日本人のソウルフードといえば「おにぎり」。日本の食べ物で寿司や天ぷらが海外で認知されているように、おにぎりも「ライスボール」という名で諸外国でも徐々に知られてきています。
そんな日本のおにぎりには、「紅鮭」や「梅干し」、「ツナマヨ」など、さまざまな味がありますが、外国人に人気の具材は何だと思いますか?今回は、来日して半年以内の外国人20名にヒアリングを行い、「好きなおにぎりの具材・嫌いな具材」について調査することにしました!
世界が認めた人気No.1は「ツナマヨ」のおにぎり
コンビニのおにぎり売り場で必ず見かける「ツナマヨ」は、子どもから大人まで幅広い世代に愛されているおにぎりの代表的な具です。今回のアンケートでは、日本人と同じく大変人気でした。具体的にあがった声は以下の通り。
「韓国に住んでいた頃、よく食べていました。おにぎりには色々な具があると思うけれど、ツナマヨが一番具の味が濃厚に感じられておいしい!ほかの具は味がさっぱりしすぎて、ちょっと物足りないかな……」(韓国/女性/20代)
「ツナマヨは最高においしいよ!マヨネーズの味がしっかりついているし、ツナも少しだけ油っぽいところが、ご飯とよく合うんだ。こんなおいしいものが日本にあるなんて……反則だよ!(笑)」(アメリカ/10代/男性)
「中国の都市部には日本のコンビニがたくさんあったので、ツナマヨのおにぎりを買ってよく食べていました。ご飯を包んでいる海苔との相性が良いですね。マヨネーズが少なめの、さっぱりとしたツナマヨが好きです」(中国/20代/女性)
ポイントは、ツナフレークとマヨネーズが、外国人にとって「慣れ親しんでいる味」であるということ。そのため、まずは知っている食材を使ったおにぎりから試すのは至って自然な流れ。ツナマヨは母国で食べ慣れている外国人も多く、結果として一番人気の具材に選ばれたようです。味はもちろん、「味を熟知しているから安心して食べられる」という点も大きいのではないでしょうか。
また、同じツナマヨでも、「マヨネーズたっぷり派(マヨネーズの味がメイン)」と「マヨネーズ少なめ派(ツナの味がメイン)」が地域によって分かれているようで、欧米圏・ユーロ圏ではたっぷり派が、アジア圏では少なめ派が多い印象。各国の食文化が少しだけ顔を覗かせたと共に、外国人の“ツナマヨ愛”が本物であることがよくわかりました。
人気No.2はさっぱりとした塩味の「紅鮭」
No.2にランクインしたのはお馴染みの定番具材、「紅鮭」です。この具材が選ばれた理由は一体何なのでしょうか?
「鮭おにぎりが一番好き!サーモンは母国で食べ慣れているのですが、日本のおにぎりに入っているものはとてもシンプルな味付けなのに、すごく味が濃いですよね。甘過ぎず、しょっぱすぎない、絶妙な塩加減もGOOD!」(ロシア/女性/20代)
「日本の鮭おにぎりは、サーモン自体の味がしっかり感じられるから素晴らしい。ピンクがかった色合いも食欲をそそるよ」(カナダ/20代/男性)
「毎日食べたいくらい好き。最近はスーパーで鮭フレークを買って、毎朝おにぎり作りに挑戦しています。中々日本のコンビニで売っているような、きれいな三角形のおにぎりにならないんです…(笑)」(中国/10代/女性)
「鮭」がランクインする理由としては、サーモン自体が「母国で見慣れた食材」であり、鮭も「慣れ親しんでいる味」という点が大きいようです。白米が欲しくなる、絶妙な塩加減が外国人にウケている印象でした。
また、余談ですが、こんなユニークな回答もあったのでご紹介します。
「日本人は鮭おにぎりを『サケおにぎり』と『シャケおにぎり』の2パターンで呼んでいるみたいだけど、正式な発音はどちらなんだい?」(アメリカ/20代/男性)
ちなみに日本を代表する国語辞典、「広辞苑」に記載されている鮭の発音は「サケ」です。
「シャケ」はその派生語なのだそうで、日本が江戸時代の頃、“さ・し・す・せ・そ”のサ行をうまく発音できなかった人達が「サケをシャケ」と呼んでいたため、それが全国に広まったのだとか。ほかにもさまざまな説がありますが、現在はこの「方言説」が最も有力だとされています。
もし、外国人にオススメのおにぎりを聞かれたら、「サケおにぎり!」と、正しい発音で伝えてあげましょう……!
まさかの「梅干し」が大不評!?
