「ワークライフバランス」「働き方改革」というキーワードをよく耳にするようになった昨今。海外と比べると日本人は働き者というイメージが強く、仕事に対する考え方やビジネスルール、働き方も随分異なっていることもあるようです。そんな中、実際に日本で働く外国人はどのように感じているのでしょうか?
今回は、アメリカと日本の両国で社会人経験があり、現在は日本で働くアメリカ人男性に「日本で働いていてショックを受けたこと」について聞いてみました(以下は、インタビューに応じてくださった方の体験に基づいた意見です)。
定時になっても帰らない人が多い!挨拶もする丁寧さがスゴイ!
「僕がいた会社では、定時になっても帰らない人が多かったよ。定時があってないような気がする。サービス残業をする人も多いし(笑)。アメリカ人は時間になったら、当たり前に絶対に帰るよ」
まず驚いたのが、一緒に働いた多くの日本人が定時で帰らないことだそう。
「しかも、定時を過ぎているのに、先に帰るときには『お先に失礼します』って挨拶していくでしょ?あの丁寧さはすごい」
確かに、日本のビジネスシーンでは「お先に失礼します」「お疲れ様です」は定番の挨拶です。必ずしも、そこには先に帰って申し訳ありませんという謝罪の意味が含まれているわけではありませんが、元々のニュアンスはそう。退社する時ですら、周りへの気配りをする日本のビジネスルールには衝撃を受けたそうです。
ちょっとムダなミーティングが多すぎ!? 全員出席しなくてもいいんじゃない?
「自分の仕事とまったく関係ないテーマの会議なのに、全員出席しなきゃならないものがある。あれはちょっと意味がない気がするな。必要な人だけ出席すればいいのに。意味のない会議っていうのが、僕は一番好きじゃないんだよね」
彼がいた職場では形だけのミーティング、全員参加が義務というものも多く、仕事の中では一番嫌いなことだそうです。一見関係のないことでも全員の意見を聞いておきたい、承認を得ておきたいというのが、和を重視する日本的スタイルなのかもしれません。ただ、仕事の効率面で考えれば、無駄なものは努めて排除しておかなければならないところ。少々耳が痛いポイントです。
お辞儀はいつまですればいい!? 終わりがわからない…
「日本人は仕事の中でもいつもお辞儀しているイメージ(笑)。どっちが終わればいいのかわからない!特にびっくりしたのは、エレベーターに乗った時。ドアが閉まるまでお辞儀をしていて、あのマナーには驚いたよ」
日本にはお辞儀文化がしっかり根付いており、世界的にも礼儀正しいと思われている国民です。一方、アメリカでは、以前オバマ大統領が来日した際に天皇陛下にお辞儀をしたことがニュースに取り上げられるほど、特別な行為。
ビジネスシーンにおけるお辞儀は一度で終わらず、何度もお互いに重ねているため、どこが終わりかわからず、これを見たときには混乱したのだそう。
さらにはエレベーターの中と外で、扉が閉まるまでお互い頭を下げ続けているさま。人の目を見るほうが丁寧だというアメリカ文化から見れば、もはや異様とも言える光景かもしれません。礼儀正しさの感覚の違いがはっきりとわかる意見です。
交通費が会社持ち!通勤手当が出るのが素晴らしい!
「日本は通勤のための交通費を会社が払ってくれるよね!あれは本当に素晴らしいしうれしいよ。アメリカの場合は、自己負担が当たり前。アメリカの場合は車通勤が基本だから難しいのかもしれないけど、ガソリン代とか払ってくれたらいいのになぁ。東京は電車の路線がたくさんあって便利だし、定期もいろんなところで途中下車できていいよね」
日本では当たり前の通勤手当。アメリカでは基本、自己負担のためすごくうらやましいとのこと。日本でも車通勤の地域は多いですが、通勤手当は支給されます。日本の会社はこういったところにもフォローが手厚いというのはありがたいと思わないといけないのかもしれませんね!
アフターファイブの飲み会、面倒な時もあるけど、ちょっとうらやましい?!
「日本人って、仕事帰りに飲みに行くみたいな習慣があるでしょ?お酒の席だとみんなすごくオープンになって、性格が変わったような人もいるよね。あそこまでチェンジできるのはちょっとうらやましいかも。あと会社で決められた飲み会、あれは正直面倒くさいときもあるかな。でも、会社の仲間みたいな気持ちも出てくるし仲良くなれるし、そういう機会があるのはいいと思うよ」
アフターファイブに同僚と飲み屋街に繰り出すというのは、日本のサラリーマンの典型的なスタイル。忘年会や新年会など、会社が主催する飲み会といったものもよく開催されます。
アメリカではそういった飲み方はせず、たとえ会社が主催していても出席は自由だそう。通勤で運転が必要なため仕事帰りは飲めないという物理的な問題もあるようですが、さすが自由の国アメリカです。付き合わなければならない面倒な気持ちもありつつ、そんな日本的な飲み会でハメを外している日本人をみると、ちょっとうらやましくも感じるそうです。ぜひ同じように自分を解放してみてもらいたいものです。
日本人は仕事の契約内容に細かくない。でもその緩さも時にはいい!?
「外国人だからかもしれないけど、毎年、仕事の契約内容や条件をチェックするのが当たり前。でも日本人は仕事について、会社との契約内容について、あんまり詳しくないよね?ちゃんと知っておかないとダメだと思うんだけど…。でもそういう気楽な感じも安心できていいよね。」
アメリカは、完全な実力主義社会。日本のような年功序列や終身雇用といった形ではなく、年俸制であったり能力や結果による評価であったりと、日本と雇用契約もだいぶ異なります。
実力次第でそれ相応のお給料がもらえるという一方で、実力がなければ翌年の雇用契約は更新されない、業績が悪ければボーナスはゼロなど厳しい一面も。
日本も実力社会に移行しつつありますが、その点はまだまだ緩めのようです。会社が守ってくれるという意識も根強く、自分の雇用契約や評価理由をあまり知らずに何年も働いている、会社にお任せという人も多くいます。こうしたある種の安心感は、日本企業の良いところでもあると言いますが、今後のグローバル社会では会社にすべてをゆだねず、しっかりと自分で把握しておくことも大切ですね。
日本人にとっては当たり前のビジネスルールも、外国人にとっては理解しがたく馴染むのが大変なことも多々あるようです。国籍関係なく、どんな人でも働きやすい環境になるように、少しずつ変化していくといいですね!
旅ライター×海外ツアーコンダクター。社会人向け教育コンテンツの企画開発・編集担当として11年従事。プライベートでは学生時代から旅に魅了され、これまで世界約50カ国150都市以上をめぐってきた大の旅好き。世界中、日本中のグルメを味わい、自然を感じ、世界遺産や歴史的建築を見て、温泉めぐりをするのが生きがい。そんな旅好きが高じて、会社員から旅ライター×海外添乗員へと転身。現在は、年間100日以上海外を飛び回りながら、旅ライターとしても活動。旅の楽しさ、日本の魅力、世界の多様な価値観をより多くの人に広めるべく、インバウンドの添乗や旅ライターの取材等で、日本各地を訪れて情報発信をしている。
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