伝統的な日本家屋といえば、畳をイメージする人も多いはず。畳とは長年にわたって日本家屋で用いられてきた、イグサで作られたフローリングのこと。また畳の大きさには一定の基準があり、何枚の畳が収まるかによって部屋の広さを表すのも日本では一般的だ。
畳の素材
かつて畳は藁で作られていた。またもともとは芯まで藁が詰まっていたが、現在ではウッドチップ材の板や発泡スチロールを土台とする畳が一般的だ。
畳の表面はイグサという素材で覆われており、その柔らかな肌触りが、寝るのにも座るのにも、そして歩くのにも快適。なお現在、ほとんどの畳は機械で製造されているが、かつては手作業でイグサを編む畳職人が大勢存在していた。
畳の歴史
初期の畳は現在のものとは異なり、薄く畳めるシートのようなものだった。この「畳む」という動作が、「畳」の名前の由来となっている。また長らくは金持ちや貴族の家だけで用いられていたものだった。しかも金持ちですら、部屋中に畳を敷き詰めることはできなかったという。15世紀頃には畳を敷き詰めた「座敷」と呼ばれる部屋が流行となり、同時に座敷における作法も確立されていった。ただし一般の大衆まで畳が普及するのは、17世紀頃になってからのことだ。また、現代では「和室」と呼ばれる畳の部屋を1室だけ備えている家が多い。
畳の大きさと配置
畳のサイズは地域によって異なる。たとえば東京の畳は、京都のものよりもやや小さい。そのため一般的に茶室の広さは4畳半だが、首都・東京の茶室よりも、古都・京都の茶室のほうが広いということになる。
さらに畳の配置によって、部屋の広さを変えることもできる。たとえば茶室は、冬には暖房のための火床を部屋の中央に設置するため、畳の配置換えが行われる。ただし、畳の並べ方によっては不運が舞い込むとされているため、配置換えは慎重に行われる。
畳の間でのマナー
日本の家にあがる際に、靴を脱いでスリッパに履き替えることは多くの人がご存知のはず。ただし畳の部屋に限っては、スリッパはNG。畳は掃除機やほうきで掃除するのがなかなか大変なため、清潔に保つために裸足か靴下で入ることが正式なマナーとなっている。畳の部屋の前では、必ず靴を脱ぐ習慣をつけておこう。
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