日本では、毎年夏から秋にかけていくつもの台風が接近したり上陸したりします。台風は非常に大きなエネルギーを持っていて、さまざまな被害をもたらします。今回は、これから日本を旅行する予定のあなたや、今、日本を旅行中のあなたへ、日本に影響のある台風の特徴や、発生しやすい地域や時期、どんな影響が起きやすいのかなどについて紹介します。
旅行中に台風トラブルに遭ってしまって慌てないためにも、ぜひ知っておいてくださいね。台風にあってしまった時でも楽しめるオススメのスポット紹介もありますよ。
台風とは
・「台風」の定義
大雨を降らせることもある「熱帯低気圧」。このうち、北西太平洋もしくは南シナ海にあって、最大風速(10分間平均)がおよそ毎秒17メートル以上のものが「台風」です。国際的な取り決めでは、最大風速(1分間平均)が毎秒33メートル以上のものを「タイフーン」と呼んでいて、他にも世界各地で熱帯低気圧が発生した場所により、「サイクロン」(インド洋、南太平洋)「ハリケーン」(赤道以北東経180度より東の太平洋、大西洋)と呼ばれています。
・台風が発生しやすい場所
台風の発生に最も大きな影響があるのは、海水の温度です。温かい界面から水蒸気をたっぷりと含んだ空気が上昇し、雲となり、積乱雲を作ります。積乱雲になる過程で発生した熱が周囲の空気を温め、さらに上昇気流が発生し、どんどん積乱雲が大きく発達していきます。これが、熱帯低気圧です。
つまり、温かい場所では一年を通じて熱帯低気圧ができやすく、気象庁のデータによると、1951年から2009年までの59年間で、年間平均26.4個の台風が発生しています。そのうち、年間平均11.5個の台風が日本に接近し、2.9個が上陸しています。
・日本では7月から10月が台風シーズン
台風の発生には温度が関係しているため、一年のうちでも北半球が最も温かい7月から10月が、台風の発生数が最も多くなります。春先は、低緯度で台風が発生し西へ進んでフィリピン方面に向かいます。夏になると、台風が発生する緯度が高くなり、発達した太平洋高気圧の周囲を回って北上しながら日本に向かうことが増えます。
・台風の経路や進路
台風は、自分で移動しているわけではありません。風に流されて移動しています。そのため、日本列島周辺の気圧配置によってその経路や進路が変わります。
日本に接近する台風の進路に最も影響が強いのが、太平洋高気圧の西側にある小笠原気団の発達具合です。台風は、この小笠原気団をぐるりと回るように進路をとります。そのため、小笠原気団があまり発達していない6月頃の台風は、偏西風の影響の方が強く、これに乗って日本には接近しないままフィリピン方面へ通り過ぎていきます。
7月から8月は、小笠原気団が日本を大きく覆うため、台風は小笠原気団の端にあたる九州・沖縄などに近い経路をとり、ちょうど日本列島を通り道にして通過していくことがあります。
10月になると、小笠原気団は弱まり、台風は日本の手前の海上で日本を避けるようにして北上していきます。
台風の影響
・台風は大雨、暴風、土砂災害などを引き起こす
台風は、非常に大きなエネルギーを持っています。その台風によって、大雨、暴風、高波、洪水、浸水、土砂災害などが発生することもあります。たとえ都市部にいても、大雨や暴風による飛来物や建物からの落下物などで被害にあう場合もあります。
・台風による社会生活への影響
2018年に西日本に大きな被害を与えた台風21号では、最大風速が秒速4メートル以上の強風と大雨をもたらしました。そのため、社会生活へのさまざまな被害や影響も出ています。一部をご紹介しましょう。
<電車や飛行機の遅延や欠航>
台風の影響を最も受けた2日間の大手2社の航空会社だけで、国内線国際線合わせた欠航数は659便、6万4千人以上に影響が出たと言われています。
<交通手段の分断による孤立>
関西空港では、連絡橋へのタンカー衝突の影響で約3,000人が孤立し、空港内で一夜を明かしました。さらに、関西空港は滑走路が浸水したために5日間も閉鎖されました。
<大規模停電>
関西電力、中国電力、四国電力の管内で大規模な停電が発生。台風の被害で道路が寸断された影響で、全戸復旧までに1週間かかりました。
<暴風災害>
暴風により、建物の屋根や覆いが剥がされたり、トラックが横転、自動車が吹き飛ばされるなどの被害が起きています。また、京都駅では多くの人が見ている中でコンコースの屋根の一部が崩落しました。
<観光地などの閉鎖>
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)では、大雨と暴風によってアトラクションの運行ができなくなり、2日間の閉鎖を余儀なくされました。
台風発生時の注意と過ごし方
・台風が発生したらどこで情報を得たらいいの?
