世界中にはたくさんのスポーツが存在しています。皆さんも、国際大会で各国のスポーツ選手が活躍する姿を見て、感動の涙を流したことがあるでしょう。
しかし、そのスポーツがどの国で生まれたものなのかを考える機会はあまりないかもしれませんね。サッカーはイギリス、野球はアメリカ……。もちろん日本で生まれたスポーツもありますよ!
柔道や剣道などの武術はパッと思い浮かぶものの、それ以外となるとピンと来ないかもしれませんね。今回は「えっ、それ日本発祥!?」と驚いてしまうかもしれない意外なスポーツ5種を紹介。その歴史を紐解いていきます。
「駅伝」は日本書紀にも登場するほど古い!?
数人が長距離をリレー形式で走り、そのタイムを競う陸上競技「駅伝」。国際陸上競技連盟では国際名称を「Road relay」としていますが、日本発祥であることからそのまま「Ekiden」と呼ばれることが多いようです。
誕生したのは1917年。東京遷都50周年記念として行われた「東海道駅伝徒歩競走」が、競技として最初の駅伝と言われています。京都の三条大橋を午後2時に出発し、東京の上野不忍池までの23区間、約508kmを昼夜問わず走り抜けるというルート。この開催にあたり当時の大日本体育協会副会長である武田千代三郎が競技名を駅伝と名づけたそうです。
駅伝という言葉自体は、日本書紀にも記載されているほど古いものです。当時、首都と地方の間の道路に30里(約16km)ごとに置かれた中継所のことを駅と呼んでいました。ここに宿泊施設や人馬を配置し、駅に朝廷の使者が到着すると、次の駅まで乗り継ぎの馬を用意するという仕組みが「駅伝貢進」。
つまり、これが駅伝の名前の由来。日本古来の言葉を名前に採用した、珍しい競技とも言えます。
「ゲートボール」は子ども達のために作られた!?
「ゲートボール」は、5人1組の2チーム対抗で行われるクロッケーを元に作られたスポーツです。持ち玉を指定された順番にゲートくぐらせ、ゴールポールに当てたら勝利となります。
1947年、北海道芽室町で製パン業を営んでいた鈴木栄治により、戦後の物資不足の中で遊び道具もない子ども達のために「何か健全なスポーツはないものか」と考案したのが発祥。
しかし、高度経済成長期に高齢者向けスポーツとして爆発的に流行。近年では、あまりにも「老人のスポーツ」の代名詞化してしまったため、2人制と3人制の競技に限り「リレーション」と改名され、若者への普及をはかっているらしい。現在では世界大会も数多く行われ、アジア各国を中心に盛り上がりを見せています。
「ソフトテニス」は130年以上の歴史が!
硬式テニスはフランス貴族の遊戯から生まれたスポーツですが、「ソフトテニス」は日本が発祥のスポーツです。
明治初期に英国から硬式テニスが伝わってすぐに、日本人に合わせた独自の軽いラケットやゴムボールが開発され、これがソフトテニスの始まりと言われています。その歴史は意外と古く、なんと130年以上にもなるのだとか。
道具の違いだけでなく、ダブルスのみの競技として発達してきたこともソフトテニスの特徴です。(後にシングルスも採用されました)近年、欧州で積極的な布教活動が行われた結果、国際大会も開かれるようになり、正式なラケット競技として世界的にも認められる存在になりました。
しかしその反面、現在の日本国内ではマイナー競技という意識があることも事実。オリンピックの正式種目でないことや、日本国内にプロ選手が存在しないこと。さらに硬式テニスの急速な大衆化も原因と言われています。日本発祥のスポーツとして、国をあげてもう少し盛り立ててあげてほしいですね。
「競輪」は五輪種目の「ケイリン」に進化!
1948年に日本で生まれた「競輪」は、2000年に開催されたシドニーオリンピックから「ケイリン」の名で正式種目として採用されています。
競輪は自転車競走の結果を賭けの対象とする、日本発祥の公営競技の一つです。これがオリンピック種目として世界中に認知されるようになった背景には、当時競輪選手であった中野浩一の存在がありました。
1975年にデビューした中野は、1976年には自転車競技選手として世界自転車選手権にスプリントの選手として出場。翌年には史上初の日本人優勝者に輝きました。この功績を受けて、日本自転車競技連盟が国際自転車競技連合に同大会での"競輪"の開催を打診。その結果、1980年から世界自転車選手権で競輪が採用になったのです。
この時に大幅なルール変更を要したため「ケイリン」へと呼び名が変わり、競輪とは別競技と捉えられるように。
その後、日本自転車競技連盟が「ケイリン」のオリンピック種目採用を国際オリンピック委員会(IOC)に打診。2000年より見事、柔道に次ぐ日本発祥のオリンピック種目と相成ったのでした。公営競技からオリンピック種目になった競技は殆ど無く、世界でも稀な例と言われています。
マインドスポーツの代表「オセロ」も日本生まれ!
高い思考能力を用いて競われるゲームを一種のスポーツとしたものを「マインドスポーツ」といいます。そして、このマインドスポーツの代表格であるのがボードゲームの「オセロ」。1973年に日本の長谷川五郎が発表し、発売と共に玩具業界としては空前の大ヒットとなった商品です。
オセロという名称の由来は、シェイクスピアの戯曲「オセロ」から。黒人の将軍「オセロ」と白人の妻「デスデモーナ」の関係がめまぐるしく変わる戯曲であることから、長谷川の父親である長谷川四郎によって名づけられたそうです。
世界大会は1977年より毎年行われており、今年で40回を迎えました。現在でも、世界最強国は日本であり、なんと10年以上団体戦の優勝を守り続けています。
脳を筋肉として捉えるのであれば、頭脳をフルで使う高度なゲームであるオセロも、立派なスポーツの一種。名実ともに日本が誇る日本発祥のスポーツと言えるでしょう。
いかがでしたか? 日本で生まれたこれらのスポーツは、今や世界中で知られ、愛されているものばかり。2020年の東京五輪で世界から注目を集める今こそ、日本発祥のスポーツをアピールする大チャンス。もっともっとスポットライトを集めて欲しいものです。
1979年生まれの熟女ライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像技術者・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーとして活動を始める。好きな食べ物はプリン体を含む食べもの全般。卵の黄身だけは世の中で唯一食べられない。
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