結婚式、入学式、お正月にハロウィン、クリスマス……。世界中、どんな国でも特別な日は、ごちそうが欠かせませんよね。そして特別な料理からこそ、お国柄が如実にあらわれるもの。
そこで今回は、海外出身の人たちに「おめでたい時に食べる料理」を聞いてみました。定番の家庭料理から「何それ!?」な料理まで、さまざまなラインナップが勢ぞろい。あなたはいくつ知っているでしょうか?
これぞ定番!アメリカは「七面鳥」でお祝い
アメリカでおめでたい時に食べる料理といえば?そう、誰もが想像のつく「七面鳥」です。アメリカ出身の男性曰く、こんな風に食べるのだとか。
「11月の感謝祭で必ず食べている料理です。お肉屋さんで、丸焼きできる七面鳥を買ってきます」
食物の収穫を祝う行事として、当日は家族や友人と食卓を囲む感謝祭。そのメインディッシュに代表されるのが七面鳥の姿焼きですが、最近では、アメリカ人のライフスタイルに合わせて、七面鳥のあり方も変化しているようで……。
「ベジタリアンやヴィーガンが増えているので、豆腐でできた『トーファーキー』を食べる人も珍しくありません」
豆腐をお肉のかわりにした料理が、アメリカにもあるとは!ちなみに、名前の由来は「豆腐」と「ターキー」を組み合わせた造語だそうです。
意外?中国では「餃子」がパーティ料理の定番
日本では日常の料理として強い人気の餃子。しかし本場・中国では、新年会やパーティで餃子を食べる風習があるのだそう。その理由を、中国出身の男性に聞きました。
「餃子は漢字で『食べる』に『交わる』と書きますよね。だから、交流を深めるときに食べると縁起がいいといわれています。親戚同士が集まる新年会では、必ず食べるメニューですね」
餃子にそんな意味が込められていたなんて!
「ちなみに、中国では水餃子が一般的。お母さんが皮から作ります。みんなで食べる時間は幸せです」
お母さんの手づくり水餃子、おいしいに違いありません!そして焼き餃子以上に水餃子がメジャーなのにも驚き。あのパリパリ食感こそ餃子の真髄だと思っていたのに……!
ベトナムではモチモチちまき「バインチュン」
東南アジアのベトナムは、旧正月に親戚中が集まって宴会が行われます。その時に必ず振舞われるのが「バインチュン」です。
「ベトナム風のちまきです。炒めた豚肉と緑豆をもち米でサンドし、ゾンという大きな葉っぱでくるんで茹でます。大きいので少しずつ切って、みんなで分けて食べます」
こう話すのは、ベトナム出身の女性。
「家で作る人もいますが、旧正月が近づくとあちこちの屋台でバインチュンが売られ始めるので、それを買う家庭も多いですね」
お正月に、自宅で作ったりお店で買ったりする定番料理。なんだか日本のおせち料理に似ていますね。
南米ボリビアはふわふわスイーツ「ブニュエロ」
絶景のウユニ塩湖で知られる、南米ボリビア。キリスト教徒も多いこの国では、クリスマスは特別な日です。日本ではクリスマスにケーキが定番ですが、ボリビアで振舞われるのは「ブニュエロ」という、日本人には何だか馴染みのない名前の料理。ボリビア出身の男性が、詳しく教えてくれました。
「薄い揚げパンのような、ふわふわのドーナツのようなお菓子です。私の家では、母とおばあさんが朝からたくさん揚げて、近所の子どもにもプレゼントしていました。揚げたてのブニュエロをテーブルの真ん中に置いて、ホットチョコレートと一緒に食べます」
ブニュエロはスペイン語圏では定番のお菓子。スペインではバレンシアの火祭りで食べられる料理としても知られています。各国のブニュエロ、ぜひ食べ比べてみたいですね!
アフリカの結婚式ではヤギの丸焼き…そしてアノ丸焼きも!?
最後に紹介するのは、アフリカのマラウイ共和国。マラウイアンは親戚同士のつながりが強く大切にしているので、親族の結婚式はもっともおめでたい日なのだそうです。一体、どんな料理が振舞われるのでしょう?マラウイ出身の女性に聞きました。
「ヤギの丸焼きです。結婚式が行われる日にあわせて、2~3日前に近所からヤギを買ってきます。でも、もっとインパクトのある丸焼きも食べますよ」
それは一体!?知りたいような、知りたくないような……。
「アフリカオニネズミです。最近は衛生面で食べない人もいますが、オニネズミの丸焼きはたまに食べる珍味ですね」
名前を聞くだけでインパクト強烈すぎます!ヤギにオニネズミにと、丸焼きで豪勢にお祝いするのがマラウイスタイルなんですね。
さまざまな料理が挙がりましたが、どの国にも共通しているのは、大人数で一緒に食べるのにぴったりな料理であること。家族みんながひとつの食卓を囲んで食べるのは、どの国でもおなじ幸せの形なのかもしれません。
旅行会社に勤める現役会社員の日本人ライター。大手ウェブサイトで編集者として従事した後、旅行会社に転職。そのため、旅行系・グルメ系のジャンルを得意とし、日本全国47都道府県で取材実績あり。旅行会社勤務だからこそ知れる秘境や絶景、旅の裏ワザを伝えながら日々取材に奔走している。
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