在日外国人が増えてきた近年。法務省の統計によると、今では約250万人の在留外国人が日本で暮らしています。街中では日本語や英語以外の言語もよく聞こえるようになってきましたよね。
その中でフランス人も増えてきており、今や約3万人のフランス人が日本に住んでいるそうです。文化も言語も習慣も、全く違うフランス。特に仕事を探す時や職場では、カルチャーショックが耐えないとか。
そこで今回は、ビデオゲームの翻訳を行う会社に勤めるフランス人男性に、日本で仕事の面接を受けた時に、どのような違いがあったかインタビューしました!(以下はアンケートに応じてくださった方の個人的な意見です)
そんなにあるの!? 日本は面接が多すぎ!
まず日本の面接で驚いたこと。それは面接の回数!日本では数回の面接を行うのが普通ですよね。しかしフランス人は何回も面接を行うことに、とてもびっくりしたそうです。
「面接の回数の多さには本当びっくりした。え、まだやるの!?って思ったよ。中小企業でも2、3回面接をするところが多いよね。フランスは基本1回で終わるよ。そんなに会わないと判断できないのかな、って思っちゃう」
日本での平均面接回数は約3回。業種によっては5回や、なんと10回行うところもあるそう。フランスでは1回の面接で内定が決まることが多く、大手の企業でもだいたい2回の面接で終わるそう。日本よりもとてもシンプルですね。少ないのに慣れていると、なんのためにこんなにいっぱいやるの?と疑問に思ってしまうようです。
個性はいらないの?履歴書にフォーマットがあるなんて!
面接を受ける前に必ず提出する履歴書。履歴書を提出することはフランスでもしますが、内容に大きな違いがあるそうです。
「日本は履歴書にフォーマットがあるよね。いろいろな枠があってその中に経歴とかを埋めていくけど、フランスにはそういうフォーマットがないんだ。まず履歴書で選考されるのに、なぜ個性を出せるようになってないのかが不思議だよ」
日本の履歴書は、個人情報・学歴・職歴・免許・資格など、決まったところに決まったものを箇条書きで書くようになっています。色をつけたり、枠の形を変更したりなどは、基本的にはしません。
しかしフランスで履歴書を作るときは、全てが自由。どんなデザインにしても、どんな順番にしても構わないそうです。フォーマットなく自由に書けることで、自分がどういう人間なのかデザインや文章でアピールできます。日本ではそれがしにくいため、なかなか最初は履歴書作りに戸惑ったとか。
日本人として今、自由に履歴書を書いていいよ!と言われると逆に戸惑ってしまうかもしれないので、カルチャーの違いが大きいことを痛感しました。
いまだに載せてるの?履歴書に証明写真を貼ることにショック!
日本の履歴書には証明写真を貼るのが主流ですよね。フランスでも昔は貼っていたそうですが、今はもう証明写真を貼らないそうです。それはなぜでしょうか。
「証明写真を載せるってことは、まずフランスでは人種差別の問題になる可能性がある。日本ではまだまだ外国人も少ないし、人種差別があまりないにしても、やはり容姿が採用基準のひとつになってしまうところもあるんじゃないかな。それは正しい判断基準ではないと思うよ」
フランスでは人種や容姿で採用されないように、現代では証明写真は必須ではないそう。これはフランスに限らず多くの国が写真を載せない方法を採用していて、証明写真を載せている日本は珍しいそう。履歴書に写真があればもちろん確認しますよね。外見も採用基準になってしまうのは、やはり違うのではという意見でした。
さらにフランスでは、名前で人種などを把握できないように、名前すら載せないこともあるそうですよ。名前も載せないという傾向には驚きですね!
テクノロジーは発展してるのに!履歴書の手書き文化にショック!
