HOME まだマスクは必要?日本旅行前に知っておきたい「新しい旅のエチケット」シーン別に解説
まだマスクは必要?日本旅行前に知っておきたい「新しい旅のエチケット」シーン別に解説

まだマスクは必要?日本旅行前に知っておきたい「新しい旅のエチケット」シーン別に解説

更新日: 2023/03/06

コロナ禍による長い入国制限を経て2022年10月11日から制限が大きく緩和され、外国人観光客もコロナ禍以前の賑わいを取り戻しつつあります。また、2023年3月13日より、日本国内にてマスクの着用は個人の判断にゆだねることとなりました。

本記事では現在の日本のコロナ対策、マナーやエチケットの情報を紹介。新しい生活様式のなかで、安心して旅行を楽しんでもらうために必要な情報を解説します。

main image: PIXTA

目次
  1. ■外国人観光客を受け入れる日本国内の状況は?
  2. ■日本で観光旅行をするために必要なこととは?
  3. ■旅行者向け「新しい旅のエチケット」とは
  4. ■屋外・屋内でのマスク着用について
  5. ■旅行中、マスクはどこで買える?
  6. ■旅行中も感染リスクを避けて、楽しい思い出をお土産に!

■外国人観光客を受け入れる日本国内の状況は?

画像素材:PIXTA
画像素材:PIXTA

日本の新型コロナウィルスの感染状況について、2022年10月11日午前0時(日本時間)より日本の水際対策が大幅に緩和され、外国人の受け入れ、入国制限が大きく前進しました。

訪日外国人旅行者に関連する変更点は、主に次のような内容です。
・入国者数の上限が撤廃
・観光目的の短期間の滞在、および長期間の滞在の新規入国が可能
・個人の外国人旅行客の入国が解禁(パッケージツアーに限定していた措置を解除)
・短期滞在のビザなし渡航の解禁
・入国時検査は不要。ただし、世界保健機関(WHO)の緊急使用リストに掲載されているワクチンの接種証明書(3回)、または出国前 72 時間以内に受けた検査の陰性証明書のいずれかの提出が必要

■日本で観光旅行をするために必要なこととは?

外国人観光客の受け入れにともなって、2022年6月、旅行業者に対して「外国人観光客の受入れ対応に関するガイドライン」を設定。このガイドラインは観光客を受け入れる事業者に向けて、感染拡大防止策を徹底するために定められた方針です。個別の感染防止策として、次のようなリーフレットやポスターなどで注意喚起がされています。

個別感染防止策のリーフレット(観光庁)
個別感染防止策のリーフレット(観光庁)

一方で旅行者に対しては観光庁や厚生労働省から、「新しい旅のエチケット」や「屋外・屋内でのマスク着用について」などを示し、安全に日本を旅行するうえで旅行者視点で留意すべき点を発表しています。

※3月13日より、マスクの着用については個人の判断にゆだねられることとなります。

■旅行者向け「新しい旅のエチケット」とは

「新しい旅のエチケット」とは、旅行者が新型コロナウィルスの感染リスクを避けながら安全に旅行してもらうために、基本的な感染防止策、旅行中におけるさまざまなシーン(移動、食事、宿泊、観光施設、ショッピング)での留意事項を掲載したものです。

交通機関や宿泊・観光施設などの旅行関係業界の業界団体で構成された旅行連絡会と、国土交通省、観光庁の協力によって作成されました。2020年9月に第一版、その後2021年12月に改訂版が更新され、旅のシーンや施設別に、より簡潔にルールがまとめられました。

今回、外国人観光客の入国が緩和されましたが、引き続きこうした旅のエチケットを守ることは、日本を観光するにあって必須。詳しい内容は次のようなものです。

※ 以下、「新しい旅のエチケット」の中からいくつか抜粋して紹介します
※ 各項目の説明文は、外国人向けにLIVE JAPAN編集部が書き加えたものです

【シーン・施設別エチケット】
1.基本編

New Travel Etiquette for Visitors(観光庁)
New Travel Etiquette for Visitors(観光庁)

日本ではほとんどの店舗で対策が取られていますが、利用する側も消毒や検温などの感染対策に取り組んでいるお店を選ぶこと。また、ワクチン接種済みであっても、基本はマスク着用&手洗い消毒をすること、日頃から自身の体調チェックは必須、人との距離を空けて並ぶことなどが挙げられています。

■LIVE JAPAN Tips
現在は一部の施設でハンドドライヤーが使用できるようになってきましたが、まだ使えないというところも多いのが現状。ペーパータオルがあるところもありますが、ハンカチやタオルは必ず用意しておきましょう。また、ほとんどの施設では出入口に消毒液や体温測定器が設置されているので、必ず使用するようにしましょう。持ち歩きできる消毒液(シート、スプレー等)も、コンビニや薬局で手軽に購入できます。

