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「今年の一皿®」はテイクアウトグルメ!イエナカ需要の世相を大きく反映した結果に|ぐるなび総研

「今年の一皿®」はテイクアウトグルメ!イエナカ需要の世相を大きく反映した結果に|ぐるなび総研

更新日: 2021/02/05

今年で7年目を迎え、1年の食の総括を表すのが年末の風物詩「今年の一皿®」。2020年は新型コロナウイルス感染症拡大により、外食産業は厳しい状況に追い込まれてきました。そうした中、2020年は新たな取り組み、価値提供をと広まった「テイクアウトグルメ」が「今年の一皿®」に選ばれました。

「今年の一皿®」とは?

「今年の一皿®」とは?

「今年の一皿®」は、優れた日本の食文化を人々の共通遺産として記録に残し、保護・継承するためにその年の世相を反映し象徴する食として、ぐるなび総研が毎年末に発表しているものです。2014年からスタートし、今年で7年目を迎えました。

飲食店情報サイト「ぐるなび」の検索・行動履歴などのビッグデータから抽出した40ワードから、ぐるなび会員を対象としたアンケートで30ワードを抽出。さらにメディア関係者の審査によって4つのノミネートワードを選定※。その中から、「その年に流行または話題になったこと」「その年の社会の動きと関係が深く、世相を反映していること」「食文化の記録として後世に受け継ぐ価値があること」の3条件を満たしたものが「今年の一皿®」として選ばれます。

※2020年は一般紙、経済紙、地方紙、通信社、テレビ局、一般誌、専門紙誌等のメディア関係者 計74社 104媒体 141名が選定

2020年のノミネートは「シャインマスカット」「代替肉」「テイクアウトグルメ」「ノンアルコールドリンク」

2020年のノミネートワードは「シャインマスカット」「代替肉」「テイクアウトグルメ」「ノンアルコールドリンク」の4つでした。選定理由は以下の通りです。

シャインマスカット
シャインマスカットを使ったパフェやサンドイッチなど、趣向を凝らしたメニューや商品が増えたことが注目された理由として挙げられます。特に今年は外食控えで、家で手軽に贅沢感が味わえる高級食材として需要が増えた食材です。

代替肉
大豆などの植物性原料で肉の味や食感を再現して作られた代替肉。食糧危機問題への備えと、環境保全や持続可能な取り組みへの意識の高まりから、世界的にも流行しています。日本でも健康志向の高まりから、大手食品メーカーの参入によって品質が向上し、飲食チェーン店舗でも導入されるなど、国内で注目されはじめました。

テイクアウトグルメ
新型コロナウイルス感染症拡大によって、多くの飲食店が新たにテイクアウト、デリバリーを開始し、ジャンルやメニューも豊富になりました。販売方法や包材にもさまざまな工夫を凝らし、テイクアウト市場が大きく進化したといえます。

ノンアルコールドリンク
外出制限や在宅勤務による運動不足から、今まで以上に健康志向が高まったことに加え種類そのものもバリエーション豊かとなり注目が集まっています。

2020年「今年の一皿®」はテイクアウトグルメ

2020年「今年の一皿®」はテイクアウトグルメ

2020年の「今年の一皿®」に選ばれたのは、「テイクアウトグルメ」。生活様式の変化にともなってテイクアウトの需要が高まり、外食の楽しさや飲食店の存在価値を再認識した年となりました。今後も外食を楽しむ方法としてテイクアウト利用は続いていき、新しい日本の食文化として定着していく兆しが見られるという点が選定理由です。

左から株式会社ぐるなび総研代表取締役社長・滝久雄、彦麻呂さん
左から株式会社ぐるなび総研代表取締役社長・滝久雄、彦麻呂さん

記念品は、東京2020オリンピック・パラリンピックのエンブレムデザインを担当した野老朝雄さんのオリジナル作品「野老盛菱紋様十角皿 有田焼2020(ところもりびしもんようじゅっかくざら ありたやきにせんにじゅう)」。

テイクアウトグルメを通じてレストランの味や世界観を届け、私たちに食の豊かさをもたらしてくれた飲食店の皆様へということで、飲食店の方々に代わり、タレント・グルメリポーターの彦麻呂さんに贈呈されました。

全国各地、多くの飲食店を巡ってきた彦麻呂さん。「飲食店は、日本の経済の母だと思うんです。今年は多くの飲食店が厳しい状況でした。ただどんなに苦しくても、お客様に笑顔になってもらおうと各店がアイデアを駆使して、さまざまな想いを込めたのがテイクアウトグルメ。ここに光を当てて、『今年の一皿®』に選んでもらえたことが自分のことのように嬉しいです。」と、祝福とともに温かいエールを送っていただきました。

テイクアウトグルメのこれからは?

