着物は日本の伝統的な民族衣装。結婚式や成人式など、人生の節目となる式典でも着られており、現代においても日本人にとって大切な文化のひとつです。着物には外国人も興味津々で、国内の観光地には外国語対応の着物レンタルショップが軒を連ね、着物体験を楽しむ方々が大勢います。
そこで、日本で着物を体験した外国人の方に、「着物で驚いたこと」を聞いてみました。日本人も思わず共感の意見が続々!早速見ていきましょう。
main image:PIXTA
タオルを入れるなんて!着るまでの過程にびっくり
一番多かったのは、着物を着るまでの過程について。
「着付けしてもらったときに、たくさんの紐やタオルを入れられて、着るのにこんなに道具が必要なんだと想像できませんでした」(アメリカ/30代/女性)
「胸元を紐で縛られて驚きました」(中国/20代/女性)
「着物は小道具がたくさん必要。着物だけをオンラインで買ったとき、後から帯や襦袢が必要だと気付いて、慌てて取り寄せました」(オーストラリア/20代/女性)
「温泉で浴衣を着た時、それは左前だと教えてもらった。亡くなった方の着方だと初めて知りました。重ね方でルールが全く異なることにびっくりした」(チリ/30代/男性)
こまごまとした小道具がたくさん必要だったり、着るまでに時間がかかったり。これらは日本人でも驚くポイントです。特に女性は、着た姿を考えて、タオルや脱脂綿などで形を作ります。グラマーな体形だと、胸をつぶしたりタオルを巻かれたりするので、余計驚かれたかもしれません。
着るのも大変だけど、着たあとはもっと大変!?
着付けだけではなく、着たあとも想像以上に大変だったという声が…。
「コルセット並みに苦しい!着付けられた後、座るのも大変でした(笑)。このままご飯が食べられないんじゃない!?って心配になっちゃった」(カナダ/30代/女性)
「足袋の足が痛くて、靴擦れになりました」(ベトナム/20代/男性)
「着終わったあと、トイレはどうしたらいい?とパニック。着付けの人にちゃんと聞かなかったから、急いでスマホで調べました」(メキシコ/40代/男性)
着物は着崩れしないように、腰紐を強くしっかり結ぶため、初めて着た人は窮屈に感じてしまうのも当然。下駄の靴擦れやお手洗いも、普段着では想像できないこと。それだけ、着物は特別な衣装ということかもしれません。
意外!日本人でも着られない人がいるって本当?
着付けにまつわることで、こんな声もありました。
「来日して間もない頃、日本人の同僚に着付けをお願いしたら、誰一人できる人がいなかった。日本人なら誰でも着物は着られると思っていたよ!」(ドイツ/30代/女性)
「テレビで着付け教室のCMが流れていて、CMになるくらい着付けができない人が多くて、需要があるのかと驚かされた」(アメリカ/40代/男性)
自分で着付けできない人が多いのは日本人にとって普通のことですが、外国人にとっては意外なようです。「着物は成人式以来着ていない」「結婚式で着ただけ」という人も少なくないことを知ると、もっと驚かれるかもしれません……。
シーンによって様々、着物に込められた意味に驚き
着付けの感想だけではなく、着物自体の意味を聞いて驚いた、という方もいました。
「着付師さんから、着物や帯のデザインで季節の花や風景を表すと教えてもらった。デザインが美しいだけではない、奥深い意味に感動」(フランス/30代/女性)
「着物にもたくさん種類があるんですよね。浴衣、振袖、打ち掛けとか。全て着る人やシーンが違って、おもしろい」(台湾/30代/男性)
一言で「着物」と言っても、台湾人男性が言うように、立場やシーンによって着られる物が異なります。振袖は結婚前の女性、黒留袖は既婚女性の第一礼装……など、日本人でも知らないこともあるルールが多々。奥の深い着物の世界は、外国人にとっても魅力的のようです。
着物で大量に汗が…少数派の意見をまとめてご紹介!
最後に、少数派の意見をまとめて紹介します!
「着物をきれいに着るための下着があるんですよね!下着までこだわるのは驚き」(インドネシア/40代/女性)
「生地が薄いけど、着慣れていないせいか、すごく汗をかいた。ある意味いい運動(笑)」(イギリス/30代/男性)
そして、こんなうれしい声もありました。
「着物を着たとき、日本のお姫様になった気分で、とても高揚感があった。着物で日本を歩くなんて、アニメの世界に飛び込んだみたいだった。次の来日では友達と一緒に着物体験したい!」(オーストラリア/30代/女性)
着物は着てみると大変なこともありつつ、着たときの高揚感の方が勝るもの。背丈や体形をそこまで選ばず、ある程度のサイズの調整がしやすい着物は、実はグローバルスタンダードな服装ともいえるのではないでしょうか。とはいえレンタル店によってはサイズに限りがあるので、事前に調べておくのが安心。次の来日時に、多くの方が日本で着物を楽しんでもらえることを願わずにいられません。
旅行会社に勤める現役会社員の日本人ライター。大手ウェブサイトで編集者として従事した後、旅行会社に転職。そのため、旅行系・グルメ系のジャンルを得意とし、日本全国47都道府県で取材実績あり。旅行会社勤務だからこそ知れる秘境や絶景、旅の裏ワザを伝えながら日々取材に奔走している。
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