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2月3日は節分。スーパーに行けば、豆や鬼のお面など節分にちなんだ商品が並んでいます。自宅や職場で豆まきをするという人もいるでしょう。最近はその年の恵方(歳徳神なる神様のいる方角)を向いて食べる「恵方巻」が人気ですよね。節分は日本で古くから続く風習であり、受け継がれるべき伝統ともいえます。
ところで、この節分、以前ネット上では「節分の日は年に4回ある」という噂が……。「え、じゃあ何回豆まきするの!?」と思った人、そういうことでもないみたいです。
では改めて、節分っていったい何なのでしょう? いつ? 由来は? など、節分にまつわる疑問を調べてみました。
節分にまつわる5つの疑問!
・節分の日は年4回あるって本当?
・年4回なら、どうして2月だけが注目されているの?
・なぜ、豆をまくようになった?
・豆まきの風習はいつから始まった?
・日本独自の節分文化。外国人は節分をどう思っている?
節分の日は年4回あるって本当?
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まずは、節分が本当に年4回あるか、調べてみましょう。節分について、『日本国語大辞典』(小学館)には次の通り記載されています。
「季節の変わり目。それぞれの季節の分かれる日。立春、立夏、立秋、立冬の前日をさす。せちぶ。せちぶん」
やっぱり、節分は年に4回あるのです!立春(2月4日頃)、立夏(5月6日頃)、立秋(8月8日頃)、立冬(11月8日頃)の前日。節目を思わせる「節分」という字面からも納得ですね。
節分の日は年4回なら、どうして2月だけが注目されているの?
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ではなぜ、立春の前日である2月3日の節分だけが注目されているのでしょうか。前述の『日本国語大辞典』には続けてこう記されています。
「特に立春の前日。四季のうち、冬から春になる時を一年の境と考えた時期があり、大晦日と同類の年越行事が行われる」
「特に」とあるだけで、節分が2月だけになった理由はわかりません。ほかにも辞典や節分を説明する本を調べたところ、ほとんどがはっきりしませんでした…。
しかし、ある児童書には「旧暦では大晦日にあたり、特に大事な日になった」というようなことを書かれていました。現代でもお正月は一年で最も大きな節目の日であるように、旧暦のお正月にあたる2月3日のみを重んじるようになったのは、自然な流れなのかもしれません。
なぜ、豆をまくようになった?
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さて、節分の日といえば「豆まき」。なぜ、節分には豆を撒くのでしょうか。
調べてみると、一説には、豆を「魔滅(まめ)」と書いて、鬼を豆で滅ぼすという語呂合わせといわれています。
ですが、節分の夜に膳を供え寝床を敷いて鬼を泊めるという風習が残る地域もあることから、鬼は福をもたらす訪れ神であり、豆は神へのお供え物とも考えられるようです(三省堂『三省堂年中行事事典』より)。
豆まきの風習はいつから始まった?
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それではこの豆まき。いつ、どのように始まったのでしょう?
先ほどの『日本国語大辞典』によると、「大晦日と同類の年越行事が行われる」とは言いますが、この「年越行事」が豆まきなのでしょうか。
『国史大辞典』(吉川弘文館)には節分について次のように説明されています。
「節分の日の夜は陰邪の悪鬼を追い払って陽神を迎える追儺の行事が行われる」
「追儺(ついな)」とは、『国史大辞典』によると、大晦日に宮中で行われた年中行事の一つ。元々中国で行われていた儀式で、方相氏(ほうそうし)と呼ばれる術師が黄金四つ目の仮面をかぶって矛と盾を持ち、臣下を率いて鬼を追い払ったとか。これが豆まきの原型なのです。
さらに、「後世になると節分と追儺が結びつくようになった」と説明されています。そのため、現在でも2月3日の節分でのみ豆まきが行われているようです。
日本独自の節分文化。外国人は節分をどう思っている?
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日本に古くから伝承されている節分。外国人の目からは、どのように映っているのでしょうか。節分について、こんな感想をもらいました。
――アメリカ人/30代/男性
「初めて聞いたとき、『とっても変な風習だなぁ!』って思った。鬼に豆をぶつけて退治できるのか不思議。アメリカでは、“鬼=デビル”だから怖いイメージかな。でも、日本の鬼は昔話でもよく出てくるし、庶民的というか、ちょっと子どもっぽい感じがするよ」
確かに、よく考えると豆程度で逃げる鬼って、あまり怖くないかも…。反対に、こんなコメントも。
――ドイツ人/20代/女性
「神話や中世ヨーロッパの昔話にも似たような物語があるから、実は珍しくないかも。例えば吸血鬼はニンニクが苦手だから、豆で鬼を追い払うのと近そう。ハロウィーンもそうだね。あとは、年末年始の花火も、鬼などを追い払うためといわれているの。だから、どの文化でも、鬼を追い払う慣習ってあるのだと思う」
旧暦の大晦日、節分。さあ、しっかり豆をまいて新年に福を呼び込みましょう。
林らいみ
硬派の歴女。編集プロダクションを経てフリーライターに。大学院で日本史を学ぶも、ネガティブな性格とトラウマのために使える武器を使わない。たまに決心して歴史系記事を書く。
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