自転車を使って、普段とは異なる視点から街を巡ることのできるユニークなサービスがある。最近、各エリアの自治体を事業主体として、日本の大手携帯電話会社NTTドコモの子会社であるドコモ・バイクシェアが運営する「自転車シェアリングサービス」の登場をきっかけに、街のサイクリングが飛躍的に注目を集めている。ツアーなどで歩いたりバスを使ったりして巡る観光の在り方とは大きく異なり、直に風を感じたり、太陽の光を浴びたりしながら、バスや電車内の混雑に巻き込まれることもなく、それぞれのペースでゆっくり観光を楽しむことができるのだ。今回、私も実際に一台自転車を借りて観光に出掛けてみることにした。
(2017年2月15日~2月28日サービス利用)
バイクシェアサービスとは
自転車シェアリングサービスでは、東京だけでなく横浜、・神戸・仙台・広島・甲州・岐阜・東北・尾道・沖縄など日本各地多くのエリアに「コミュニティサイクル」として同様のサービスを展開。東京都内では、千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、江東区内ならどこでも簡単に自転車シェアリングサービスの利用が可能。自転車シェアリングサービスを利用することで、東京タワーや皇居、レインボーブリッジなど風を感じながら自身の足で手軽に巡ることができるのだ。
バイクシェアの利用方法
バイクシェアの利用は、驚くほど簡単で価格も非常にお手頃。訪日旅行者に嬉しいサービスであるばかりでなく、多くの日本人にも利用されているようだ。自転車のレンタルにはメンバー登録を要するが、オンラインで24時間いつでも登録手続きが可能。バイクシェアアプリをダウンロードしておくと、サービスをよりいっそう楽しめる。
登録を済ませたら、登録時に発行されるパスコードや登録済みICカードを使用してどこでもレンタルが可能となる。また、レンタルにはクレジットカードでの支払いが必要だ(1日パスは現金やICカード払いも可)。
バイクシェアアプリを使えば今どこでレンタルができるのか容易に調べることができる。同サービスの優れたポイントは、何と言っても24時間いつでも好きなときにレンタルができることだろう。
登録が済んだら、サイクルポートに停車しているどの自転車を借りてもOK。しかも24時間利用可能だ。サイクルポートはアプリで簡単に検索できる。
バイクシェアの料金システム
バイクシェアは、一日の利用から、長期的な利用に最適な月ごとのレンタルまで用途に応じて使用が可能。その他プランの詳細については、日本語・英語の二言語展開で詳細な説明が掲載された、バイクシェア のオフィシャルサイトを参照しよう。同サイトでは、レンタル可能なエリアについても検索が可能だ。サイトを少し読み進めただけで、初めてバイクシェアを利用した私でも簡単にシステムを把握できた。
“マイペース”な旅には自転車が最適
日本には、各々のやり方、各々のペースで物事を進める意味合いの「マイペース」という和製英語が存在する。集団行動を重んじる日本においては、「マイペース」は若干その在り方に反するかもしれない。ただ、多くの人が各々の人生を「マイペース」で生きたいと考えるのも事実だろう。そして、この「マイペース」の精神こそが自転車を使った観光によりフィットした考え方だ。私も、普段どこかに出かけるときは多くを決めず旅に出るようにしている。もちろん観光ツアー等が人気を集める理由も理解できるのだけど、道中目に留まった場所を気分の赴くまま旅をした方が、行く先々で思いがけぬ出来事に遭遇がしたり、新たな発見ができるから、私のスタイルに合っているのだ。だから今回のように自転車を借りて観光に出掛けるのは、私みたいにマイペースな旅を好む人にはぴったりのサービス!
東京駅周辺を自転車で散策
今回の体験は、有楽町駅からスタート。バイクシェアアプリで検索したら、駅のすぐ近くに赤い自転車が並ぶ駐輪場を見つけることができた。ひとつ自転車を選び、まずは皇居に程近い日比谷公園へ出発!ひっきりなしに車が行き交う車道と皇居のお堀に挟まれた道を走ると、近代的な都会の街並みに情緒溢れるピースフルな空気が同居した、東京ならではの雰囲気を味わうことができた。今回は日比谷公園の中までは入らなかったが、お堀に沿って走る道中、鳥の鳴き声や花の香りを感じられた。普段は一般的な自転車をメインに乗っているのだが、今回は電動自転車に乗ってみた。広い道路を走るなら、電動自転車を利用するのも良さそうだ。
サイクリングを始めて少し時間が経ち、小腹が空いてきたので、レストランを探しに東京駅近くのショッピングセンターを目指した。お店を探そうとペダルを漕ぎ始めてまもなく、駐輪場を見つけたので、ご飯を食べ終わるまでそこに自転車を停めておくことにした。なお、レンタル中の自転車でも、実際に指定された場所に返却するまで他の誰かに使用されることはないので、街の一般駐輪場に駐車しても問題はない。ただし、一般的に駐輪場以外は駐車禁止なので、くれぐれも自転車は定められた駐輪場に停めよう。
腹ごしらえを済ませたあと、花見スポットとして有名な千鳥ヶ淵の周りを巡った。桜のシーズンにはまだまだ程遠い時期であったものの、桜なしでも十分に美しい景観を楽しむことができた。また、道中、皇居内にある科学技術館やイギリス大使館を通りかかった。その後、南に方向を変え、東京タワーを目指した。何度も通ったことのある道でも自転車で通ると景色が違って見えた。あっという間に日は暮れ始め、買い物と喫茶店に寄るため、銀座を目指した。自転車を走らせるうちに日は完全に沈み、あたり一面東京の夜景に包まれ、私はレンタルしていた自転車に別れを告げた。
渋谷・原宿・表参道を巡る春のサイクリング
自転車のレンタルの仕組みについてはお分かり頂けたでしょうか。きっとみなさんも乗ってみたくなったのでは?
最後に、私から渋谷エリアを中心にしたサイクリングプランのご提案。
1.表参道で自転車をレンタルして表参道周辺を巡る。
人気のお店が立ち並ぶ通りなので、買い物を楽しむ。
2.渋谷を目指し東に進む。さらに買い物やランチを楽しむ。
3.北に向かい代々木公園を目指す。ゆっくりリラックスしたり、遊んだり、花見シーズンには桜を楽しむのも良い。時間に余裕があれば、代々木公園そばの人気スポット明治神宮に行くのも良いだろう。
4.自然を楽しんだあとは、代々木公園を東側出口から出て若者や観光客で賑わう原宿に。名物のクレープを食べたり、あたりを散策して楽しもう。
5.さらに少し東に進み、ワタリウム美術館を訪問。現代美術を楽しむ。
6.表参道へ戻り自転車を返却するも良し。東京の夜景を心行くまで味わうも良し。旅の主役は観光者自身だ。
東京観光にはやっぱり自転車!
東京の街を肌で感じながら観光をしたい方には、バイクシェアはうってつけのサービスだろう。一人でも、友人や家族を連れてでも、自転車とともに唯一無二の旅に繰り出そう。
アメリカのマサチューセッツで育ち、新たな冒険と、おいしい緑茶を探しに日本へやってきました。様々なことを追求し、そして書くことを通じて、大都市・東京で私だけの生き方をみつけることができました。
※価格やメニュー内容は変更になる場合があります。
※特記以外すべて税込み価格です。
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