と選別するためには、いくつかの条件を満たす必要がある。

抹茶の定義

抹茶の定義

抹茶は、「日本で育てられたお茶」でなければならない。粉上のお茶は、元来中国から輸入されてきたものであるため、必ずしも日本産でなければいけない訳ではない。ただ、もし日本以外の国で育てられた「抹茶」と呼称するお茶があれば、少なくともそれは本物の「抹茶」とは分類されない。もちろん、外国で作られたものにメリットがない訳ではないが、抹茶とは全く違うものとして考えられる。「神戸牛」が神戸で生産されたものでしかブランド力を持たないのと同様に、抹茶は日本産であることが大前提となるのだ。

抹茶に分類されるものとしては他に、「碾茶」、日陰で生産され希少価値の高い「玉露」、碾茶以外の粉末のお茶は「粉茶」と言う。

お茶を栽培するにあたって日光の供給が欠けていると、葉緑素の量が増大し、植物内の微粒子が緑色の色素を生成することとなる。実際に日光の下で育てられる茶は煎茶と呼ばれ、日陰で栽培される碾茶は煎茶に比べて明るい緑色に仕上がる。こうした明るい色をした茶こそが正真正銘の抹茶のしるしとなる。
ちなみに、十分に日の光を浴びたものは、反比例して栽培過程で植物中のカフェイン量が減少する。つまり、玉露のように日陰で栽培される茶は直射日光で育ったものより多量のカフェインが残っていることとなる。
抹茶が煎茶や玄米茶のように他の緑茶と混ぜ合わせられることもある。ただし、それらは抹茶入りと表記される。「抹茶入り」、つまり抹茶と他の茶葉をブレンドしたお茶であれば、ティーパック等に封入された形態で、ス-パーなどで比較的安価に入手できるだろう。

地域により異なるお茶の種類

地域により異なるお茶の種類

日本には抹茶名産の地域がいくつかある。

- 宇治・京都
- 西尾・愛知
- 富士・静岡
- 三重
- 福岡
- 鹿児島

特に、愛知県の西尾市は日本で最も抹茶が栽培される地域のひとつで、日本で販売される抹茶の60%は西尾市産であるといわれる。また、静岡県と京都府宇治市には日本で最も著名な二人の抹茶の生産者がおり、抹茶の名産地の中でも静岡県と宇治市は「日本三大茶」としても知られている。
また、日本で生産される抹茶で最も品質が高いとされるものは、宇治抹茶だといわれる。宇治地域は丘の上に位置し、土壌の品質も高く、温度も適温で、抹茶を生産する環境に最も適しているためだ。

濃茶 vs. 薄茶 - 濃いお茶と薄いお茶

濃茶 vs. 薄茶 - 濃いお茶と薄いお茶

もうひとつ抹茶を分類する方法が、抹茶を点てたときの粘度だ。たくさんの抹茶を使って茶葉が点てられたお茶は濃茶と呼ばれ、少なめのお茶は薄茶と呼ばれる。
濃茶は基本的に、少なくとも樹齢30年以上のチャノキから採れた極めて品質の高い茶葉を使って点てられる。薄茶に比べて液体感が薄くどろどろしているのが特徴だ。線香のように芳醇で奥深い、他のどのお茶よりも濃い香りがする。式典などでも重宝されるプレミアムで特別な抹茶だ。
一方で薄茶は、年輪の浅い茶葉を使用して点てられ、濃度も著しく薄い。濃茶に比べて安価で入手でき、色は明るく、ほろ苦い味わい。

茶銘と茶名

茶銘と茶名

日本のお茶の世界では、「お茶の持つ名前」が大きな意味を持つ。この名前は「茶銘(名)」と言われ、お茶の歴史はそのお茶が生まれた時期に関係している。茶銘・茶名と、二つの異なる意味を持つ。

1. 茶銘 - お茶に名前を付ける習慣は16世紀中期頃、室町時代に京都の宇治で始まったとされる。茶銘はお茶農家の名前や栽培方法、製造者、販売店、または茶道家などによって名づけられる。茶銘を家元によって名づけられた場合、その人の好みに拠る傾向が強い。

2. 茶名 - 茶の世界に深い見識を持つ「茶人」に付けられる名前。自然や動物、植物、または季節に関連したものから、仏教や個人的な感覚に基づいているものまで様々。茶名は、詩的で、芸術としての茶の在り方や茶道の雰囲気にフィットしているのが特徴。

※記事掲載時の情報です。

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