HOME 【グリコ】自販機アイスの意外な真実!外国人観光客が最も集まるエリアで人気No.1は?
【グリコ】自販機アイスの意外な真実!外国人観光客が最も集まるエリアで人気No.1は?

【グリコ】自販機アイスの意外な真実!外国人観光客が最も集まるエリアで人気No.1は?

更新日: 2020/04/23

みなさんこんにちは。ライターの福田です。

「江崎グリコ」の大人気商品、「セブンティーンアイス」。全国の駅や観光地で見かけるお馴染みのアイス自販機ですが、このセブンティーンアイスが今、日本へ旅行にくる外国人観光客から大人気なのだとか。そもそも、「なぜ外国人観光客に人気なのか」気になりませんか?せっかくなので、江崎グリコの人にお話を聞いてみることにしました!

人気の秘密を探るため江崎グリコに行ってみた

人気の秘密を探るため江崎グリコに行ってみた

今回お邪魔させていただいたのは、JR 品川駅から徒歩5分のところにある江崎グリコ・品川オフィス。入口の扉を開くと、「glico」の見慣れたロゴマークが目に飛び込んできました。

ロビーはとても広々としていて、普通のテーブル席のほか、あまり見かけない形のソファがポンポンポンと点在しています。実はこれ、チョコレートがモチーフなんだそう。そう聞いた途端、抑えていた甘いもの欲がポーンっと高まります。

▲マーケティング本部アイスマーケティング部 遠藤寿之さん
▲マーケティング本部アイスマーケティング部 遠藤寿之さん

今回お話をうかがったのは、マーケティング本部 アイスマーケティング部に所属する遠藤寿之さん。

福田:よろしくお願いいたします! 

遠藤さん:どうぞよろしくお願いします。

福田:さっそくですが外国人観光客にセブンティーンアイスが人気だという噂を聞いたのですが本当なのでしょうか?

遠藤さん:そうなんです。私たちも大阪・道頓堀にある自動販売機の前に外国人のお客さまがたくさん集まっているという話を聞いて、人気があることを知りました。実地調査に行ってみたら確かに外国の方がたくさんいて、写真を撮ったりもしていて。とにかくもう、外国の方が多かったですね(笑)。

福田:人気の理由はどういった点だと思われますか?

遠藤さん:一番の理由は、アイスクリームの自動販売機が海外では珍しいということだと思います。そもそも自動販売機が日本のように街中に置かれている国は少ないんですよね。しかもそれが飲み物ではなく、アイスクリームだということで、大きな話題になったのかもしれません。

……なるほど。アイスクリームの自動販売機そのものが海外では珍しいんですね。そういえばセブンティーンアイスの自動販売機ってどんな風だったっけ、と思われている方もいるかもしれないので、改めてアイスの買い方をおさらいしておきましょう。

▲JR立川駅 07・08番ホーム(南武線)に設置されている自動販売機
▲JR立川駅 07・08番ホーム(南武線)に設置されている自動販売機

まずはお金を入れて……

食べたいフレーバーのボタンをスイッチオン!今回はチョコミントをチョイスしてみました。

ガタンッ!という音とともにアイスが落ちてきます。

たったこれだけ!とっても簡単ですよね。

アイスとはいえ、普通の自動販売機と買い方は全く同じ。これなら日本の自動販売機に慣れていない外国人観光客の方でも、簡単に買うことができるはずです。

セブンティーンアイスの人気フレーバーランキング

セブンティーンアイスの人気フレーバーランキング

福田:セブンティーンアイスの自販機はどの国の人達に人気なのですか? 

遠藤さん:実はまだ、そこまでのデータは取れていないんです。むしろ今年2017年が本格的に海外の方に向けて打ち出していくスタート元年。もっと多くの外国人旅行者の方に食べていただけるような取り組みを始めたところです。

福田:そうなんですね!具体的にどのようなことをされる予定ですか?

遠藤さん:自動販売機の各フレーバーのパネルに「QRコード」をつけました。それを読み込むと韓国語、中国語(簡体字・繁体字)、英語、日本語といった5カ国語で、商品の説明が読めるようになっています。写真を撮るだけでなく実際に食べていただきたいので、味や成分を自国語で確かめ、不安感の払しょくにつなげられたらと考えています。やはり口にしたことのない食べ物はちょっと怖いでしょうから。

福田:優しい心づかいですね!ちなみに遠藤さんの感触として、外国の方に人気のフレーバーはどれですか? 