2.宿泊編

New Travel Etiquette for Visitors(観光庁)
New Travel Etiquette for Visitors(観光庁)

チェックイン時には検温&消毒を忘れないこと、施設内の公共スペースを利用する際の会話は避けること。食事エリアは食後も長居しがちですが、できるだけ短くすること。複数人で滞在する場合は、部屋でもマスクを着用することなどです。特に日本で楽しみたい温泉ではマスクはできないため、黙って入浴する「黙浴」といった言葉も生まれ、推奨されています。

■LIVE JAPAN Tips
最近では、非対面の無人チェックインという施設も増えています。また、食事は部屋食、時間をずらすといった工夫もされています。ただし食事会場やレストランに移動する際にはマスク着用、食事の際にできるだけ話さず食べる黙食などは、書いていなくても実践するのが暗黙のルール。また、ビュッフェでは必ず手袋を使うなど、施設ごとに設定されているルールもあるのでよく確認しておきましょう。

3.交通編

New Travel Etiquette for Visitors(観光庁)
New Travel Etiquette for Visitors(観光庁)

電車やバス、飛行機、タクシーなどの公共交通機関を利用する際は、特に注意が必要です。公共交通機関の利用時にはマスクを着用することをおすすめします。また仲間や家族同士での車内や機内での会話は控えめにし、選べる場合にはできるだけ空いている車両や座席を利用することもすすめられています。

■LIVE JAPAN Tips
現在の日本では、公共交通機関利用時のマスク着用は「義務」ではなく「お願い」「推奨」レベルですが、日本での着用率はほぼ100%に近いです。不要なトラブルを避けるためにも、できるだけマスクを着用し会話は控えめにするほうが無難です。また公共交通機関、特に電車ではアルコール消毒の設置がない場合も多いので、自前のものを持っていると安心です。

4.観光・ショッピング編

New Travel Etiquette for Visitors(観光庁)
New Travel Etiquette for Visitors(観光庁)

観光や買い物は、できるだけ混雑しているピークタイムを避けるようにしましょう。観光名所では楽しくてつい盛り上がってしまいがちですが、大声は出さずに時にはじっくりかみしめて静かに楽しむことも必要です。屋外で並ぶ際にも、適度に人との距離を取りましょう。不特定多数の人が触るお土産品などは、選ぶ前後で消毒を忘れないようにしましょう。

■LIVE JAPAN Tips
最近、コンビニやスーパーではセルフレジや、キャッシュレス対応のシステムを導入するなど、非対面・非接触で会計できるところが多くなっています。SuicaやPASMOなどの交通系ICカードは、交通費だけでなく買い物で使えるお店が多く比較的使いやすい電子マネーなので持っておくと便利です。とはいえ、地方の観光地や老舗のお店などに行くと、支払方法は現金のみであったり、対応していない決済方法があったりする場所も少なくないので注意が必要です。

現在も多くの施設、店舗の入り口には消毒液を置いているので安心です。入店時に都度利用しましょう。また密を作らないよう人数制限するために、人気施設などは事前の予約が必要になっています。必ず行きたいスポットがある場合は、直前に最新情報をオフィシャルで確認し、時間の余裕を作ったり付近の代替えスポットも考えたりしておきましょう。

5.飲食編

New Travel Etiquette for Visitors(観光庁)
New Travel Etiquette for Visitors(観光庁)

レストランやカフェの入店する時は手の消毒をすること、一つの料理を全員で触らず取り分けて食べること。日本語版では、食事中でも会話するときにはマスクを着用することがすすめられています。また、お酒が入るとつい気が緩んで、いろいろな対策を忘れがちになりますが、乾杯時もエチケットを守ることが記載されています。

■LIVE JAPAN Tips
最近の飲食店はコロナ前の賑わいが戻りつつあります。またモバイルオーダーや決済、配膳ロボットなど、非接触型のサービスを導入するお店が増え、より安心で便利に利用できるようになってきています。ただし消毒や検温などの体調チェック等、基本的な感染対策はどこよりも徹底して行われているので、食べている時以外は常にマスクを着用するのがいいでしょう。

■屋外・屋内でのマスク着用について

COVID-19 Mask Use in Community Settings(厚生労働省)
COVID-19 Mask Use in Community Settings(厚生労働省)

