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台湾在住よしもと芸人が日本に帰国してショックを受けた10の理由

台湾在住よしもと芸人が日本に帰国してショックを受けた10の理由

更新日: 2021/02/10

誰だって自分のことは案外わからないもの。

日本にいれば当然だと思っていることも、海外から見ると日本文化も摩訶不思議に感じるものが多いと言います。来日した外国人はもちろんのこと、海外に移住した日本人ですら、改めて母国の文化を見つめ直すと「それってヘンかも……」と感じることがあるようです。

今回お話を伺ったのは、吉本興業のアジア版「あなたの街に“住みます”プロジェクト」の芸人(総称「住みますアジア芸人」)で、2017年4月より台湾に移住しているコンビ・漫才少爺。ほぼ中国語が話せない状態から活動を始め、今では中国語の漫才で爆笑を獲るほどに成長を見せているとか。台湾の人気バラエティーにレギュラー出演を果たし、TV・ライブ・イベントと幅広い活動をしています。

そんな漫才少爺に、日本から直撃取材を敢行!台湾で生活してみて改めて感じた“日本のヘンな文化・習慣”を教えてもらいました。

1:飲み会のルールが多すぎ!

1:飲み会のルールが多すぎ!

意外かもしれませんが、台湾人と比べて日本人は「飲む」ことが好きで、その機会も多いのだとか。しかし、飲みの席でのルールがありすぎて、それに違和感を覚えるようになったとか……。

「日本では全員の飲み物が揃うまで乾杯しないとか、一杯目はとりあえず生とか、お酌や席順など挙げたらキリがありませんね。台湾では飲み物は来た人から勝手に飲むし、一杯目は生ビールと足並みを揃えなきゃいけないなんてこともありません。それぞれが自由に楽しんでる感じですね」

確かに日本の飲み会は、和を重んじる傾向にあるかも。ちなみに、台湾では「とりあえず生!」はちょっとしたギャグみたいに使われているそうです。台湾に行って地元の人と飲む機会があったら、是非使ってみてください。ウケるかどうかは保証できませんが……。

2:仕事とプライベートを分けすぎ!その裏表から信用してもらえないことも

2:仕事とプライベートを分けすぎ!その裏表から信用してもらえないことも

台湾では仕事とプライベートを分けるという感覚が日本ほどないと言います。取引先の人と気が合ったら、会議の流れでご飯に行って友達になるなんてこともザラなんだとか。

「台湾の人からしたら、日本人の感覚は信じられない部分があるんです。『今度飲みに行きましょう』なんて誘いが、じつは社交辞令だったり。仕事用と自分用の2つの携帯を持ってて、仲よくなったと思った人がじつは仕事用の番号を教えていたとか。その裏表に驚かされるんです」

「仕事は仕事。遊びは遊び」という考えは、日本人の真面目さでしょうか。けど、どう考えてもワザとらしい社交辞令はなくしてもいいかもしれません。言っている方も、言われている方もストレス軽減につながりそうですし。

3:人と人との距離感がありすぎ!

3:人と人との距離感がありすぎ!

日本ではフレンドリーすぎる人やグイグイ来る人は空気が読めないと嫌われる傾向にありますよね。台湾の場合、会った1時間後には大の仲よしになっていることなんて、“あるある”なんだそうで……。

「逆に日本人は距離感がありすぎて、嫌われてるかも…と、相手に思わせている時があるんですよ。僕も日本にいる時は人見知りだったんですが、台湾の人を見習って距離感をなくしたら、友達も増えて楽しく話せるようになりました」

日本人同士ってお互いが同じように気を遣って距離感をつくっているんでしょうね。心を開く。海外の人の多くは、それを自然にやれるところが素晴らしいですね。

4:「大丈夫」という言葉はYesかNoか分からない

4:「大丈夫」という言葉はYesかNoか分からない

海外の人は伝え方がストレート。漫才少爺も台湾で暮らすようになって「日本人の伝え方はなんて曖昧なんだ」と思うようになったとか。

「例えば、台湾では『メール送ってください』で済むことが、日本だと『お疲れ様です。お忙しいとは存じますが、もし宜しければお手すきの際にメールいただけると有難いです。お手数おかけします』ぐらいになったりしますよね。それで僕、台湾人の友達に怒られたことありましたよ(笑)」

他にも、「大丈夫」という言葉はYesかNoか分からず、日本語を勉強し始めた台湾の人からは恐怖の言葉だそうです。「大丈夫」って、日本人でも迷う時がありますよね。台湾の人とコミュニケーションをとる時にはハッキリとストレートに伝えても“大丈夫(Yes)”みたいです(笑)。

5:よく言う「お疲れ様」……そんなに疲れてるの?

5:よく言う「お疲れ様」……そんなに疲れてるの?