遠藤さん:外国人の方が大勢購入されている道頓堀の自動販売機のデータになりますが、以下が外国人の方の人気順位とおおよそ近いのではないかと思われます。

<大阪・道頓堀の売上げ順位(2016年)>

1位:チョコミント
2位:クッキー&チョコチップ
3位:抹茶
4位:クッキー&クリーム
5位:とちおとめ苺

遠藤さん:ちなみに、国内売り上げ順位ベスト5のフレーバーがこちらです。比較すれば、外国人の方が選ぶフレーバーの特徴が見えてくると思いますよ。

<全国フレーバー別売上げ順位(2016年)>
1位:ワッフルコーンショコラ
2位:クッキー&クリーム
3位:ワッフルコーンバニラ
4位:とちおとめ苺
5位:ベルジャンショコラ

福田:被っているのはとちおとめ苺だけですね。私、チョコミントが一番好きなんですけれど、全国だと1位ではないのですね! 

遠藤さん:私もです(笑)。そのチョコミント、そして抹茶が道頓堀では上位に入っているというのがポイントです。

▲ぐりこ・や道頓堀店周辺の自販機 チョコミントと抹茶が2パネルも!
▲ぐりこ・や道頓堀店周辺の自販機 チョコミントと抹茶が2パネルも!

おそらくチョコミントは自国で食べ慣れているフレーバーなので人気があるのでしょう。次いで抹茶は、日本に来たからこそ買って試している、という感じかもしれません。チョコミントが全国の売り上げにランクインしていないのは、そもそも日本人にあまり馴染みないのが理由かなと。「安心して食べられそう」なフレーバーが、外国人の方々に選ばれているのではないでしょうか。

意外と知られていない!セブンティーンアイスの誕生秘話

福田:そもそも、セブンティーンアイスの自販機っていつ頃できたのでしょうか?

遠藤さん:セブンティーンアイス自体は、1983年に誕生しました。はじめは自動販売機ではなくて、他のアイスと同じように、駄菓子屋さんのアイスケースに入れて売られていたそうです。

福田:え、そうなんですか!? では自動販売機で売るようになったのはいつ頃からですか? あと、どのような理由で設置に至ったのでしょうか?

▲1980年代に設置されていたセブンティーンアイスの自動販売機
▲1980年代に設置されていたセブンティーンアイスの自動販売機

遠藤さん:セブンティーンアイスは文字通り、17歳の高校生をターゲットにしたブランドとして生まれました。当時のアイスクリームって、子どもの食べ物だったんですよね。それで高校生や大人にもアイスクリームを食べてほしいという思いを込めて作ったんです。

福田:でも高校生や大人は駄菓子屋さんにあまり行かないですよね……。

遠藤さん:そうなんです。だから全然売れなくて。もう辞めようかとなったときに、「アイスが売っていない場所で販売するのはどうだろう?」という話が出て、発売から2年後となる85年に、日本初のアイスクリーム自動販売機が設置されました。当時はすごい驚きだったんじゃないかと思います。

▲スティックに空けられたこの穴により、アイスが溶けても落ちにくいのだとか!
▲スティックに空けられたこの穴により、アイスが溶けても落ちにくいのだとか!

タイで品薄状態に!海外でも人気のセブンティーンアイス

福田:ちなみにセブンティーンアイスは海外展開もしているのでしょうか?

▲写真左がタイで販売されているセブンティーンアイス 「チョコクッキー」 右が「チョコミント」
▲写真左がタイで販売されているセブンティーンアイス 「チョコクッキー」 右が「チョコミント」

遠藤さん:自動販売機を展開しているのは、日本だけです。やはり管理が大変なので海外ではなかなか……。でも、タイではセブンティーンアイスのチョコミントとクッキーバニラを買えるんですよ。その他にも、日本で人気の高い「ジャイアントコーン」「パリッテ」「パナップ」の計4ブランドを各2種類ずつ、発売しています。

日本で一番セブンティーンアイスが売られている場所は?

福田:日本には今現在、何台くらいの自動販売機が設置されているのでしょう? 

遠藤さん:2万台強です。全国のアイスクリーム自動販売機(他社含む)の設置台数が約2万7千台なので、その多さが伝わるかと思います。ところで、日本で一番売り上げの良いセブンティーンアイスの自動販売機は、どこに設置されているかご存じですか?

福田:え~浅草?それとも、東京ディズニーランド?