今回は20名の外国人にアンケートを取ったのですが、「嫌いなおにぎりの具材」として、全体の七割を占めたのが「梅干し」でした。外国人に受け入れられなかった理由は以下の通り。
「酸っぱすぎて梅干しは苦手!ツナマヨとか鮭とか、もっとご飯に合う具材のおにぎりが別にあるのに、なぜ梅干しを好んで食べるのかがわからない…」(中国/20代/女性)
「信じられないくらい酸っぱいし、中の具が梅一個って寂しすぎる!そもそも、果物でご飯を食べる感覚が好きになれないんだ」(韓国/20代/男性)
「冷たいご飯の中に、梅干しが一個入っているおにぎりって、何となくひもじい気分にならない…?味うんぬんよりも、気持ちの問題だけど」(香港/10代/男性)
ポイントはやはり「味」でしょうか。梅干しの想像を超える酸味に驚いてしまう外国人が多いようで、「酸っぱいだけで味がよく分からない」という人が大半でした。私たち日本人からすると、その酸味と塩味がご飯によく合うのですが、梅干しを食べ慣れなれていない外国人に対して、この感覚を共有するのは難しいのかもしれません…。
「たらこ」のような“生もの”はやはりNG
「たらこの“ブニュッ”とした食感がダメ!一口噛むと、口の中に小さな粒々が広がる感じも苦手。『焼きたらこ』なら火が通っているから、なんとか食べられるけど…どっちにしても、後味が生臭くて耐えられない!」(韓国/女性/20代)
「一度だけ食べたことがあるのだけれど、すごく生臭くて苦手になってしまったよ。そもそも、たらこって魚の卵なんでしょう?それを生で食べるなんて、僕には無理だな…」(ベトナム/20代/男性)
「たらこは本当に苦手。ピリッと辛いスパイシーな味じゃないし、ナマモノの匂いがダイレクトにる感じも嫌!」(韓国/20代/女性)
プリッとした食感の新鮮なたらこは、日本人にとって魅力的なご飯のお供。「こんなおいしいものが嫌いなんて信じられない!」という声が聞こえてきそうですが、そもそも海外では“生の魚卵”を食べる習慣がない国が多いので、苦手に思う外国人がいるのも頷けます。
母国の味と離れているものは不人気!?
「コンビニで『ドライカレーおにぎり』を買って食べてみたのだけれど、想像していた味とまるで違う。私は母国のカレーの味に慣れているから、あまり好みではなかったの。とても残念だった…」(マレーシア/20代/女性)
日本のコンビニには「チャーハン」や「オムライス」といった変わり種のおにぎりもラインナップされています。その中のひとつが「ドライカレーおにぎり」。
ただ、皆さんもご存じのように、世界にはさまざまな種類のカレーがある訳で。例えば、マレーシアでは鶏肉の旨味とココナッツミルクの風味が強い、スパイシーなチキンカレーが定番なのですが、その味わいは日本のカレーと全然違います。母国のカレーをイメージして「ドライカレーおにぎり」を食べてはみたものの、想像と全く違ってガッカリした、ということなのでしょう。
知っている味はやはり強し
今回のアンケートでわかったことは、「慣れ親しんだ味や食材を使ったもの」が外国人に好まれるということ。中でも「ツナマヨ」のコンビニおにぎりは絶大な人気を誇り、幅広いエリアの外国人から愛されているようです。
その一方で、日本のおにぎりの定番具材である「梅干し」が、想像以上に不評だったことに驚きを感じます。味の好みは仕方がないとして、「果物ではご飯を食べられない」という声がとても印象的であり、外国人ならではの貴重な意見だと感じました。
最後に、今回ランクインしたもの以外にも、「おかか」や「昆布」、「明太子」など、おいしいおにぎりの具は数多く存在します。母国で慣れ親しんだ「ツナマヨ」や「紅鮭」も良いですが、いろいろな具材を試してもらうことで、新しい味との出会いや、具材選びの楽しさを知ってもらえるはず。日本人が愛してやまないソウルフードだからこそ、さまざまな具材のおにぎりを外国人の皆さんにも楽しんでもらいたいものです。
アンケート協力
-
学校法人 新井学園 赤門会日本語学校 本校
-
住所
116-0014 東京都荒川区東日暮里6-39-12
-
最寄駅
日暮里 駅 (京浜東北線 / 山手線 / 常磐線 / 上野東京ライン / 日暮里・舎人ライナー / 京成本線 / 京成成田空港線(成田スカイアクセス))
徒歩10分
- 電話 03-3806-6102
-
住所
116-0014 東京都荒川区東日暮里6-39-12
※価格やメニュー内容は変更になる場合があります。
※特記以外すべて税込み価格です。
-
江戸時代から続く東京の銭湯文化を、外国人ネイティブが体験。古き良き昔ながらの銭湯と、現代風にリニューアルされた最新の銭湯を徹底レポート
-
花魁と花火の競演!2024年10月19日(土)・26日(土)、11月9日(土)・16日(土) 江戸ワンダーランド日光江戸村「Edo Wonder Night」開催!
-
【2024年8月】伝統の盆踊りやデジタルを駆使した夏祭り、テーマパークのイベントも!東京&近郊の夏祭り・盆踊り・花火大会に行こう
by: 木村かおり
-
旅行者も知っておきたい! 誰もが安心して楽しめる六本木の街をめざす「六本木安全安心プロジェクト」
-
【2024年9月】9月もアツい!花火、盆踊り、相撲、東京ゲームショウなど盛りだくさんの東京近郊イベント&お祭り情報
by: 木村かおり
-
訪日外国人はまだ知らない。東京に住む私たちが楽しんでいる、銭湯の魅力を徹底解剖