左から、笹木さん、通自さん、松尾さん
左から、笹木さん、通自さん、松尾さん

テイクアウトグルメの今後について、昨年出版した「行列のできるテイクアウト」の編集長、株式会社枻出版社・笹木靖司さん、テイクアウトグルメの必需品である包材の開発に携わっている伊藤忠商事株式会社・通自順也さん、これまで2万軒以上の飲食店をめぐってきた食通である株式会社ぐるなび・エディトリアルプロデューサーの松尾大さんの3名によるトークセッションが行われました。

今年は「テイクアウトグルメ進化の時代」の幕開け。包材についても日本らしい細やかな配慮が見られ、中身だけではなくパッケージそのものテイクアウトグルメの重要な要素であることを多くの人が認識しました。

これまでテイクアウトの考え方のひとつである「誰かのために少しいいもの」から、「自分のためのご褒美」という意識が芽生えたこと。単にお店の味を家で楽しむだけでなく、テイクアウト用のメニュー開発に取り組む店舗が増えていくこと。こうした変化で、さらに食の楽しみの幅は広がっていくでしょう。

新たな生活様式の中で、今後ますますテイクアウトグルメが注目され、それによってよりよい包材やメニューが増え、一層活性化していくことが期待されるとのお話でした。

歴代の「今年の一皿®」のご紹介

これまでに選出された、過去の「今年の一皿®」はこちらです。

2014年「ジビエ料理」
第1回の2014年は、農林水産省が6次産業化を推進する一環として力を入れた「ジビエ料理」。新たな日本の食文化の誕生となったことが選定要因でした。

2015年「おにぎらず」
第2回の2015年は、日本の家庭の食文化では欠かせないおにぎりを「にぎらずに作る」というイノベーティブな発想で注目され人気となった「おにぎらず」でした。

2016年「パクチー料理」
第3回の2016年は、若い女性を中心にパクチーブームとなり、パクチー専門店や「パクチスト」というパクチー愛好家を表す造語も生まれた「パクチー料理」でした。

2017年「鶏むね肉料理」
第4回の2017年は、「鶏むね肉料理」。糖質・脂質を控えてたんぱく質をしっかり摂取していこうという健康志向が高まり、高たんぱく・低脂質な食材として注目を集めたことで選定されました。

2018年「鯖(さば)」
第5回の2018年は、「鯖(さば)」でした。2018年は日本各地で多くの災害に見舞われた年であり、人々の防災意識が高まりました。そこで保存食・非常食が改めて見直され、鯖をはじめとした缶詰や乾物、フリーズドライにも多くの関心が集まりました。

2019年「タピオカ」
第6回の2019年は、「タピる」「タピ活」などの造語も生まれ社会現象化した「タピオカ」でした。特にSNSの発信力によって広がっていったという点も、まさに時代を表した料理でした。

2020年は私たちの生活、価値観が大きく変化した年でした。そうした中で、食は身体だけではなく、心にとっても大きな支えになることを痛感した方も多かったのではないでしょうか? テイクアウトグルメは、私たちの豊かな食文化の一助、そう思わずにはいられません。2020年「今年の一皿®」の「テイクアウトグルメ」で食卓を囲んで楽しんでみてください。

Written by:

島田みゆ

島田みゆ

旅ライター×海外ツアーコンダクター。社会人向け教育コンテンツの企画開発・編集担当として11年従事。プライベートでは学生時代から旅に魅了され、これまで世界約50カ国150都市以上をめぐってきた大の旅好き。世界中、日本中のグルメを味わい、自然を感じ、世界遺産や歴史的建築を見て、温泉めぐりをするのが生きがい。そんな旅好きが高じて、会社員から旅ライター×海外添乗員へと転身。現在は、年間100日以上海外を飛び回りながら、旅ライターとしても活動。旅の楽しさ、日本の魅力、世界の多様な価値観をより多くの人に広めるべく、インバウンドの添乗や旅ライターの取材等で、日本各地を訪れて情報発信をしている。X(旧Twitter):@myuu_works

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