日本のみならず世界中の人々からこよなく愛されている「寿司」。世界各国においても、その地位が不動のものになりつつある「日本を代表する国民食」です。
寿司は、日本人ですら把握しきれないほど種類が豊富で、なおかつその好みが大きく分かれるユニークな料理。「マグロは好きだけど、エンガワは食べられない……」といった具合に、外国人の間でも、好きな寿司ネタ論争は大変白熱している模様です!
今回は、「外国人から見た寿司」をテーマに、日本在住の外国人数名に日本の寿司に対してどのような印象を抱いているのか、聞いてみました。(以下はインタビューに応じて下さった方の個人的な意見です)
1. 回らない寿司よりも“回る寿司”が好き!
「寿司屋といえば、『はま寿司』などの回転寿司店によく行きます。手頃な値段で美味しいお寿司をたくさん食べられるから、すごく重宝しますね!」(イタリア人/女性)
「美味しいお寿司を食べるなら回転寿司ですね。食べたいお寿司を、好きなだけ食べられるのがいいシステムだと思いました。」(フィリピン人/女性)
「お寿司屋さんといえば回転寿司一択だね。安いし、注文すればすぐに食べられるから大好き!いろいろなネタがグルグル回っているから面白くて飽きないのもいいよね。子どもも喜ぶんじゃないかな。」(オーストラリア人/男性)
職人さんが目の前で、一つひとつ丁寧に握ってくれる伝統的な寿司店よりも、リーズナブルな価格で好みの寿司を好きなだけ食べられる回転寿司の方が、人気が高いようです。
2. 回転寿司で、なんでパフェが回っているの?
「前々から疑問だったんだけど、回転寿司屋さんってなんでパフェとかフルーツとか天ぷらが回っているの?それがすごく不思議。楽しいからいいんだけどね。」(オーストラリア人/男性)
「回転寿司に行くと、寿司ネタも好きなんですが、一緒に回っている天ぷらも大好きでよく食べます。天ぷら屋さんは高いので、回転寿司屋さんで手軽に食べられるので重宝しますね。サクサクでとっても好きです!」(フィリピン人/女性)
「この前いった回転寿司では、ラーメンが注文できました!試しに頼んでみたら、すごく美味しくてビックリ!しかも値段も安いでしょ?ラーメン屋さんに行かなくてもいいと思ったわ」(イタリア人/女性)
マグロやイクラ、タマゴなどの定番ネタ以外にも、デザートや天ぷら、ジュースなども回っていて、エンターテイメント性に優れているのは、回転寿司の醍醐味ですね。回転寿司屋が圧倒的な人気を博している理由が、よく分かりました!
3. ベジタリアンだと、食べられるネタがほとんどない??
「お寿司は好きなんだけど、僕はベジタリアンだから、実は、食べられるネタがほとんどないんだ。タマゴ、納豆巻き、かっぱ巻きは好きだよ。ちなみに、フライドポテトは美味しいから何度も注文しちゃうね!」(オーストラリア人/男性)
日本人で「ベジタリアン」を公言する人は、それほど多くありませんが、海外ではベジタリアンの方が少なくありません。ベジタリアンの場合、牛乳・卵・ハチミツはOKですが、肉&魚がNGなので、先述の通り、納豆巻きやタマゴくらいしか口にすることができません。
日本人からは「マグロやサーモンを楽しめないなんてもったいない……」とため息が聞こえてきそうです。ちなみに、肉はNGだけど魚や卵を食べるのはOKな「ペスクタリアン」という食主義もあります。ペスクタリアンであれば、お寿司も楽しめますね。
4. タコとイカは、人気がないようです
「苦手なネタはタコとイカ。だってグニャグニャしていて飲み込めないんだもん!焼いたイカなら、食べられるわ。」(イタリア人/女性)
「イカは味がほとんどしないし、噛み切るのに時間がかかるから好きじゃない。日本人に人気の寿司ネタみたいだけど、信じられないわ。タコも美味しいと思ったことがない。弾力がありすぎて、食べるのに一苦労なのも、嫌いな原因かも」(フィリピン人/女性)
「タコ」「イカ」はお寿司の定番ネタですが、弾力のある独特の食感ゆえ、苦手な外国人も少なくないようです。とりわけタコは、海外で「デビルフィッシュ」と揶揄されていて、キワモノ扱いされている模様……。
日本ではお寿司以外にもタコ焼き、甘辛煮、唐揚げなど、さまざまなレシピがあるだけに「タコの美味しさが理解されていないなんて……」と残念に思ってしまいますね。
5. 海苔も苦手なんです……
「握りは好きなんだけど、軍艦巻きは『海苔』が巻いてあるから食べづらいわ。ただ、日本の海苔は、風味があって美味しいから好き。イタリアの海苔って噛み切りにくいし、味がないから美味しいと思わないのよね。」(イタリア人/女性)
日本人なら、小さいころから当たり前のように親しんでいる海苔。「海苔が苦手」という日本人を、ほとんど見たことがないのですが、それは、日本の海苔が美味しいからということでしょうか?
ちなみに「生の海苔」を腸内で消化できるのは、日本人だけなのだそうです。日本人の腸には、海苔の細胞壁を分解する微生物が棲んでいるそうですが、他国の人の腸には海苔を分解できる微生物がいないのだとか。なんとも面白い事実ですね。
6. イクラのプチプチ感がNGです!
「イクラはどうしても食べられない寿司ネタの一つです。そもそも見た目がとっても苦手なのですが、プチプチした食感もダメ。日本人には人気の寿司ネタと聞きましたが、ちょっと信じられません。」(フィリピン人/女性)
高級な寿司ネタの一つであるイクラも、外国人にとっては苦手な寿司ネタの一つになっているようです。子どものころから食べていると、さして気になりませんが、見た目のインパクトやほかの食べ物にはないプチプチとした食感が好まれないようですね。
7. 実は“光り物”が大好物!
「日本のお寿司屋さんに行くようになって、大好きになったのは「光り物」。アジとかイワシとかを食べるんですが、脂がのっていると特に最高ですよね!絶対にはずせない寿司ネタです。」(イタリア人/女性)
脂ののった旬の光り物は大変美味しいですが、「通好みのネタ」なだけに、外国人でも熱烈なファンがいるとは、予想外の結果です。寿司の世界の奥深さを思い知らされました……!
8. 外国人もやっぱり、マグロとサーモンは大好き!
「マグロとサーモンは好きだから、お寿司屋さんに行くとたくさん食べちゃう!中トロも最高ですよね!!」(フィリピン人/女性)
日本人でもとりわけ好きな人が多い「マグロ」「サーモン」は、外国人の間でも大好物だと公言する人が多いようですね。中トロなんかは、お寿司屋さんに行ったら絶対に食べておきたい寿司ネタの一つですよね。マグロは日本のみならず、世界中で愛される“スーパースター”なのだと再認識しました……!
まとめ
私たちが当たり前のように口にするタコやイカがNGな一方、通好みの印象がある光り物はOKと、予想を裏切るアンケート結果の数々に、驚かれた方も少なくないのでは。
食の趣向は、さまざまな要素が絡み合って成り立つものなので、実際にアンケートをとってみると、意外な結果が出てきて、大変面白いものですね。
ライター
株式会社ダリコーポレーション
大学卒業後、出版社でメディアプランナー、ブランディングの会社でWebディレクターを経て、独立。取材記事やSEO記事、CSRレポートのコンテンツ制作などを手がける。男児の育児に奮闘中!
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