日本に訪れる外国人が増えているニュース、よく耳にしますよね。観光目的だけではなく、仕事で日本に長期滞在している人も増えています。そんな中、日本に住む外国人はこの国にどんな印象を抱いているのでしょうか。
そこで、来日2年目になる25歳イギリス人男性Kさんに、日本への本音をぶっちゃけてもらいました!観光では見えなかった日本文化や日本人への率直な感想がたくさん飛び出しました。(以下はアンケートに応じてくださった方の個人的な意見です)
日本の暑さ、帰国したいレベルにヤバいって!
日本にさまざまな衝撃を感じているKさんですが、特に驚いているのは気候についてでした。
「日本の暑さ!あまりにもキツすぎるよ!去年もとても暑いと感じたけど、今年の暑さはおかしい。イギリスに帰りたかった(笑)。イギリスも夏は暑いけど、日本は湿気と熱気が何倍も強いと思う」
2018年の異常な暑さは、日本人にも堪えましたよね。毎年キツくなる夏の日差しに、Kさんが疲弊しきったのは想像に難くありません。来年は少しでも過ごしやすい夏になってほしい……。
日本人はいつ休んでる!? バカンスを取らないなんて!
日本でメーカーに勤めるKさん。日本の働き方について、こんな本音をもらしました。
「社会人がバカンスを楽しんでいない!いつ休んでいるの?僕はイギリスにいた頃、アジア周遊旅行に1カ月行って日本が大好きになって移住を決めたんだ。仕事詰めだと人生の転機を逃しちゃうよ!」
日本ほど有休消化が難しい国はない、なんて言われていますが、Kさんのおっしゃるとおりです。バカンスで心身ともにリラックスすれば、仕事や生き方のヒントを得られそう。1カ月も休める会社に勤めたい……。
真面目すぎるのはいいけれど、ジョークくらい分かってよ!
また、ビジネスシーンのこんな一コマに、ショックを感じたそう。
「日本人はみんな真面目。でも、真面目すぎるから、ジョークが通じない。会議とか営業先で僕が何かジョークを言うと、驚いた顔をするんだ。そのときの空気にももう慣れたよ(笑)」
知的なユーモアを愛するイギリス人に、日本人からの真面目すぎる反応は苦痛なようです。
会議の時間にルーズなのは、失礼だと気がついてほしい
しかし反対に、「真面目」とは思えない日本人のふるまいに、憤りを感じています。
「仕事に意外とルーズ。アポイントで遅れたり、ミーティングに途中から参加したり。会議もとても長い。相手の時間を奪っている意識が足りないと感じるよ。イギリス人もルーズに思われがちだけど、ビジネスで失礼になることはしない」
これは痛い指摘……。かけもつ仕事の量が多いなんて言い訳をせず、「相手の時間を奪っている」と思わないといけませんね。
日本人男性はレディファーストじゃない!
日本人の友人もたくさん持つKさんは、日本人の印象をこう話しました。
「日本人はみんな親切で優しい人が多いよね。でも、男性のふるまいにはショックを受けたよ。女性にドアを開けてあげたり、先に道を譲ってあげたり、そういうレディファーストな行動がほとんど見られないんだ。電車で駆け足で座席を奪うのは、僕には考えられない」
Kさん、見るポイントがさすがです。余裕のあるレディファーストな行動、個人的にも日本人男性に浸透してもらえたら嬉しいです……!
どうしてデートの後に家まで送らないの!?
「デートの後、女性を家まで送り届けるのが普通でしょ。飲んだ駅でさようなら、なんて男性は心配じゃないの?僕には英国紳士の誇りがあるから、必ず送りたいと伝えるよ!いつでも礼儀正しくあるべき、というね。これは僕の両親の教えなんだ」
さすが英国紳士。Kさんによると、「付き合っていない男女でも家まで送る」そう。日本人の場合、付き合っていない人が家まで送ったら、何か下心があるのではと警戒してしまうかも。男女の微妙な距離感も、お国柄に表れるものですね。
女性は奥ゆかしくて素敵だけど、シャイすぎるかもね。
男性についてではなく、日本人女性に関して、Kさんはこのように感じています。
「日本人の女性は奥ゆかしくて優しい人が多くて、とても好きだよ。でも、少しシャイすぎるかな。はっきりと意見を言わないと、強引な男の人におされちゃうよ!」
奥ゆかしさは日本人女性の美徳として認めながらも、そのせいで女性が嫌な思いをする可能性があると心配しているようです。嫌な男性からのアピールはうまくかわしているだけで、実は芯が強い人も多いよ!とKさんに伝えておきました。
日本の居酒屋は小さくておもしろい!
日本で暮らし始めて2年。住んでみて気がついた日本の新たな魅力もたくさんありました。
「お酒を飲む場所がたくさんある!しかも安い!特に新宿は、小さな居酒屋がたくさんあっておもしろい。席が小さくてぎゅうぎゅう詰めだから、僕のように体大きな外国人にはつらいけど(笑)」
イギリスはパブが街じゅうにあるイメージですが、新宿のゴールデン街や新橋の飲み屋街のようなこじんまりした店が密集する飲み屋街は、ユニークに感じるのだとか。
痴漢、許すまじ!安全な国のはずなのに…
反対に、住んでいなければ気がつかなかった問題にも衝撃を受けたそう。
「東京は世界一安全な国なのに、痴漢が多い。痴漢のポスターも多い。それだけ被害があるってことだよね。僕が結婚して子どもが生まれても、このままでは安心して育てられないかも」
女性専用車両など、痴漢の被害を防ぐ対策はさまざま取られているとはいえ、被害は後を絶ちません。また、痴漢冤罪により男性側がトラブルに巻き込まれるケースも。日夜、痴漢に関する話題が尽きないなんて、住んでいる外国人にはショックが大きそうです……。
日本の魅力は地域に点在。国内旅行がこんなに楽しいなんて!
最後に、「これだけははっきり伝えたい!」とKさん。
「日本は地域によって違う魅力があるのが素晴らしい!街並みも食文化もまったく違うから、日本国内を旅行するだけでとても刺激的。実は、住んでからのほうが、日本をしっかり旅行しているよ。特急列車がどこでも走っているから、アクセスがいい。日本の電車が便利なことを、日本に住んでから知ったよ!」
日本人のふるまいにカルチャーショックを受けることがありつつも、結論として「日本は食事がおいしくて街がきれいで大好きな国」と締めくくってくれたKさん。暮らした結果、好きだと感じてくれるのはとても嬉しい!これからも日本のいろんな面を楽しんでくれますように!
旅行会社に勤める現役会社員の日本人ライター。大手ウェブサイトで編集者として従事した後、旅行会社に転職。そのため、旅行系・グルメ系のジャンルを得意とし、日本全国47都道府県で取材実績あり。旅行会社勤務だからこそ知れる秘境や絶景、旅の裏ワザを伝えながら日々取材に奔走している。
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