日本人は確かにやたら「お疲れ様」と言いますよね。職場では仲間と顔を合わすたびに言っている気が……。

「当初、台湾の人から『なんで疲れてるかどうか分からないのにお疲れ様なんだ!』とか『日本人はいつも疲れてるの?かわいそう』なんてことをよく聞かれました。言われてみれば変ですものね」

もしかしたら「お疲れ様」を交わすことで、日本人は無意識に疲れた気になってしまっているのかも。ちなみに台湾では、何気ない挨拶は「ニーハオ」や「ハロー」だとか。元気な感じ、ありますよね。

6:夏でもスーツを着ているサラリーマンが理解できない

6:夏でもスーツを着ているサラリーマンが理解できない

日本では「出かける時にちゃんとした格好をする」「女性は化粧をしなきゃダメ」、そんな考え方をする人が多いもの。ところが、その周りの目というのは“まったく知らない人”を指していることがほとんど。だから台湾では周りの目を気にするより……。

「みんな、着やすい服を着たり、歩きやすい靴を履いてます。化粧もしたい人はする。大切なのは見た目ではなく、自分にとって楽かどうかなんですよ」

日本ではいまだに夏でもスーツを着ているサラリーマンがいますが、台湾の人からしたら到底理解できないようです。

7:家族・恋人を好きと言えないなんてヘン!

7:家族・恋人を好きと言えないなんてヘン!

日本の、特に学生だと男性が「お母さんのことを好き」なんて言おうものなら、速攻「マザコン」のレッテルを貼られかねません。恋人の場合だって、「彼女のこと可愛いと思う?」と質問されたら、「まあ、可愛いとは思いますよ」ぐらいでとどめておくでしょう。ところが……。

「台湾では、恋人も両親も好きで当たり前です。これはバカップルやマザコンとも違い、大事な人には好きと伝えるのが当然という文化なんです。旧正月などのイベントは家族と過ごすのが普通ですから」

日本人も、大切な人には「好き」と伝える感情表現を身につけると素敵ですよね。って、これは無理でしょうね(笑)。猛烈に恥ずかしさが勝ってしまう人ばっかりですもんね。

8:寒いのになぜ氷水を飲みたがるの!?

8:寒いのになぜ氷水を飲みたがるの!?

台湾では冷水は体によくないと考える人が多いそうで、夏でも常温の水を飲む人が多いとか。セルフで水が注げるようなカフェでも、大体の店には熱湯と常温水があり、好きな方を飲むそうです。

「僕らもそれが習慣になり、冷水を飲むと体が冷えたり、喉にもよくない感じがしてきて、常温を好むようになりました。台湾人からしたら真冬に氷水を飲むなんて考えられないことです」

彼ら、日本旅行から戻ってきた友達から、「なんで寒いのに氷水を飲ませるの?」とレストランに出てくる普通の氷水の写真を何枚も見せられたという。言われてみれば、この件に関しては疑問に思ったことすらないかも。

9:日本の女子、真冬に露出しすぎ!

9:日本の女子、真冬に露出しすぎ!

日本と台湾、緯度からすれば当然、台湾の方が暖かいはず。しかし、冬になると日本では摩訶不思議な光景を目にするようで……。

「真冬に帰国した時に驚いたのが、ものすごい寒い日でも女性がミニスカートや短いズボンを履いてることです。日本にいる時は、目の保養になってましたが、久しぶりに見ると少し恐怖すら感じてしまいますね。だって絶対寒いじゃないですか(笑)」

台湾では気温に逆らうような服は着ないという。ま、日本の女性が露出を意識するのはオシャレ意識が高い証拠でしょうが、風邪の心配はつきもの。オシャレはつくづく痩せ我慢ですね(笑)。

10:敬語が難しすぎ!

10:敬語が難しすぎ!

日本語の敬語の響きは素晴らしいものがあります。でもちょっと複雑すぎる、というのが台湾の人の感じ方のようです。

「日本語は、尊敬語や謙譲語、丁寧語などいろいろあって、敬意を伝えるというより、単に『上司だから』や『年上だから』という理由でつかってる場合もありますよね。なのに、ちゃんとした敬語を使わなきゃ……ってプレッシャーがあって、それで疲れちゃうこともあるんじゃないでしょうか」

ちなみに中国語にも敬語はありますが、英語で言うところの『please』をつける程度だそうです。シンプルだから敬意を伝えやすいメリットがありますね。


いかがでしたか? 台湾在住の漫才少爺から見た“日本のヘン”。こうやって指摘されると、「確かにそうかも」と気づかされるところもあれば、「そうなの!?」とまったく自覚していないことも多いと感じました。改めて、世界の価値観は多様ですね。その中で、日本のよさ、おもしろい点を見直してみてはいかがでしょうか。

台湾在住のお笑い芸人。ほぼ中国語が話せない状態から台湾に移住し、今では中国語での漫才やイベントのMCなどを中心に、日本のお笑いを台湾に広めるため活動中!

Written by:

鈴木しげき

鈴木しげき

放送作家として『ダウンタウンDX』『志村けんのバカ殿様』などを担当。また脚本家として映画『ブルーハーツが聴こえる』連ドラ『黒猫、ときどき花屋』などを執筆。放送作家&ライター集団『リーゼント』主宰。好きな食べ物は、和食。

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