履歴書への衝撃はまだまだ続きます。それは履歴書を手書きすること。
「僕は日本でも書いたことないけど、いまだに履歴書を手書きで求める会社があることに本当にびっくりしたよ! フランスで履歴書を手書きするなんてほぼないね。他の国でもないんじゃないかな」
最近では日本でも、WordやExcel形式、web履歴書で作成するのが一般的となってきましたが、それでもまだ手書きの履歴書を求める会社もありますよね。テクノロジーが発展しているイメージが強い日本ですが、まだ手書きを好む会社があることが驚きだそうです。
手書きだとその人の性格などが出ることがあるため、それも判断の一部にするという考えがあるようですが、パソコンの方が効率も良いので、正直面接を受ける側としてはweb履歴書に移行してほしい、とのことでした。
面接官が多すぎる!フランスでは1〜2人が主流
日本では面接の際に3~4人面接官がいることが多々ありますよね。フランス人男性は面接を受けた時に、人数の多さにとてもびっくりしたそうです。
「自分のために何人も面接官がいるなんて、何事かと思ったよ! フランスでは面接官は基本1〜2人だけだからね。そんなにいっぱいいたら、人件費の無駄じゃないかなって勝手ながら思っちゃったよ」
彼の友人の中ではなんと8名の面接官がいたこともあったそうで、1回の面接に何人も面接官がいるイメージになったそう。8人は確かに多いですね!
フランスの面接では、面接官は基本1人、多くて2人で、役職のある人が責任を持って判断するため、特に人数はいらないとのこと。日本では1人の意見に偏らないように面接官を数人用意しているなどの理由があります。文化によって考え方が全く違いますね。インタビューをしていた私もカルチャーショックを受けました!
日本はスキルがなくても仕事が手に入りやすい、助かった!
「未経験歓迎」という文字を求人募集要項でよく見かけませんか? 日本ではわりと未経験を歓迎しているところは少なくありませんが、フランスでは真逆とのこと。
「未経験は一番仕事にならないから、大学卒業後は本当に仕事探しが難しいんだ。でも日本は違うよね。良い大学に入っていれば未経験でも合格できるイメージ。フランスは経験を積んでいかないと欲しい仕事にはなかなかつけないから、うらやましいよ!」
近頃は学力だけではなく、人柄や学生時代の経験を評価する会社も増えてきましたが、海外と比べてみると、まだまだ学力重視に見える日本。
フランスでは卒業後なかなかすぐには定職は見つからず、インターンで経験を積んだり、3ヶ月のトライアルで働いてみたりと、経験を地道に積んでいき就職をするそうです。なので、大学卒業後に仕事が決まっていない人は、日本に比べ多くいるそうですよ。
希望の職種につきにくいことは、どの国もありえることですが、未経験でも会社に入りやすい日本は、いろいろなことにチャレンジできるから羨ましい!という意見でした。
同じ業界なのに給料が全く違う!仕事選びに一苦労
未経験でも仕事ができるのはうれしいこと。しかし、キャリアがあっても給料がフランスと全く違ったことに、戸惑ったことがあるそうです。
「僕はフランスで映画業界にいたんだけど、日本とフランスの映画業界の給料の差にびっくりしたよ。けど、今やっているゲームの翻訳はフランスよりも給料が高く、結局そこで働くことに決めたんだ」
カンヌ国際映画祭など映画業界に力を入れるフランス。やはり国の注力業界のひとつだったからこそ、日本よりも給料は高かったそう。給料の違いの問題で結局彼は、日本でキャリアチェンジされたそうです。
未経験だった分野でも就職でき、しかも自分の元のキャリアよりも給料が高かったのは良かったそうですが、自分が好きなものをやりたいと思う一方で、給料はやっぱり大事だと思われるのは、万国共通の考えですね。
こうしてみると、面接の方法は国によって全く違うようですね。重要視されるところが全く違うということもありますが、もう少し日本も効率的な面接方法になったら良いな、というのが今回インタビューしたフランス人男性の意見でした。
より日本で働く外国人が増えていく中、面接方法もグローバル化するべき時代が、きているのかもしれません。
東京都生まれ。2015年にフリーライターとして独立。北米での留学・就労経験もあり、英日の翻訳・通訳も行う。東京の島・伊豆諸島をこよなく愛し、月に1度はどこかの島にいます!
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