遠藤さん:実は……「姫路城」です!一般的なセブンティーンアイスの自販機に比べ、30倍もの売上げがあるんですよ。

▲兵庫旅行の際に福田が撮影した姫路城
▲兵庫旅行の際に福田が撮影した姫路城

福田:えー!意外というかミスマッチすぎます。なぜ姫路城なのでしょう? 

遠藤さん:姫路城の城内にある売店に自販機を設置させていただいております。城を登って、降りてきたときに目に入る自販機です。だから、歩き疲れて一休みしたいと思ったら目の前にセブンティーンアイス、という状況なんです。それが大きいんだと思います。

春夏限定シャーベットも。シーズンごとに限定商品も展開

福田:セブンティーンアイスって、シーズンごとに売っているフレーバーが変わっているのでしょうか?もうチョコミント一筋すぎて……。

▲写真左が2016年秋冬限定の「チョコレートチーズケーキ」 右が「ストロベリーショートケーキ」
▲写真左が2016年秋冬限定の「チョコレートチーズケーキ」 右が「ストロベリーショートケーキ」

遠藤さん:チョコミントは定番ですからね(笑)。季節限定商品もありますし、随時新商品も出しています。こちらは2016年秋冬限定の「チョコレートチーズケーキ」と、「ストロベリーショートケーキ」ですね。このソースの入り方も縦だったり、らせん状だったり、いろいろなバージョンがあるんですよ!

▲写真左が2017年春夏限定の「ピーチ&ラズベリー」 右が「みかんシャーベット」
▲写真左が2017年春夏限定の「ピーチ&ラズベリー」 右が「みかんシャーベット」

遠藤さん:こちらは2017年春夏限定の「ピーチ&ラズベリー」と、「みかんシャーベット」。セブンティーンアイスのメインターゲットは流行に敏感な世代でもありますし、そのときの気持ちやシーンに合うアイスを、と考えていますので、中身やパッケージを少しずつ進化させています。

福田:ロングセラーの秘訣はそこにあったんですね。新しいフレーバーも食べないとですね!

国内に3台しか設置されていない! セブンティーンアイス 「サイバーベンダー」

遠藤さん:ところで、日本に3台しか設置していないセブンティーンアイスの「サイバーベンダー」という自動販売機をご存じですか? 

福田:サイバーベンダー……ですか?

▲人気アーティストと一緒に踊れると話題の「サイバーベンダー」
▲人気アーティストと一緒に踊れると話題の「サイバーベンダー」

遠藤さん:関東なら「ラゾーナ川崎」、関西なら「あべのキューズモール」、あと「名古屋パルコ」にも設置されています。(※2017年5月現在) 人気アーティストと一緒に踊れる自動販売機で、若い人たちや外国人の方からとても好評なんです。

遠藤さん:遊び方は簡単で、購入したいフレーバーを選んだら、画面上で一緒に踊りたいダンスメンバーを選択します。すると、音楽が流れ始めるので、あとは選択したメンバーと一緒に楽しく踊るだけ。終了後に表示されるQRコードを読み込めば、先ほど踊っていた様子を動画でチェックすることもできます。

福田:「TRF」と「AAA」、「Da-iCE」って、すごく豪華なユニットですね!え~私、これ絶対に踊れない!(笑)でも友だちとやったらおもしろそうです! 

遠藤さん:みんな動画を撮り合ったりして楽しんでいるようなので、ぜひお近くに行ったらやってみてくださいね!

外国人を魅了する工夫に満ちた自動販売機

外国人を魅了する工夫に満ちた自動販売機

甘いもの欲がアイス欲に完全にすり変わったところで取材は終了(ひとつご馳走になったのに!)

海外から来られた方にとっては、滅多に体験できない「アイスクリームを自動販売機で買う」というコト体験。それこそが人気の秘密だったようですね。そして、大阪・道頓堀に設置されている自動販売機の売り上げから考えて、外国人に一番人気のフレーバーは「チョコミント」だということもわかりました。もし海外からご友人が来られたら、観光案内の途中でセブンティーンアイスの自動販売機に立ち寄ってみれば、すごく喜んでもらえるはずです。

私にとっても思い出のアイスとなりかけていたセブンティーンアイスが、この取材で現役アイスに完全復活いたしました。この夏、たくさんお世話になりそうです。

福田真木子
きものとお山をこよなく愛するビューティーライター。どちらも初心者、ご一緒してくださる方募集中です。きものだけインスタやっています。→ @mackeykimono_325

写真:ポメラニアン高橋

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