みなさんはピザというとどんなものを思い浮かべますか?サラミやチーズがたっぷりのった宅配ピザのようなアメリカンスタイル、それともクリスピーで薄めの生地またはモチモチで厚めの生地に、モッツァレラチーズやバジルが散りばめられたイタリアンスタイルでしょうか。
筆者の友人のイタリア人、アメリカ人に聞いてみると、それぞれの「自分の国のピザが一番!」と自信たっぷり。そこで、それぞれの主張について語ってもらいました。(以下は、インタビューに応じてくださった方々の意見です)
■イタリアがピザの発祥! vs 広めたのはアメリカ!
「ピザはイタリアが起源だから、もちろんピザはイタリアのものでしょう!」とイタリアの意見。
ピザ協議会によると、ピザの発祥はイタリアといわれています。ピザの原型が生まれたのは、なんと紀元前3000年頃!その後16世紀頃に、小麦粉で作った生地にニンニクやオイル、香辛料などをのせた今のピザの元となるものが、イタリアで作られたそうです。
「でも、ピザチェーン店のなかで一番普及しているのは、ピザハットでしょ?」とアメリカ。
アメリカ生まれの、デリバリーピザの店「ピザハット」は、世界で16,000店舗以上を展開しており、世界最大規模です。となると、確かに起源はイタリアでも、アメリカなくして、今日のピザの広がりはなかった、とも言えそうですね。
■自国のピザ、おすすめの「ポイント」はここ!
「イタリアのピザは、具がシンプルな分、素材の質がいいと思います!それに生地が軽くて消化にもいい!(笑)」
イタリアで最もスタンダードなのは、マルゲリータ。モッツァレラチーズとバジルが具材のピザです。イタリアでも、ピザは太りやすい食べ物というイメージが強いそうで、軽めのものを好む人も多いとのこと。
一方、サラミやソーセージにパイナップルなど、具材のバリエーションが多いのがアメリカンスタイルのピザ。
「アメリカのピザは、いろんな種類があって飽きないし、ボリュームもたっぷり!あれくらいないと物足りないよね」。
ちなみに、シカゴには「ディープディッシュピザ」、通称「シカゴピザ」と言われる、お肉とチーズをたっぷり詰めたキッシュのようなものもあります。
■ここが「違う」!イタリアとアメリカのピザ!
「イタリアのピザは、地域によって違います。ローマ風なら、サクサクの生地で大きな四角いものをカットして売っているし、その焼き上げ方が無形文化遺産にもなっているナポリ風なら、生地はモチモチ、1人1枚食べるスタイル。ナイフとフォークを使って食べることもありますよ。アメリカのピザは、具の種類がいろいろでカロリーが高そうですよね」
と、健康志向も高まっているイタリアでは、ピザを始め、パスタなど炭水化物の多い食事やカロリーを気にする人も多いのだとか。
また、ピザは手で食べる人も多いですが、イタリアでは、上品に食べるならナイフとフォークを使うそうです。
「アメリカのものとは、生地とソースが違うと思いますね。アメリカではもっとジャンクな感じというか、スナック感覚で食べちゃいますよ。二日酔いの時にはピザ食べますしね!いいですよ!」酔い覚ましのためにピザを食べるとは、恐るべしアメリカンスタイル。
■ここが「ヘン」だよ!イタリア&アメリカのピザ!
「ピザにパイナップルのせちゃうとか、ちょっとびっくりだね。しょっぱいのに甘いフルーツ加えるなんて…」
イタリア人がアメリカのピザを語るときに、一番気になるのがこのパイナップルピザだそうです。完全にアレンジされた味には、ちょっとお手上げというイタリア人も多いそう。
「イタリアでチーズがのってないピザがあるけど、ピザにはチーズが乗っていて当たり前。チーズがないのは、ピザじゃないよね」と、アメリカ。
イタリアンピザは、「マリナーラ」というトマトソースとハーブ、ニンニクだけのシンプルなものがありますが、アメリカ人からすると、ちょっと物足りないと感じるのだそうです。
■ピザを食べる「頻度」はどのくらい⁉
「人にもよりますけど、週に何回かは食べるかな。好きな人は毎日でも食べます。イタリア人は土曜日に外食することが多いんです。なので、友達と土曜の夜にはピザをよく食べますよ!」
「アメリカ人もみんなよく食べますよ。多いと週に2~3回とか?大きいものを買って連日で食べ切ることもあります」
こちらは双方、「そうは言っても、人によって違いますね」とのこと。しかしながら、週に数回レベルとは、なかなかの頻度!やはりどちらの国でも、ピザは欠かせないグルメのようです。
■恋しい&おふくろの味といえば、やっぱりピザ⁉
「しばらくアメリカを離れているけれど、帰ってすぐ食べたいなぁと思うのはやっぱりピザ!懐かしいって感じがする」
アメリカ人が恋しくなるグルメの一つも、やはりピザだそうです。
イタリア人も「カロリーは気になるけど、しばらく食べていないとピザのことで頭がいっぱいになります」とのこと。
でも実は、「イタリアで懐かしいお袋の味っていうのは、実はラザニアだったりしますよ(笑)」とのこと。なんとピザよりも、実はラザニアのほうがソウルフードだというのがイタリアの意見でした。
■どちらの国も「ペパロニピザ」がお気に入り!
「マルゲリータも好きなんだけど、ペパロニも結構好きですね」とイタリアの意見。
「わかる!一番好きなピザのトッピングは、ペパロニ、マッシュルーム、ハラペーニョ!日本のコストコに行って、ペパロニのピザがなくてびっくりしました!」
ペパロニとは、スパイスが効いた辛味のあるサラミのこと。アメリカ化したイタリア料理で使われることも多いというペパロニは、どちらの国でも評判でした。
■自国のピザは好きだけど、結局みんなどれも大好き!
ここまでお互い主張をなかなか譲らない状態でしたが、「アメリカのピザは、種類がたくさんあっていいですよね」とイタリアからはうらやむ一面も。
するとアメリカも、「正直いうと、イタリア風もアメリカ風もどっちも好き。アメリカのピザはおつまみって感じだけど、イタリアのピザはちょっとおしゃれな食事って感じで楽しめるよね!」とのこと。結局どちらのピザもそれぞれの良さがありますし、私たちも気分によって食べたいピザのスタイルが違ったりしますもんね。
ちなみに、ここまで「ピザ」のことについてご紹介してきましたが、実はピッツァとピザは別のものだということが判明!
シンプルな具材を乗せた生地を石窯で焼き、1人1枚食べるのが「ピッツァ」。一方、アメリカでよく作られる、大きな生地に具をのせてオープンで焼き、1人ずつカットして食べるものが「ピザ」なんだとか。でもどちらのスタイルであっても、結局みんな「pizza」が大好き!
旅ライター×海外ツアーコンダクター。社会人向け教育コンテンツの企画開発・編集担当として11年従事。プライベートでは学生時代から旅に魅了され、これまで世界約50カ国150都市以上をめぐってきた大の旅好き。世界中、日本中のグルメを味わい、自然を感じ、世界遺産や歴史的建築を見て、温泉めぐりをするのが生きがい。そんな旅好きが高じて、会社員から旅ライター×海外添乗員へと転身。現在は、年間100日以上海外を飛び回りながら、旅ライターとしても活動。旅の楽しさ、日本の魅力、世界の多様な価値観をより多くの人に広めるべく、インバウンドの添乗や旅ライターの取材等で、日本各地を訪れて情報発信をしている。
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