今年2月厚生労働省はマスク着用についての考え方を発表し、3月13日より、個人の主体的な選択を尊重し、マスク着用は個人の判断に委ねることとしました。
ただし、以下の場面においては着用を推奨しています。
・医療機関を受診する時
・高齢者など重症化リスクの高い方が多く入院・生活する医療機関や高齢者施設などへ訪問する時
・通勤ラッシュ時など、混雑した電車やバス(※)に乗車する時(当面の取扱)
(※)概ね全員の着席が可能であるもの(新幹線、通勤ライナー、高速バス、貸切バス等)を除く。
また、新型コロナウィルス感染症の流行期に重症化リスクの高い方が混雑した場所に行く時については、感染から自身を守るための対策としてマスクの着用が効果的であるとしています。
そのほかの詳細や最新情報については、厚生労働省公式ホームページ にてご確認ください

なお、3月12日までは基本的な感染予防策としてマスク着用が重要として、日本では「屋外・屋内でのマスク着用について」の指針を発表しています。以下を参考に適宜マスクの取り外しをしてください。

【屋外】

COVID-19 Mask Use in Community Settings(厚生労働省)
COVID-19 Mask Use in Community Settings(厚生労働省)

屋外で相手と十分な距離が取れている場合は、会話があってもマスク着用の必要はありません。また、ほどんと会話せずにウォーキングやランニングなどをして動いている時も不要です。ただし、人との距離が近い状態で会話している場合はマスク着用が推奨されています。

【屋内】

COVID-19 Mask Use in Community Settings(厚生労働省)
COVID-19 Mask Use in Community Settings(厚生労働省)

屋内においては、人との距離が十分あって会話がない場合は、マスク着用は不要です。ただし人との距離は関係なく会話がある場合はマスクの着用を推奨しています。また、会話がなくても、人との距離が近い時や公共交通機関や社内など、人が多い場所でもマスク着用は推奨されています。

ただ、2022年10月時点では、飲食店や各施設で、事実上、マスク着用をお願いしているところが多く、場所によっては「マスク着用がない場合は入場(入店)お断り」というところもあります。日本は個人レベルで、自発的にマスクをしている人の割合が高いため、「室内ではマスク着用」という認識を持っていたほうが安心です。

COVID-19 Mask Use for Children(厚生労働省)
COVID-19 Mask Use for Children(厚生労働省)

別途、子ども向けの指針も設定しています。基本的に、2歳以下の子どもにはマスク着用は推奨しないということ。2~6歳の子どもに関しても、人との距離に関係なくマスクは必要ないとしています。

6歳~18歳には大人同様、屋外なら人と十分に距離が取れている場合、距離が近くても会話がない場合には不要としています。また、室内でも十分な距離を保ちながら会話がなければ不要としています。

■旅行中、マスクはどこで買える?

画像素材:PIXTA
画像素材:PIXTA

日本では現在、比較的どこででも簡単にマスクが購入できます。空港や駅の売店、ほとんどのコンビニ、薬局、スーパーでは使い捨てマスクが販売されています。また、手指消毒用のアルコール類も揃えてあるところが多いです。また繰り返し洗って使える布マスクなら、アパレル店や雑貨店でも購入できます。

■旅行中も感染リスクを避けて、楽しい思い出をお土産に!

画像素材:PIXTA
画像素材:PIXTA

こうした国が定めた基本的な感染防止策のガイドラインは、守らないと罰せられるといった強制ルールではありませんが、日本ではマスクの着用を含め感染対策を自発的に行っている人が多い傾向にあり、シーンによっては義務感を抱くことがあるかもしれません。

少し窮屈でも新しい様式にのっとったルールを守ることは、日本で安全に楽しい旅をするためには大切なポイントです。自分たちを守ることはもちろん、観光地の方や観光事業者も守ることにもつながります。日本の旅を最高の思い出にするために、ぜひ参考にしてください。

※本記事の情報は2020年6月に公開したものを2023年3月に更新しています。最新の情報は各機関の公式サイトをご確認ください。

Written by:
島田みゆ
島田みゆ

旅ライター×海外ツアーコンダクター。社会人向け教育コンテンツの企画開発・編集担当として11年従事。プライベートでは学生時代から旅に魅了され、これまで世界約50カ国150都市以上をめぐってきた大の旅好き。世界中、日本中のグルメを味わい、自然を感じ、世界遺産や歴史的建築を見て、温泉めぐりをするのが生きがい。そんな旅好きが高じて、会社員から旅ライター×海外添乗員へと転身。現在は、年間100日以上海外を飛び回りながら、旅ライターとしても活動。旅の楽しさ、日本の魅力、世界の多様な価値観をより多くの人に広めるべく、インバウンドの添乗や旅ライターの取材等で、日本各地を訪れて情報発信をしている。

※記事掲載時の情報です。
※価格やメニュー内容は変更になる場合があります。
※特記以外すべて税込み価格です。

この記事をシェアする

 
検索