日本を訪れる外国人にとって、災害が発生した時に不安に思うこととして大きいポイントは、災害情報を十分に得ることができないということです。
そこで、日ごろから災害情報を確認することができる手段を確認しておくことが大切です。
台風情報を得るために、多言語化対応されているものをいくつかご紹介します。
(1)日本政府観光局(JNTO)
JSTは日本政府観光局(JNTO)によって管理されており、外国からの訪問者に安全のためのヒントや自然災害が発生した場合の最新情報を提供しています。
(2)NHK WORLD NEWS
NHKでは、一般的なニュースから気象情報まで、多言語で情報発信をしています。
(3)訪日外国人向け天気予報アプリ
日本気象協会と株式会社そらかぜが提供している、日本を訪れる外国人旅行者向けに多言語対応された無料の天気予報アプリ『WeatherJapan』でさまざまな気象情報を得ることができます。
・台風発生時に注意すべきことは?
台風は、大雨や暴風をもたらすことが多いです。そのため、飛来物や落下物などでケガをする可能性や、河川の氾濫や道路の水没、建物の浸水によって立ち往生することなども考えられます。そうした被害を避けるためには、不要不急の外出は控えることが大切です。
また、暴風雨によって電車の遅延や運行停止なども起こりやすく、外出先から宿泊施設に戻れなくなってしまうなども考えられます。そのため、台風の接近が分かったら、交通情報にも注意しましょう。
「LIVE JAPAN」の緊急時と災害時に必要な情報の取得先がまとめられているページがあり、その中の「交通情報」でも、各交通機関の公式情報を確認できます。
・台風でも楽しみたいなら
せっかくの休日や旅先で台風に遭遇してしまうこともあり得ますよね。台風の日でも何か楽しく過ごせる場所はないでしょうか?いくつかご紹介しましょう。
・ホテルのSPAやジャグジー
・温泉施設
・カラオケ
・屋内アミューズメントパーク
・大型ショッピングモール
・映画館や劇場
こんな場所であれば、外の天気の影響は受けません。きっと台風であることも忘れて楽しめるでしょう。もしかしたら、帰る頃には「台風一過」ということもあり得ます。ただし、外出を伴う場合には気象情報をよく確認してからにしましょう。
夏から秋の日本の台風の特徴
夏は海水温度が高いため、台風が最も発生しやすい季節です。同時期に発生した他の台風や、太平洋高気圧、偏西風の影響を受けやすくもあるため、スピードが遅く、北上するかと思えば突然南下したりと、複雑な動きをする場合があります。
秋の台風は、夏の台風よりも速度が速く大雨を降らせることがあります。秋は偏西風が日本上空へ南下するため、その影響を受けて台風の速度が速まるのです。また、特に暑さの厳しい夏には海水温度もなかなか下がらず、台風が大型化することがあります。そして、台風の接近によって秋雨前線も活発化し、大雨が降る可能性が高くなるのです。
日本は夏から秋にかけて台風の接近や上陸が最も多いです。特に、秋の台風はスピードが速く、大雨を伴うことがあるため、注意が必要です。近年の異常気象によって、海水温度も高くなり、台風が大型化する傾向があり、大きな被害をもたらす可能性も考えられます。日本を訪れる前に、しっかりと気象情報を確認し、防災対策・避難行動をとるようにしましょう。
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