日本人に人気の高い国、イギリス。あなたは、「イギリス」と聞いてどんなイメージが浮かびますか?ロンドンの美しい街並み、世界遺産のストーンヘンジといった歴史あるスポットを思い浮かべるでしょうか。はたまた、ビートルズ、ハリー・ポッター、ヴィヴィアン・ウエストウッドなどのカルチャーを連想する人も多いことでしょう。
それでは反対に、来日したイギリス人は、日本にどんな印象を持っているのでしょうか。日本に来日経験があり、子どもが日本に住んでいるイギリス人40代女性のNさんに話を聞きました。Nさんが日本に来て良くも悪くもショックを受けた点とは?(以下はアンケートに応じてくださった方の個人的な意見です)
冬に青空が見れるなんて!日本は晴れの日が気持ちいい~!
Nさんが日本に来てまず感動したのは、「空」について。
「日本の晴れた空!とっても最高だわ!年じゅうきれいな青空が見られるのはとても貴重なことよ。冬も青空が見られるなんてうらやましい。イギリスだと、久しぶりに晴れ間が見えたら友だちから『今日は晴れているね』ってメールがくるのよ(笑)」
イギリスはご存じの方も多いように、天気が変わりやすい国です。特に冬は、雨や曇りが続く地域もあるそう。日本でいえば、梅雨の日がしばらく続くイメージでしょうか。それに比べると晴れる日が多い日本の天候がうらやましいと思うのは自然なことかもしれません。
山、川、海。自然のアクティビティが豊富!
日本の自然に関して、こんな感想ももらいました。
「イギリス人は週末にキャンプする人が多いの。日本はキャンプできる場所が意外とたくさんあってびっくり。しかも、東京からもキャンプできる場所が近いのよね」
Nさんが言うように、東京でも中心地から車を少し走らせれば、奥多摩などのキャンプ場に辿り着きます。海に囲まれ、山と川の多い日本は、まさに“キャンプ天国”といえるかも。
日本も意外と音楽フェスが多い!
「音楽フェスは日本もとても多いのね。海外の有名なアーティストをたくさん招待しているところも驚いたわ」
グラストンベリー・フェスティバルをはじめ、名だたる音楽フェスが開催されているイギリス。日本でも夏になると大規模なフェスが国内各地で開催されており、イギリス顔負けのアーティストがプレイすることは意外だったようです。Nさんが次に来日したときは、ぜひ日本の夏フェスを楽しんでもらいたいです!
ベジタリアンメニューを提供する店が少なくて残念……。
次にNさんが話してくれたのは、日本の食事について。
「和食はヘルシーと聞いていたけど、肉や卵を使う料理ばかり。ベジタリアンには優しくないお店が多いと感じたわ。でも、豆腐は最高のヘルシーフード。日本に行ったときはいつも豆腐のサラダを買って食べていたの」
Nさんは生粋のベジタリアン。お肉はもちろん、玉子も口にしません。日本ではジューシーなお肉や新鮮な玉子が食べられるため、さまざまな料理に使われていますが、Nさんにとってはそれが困ったところだったようです。その中でも、豆腐のおいしさに気づいてくれたのはうれしいですね。
日本の「Green tea」ラブ!常備しています
「紅茶はもちろん大好きだけど、Japanese Green teaは部屋にいつもキープしているくらい好き。ほどよい苦味があるのに飲みやすいのよ」
紅茶の名産地であるイギリス出身の方に日本の緑茶を褒めてもらえるとうれしいですね!苦味があっても渋すぎない味わいは、Nさんも納得のようです。
飲食店のメニューに英語の案内がないのはどうして?
Nさんが日本の食事でショックを受けたことがもうひとつありました。
「日本で食事をしたとき、メニューに日本語しか書いてないところが多くて困ったわ。さっきも言ったとおり私はベジタリアンだから『食材は何を使っている?』とスタッフにいちいち確認するのがちょっと大変だった。せめて写真があったり、英語で食材を表記してくれていたらいいのだけど」
都市部のお店では英語メニューを提供するお店も増えていますが、老舗のお店などでは日本語でしか書かれていないメニューを出すところもあります。日本のおいしい料理を外国の人たちにも堪能してもらうためには、英語でもメニューの説明をするといった細かな心配りがあるともっとよいですよね。
お酒が買いやすくてびっくり。IDカードは必要ないの?
「イギリスでお酒を買うときに、25歳以下はIDカードを見せなければいけない法律があるの。だから、童顔で小柄な外国人の友だちは、バーへ行くときいつもパスポートを持ち歩いていた。でも、日本はどこでもお酒を売っているし、若い人も簡単に買っているのにカルチャーショックを受けたわ。日本ほど先進的な国がお酒を買うのに意外と緩いのね、って」
日本でもコンビニでお酒を買う時にタッチパネルで年齢確認をされますが、あってないようなもの。イギリスは厳しすぎる!と感じてしまいますが、若年層の健康や犯罪を考えると、イギリスくらい厳重にする必要があるのかもしれません。
そんなに謙遜しないで。日本人は謝りすぎ!
最後にNさんは、日本人についてこのように言ってくれました。
「日本人は優しい人が多いけど、謝りすぎるところがある。たとえば私と話す時『英語がうまく話せなくてごめんね』と言う。そんなことでどうして謝るの?って思う。だって、私は日本語が全くわからないのだから、英語が少しでも喋れることはすごいと感じるわ。あまり謝られると悲しくなっちゃう」
自分ができないこと、能力が劣っていることのせいで相手に迷惑をかけていると感じるあまり、つい謝ってしまう気持ち、日本人ならではの感覚ですよね。でもNさんの言うとおり、謝りすぎることをやめれば、お互いに気持ちいいコミュニケーションがとれるかもしれません。
日本にさまざまな印象を抱いているNさん。食事の面で多少なり不便なところがあったものの、そこも含めて日本を好きでいてくれているのだとひしひしと感じました。Nさんが次に来日した際、次はどんなところにびっくりするかぜひ聞いてみたいものです。
旅行会社に勤める現役会社員の日本人ライター。大手ウェブサイトで編集者として従事した後、旅行会社に転職。そのため、旅行系・グルメ系のジャンルを得意とし、日本全国47都道府県で取材実績あり。旅行会社勤務だからこそ知れる秘境や絶景、旅の裏ワザを伝えながら日々取材に奔走している。
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